Safe Work TOKYO 安全・安心な首都東京の実現に向けて 第12次東京労働局労働災害防止計画 Safe Work TOKYO 安全・安心な首都東京の実現に向けて 東京労働局 各労働基準監督署
東京版12次防の位置付け ●労働安全衛生法 (労働災害防止計画の策定) 第6条 厚生労働大臣は、労働政策審議会の意 第6条 厚生労働大臣は、労働政策審議会の意 見をきいて、労働災害の防止のための主要な 対策に関する事項その他労働災害の防止に関 し重要な事項を定めた計画(以下「労働災害 防止計画」という。)を策定しなければなら ない。 東京版についても本省版に準じ、審議会(災防部会)で審議 東京版12次防は、法律に基づく本省版の 「推進計画」という位置付け
東京版と本省版の違い 「選択と集中」の視点により、大胆に重点化された本省版に加え、「首都東京」独自の視点から、今後5年間に特に力を入れるべき課題を整理 【ポイント】 ・誰もが理解しやすい、明確な「目標」の設定 ・産業構造の特殊性を踏まえた重点対象の選定 ・多発する「行動災害」防止に向けた業種横断的取組 ・過重・メンタル対策等の推進に不可欠な安全衛生管 理活動に主眼を置いた効果的取組の推進 ・「首都東京」独自課題への対応、利点を生かした効 率的な行政展開 ・取組の「見える化」による行政理解の促進等 本省版を踏まえつつ、「首都東京」の独自性をもった計画に
計画が目指す社会 「安全・安心な首都東京の実現」 ○すべての関係者が、「労働災害は本来あってはならないものである」との認識を共有 ○それぞれの立場に応じた責任ある行動をとることが適切に評価される社会の実現 目指すべき方向は・・・・ 「安全・安心な首都東京の実現」 【首都東京のメリットとデメリット】 ○企業本社の集中による波及効果(メリット) ○様々な属性や価値観を有する者が多数存 在し、共通認識の形成が困難(デメリット) Safe Work TOKYOをキャッチフレーズに「官民一体」となった取組を推進!
計画の目標 平成29年度までに以下の目標達成を目指す 【基本目標】 ①死亡災害・・・・・・・・・ 過去最少の53人を下回る 平成29年度までに以下の目標達成を目指す 【基本目標】 ①死亡災害・・・・・・・・・ 過去最少の53人を下回る ②休業4日以上の死傷災害・・ 8,000人を下回る 【小目標】 ①建設業における死亡災害・・ 過去最少の20人を下回る ②行動災害による死傷災害・・ 死傷災害全体に占める割合の減少 ③第三次産業における取組・・ 重点対象業種のすべての事業場における 経営トップによる安全衛生方針の表明 ④メンタルヘルスへの取組・・ 安全衛生管理体制の構築が必要なすべて の事業場で対策に取り組む ⑤熱中症による死傷災害・・・ 計画期間中の合計値を第11次労働災害 防止計画期間中と比較して20%以上減少 「基本目標」を達成するための「小目標」を主要分野で設定
8,093人を満たし、キリがよく分かり易い8,000人を採用 基本目標設定に当たっての考え方 新成長戦略:起算値 12次防:起算値 (H24速報値から推計) 12次防:目標値 新成長戦略目標:30%減 新成長戦略:目標値 2008年 (H20年) 2012年 (H24年) 2017年 (H29年) 2020年 (H32年) 本省版の目標は、死亡、死傷ともに「15%減」だけど・・ 【本省方式で計算した場合の数値と実際の目標値との違い】 ○死亡災害:H29目標は71人 ○死傷災害:H29目標は8,093人 71人ではなく、H21年の過去最少値53人を採用 8,093人を満たし、キリがよく分かり易い8,000人を採用
