「転倒予防のハツラツ体操」 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科  保健学専攻  井口 茂.

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「転倒予防のハツラツ体操」 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科  保健学専攻  井口 茂

転倒とは? 「自分の意志からではなく、地面またはより低い場所に、膝や手などが接触すること、階段、台、自転車からの転落も転倒に含まれます。」

転倒するとどうなるか? 骨折を起こす 寝たきりになりやすくなる

転倒によっておこしやすい骨折 大腿骨頸部骨折 橈骨遠位端骨折 脊椎圧迫骨折

寝たきり原因 第1位 脳血管疾患 36.7% 第2位 高齢による衰弱 13.6% 第3位 骨折・転倒 11.7% 第4位 認知症 8.9% 第1位 脳血管疾患 36.7% 第2位 高齢による衰弱 13.6% 第3位 骨折・転倒 11.7% 第4位 認知症 8.9% 第5位 リウマチ・関節炎 5.4% 第6位 心臓病 4.4% 第7位 かぜ・肺炎 2.5% 第8位 その他 14.9%

高齢の方が転倒しやすい理由 聴力の低下 視力の低下 関節の障害 バランス感覚の低下 神経の働きの低下 筋力の低下 薬の副作用 足・指・爪の変化

転倒と寝たきりの関係 転 倒 加 齢 転倒恐怖 寝たきり 閉じこもり 骨折 廃用性症候群 ・体力の低下 ・身体の不安定性 ・活動性の低下 加 齢 ・体力の低下 ・身体の不安定性 ・活動性の低下 ・骨、関節の変化 転 倒 転倒恐怖 閉じこもり 骨折 廃用性症候群 寝たきり

転倒しやすい場所は? 屋 内 屋 外 1位 2位 3位 4位 5位 6位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 居 間(15%) 屋 内 屋 外 1位 2位 3位 4位 5位 6位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 居 間(15%) 歩 道(22%) その他( 8%) 廊 下( 3%) 風呂場( 4%) 階 段( 6%) 玄 関( 6%) 階 段( 8%)  庭 (10%) 坂 道(10%) その他(13%) 田 畑( 3%)

転倒とした時の状況は? 転倒状況 転倒理由 1位 2位 3位 4位 5位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 歩行中 (48%) 歩行中 (48%) つまずいた  (42%) その他 (24%) 階段昇り( 4%) 走行中 ( 4%) 起立時 ( 5%) 階段降り(11%) 滑った    (12%) 足を踏みはずす(13%) 段差・障害物 (17%) その他    (32%)

転倒リスクの内容 1.この1年間に転倒しましたか 転倒経験 2.横断歩道を青信号の間に渡りきることができますか 3.1kmぐらい続けて歩くことができますか 4.片足で立ったまま靴下をはくことができますか 5.タオルや雑巾をきつくしぼることができますか 6.この1年間に入院したことがありますか 7.立ちくらみをすることがありますか 8.今までに脳卒中を起こしたことがありますか 9.今までに糖尿病といわれたことがありますか 10.睡眠薬、降圧剤、精神安定剤を服用していますか 11.日常、サンダルやスリッパをよく使いますか 12.目は普通に(新聞や人の顔など)よく見えますか 13.耳は普通に(会話など)よく聞こえますか 14.家の中でよくつまずいたり、すべったりしますか 15.転倒に対する不安は大きいですか?あるいは    転倒が怖くて外出を控えることがありますか 転倒経験 歩行能力 バランス 筋力 疾病 服薬 外的要因 視力・聴力 外的要因 転倒不安 ADLの制限

簡単な体力テストをしてみましょう 開眼片脚立ち 椅子起立時間

効果的な転倒予防の方法 ◇家屋環境を整えましょう

◇運動方法 1.運動になれましょう 2.運動方法を覚えましょう   ①ストレッチ   ②筋力アップ運動   ③歩行 3.運動を生活の中に取り入れましょう

ストレッチングについて ・反動をつけずに、ゆっくりと引き伸ばすように して下さい。 ・呼吸は止めずに、自然にリラックスして行います。  して下さい。 ・呼吸は止めずに、自然にリラックスして行います。 ・痛みのない範囲で、少なくとも10秒はその姿勢  を保ちます。 ・引き伸ばす筋に意識を集中して下さい。 ・1つの筋ごとにストレッチを行って下さい。 ・全身の筋に対して行います。 ・運動の開始前と終了後に行って下さい。

筋力アップについて ・対象者の筋力にあわせ、軽いものから 始めて下さい。 ・主に関節運動を伴うトレーニングを取り 入れて下さい。  始めて下さい。 ・主に関節運動を伴うトレーニングを取り  入れて下さい。 ・腰痛や膝痛に注意して下さい。 ・筋の収縮を意識して下さい。 ・回数は各運動10回ずつ行って下さい。

歩行運動について ・運動のはじめはゆっくりとしたリズム で姿勢に注意して歩きましょう。 ・徐々にリズムをはやくしたり、距離を  で姿勢に注意して歩きましょう。 ・徐々にリズムをはやくしたり、距離を  運動のばしていきましょう。

運動をする時の注意点 こんなときははじめから運動をやめた方が安心ですね。 ● 熱があるとき ● 頭痛がするとき ● 風邪をひいているとき ● 下痢や腹痛があるとき ● 脈拍が乱れているとき ● 1分間に脈拍が100回以上のとき ● 1分間に脈拍が 50回以下のとき ● 血圧がいつもより高いとき

脈拍を測ってみましょう 人さし指、中指、薬指の指先をそろえて、反対側の手首の前内側にあて、動脈の拍動をふれて測定します。リズムが規則的であれば、15秒間はかり、4倍しましょう。 健康な成人の安静時の脈拍回数は1分間に60~100回 (個人差があるので、普段との比較が大切です。           一般的に体温が上がると脈拍数も増えます。)

あなたの運動時の目標心拍数は・・・ 目標心拍数=(220-年齢)×50~60% [ 拍/分 ] 50歳 85~102 55歳 83~99  50歳 85~102  55歳 83~99  60歳 80~96  65歳 78~93  70歳 75~90  75歳 73~87  80歳 70~84  85歳 68~81  90歳 65~78  95歳 63~75 100歳 60~72 100 ~(180-年齢)

運動の途中で、このような症状を感じたら、運動を中止しましょう! ● 胸が苦しい・痛い ● めまいがする ● 頭がボーッとなる ● 急に脈が速くなる・動悸がする ● 顔面が蒼白になる、冷や汗が出る、 吐き気がする ● 普通でないような息切れがする ● 腰や膝に耐えられないような痛みがある

転倒予防のための運動方法 1.運動になれましょう 2.運動方法を覚えましょう ①ストレッチ ②筋力アップ運動 ③歩行   ①ストレッチ   ②筋力アップ運動   ③歩行 3.運動を生活の中に取り入れましょう