技術センター原爆放射線医科学研究所部門 第二技術班 菅 慎治 X線照射装置の出張出力測定 技術センター原爆放射線医科学研究所部門 第二技術班 菅 慎治
はじめに 医歯薬総合研究科RI研究共同施設からの依頼で自然科学研究支援開発センター・生命科学実験部門・動物実験部に設置されている小動物X線照射装置の出力測定を行った
小動物X線照射装置 日立実験用小動物X線照射装置 MBR-1505R ベリウム窓X線管 最大定格出力 150kVp連続 日立実験用小動物X線照射装置 MBR-1505R ベリウム窓X線管 最大定格出力 150kVp連続 最大定格電流 5mA連続 水冷式
附属フィルター 0.5Al + 0.1Cu(通常照射使用) 0.5Al 1.0Al 1.0Al + 0.2Cu
日立実験用小動物X線照射装置 (MBR-1505R) フィルターセット位置 照射台
測定器 JARP型電離箱(応用技研 C-110 0.6ml) イメージングプレート (富士フイルムBAS-IP MS 2040) 放射線医学総合研究所で所持する国家2次標準電離箱と比較校正を行なっている電離箱であり, 3次標準として中国地方医療照射場の測定の基準となっている イメージングプレート (富士フイルムBAS-IP MS 2040)
JARP型電離箱 線量計本体 応用技研(AE-132a) 電離箱 応用技研(C-110)
イメージングプレート 富士フィルム BAS2000 イメージングプレート (富士フイルム BAS-IP MS 2040)
測定方法
JARP型電離箱 小動物X線照射装置の標準測定条件 ・管電圧 150kV ・管電流 5mA ・照射距離 35cm 小動物X線照射装置の標準測定条件 ・管電圧 150kV ・管電流 5mA ・照射距離 35cm での照射場中心の線量率を測定した
イメージングプレート 照射場のX線場のプロファイル測定 (イメージングプレートの読み出しには遺伝子先端放射線実験施設・遺伝子実験系の富士フィルムBAS2000を利用した)
結果
出力線量率
x y Intensity
まとめ
JARP型電離 ・小動物X線照射装置の標準測定条件 (照射距離35cm,管電圧150kV, 管電流5mA) での中心位置における通常 照射使用フィルター(0.5Al + 0.1Cu)を用い た場合の線量率は 31.24cGy/min が得られた
イメージングプレート ・y方向には平坦であるが, x方向には12%程度の強度斑 がみとめられた ・また,照射マニュアルでは35cmの照射位置 がみとめられた ・また,照射マニュアルでは35cmの照射位置 に置いてプロファイルが直径14cmの円と記 されているが,実測では, 長径20cm,短径18cm程度の楕円状 であった
今後の課題 ・今回の測定結果は,最近行われた本照射装置の照射録の記述と違いがあり,装置付属の線量計が故障した後の照射において間違った線量を照射していた可能性を示唆するものである ・今後も医歯薬総合研究科RI研究共同施設と連携し利用者の照射が正しく行えるよう貢献していきたい