計画の評価 ○ 計画に基づく取組が着実に実施されるよう、毎年、計画の実施状況の確認、評価を行い、東京労働局地方労働審議会に報告する。 ○ 計画に基づく取組が着実に実施されるよう、毎年、計画の実施状況の確認、評価を行い、東京労働局地方労働審議会に報告する。 本省版計画が見直される等特段の事情があれば東京版計画も見直しを行う
社会の変化と安全衛生施策の方向性
産業構造の変化に伴う労働災害の第三次産業化① 産業構造の変化に伴い、 第三次産業対策の必要 性が高まっている ≪東京労働局における休業4日以上の死傷災害発生状況の推移≫
産業構造の変化に伴う労働災害の第三次産業化② ○ 製造業の衰退、機械設備の安全化から、「挟まれ」等は激減 ○ 産業構造の変化等から、「行動災害」が占める割合が増加 墜落・転落や転倒 の占める割合が高い 労働衛生面での課題も、 過重労働やメンタルヘ ルス、熱中症や受動喫 煙などの重要性が高ま っている。 挟まれ、巻き込まれ は大幅に減少 ≪東京労働局における労働災害の形態の変化(昭和50年代との比較)≫
リーマンショックと東日本大震災 ○ リーマンショックに端を発した経済活動の低迷の影響から、平成21年は全国的に労働災害が減少 東京局においてもH21年は過去最少 ○ しかしながら、その後、「3年連続での増加」に転じた ○ 東日本大震災の復旧・ 復興工事の本格化に伴い、 全国的に工事量が増加 災害増加も懸念 ≪休業4日以上の死傷災害(全国)≫ 震災関連工事には、都内に店社を有する建設業者が参入、 東京においては、被災地の実情をも踏まえた取組が必要
様々な属性等を有する労働者による就業への対応 ○ 災害発生率が高い「高年齢労働者」の割合の増加 改正高齢法の施行(4/1~)により更なる増加の見込み ≪東京の年齢別雇用者数の推移≫ 55~64歳 65歳以上 合計 H12年 1,022千人 (16.5%) 415千人 (6.7%) 6,196千人 H17年 1,127千人 (17.5%) 507千人 (7.9%) 6,453千人 H22年 1,116千人 (16.6%) 628千人 (9.3%) 6,728千人 ≪東京の年齢別の災害発生率(平成22年)≫ 55~64歳 65歳以上 合計 雇用者数 1,116千人 628千人 6,728千人 死傷者数 (発生千人率) 2,178人 (1.95) 928人 (1.48) 9,326人 (1.39) 死亡者数 (発生万人率) 17人 (0.15) 11人 (0.18) 73人 (0.11) 出典:労働力調査、労働者死傷病報告 高齢化だけでなく、「首都東京」では非正規労働者の割合の増加、 外資系企業の集中など、様々な属性を持つ労働者への対応が必要
労働災害防止対策の位置付けの変化 行政を取り巻く環境の変化 対策の「見える化」と行政理解の促進 ○労働災害防止対策が持つ意義の高まり ・災害発生によるイメージ低下の未然防止 ・高齢化社会に求められる「就労による生活保障」の持続 ・グローバル競争に対応するための優秀な人材の獲得 行政を取り巻く環境の変化 ○「首都東京」の利点を生かした効率的な取組の推進 ・企業本社や関係団体のガバナンスを活用した対策の展開 ・関係団体との緊密な連携による機動的な対応 対策の「見える化」と行政理解の促進 労働災害を「他人事」で終わらせない ○誰もが情報を入手し、認識を共有できる環境の整備 ・わかり易い周知・指導の徹底(内容の「見える化」) ・施策の方向性や取組のアピール(取組の「見える化」)
