アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価

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アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価 PI:松本 淳 CI:荻野慎也・森 修一・遠藤伸彦・久保田尚之・徐 健青
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アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価 2012.3.12 第1回DIAS-GRENE環境情報統融合合同研究報告会 @東京大学駒場リサーチキャンパス アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価 東京大学EDITORIA/大学院農学生命科学研究科 溝口勝 (分担機関/代表研究者) 首都大学東京/高橋洋 海洋研究開発機構/松本淳 農業・食品産業技術総合研究機構/田中慶 農業環境技術研究所/桑形恒男

先行DIAS研究との関係 4-7 アジアモンスーン域における水循環変動の解明とモンスーン変動予測向上への貢献 (代表研究者:松本 淳) 気候 出口研究としての農業を扱いきれていなかった + 4-8 安全な農作物生産管理技術とトレーサビリティの開発 (代表研究者:溝口 勝) 農業 アジアの詳細な気象データを入手できていなかった アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価 (本提案課題)アジアモンスーン地域に特化して、気候変動と農業を扱う!

研究の背景 アジアモンスーン地域の特徴 農業の適応策・緩和策 問題点 世界の人口の6割以上 農業国が多い 急速な発展 急激な土地利用変化 気候変動予測 温室効果ガスの制御 農耕地からのメタンや亜酸化窒素など 問題点 過去の気候資料が未整備(農業気象情報など)

研究の目的 アジアモンスーン地域の将来気候変動予測の信頼度を高める 気候変動に対する農業の適応策・緩和策のための基盤情報を構築する

期待される効果 アジアモンスーン域における研究基盤整備 気候変動将来予測に基づいて 人材育成 気候・農業環境情報を提供する DIASを利活用した成功事例をつくる 気候変動将来予測に基づいて 農作物への影響を予測する 適応策・緩和策のための基盤を構築する 人材育成 アジアモンスーン地域で若手研究者を育成する 地域連携ネットワークを形成する 国内の若手研究者に元気を与える

実施内容(概要) 1)アジアモンスーン地域の途上国における農業気象・気候データベースの構築 【気候研究-1】 2)アジアモンスーン地域の地表面状態の気候への影響評価 【気候研究-2】 3)アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の解明 【農業研究-1】【農業研究-2】 4)アジアモンスーン地域の気候変動に対する主要農作物の適応策・緩和策の策定のための基盤情報の構築 【農業研究-3】

実施体制 東京大学 【農業影響研究開発-1】 研究代表者:溝口 勝 海洋研究開発機構 首都大学東京 農業環境技術 研究所 農業・食品産業技術 DIAS 他課題との連携 東京大学 【農業影響研究開発-1】 実施内容:農作物に対する気候変動 影響の解明(現地観測・データ解析) 全体のとりまとめ 研究代表者:溝口 勝 (従事者の内訳) 研究員:3名 大学院生(修士/博士):3名/2名 ポスドク:1名 海洋研究開発機構 【気候変動研究開発-1】 実施内容:気候・農業気象 データベース整備 研究代表者:松本 淳 研究員:7名 技術院:1名 首都大学東京 【気候変動研究開発-2】 実施内容:地表面状態の 気候への影響評価 研究代表者:高橋 洋 教員:2名 ポスドク:2名 農業環境技術 研究所 【農業影響研究開発-3】 実施内容:農作物の適応・緩和策の提示のための基盤情報の構築 研究代表者:桑形 恒男 研究員:4名 契約研究員:1名 農業・食品産業技術 総合研究機構 【農業影響研究開発-2】 実施内容:農作物に対する気候変動影響の解明 (モデル開発) 研究代表者:田中 慶 分担機関4 分担機関1 分担機関2 代表機関 DIAS(気象観測データ、衛星データ、20世紀再現実験データ、CMIP5データ等)を利用した調査・研究実施 アジアモンスーン地域 気候変動研究技術者の育成 国際的連携 MAHASRI/AMY MARCO アジアモンスーン地域途上国留学生の育成 アジアモンスーン地域農業研究技術者の育成 分担機関3

アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価 溝口 勝 (東京大学)    アジアモンスーン地域における気候変動とその農業への影響評価      溝口 勝 (東京大学) 分担機関: 首都大学東京、海洋研究開発機構 農業・食品産業技術総合研究機構、農業環境技術研究所 概要 アジアモンスーン地域において、将来気候予測の信頼度を高め、予想される気候に対する農業の適応策・緩和策を策定できる基盤情報を構築する。 世界の人口の6割以上が居住し、農業国が多いアジアモンスーン地域において起こり得る気候変動を適切に予測し、それに対する農業の適応策・緩和策を構築することは重要課題である。本研究では、気候変動研究チームと農業影響研究チームが連携し、アジアモンスーン地域における基礎的環境情報の整備や気候変動将来予測に基づく農作物への影響予測、適応策・緩和策に資する基盤情報を構築する。 気候変動研究 農業影響研究 アジアモンスーン地域の途上国における農業気象・気候データベースの構築 【気候変動研究開発-1】 アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の解明 気象データと作物モデルを用いた評価システム 【農業影響研究開発-2】 ・ 長期間の信頼できる広域的気候農業気象データセット作成 現地調査に基づく評価システムの検証 【農業影響研究開発-1】 通常の気象観測では得られない農業気象 要素の推定 紙媒体の観測データのデジタル化 ・ 作付の実態調査 ・ シミュレーションと実際の 作付けの比較 ・ シミュレーションに基づく試 験栽培の実施  ・ 様々な条件下で栽培 シミュレーションを行う システムの構築 ・ 気候変動が作物生産 に与える影響評価 イネ栽培可能性 シミュレータ (ベトナム・フィリピン)高時間分解能を持つ気象データのリアルタイム取得とデータベース化 地表面熱収支モデル アジアモンスーン地域の気候変動に対する主要農作物の適応策・緩和策の策定のための基盤情報の構築 【農業影響研究開発-3】 ・ 農業気候シナリオデータの作成 現地観測 アジアモンスーン地域の地表面状態の 気候への影響評価 【気候変動研究開発-2】 DIAS ・ 農業気象・土壌・土地利用・農地管理に関わる 情報の収集と整備 ・ 農耕地における温室効果ガス収支に関する基 礎データの収集 ・ DIAS上の気候モデル出力と詳細の 地表面データの利用 ・ アジアモンスーン域の人為的な影響を 含めた、大気陸面相互作用の重要性 を明らかにする 適応策・緩和策の策定のための基盤情報 アジアモンスーン地域における基礎的環境情報の整備と政策決定への利用 気候変動研究や温暖化の適応策・緩和策研究を主導する若手研究者の育成 温暖化適応策・緩和策の実現に向け、農業セクターにおける有効な提言を行うための基盤情報の構築

1) アジアモンスーン地域の途上国における農業気象・気候データベースの構築 【気候研究-1】(海洋研究開発機構) 1) アジアモンスーン地域の途上国における農業気象・気候データベースの構築    【気候研究-1】(海洋研究開発機構) 海外共同研究機関 農業気象・気候データの収集,紙データのデジタル化 H23 ~ H24 自動気象観測装置による 観測(ベトナム・フィリピン) H24~26 地表面熱収支モデルの改良と日射量等農業気象要素の算出 H24 ~ H25 H25 ~ H26 データベース作成 グリッド化 地表面熱収支モデル DIAS 気候研究-2 農業気象・気候データベースの完成⇒公開 H26 ~ H27 農業研究-1, 2, 3

2) アジアモンスーン地域の地表面状態の気候への影響評価 【気候研究-2】 (首都大学東京) 2) アジアモンスーン地域の地表面状態の気候への影響評価     【気候研究-2】 (首都大学東京) 40年間の5月の降水量の長期変化 H23 ~ H24 複数の降水量データに共通する長期変動の抽出 増 減 気象データ 気候研究-1 地表面状態の設定 (衛星+現地+農業データ) EX. 土壌水分、湛水状態 H24 ~ H25 Takahashi (2011) 降水(森林伐採の影響) 農業データ 農業研究-2,3 CMIP3/5の地表面状態とモンスーンの再現性 増 H25 ~ H26 DIAS 減 Takahashi et al .(2010) H26 ~ H27 領域気候モデルでの地表面状態の気候への影響評価 インドシナの森林伐採を想定した 地表面状態(黒太線内)を設定。

3) アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の 解明-現地調査に基づく評価システムの検証- 【農業研究-1】(東京大学) 3) アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の 解明-現地調査に基づく評価システムの検証- 【農業研究-1】(東京大学) 共同研究のための事前調整 (タイ、インドネシア) H23 作付の実態調査と特徴把握 H24 ~ H25 イネ キャッサバ ホウレンソウ ホウレンソウ畑 天水田 作物モデルを用いた農作物の適地適作性(栽培可能性)の検討       適地適作性の検討のための栽培試験 気候研究-1 H25 ~ H26 キャッサバ畑 農業研究-3 農業研究-2 Webアプリケーション利用基盤の整備  H27 イネ栽培可能性シミュレータ

3)アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の 解明-気象データと作物モデルを用いた評価システムの構築- 3)アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の 解明-気象データと作物モデルを用いた評価システムの構築-   【農業研究-2】(農研機構) H23 ~ H24 作物モデル・品種パラメータ収集 (アジアモンスーン地域用) 既往成果 作物モデル Webアプリケーション 開発用フレームワーク (プログラムライブラリ) イネ 品種A イネ 品種B ・・・ ホウレンソウ キャッサバ ・・・ 発展途上国では灌漑設備が未整備で天水田が多い 水稲モデル(灌漑水田用)による栽培可能性予測 フレームワークの改良 H24 栽培シミュレータの実装 ・利用可能な気象データの種類により作物モデルの交換が可能な柔軟性 農業研究-1 H25 ~ H26 栽培シミュレータの実行       ↓ 気候変動の影響評価 気候研究-1 気象データ + 気候変動係数 検証 修正 H27 Webアプリケーションの実装  → DIASに配備 → 成果の還元 シミュレータの改良

4) アジアモンスーン地域の気候変動に対する主要農作物の 適応策・緩和策の策定のための基盤情報の構築 4) アジアモンスーン地域の気候変動に対する主要農作物の 適応策・緩和策の策定のための基盤情報の構築    【農業研究-3】 (農業環境技術研究所) 海外共同研究機関 パイロット試験地(タイ)での農耕地温室効果ガス測定 H23 ~ H26 気象・土壌・土地利用・農地管理に関わる情報の収集 H23 ~ H26 (現地観測) H24 ~ H25 農耕地の地温、土壌水分量のモデル推定データの整備 気候研究-1 農業気候シナリオデータの整備 H26 (適応策・緩和策の策定のための基盤情報) 農業研究-1, 2 気候研究-2 適応策・緩和策の策定のための基盤情報の構築 H27

H23年度の活動

H23年度の活動 国内の研究機関の研究基盤を確立する 対象国の研究機関との協力関係を構築する アジアモンスーン地域における気候、農業気象、土壌、土地利用、農地管理に関わる基盤情報を入手する 現地で利用されている作物モデルに関して調査する

1) アジアモンスーン地域の途上国における農業気象・気候データベースの構築 【気候研究-1】(海洋研究開発機構) 1) アジアモンスーン地域の途上国における農業気象・気候データベースの構築    【気候研究-1】(海洋研究開発機構) H23年度の成果:東南アジア諸国の農業気象・気候データの収集、紙データのデジタル化の推進、フィリピンにおける日射観測の開始、AWSデータ転送の実施、ベトナムにおける日射観測の実態把握、フィリピン・ベトナムにおける雷観測実施場所の調査・現地研究機関との共同研究開始 半旬番号 デジタル化データによるフィリピンの雨季開始時期復元 フィリピン・ラワークに設置した放射計のデータ

Available global datasets are preliminary checked: 2) アジアモンスーン地域の地表面状態の気候への影響評価     【気候研究-2】 (首都大学東京) Available global datasets are preliminary checked: Satellite- and ground-based precipitation, Atmospheric Reanalysis (high resolution and long-term), Sea surface Temperature, Soil moisture Thermally-induced local circulation due to surface condition changes was strongly associated with the regional precipitation changes (Takahashi et al. 2010)

3) アジアモンスーン地域の主要農作物に対する気候変動影響の 解明-【農業研究-1】(東京大学)【農業研究-2】(農研機構) 主要作物モデル調査 地域: タイ、インドネシア 作物: イネ、キャッサバ、トウモロコシ、サトウキビ、アブラヤシ、天然ゴム 方法: 文献収集、インタビュー、 分析 現地調査 タイ(チェンマイ、ラーチャブリ) モニタリング装置(FMS)の設置 タイ、インドネシア、フィリピン サーバ構築 気象データ格納用 5 sets (2011) -2 in Thailand -2 in Philippine -1 in Indonesia 2 sets (2012) -2 in Vietnam

