Super-Kamiokandeのラドンによるバックグラウンドについての研究 日本物理学会2013年秋季大会 高知大学 2013年9月21日

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Super-Kamiokandeのラドンによるバックグラウンドについての研究 日本物理学会2013年秋季大会 高知大学 2013年9月21日 関谷洋之 東京大学宇宙線研究所 中野佑樹,田阪茂樹,松原正也,竹内康雄 1

太陽ニュートリノ測定の意義 MSW効果の検証 ne 太陽の物質効果による”Energy spectrum up-turn” Vacuum oscillation dominant Matter oscillation dominant up-turn! Neutrino survival probability 太陽の物質効果による”Energy spectrum up-turn” 3,4はいらないな。。この会議では。。 ne

より高統計、より低バックグラウンド化が必要 現状 BOREXINO SNO KamLAND Super-K Comparing to other experiments, Super-K spectrum has the most precise results. より高統計、より低バックグラウンド化が必要

これまでの努力 太陽方向分布 3.5~4.0MeV(kin.) イベントレート 4.0-4.5MeV(kin.) SK-IV SK-IV SK-III SK-III event/day/kton SK-IV Stable low background level SK-IV 3.5MeV閾値の達成! Solar peak ~7.5σ level

受け身な努力:対流の抑制 送水温度を0.01℃の精度でコントロールすることで 底部のラドンのFVへの侵入を阻止 r2 3.5MeV-4.5MeV Event distribution Temperature gradation in Z Return to Water system The difference is only 0.2 oC Purified Water supply r2

BGレートから求まるラドン濃度 SK-IV final sample (4.0-5.0MeV (kin.)) 0.2mBq/m3 SKへ9.2Bq Rn 注入 140 counts/day/12.3kt/4.5-5.5MeV (tot.) 関谷 日本物理学会第62回大会(2007年) SK-IV final sample (4.0-5.0MeV (kin.)) 0.2mBq/m3 3.5mBq/m3

Rn濃度の直接測定 中野 日本物理学会第68回年次大会 イベントレート と合っている

Rn源は何なのか 給水に3mBq/m3 あるとすると 底部内水槽の対流層6mのラドン濃度は 循環レート: 60m3/hour 給水パイプは16本だが、そのうち12本が内水槽 3mBq/m3 x  60 x12/16 m3/hour x 24 hour/day (1- exp(-1.0/5.48)) /day x 16.9m x 16.9m x 3.14 x 6m ~3.5 mBq/m3

送水口 SK-IV final sample z<-15m ガラスが詰まっている?

しかし、別の解釈も可能 Rnの放出レート2mBq/1PMT/day 底部内水槽の対流層6mのラドン濃度は SK NOTE 97-05 Rnの放出レート2mBq/1PMT/day 底部内水槽の対流層6mのラドン濃度は 1cmφ HOLEs 底部の1740 PMT+FRPsが寄与するとすると 2 mBq/PMT/day x 1740 x 5.48 day 16.9m x 16.9m x 3.14 x 6m ~3.5 mBq/m3 送水のラドン濃度を系統誤差を含めきちんと測定することが重要  →現在低バックグラウンド化をすすめた新しいセットアップ開発中

純水中のRn除去についての検証

Super-Kamiokande Water System reject compensation pump drain FI-2 PI-8 PI-9 FI-6 strainer PI-11 FI-204 FP-4 FP-5 filter RO-2 pump FI-7 RO-2 CIA-6 FI-1 reject (drain) RO-1-1 Primary pump strainer RO-1 pump FI-3 PI-1 PI-A PI-B filter mine water PI-2 PI-3 PI-5 FI-5 CIA-1 Rn-free-air dissolving tank CIA-2 reject (drain) RT-1 RT-3 RO-3 pump RO-3 550 CV-2 post RO pump RO water tank HE1 reject UV sterilizer RT-2 RT-4 Ion exchanger 1/2 FI-202 reject CIA-3 HE3 RO-1-2 reject UF reject pump vacuum degasifier reject 700 FI-10 PI-20 HE4 熱交換器とMDの説明 TIA-2 CIA-4 UF reject tank v94 A FI-101 CIA PI-C CV-1 membrane degasifier B PI-18 ultra filter TI-101 FI-ID purified water supply pump A/B SK tank Super-Kamiokande Water System ID bottom Main return pump A/B

膜脱気システム ラドン除去のため、SK-IIの時代に 最終段に追加された脱気膜ユニット 2011年に2倍に増強 膜モジュール DIC(株)  EF-040P-JO

膜脱気ユニット有無でのRn濃度比較 Preliminary 3.1±0.7mBq/m3 4.1±1.0mBq/m3 膜脱気有での濃縮ラドンの崩壊 膜脱気無での濃縮ラドンの崩壊 通水量580L 通水量680L 報告済み Preliminary 送水ラドン濃度 3.1±0.7mBq/m3 送水ラドン濃度 4.1±1.0mBq/m3 膜脱気ユニットの有無でラドン濃度変わっていないように見える!

ラドン除去の効率 本モジュールのラドン除去効率は ~90%と報告されている。 その後のユニット導入後の評価 は今回までされていなかった。 SK NOTE 2001-1 本モジュールのラドン除去効率は ~90%と報告されている。 その後のユニット導入後の評価 は今回までされていなかった。 (2001年だったから)

原因の追究 ユニット化に際し、使用したEPDMガスケット(120枚)が怪しい →ラドンの放出を測定した。                            →ラドンの放出を測定した。 超純水システムに一般的な脱脂処理を施した エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM) Rn放出が少ないと報告があったので 比較のためのウレタンガスケット 

(ガス中への)放出ラドン測定システム 系の体積 100L 露点計 -70℃ 熱浴 ラドン検出器 サンプル容器 循環ポンプ 0.8L/minで循環

測定 ウレタン 0.013±0.004 mBq/枚 BG 2013年2月10日 -2013年3月10日                  5.153± 0.279 mBq/m3 EPDM(10枚) 2013年5月14日 -2013年5月26日                 187.59± 2.51  mBq/m3 ウレタン(20枚) 2013年9月7日 -2013年9月16日                   7.736± 0.649 mBq/m3 ガスケットから空気中へのRn放出量 EPDM       1.82 ±0.03  mBq/枚 ウレタン    0.013±0.004 mBq/枚 EPDMガスケットが明らかにRn放出多い 水中放出レートは未測定だが、放出しつつ90%除去で膜脱気意味無状態の可能性           →ウレタンガスケットへ変更(リスク伴うが)するべき

結論 SKに残るラドン源を探る研究をしている SKタンク内起源もあるけれど、送水起源の分もあることが分かった そのレベルまでBGを下げたということ タンク内起源のものは対応難しいが、純水装置起源のものは改善をめざす

Extra slides

高感度ラドン検出器

水中ラドン測定システム

水中ラドン測定方法1

水中ラドン測定方法2

水中濃度の導出1

水中濃度導出2  測定系のBG

ガス中への放出測定 1日毎の濃度 BG EPDM ウレタン

Super-K water transparency @ Cherenkov light wavelength Measured by decay e-e+ from cosmic m-m+ SK-III SK-IV Started automatic temperature control anti-correlated with Supply water temperature

SK 冷却水による2重PID温度コントロール PIT HE4 HE3 HE1 Pure water flow 60t/h →55t/h New Pump PIT Ditch water stream Cold & clear