重点施策 (1)労働災害、業務上疾病発生状況の変化に合わせた 対策の重点化 (2)「首都東京」の特殊性を踏まえた対策の推進 対策の重点化 (2)「首都東京」の特殊性を踏まえた対策の推進 (3)行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協 働による労働災害防止の取組 (4)社会、企業、労働者の安全・健康に対する意識改 革の促進 (5)発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化 5つの「柱」
労働災害、業務上疾病発生状況 の変化に合わせた対策の重点化 ここが計画の「大黒柱」
重点対象分野の枠組み 「労働災害件数」 重点とする を減少させるための重点業種別対策 災害の形態別対策 分野横断的な取組 (リスクアセスメント、OSHMS、 就業形態や属性に応じた対策、 身体状況に応じた対策、 災害防止のための健康づくり) 重点とする 災害の形態別対策 (転倒、墜落・転落、腰痛 などの「行動災害」、 「機械災害」、 「交通労働災害」) 「労働災害件数」 を減少させるための重点業種別対策 (第三次産業、陸上貨物運送事業) 「重篤度の高い労働災害」 を減少させるための重点業種別対策 (建設業) 重点とする健康確保・職業性疾病対策 (過重労働、メンタルヘルス、化学物質、 石綿、腰痛・熱中症、健康づくり、受動喫煙 等)
第三次産業対策(総論) ○ 第三次産業の中でも、災害が多発し、増加傾向にある 「小売業」,「飲食店」,「社会福祉施設」が本省版の重点対象 ○ 東京局版では、上記に加え、「ビルメンテナンス業」を追加 対策のPoint ① 経営トップによる労働災害防止に対する明確な方針表明 ② 法定の管理体制(労働衛生面)を活用した安全衛生管理体制の実質的な強化 ③ 事業場内における災害発生状況の把握と対策の検討 ④ 実効ある安全衛生教育の徹底(非正規労働者が多いことや、労働者の移動が激しいことを踏まえれば、雇入れ時教育の徹底が重要) まずは、経営トップの意識改革から
小売業、飲食店対策 ○ 以下のような手法を活用し、災害が多発しているバックヤードを中心とした指導を徹底 ○ 膨大な対象を有することから、大規模店舗・多店舗展開企業 を重点とするなど、効率的な指導が必要 ○ 関係行政機関など、これらの対象に影響力のある組織の活用 対策のPoint ○ 以下のような手法を活用し、災害が多発しているバックヤードを中心とした指導を徹底 ① 企業本社のガバナンスを活用した指導(「エリアマ ネージャー」による店舗指導の機会も活用) ② フランチャイズの支配力を活用した教育等の普及 ③ 「小規模店舗密集型施設」を捉えた事業場の枠にとら われない新たな行政手法による指導 ④ 保健所等との連携による効果的な労働災害防止意識の 浸透、向上 ⑤ 労働安全・衛生コンサルタント、社労士等の活用 「従業員の安全」「お客様の安全」 は表裏一体
羽田BIGBIRD 局長パトロール(H25.3.19) 店舗巡回による災害防止の要請 店舗への商品等搬入作業の確認 「小規模密集型施設」 は、「施設管理者」の指導力により効果が高い取組が期待できる 各店舗ミーティングでの安全講和
社会福祉士施設対策 ① 新規成立が目立つ小規模事業場、居宅型介護サービス事業場(訪問介護)に対し、自治体との連携により以下の事項を指導 ○ 社会福祉施設における災害はここ10年間で倍増 ○ 高齢者の増加等から、安全衛生に対するノウハウを十分に有 していない新規参入事業者や労働者の更なる増加が見込まれる 対策のPoint ① 新規成立が目立つ小規模事業場、居宅型介護サービス事業場(訪問介護)に対し、自治体との連携により以下の事項を指導 ・ 安全衛生教育の徹底 ・ 4S(整理・整頓・清掃・清潔)の徹底 ・ 腰痛予防 ② 事業者の管理が及ばない訪問介護対策として、養成機関と連携した「介護労働者」にアプローチ ※ サービス利用者の自宅での作業に先立って実施する 「ひとりKY活動(仮称)」の実施など 東京は訪問介護サービスが多い