1.農業気象・土壌・土地利用・農地管理に関する情報収集に着手 4) アジアモンスーン地域の気候変動に対する主要農作物の 適応策・緩和策の策定のための基盤情報の構築【農業研究-3】 (農業環境技術研究所) 1.農業気象・土壌・土地利用・農地管理に関する情報収集に着手 2.関連プログラムや気象・土壌データなどの整備を開始(【気候変動研究開発-1】と協力) 図:農耕地の地温、土壌水分量の推定モデル 【農業影響研究開発-3】の研究成果(平成23年度) 1.アジアモンスーン地域における農業気象・土壌・土地利用・農地管理に関する情報収集に着手した。 2.【気候変動研究開発-1】(JAMSTEC)と協力して、農耕地の地温、土壌水分量の推定モデルなどのプログラムや気象・土壌データなどの整備を開始した。 3.タイJGSEE(エネルギー・環境に関する連合大学院大学)と共同で、農耕地に温室効果ガス収支計測するためのパイロット試験地をバンコク近郊に設定した。 3.タイの農耕地に温室効果ガス収支計測するためのパイロット試験地を設定(バンコク近郊、JGSEEと共同) 19 19 19

国内会合 第0回 第1回 第2回 日時:2011年9月17日 場所:首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス 日時:2011年11月8日 日時:2012年1月27日

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キックオフ国際会議 The First International Workshop of Climatic Changes and Their Effects on Agriculture in Asian Monsoon Region Date: March 3-5, 2012 Venue: Asia Hotel 296 Phayathai Road, in front of Ratchathewi Skytrain Station, Bangkok 10400, Thailand

キックオフ国際会議の参加者

現地見学会(2012.3.5; タイ)

アジアモンスーン地域における 農業の適応策・緩和策例 SRI (インドネシア) 輪作 (タイ)

インドネシアにおける緩和策・適応策 SRI System of Rice Intensification in Indonesia Budi I. SETIAWAN (IPB) Masaru MIZOGUCHI (UT) Satyanto K. SAPTOMO (IPB) Ardiansyah (UNSOED) Chusnul ARIEF (IPB/UT) Gardjito (IPB) Eiji YAMAZI (UT) Ryoichi DOI (UT) Testu ITO (X-Ability) BiS GREENE-CAAM, Bangkok 3-5 Mar 2012

GREENE-CAAM, Bangkok 3-5 Mar 2012 SRI PADDY FIELD? BiS GREENE-CAAM, Bangkok 3-5 Mar 2012

SRI FARMERS: Free from debt and live with prosperity. BiS GREENE-CAAM, Bangkok 3-5 Mar 2012

Rice-Rice Rice-Soybean 東北タイにおける適応策 輪作体系の見直し Rice: early maturity, increasing number of unfilled grains Rice-Rice Soybean: early maturity, shortening grain filling stage, decreasing grain weight Rice-Soybean

Farmers adapted to climate change The farmer who has paddy fields near the water reservoirs (weir, pond) irrigated the paddy fields for planting and supplementing water in case of no rain during summer season. (Change rainfed farming to partial irrigated farming, limiting planted area)

Buriram Province Before year 2000 Existing cropping system in Satuk district, Buriram Province: February June November Planting sesame Harvesting sesame Planting rice Harvesting rice Sesame Rice Summer season Rainy season Under rainfed condition Sesame growing received water from slightly rain during summer (Feb-April) and early rainy season.

New Cropping Systems July November June Planting rice Harvesting rice Planting cassava Harvesting cassava Rice Cassava Rainy season Winter season Summer season Cassava growing used residual soil moisture and receiving rainfall during early rainy season (6 months harvesting).

New Cropping Systems July November January Planting rice Harvesting rice Planting vegetables Harvesting vegetables Rice Vegetables Rainy season Winter season Vegetables growing used residual soil moisture for 2 months (drought escape)

Rice was replaced by sugarcane

Peanut was replaced by cassava

Peanut was replaced by vegetables

รูปงา ในอดีต

研究の目的 アジアモンスーン地域の将来気候変動予測の信頼度を高める。 【気候研究】 アジアモンスーン地域の将来気候変動予測の信頼度を高める。 【気候研究】 気候変動に対する農業の適応策・緩和策のための基盤情報を構築する。 【農業研究】 【目標】 実践的な農業の適応策・緩和策

ありがとうございました ขอบคุณคุณ Terima kasih salamat sa inyo Cảm ơn bạn 谢谢 Thank you