ビルメンテナンス業対策 ○ 高層ビルが密集し、商業施設が多数存在する「首都東京」は、 他の道府県と比較してビルメンテナンス業の需要が特に高い ○ 高層ビルが密集し、商業施設が多数存在する「首都東京」は、 他の道府県と比較してビルメンテナンス業の需要が特に高い ○ 高齢化の促進による災害増加の懸念(ビルメン業における災 害のうち、高齢者が占める比率は、全業種の約2倍) ○ 「ブランコ作業」など、災害リスクの高い作業も少なくない 対策のPoint ① 関係団体と連携した各種活動を通じた労働災害防止に対する気運向上 ② 労働者、施設利用者の災害を未然に防止するための正しい手順に基づく作業の徹底 ③ ブランコ作業における安全確保対策に関する教育の徹底 ④ 化学薬品等を使用する作業に係る正しい知識の教育、適切な保護具の使用等の健康障害防止対策の徹底 「行動災害」、 「高齢者」へ の対策が重要
陸上貨物運送事業対策 ○ 休業4日以上の死傷災害全体の約1割を占め、その約6割は 荷役作業中の災害 ○ 休業4日以上の死傷災害全体の約1割を占め、その約6割は 荷役作業中の災害 ○ 荷役作業中の災害の多くは、「荷主」の構内で発生(事業者 のみでは対策が講じにくい) 対策のPoint ① 関係団体との連携による「トラッ クの荷役作業における安全ガイドラ イン」の周知・普及 ② 都市部特有の作業(路上での積み卸しや台車での小分け運搬、リヤカーを用いた運搬)における安全作業の徹底 ③ トラック運転手に対する安全衛生教育の強化 ④ 「モデル運送契約書」の普及等を通じた運送事業者と荷主との役割分担の明確化の促進 ⑤ 関係団体との連携による荷主における荷役作業時の安全確保に資する設備的改善事例の収集及び水平展開 荷役災害の防止には、荷主対策の実効性をあげることが必要不可欠
建設業対策 ○ 建設業の死亡災害は全産業の約3分の1を占める ○ 平成24年に建設業で発生した死亡災害の約7割は「墜 落・転落」 ○ 建設業の死亡災害は全産業の約3分の1を占める ○ 平成24年に建設業で発生した死亡災害の約7割は「墜 落・転落」 ○ 災害の多くは「基本的な対策の不備」や「不安全行動」 建設業を取巻く状況の変化 東日本大震災の復旧・復興に向けた各種工事の本格化を背景とする人材不足による安全水準低下の懸念 以下のような工事の増加に伴う災害増加の更なる懸念 ① 夏季オリンピック・パラリンピック招致や「首都東 京」の機能強化に伴う各種工事 ② 「緊急経済対策」に基づく都市インフラの老朽化対策 ③ 高度経済成長期に建設された高層建築物の解体工事 建設業を取巻く状況はめまぐるしく変化
建設業対策 ① 高所作業における墜落・転落災害防止対策 ② 建設業界を取り巻く状況の変化を踏まえた対策 対策のPoint ① 高所作業における墜落・転落災害防止対策 ・様々な場所からの墜落・転落災害防止対策の推進 ・ヒューマンエラーを見据えた設備的対策の徹底 ・現場ルールの遵守徹底による不安全行動の排除 ・ハーネス型の安全帯の普及 ② 建設業界を取り巻く状況の変化を踏まえた対策 ・建設工事発注者に対する要請(工期、経費、OSHMS) ・建設現場の統括安全衛生管理の徹底 ★ 新規参入者対策 ★ 「不安全行動」の排除 ★ 危険感受性の向上 ★ 職長会の活性化とコミュニケーションの強化
建設業対策 ③ 建設業の元方事業者と関係請負人によるそれぞれの役割に応じたリスクアセスメントの実施促進 対策のPoint ③ 建設業の元方事業者と関係請負人によるそれぞれの役割に応じたリスクアセスメントの実施促進 ④ 都市インフラ改修、建設物老朽化等に伴う工事における安全対策 ⑤ 国際都市機能の維持向上に向けた工事における安全対策 ⑥ 自然エネルギー関連工事における安全対策 ⑦ 自然災害の復旧・復興工事対策
建設業における新規参入者の増加への対応について 背景 ○ 全国的な建設業界の状況 ① 震災復旧・復興に向けた各種工事の本格化 ② 緊急経済対策の実施による工事量の増加 技能労働者は21ヶ月連続で不足 技能労働者(職人)、管理者(現場監督、職 長)の人材不足が顕在化 最近の動き ○ 国土交通省が設計労務単価の引き上げに併せて、 「技能労働者の賃金水準の確保に係る建設業界への要請」 (賃上げによる人材確保)を実施(H25.3.29記者発表) 12次防の目標達成にも影響 建設業に不慣れな者の参入による災害増加の懸念
建設業における新規参入者の増加への対応について 建設業の新規参入者に対する安全衛生講習会の実施 対応策 建設業の新規参入者に対する安全衛生講習会の実施 ○趣旨・目的 新規参入者等に対し、災害防止に必要な最低限のルール等を教示 ○対象 ・新たに建設現場で就労する労働者及び求職者 ・新規参入者を使用する建設業者(ゼネコン含む。) ※ 不慣れな者の使用を前提とした安全衛生管理の必要性 ○講習内容(3時間程度) ・建設業を取巻く状況と今後の展望(建設業の魅力) ・労働災害発生状況、各種資格、各種作業の安全対策、保護具 平成25年6月 に千代田区と 立川市で開催 ○ 安定部署、関係行政機関、関係団体との連携 ○ You Tube等の媒体を活用した動画配信 ※ 動画を活用した雇入れ時教育等の実施
災害の形態別対策 ○ 過去10年間の災害を「事故の型」別で見ると、業種別対策 とは別に、 ①墜落・転落や転倒、動作の反動等などの「行動災害」 ○ 過去10年間の災害を「事故の型」別で見ると、業種別対策 とは別に、 ①墜落・転落や転倒、動作の反動等などの「行動災害」 ②「交通事故」や「はさまれ、巻き込まれ(機械災害)」 に対する重点的な対応が必要 ≪過去10年間の死亡災害≫ ≪過去10年間の死傷災害≫
災害の形態別対策 ○ 休業4日以上の死傷災害全体に占める「行動災害」の割合は 年々増加(この10年で構成比は約10ポイント増) ○ 休業4日以上の死傷災害全体に占める「行動災害」の割合は 年々増加(この10年で構成比は約10ポイント増) ○ 高齢化や雇用延長の影響により更なる割合の増加が懸念 「行動災害」が占める 割合は、年々増加傾向 この10年で「転倒」が「墜落転落」を逆転
「行動災害」防止対策 「機械災害」防止対策 「交通労働災害」防止対策 ① 安全衛生教育の充実、適切な作業手順の徹底 対策のPoint ① 安全衛生教育の充実、適切な作業手順の徹底 ② 「安全宣言」の実施等による安全意識の高揚 ③ 「行動災害」防止に向けた協議会の開催 (具体的な対策) 転倒:4S、凹凸のない床面の整備、照明の確保等 墜落:踏み台、脚立、梯子、可搬式作業台等の適切な 使用階段手すりの整備、照明の確保等 腰痛:腰痛予防教育の強化、介護労働者の腰痛予防手 法・教育の普及、重量物取扱い業務の除去低減 「機械災害」防止対策 ・本質安全化、残留リスク提供の促進とユーザーによるRAの促進 ・非定常作業時等における正しい作業手順に基づく作業の実施 「交通労働災害」防止対策 ・交通労働災害防止ガイドライン等に基づく対策の徹底 ・関係団体と連携した安全気運の向上(交通安全週間等も活用)
メンタルヘルス対策 ① メンタルヘルス不調予防のための職場改善の取組 ② ストレスへの気づきと対応の促進 ○ 精神障害により労災認定される人は年間40人前後、自殺者 も後を絶たない ○ メンタルヘルス不調者の早期発見・早期治療に加え、メンタ ルヘルス不調になりにくい職場環境への改善が必要 対策のPoint ① メンタルヘルス不調予防のための職場改善の取組 ・ 衛生委員会等における十分な調査審議及び心の健康づくり 計画の策定等の推進 ・ 管理監督者と労働者への教育研修・情報提供の推進 ・ パワーハラスメント対策の推進 ② ストレスへの気づきと対応の促進 ・ ストレスチェック等の推進と事業場内での相談体制の整備 ③ 取組方策の分からない事業場への支援 ④ 職場復帰対策の促進
過重労働対策 ① 健康管理の徹底による健康障害リスクの低減 ② 働き方・休み方の見直しの推進 ○ 過重労働による健康障害により労災認定される人は年間40 人~70人 ○ 複雑化、高度化する業務への対応が求められる中、1次予防(労働時間管理)、2次予防(健康管理)の徹底が必要 対策のPoint ① 健康管理の徹底による健康障害リスクの低減 ・ 健康診断の実施と労働時間の的確な把握・管理を踏まえた 事後措置等の健康管理の徹底 ・ 恒常的な長時間労働を発生させない労務管理の推進 ・ 医師による面接指導の徹底(地産保の周知、利用促進) ② 働き方・休み方の見直しの推進 ・ 不規則勤務や深夜労働の多い業種・職種に重点を置き、 ・ 効果的な疲労の回復につながる休日・休暇の促進 (不規則勤務や深夜労働対象業種・職種を重点) ・ 限度基準告示の遵守徹底による時間外労働の削減 「過重労働対策」という表現のとおり、過重労働自体を未然に防止する取組も重要
化学物質対策、石綿対策 ① 化学物質による健康障害防止対策 ② 石綿による健康障害防止対策 ○ 「胆管がん」問題など、化学物質の管理への関心の高まり ○ 石綿対策については、「解体工事」のみならず、輸入の問題 や既存製品の流通など、引続き重点として対応することが必要 対策のPoint ① 化学物質による健康障害防止対策 ・ リスクアセスメントの促進と「SDS」を活用した危険有害性 情報の適切な伝達・提供 ・ 作業環境測定とこれを踏ま えた改善対策の徹底 ・ コントロールバンディング を活用した効率的な管理 ② 石綿による健康障害防止対策 ・ 建築物等の解体工事における事前調査及び石綿ばく露防止対 策の徹底 ・ 石綿製品の輸入・製造等の禁止についての輸入商社等への周 知及び遵守の徹底 海外からの輸入品に注意
腰痛、熱中症対策 ① 腰痛予防対策 ・ 腰痛予防教育の強化(腰痛が懸念される分野を重点として、 ② 熱中症対策 ○ 「腰痛」は職業性疾病件数全体の約3分の2を占める ○ 「熱中症」は夏季を中心に依然として頻発(H22年は全国 的にも多発し、過去最高を記録) 対策のPoint ① 腰痛予防対策 ・ 腰痛予防教育の強化(腰痛が懸念される分野を重点として、 雇入れ時教育を活用した取組の促進) ・ 重量物取扱い業務の除去・低減 ② 熱中症対策 ・ 熱中症多発分野に対する年間を通じた 周知啓発 ・ 関係業界団体等と連携したシンポジウ ムの開催等による関係者の意識の高揚 ・ 熱中症対策製品の適切な選択(WBGT値の低減効果に着目) 本省版では、 ①重量物取扱い ②屋外の作業環 境測定等 についても規制強化を検討
産業保健活動の活性化、健康づくり対策 ① 産業保健活動の充実 ② 健康づくり対策 ○ 多様化する労働衛生面への課題への対応として、引続き、産 ○ 多様化する労働衛生面への課題への対応として、引続き、産 業保健活動の充実・活性化が必要 ○ 「行動災害」をはじめとする労働災害防止の視点からも、心 身両面にわたる健康づくりが必要 対策のPoint ① 産業保健活動の充実 ・ 衛生管理者等の職務徹底等を通じた自主的な労働衛生管理体 制の定着 ・ 地産保と産保センターの連携強化と利用促進による地域にお ける産業保健活動の活性化を図る。 ・ 健康診断の完全実施と適切な事後措置等の徹底 ② 健康づくり対策 ・ 「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に 基づく「心身両面にわたる健康づくり」の一層の普及・定着 ・ 労働災害防止の視点をも踏まえたさらなる普及・促進 「受動喫煙」対策も重点のひとつ
リスクアセスメント対策 ① 中小規模事業場への導入促進 ② 労働衛生分野での促進 ○ 東京局では、11次防期間中の取組により実施率向上を図っ ○ 東京局では、11次防期間中の取組により実施率向上を図っ たが、以下のような課題が残っている ・ 中小規模事業場における取組が低調 ・ 騒音や暑熱、化学物質など労働衛生分野の取組が低調 ・ 「導入済」の事業場における取組内容の充実 対策のPoint ① 中小規模事業場への導入促進 ・ 災害発生事業場に対するRA手法を用いた再発防止対策指導 ・ 安全・衛生管理者の職務の徹底、安全・衛生委員会の調査審 議の充実等を通じた実質的活動の強化 ② 労働衛生分野での促進 ・ 化学物質に関するリスクアセスメントの促進 ・ 腰痛、熱中症等の労働衛生分野におけるリスクアセスメント の促進する。 本省にて、中小規模事業場向けのマニュアルを開発中
労働者の属性等に着目した対策 ① 就業形態に応じた責任の明確化 ② 労働者の属性に配慮した対策 ③ 身体機能、基礎疾患に関連した労働災害防止 ○ 様々な形態で働き、様々な属性を有する労働者が安全・安心 に働き、能力を発揮できる職場環境の整備が必要不可欠 対策のPoint ① 就業形態に応じた責任の明確化 ・ 就業形態に応じた各事業者の責任や配慮すべき事項についての理解及び取組の促進 ② 労働者の属性に配慮した対策 ・ パートや派遣などの「非正規労働者」に対する安全衛生教育 ・ 個々の労働者の状況に応じた適正配置と日々の健康状態等の 確認を通じた労働災害の未然防止 ・ 外国人労働者に対する「見える化」による対策の徹底 ③ 身体機能、基礎疾患に関連した労働災害防止 ・ 基礎疾患等の健康障害リスクを持つ者への対応 ・ 加齢や身体機能の低下による労働災害リスクの増加への対応 ④ 労働災害防止に向けた健康づくり
その他の重点施策 済 (1)労働災害、業務上疾病発生状況の変化に合わせ た対策の重点化 (2)「首都東京」の特殊性を踏まえた対策の推進 た対策の重点化 (2)「首都東京」の特殊性を踏まえた対策の推進 (3)行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協 働による労働災害防止の取組 (4)社会、企業、労働者の安全・健康に対する意識改 革の促進 (5)発注者、製造者、施設等の管理者による取組強化
「首都東京」の特殊性を踏まえた対策の推進 ○ インフラの老朽化への対応、首都機能の強化、オリンピック 招致等による工事量の増加 ○ ゼネコン、多店舗展開企業などの大企業の集中 対策のPoint ① 東日本大震災における復旧・復興工事、除染作業への対応 ② 都市インフラの改修や建物等の老朽化対策【再掲】 ③ 国際都市機能の維持向上に向けた工事における安全対策【再掲】 ④ 企業本社のガバナンスを活用した対策の推進 ⑤ 原子力施設を有する企業本社への対応 建設業関係団体、公共工事発注機関との緊密な連携の下、新たに実施される工事の施工に関する問題点や労働災害防止上の課題を的確に把握するとともに、必要な対策を指導・支援する。 具体的に どうやるの?
関係業界との連携による取組のイメージ 行政 現場への指導等 要請 情報提供等 建設 業界 管理・指導 情報提供・ 問題提起 各種工事の進捗状況を踏まえた 労働災害防止対策を策定・推進 現場への指導等 連携 要請 情報提供等 建設 業界 官民の連携により、建設業界が 協力し、解決すべき事項等を検討 (新たな工法、特殊な工事での安全対策) 管理・指導 情報提供・ 問題提起 今後生ずる様々な課題に 「官民一体」 となって対応 各種工事の安全な施工実施 現場 関係 行政機関 関係 事業者等 関係 発注機関
行政と関係団体等の連携・協同による取組 ① 業界団体との連携強化による官民一体となった取組の推進 ② 労働安全衛生総合研究所との連携 ○ 各種対策の実施に当たっては、関係業界団体、専門家集団、 関係行政機関等との緊密な連携が必要 対策のPoint ① 業界団体との連携強化による官民一体となった取組の推進 ・ 関係団体との緊密な連携による労働災害防止対策の効率的か つ効果的な推進【既存の枠組み】 ・ 第三次産業分野における主要業界団体との関係構築と協調的 な取組の推進【新規開拓】 ② 労働安全衛生総合研究所との連携 強化を通じた行政施策の質の向上 ③ 「安全衛生労使専門家会議」の活 用による労働災害防止対策の充実 外部のノウハウを有効活用
社会、企業、労働者の意識改革の促進 ○ 経営トップの明確な方針に裏付けされた自主的な安全衛生活 動の促進が必要 ○ 経営トップの明確な方針に裏付けされた自主的な安全衛生活 動の促進が必要 ○ 事業場労使のみならず、国民全体の労働災害防止に対する意 識の高揚を図ることが必要 対策のPoint ① 経営トップの「安全や健康に関する意識」の高揚 ② 安全衛生管理体制の構築と実効ある活動の推進 ③ 安全衛生活動の評価を通じた事業場内の取組の活性化 ・ 事業場の創意工夫による積極的な労働災害防止活動を適切に 評価することにより、事業場内の取組の活性化を図る ④ 労働災害防止に向けた国民全体の安全・健康意識の高揚、危険感受性の向上 ・ 「不安全行動」が誘発するリスクや実際の労働災害事例等 の周知による労働者一人ひとりの安全意識や危険感受性の向上 ・ 「私の安全宣言コンクール」などの各種イベントの開催 「褒める」 指導により安全衛生活動を活性化
発注者、製造者、施設等の管理者による取組の強化 ○ 労働災害防止上、安衛法令ではカバーできない対象(荷主、 発注者、施設管理者)へのアプローチが必要 ○ メーカーによる「本質安全化」と「残留リスク提供」、ユー ザーによる「リスクアセスメント」の有機的な実施が必要 対策のPoint ① 発注者等による安全衛生への取組強化 ・ あらゆる機会をとらえた、「災害防止に配慮した仕事の発 注」の周知(建設工事の発注者に限定しない) ・ 荷主による取組の強化【再掲】 ・ 建設工事発注者に対する要請【再掲】 ② 製造段階での機械の安全対策の強化 ・ 機械災害防止対策の推進【再掲】 ・ 労働現場で使用されるあらゆる機械・設備について、メー カーが以下の事項を実施 ①設計・製造時のリスクアセスメントによる本質安全化 ②①を踏まえたユーザーへの残留リスク情報の提供 本省版においては制度改正を視野に入れた検討に言及