永久磁石レンズを使った卓上型走査電子顕微鏡 Tiny-SEM の紹介 (株)テクネックス工房 大野輝昭 ツリガネニンジンの花粉
Tiny-SEMの設計方針 現場で使える(卓上型) 価格がリーズナブル 光顕のような手軽さ(永久磁石レンズ) 基本性能は落とさない 目的に応じてカスタマイズしやすい
Tiny-SEMシリーズ Mighty-8DX Tiny-SEM 530 加速電圧:2kV,5kV 分解能: 30nm
小型走査電子顕微鏡の歴史 1939 電顕小委員会(電顕開発のはじまり) 1966 商用SEM国産1号機(JEOL) 1939 電顕小委員会(電顕開発のはじまり) 1966 商用SEM国産1号機(JEOL) 1972 mini-SEM(明石) 1974 JSM-P15(JEOL) 1976 S-310 FE-SEM(日立) 2002 Tiny-SEM (テクネックス工房) 2002 VE-7800(キーエンス) 2004 Carryscope(JEOL) 2005 Miniscope(日立) 第一次小型SEMブーム 第二次小型SEMブーム
Tiny-SEM構造図 高圧電源へ ガンアライメント用ノブ フィラメント 電子銃 ウェネルト ガンモニタコイル アノード 第1コンデンサレンズ コンデンサ絞り ターボ分子ポンプ ピラニ真空計 第2コンデンサレンズ 第2コンデンサレンズ 対物絞り 偏向コイル TMP 2次電子検出器 対物レンズ 試料室 サンプル ダイアフラムポンプ
電子銃
電子銃 従来の汎用小型SEM Tiny-SEM 交換方法 ベースごと使い捨て リサイクル方式 線材のみ交換 コスト 割高 非常に低コスト
ガンモニタ機能 (フィラメントイメージ) 軸出し フィラメントの飽和
電子レンズ
電子線 加速電圧 永久磁石レンズの 動作原理 E=Eo E=Eo+ΔE N S 焦点面
永久磁石の作る磁場 出典:KLEMPERE; ELECTRON OPTICS (1953) 参考ソフトウェア:http://www.technex.co.jp EXCELによる磁界型レンズの焦点距離、収差係数(球面、色)の計算
永久磁石を使用した電子レンズ例(RCA) 磁石(Alnico V) 4本 出典:KLEMPERE; ELECTRON OPTICS (1953)
永久磁石を使用した電子レンズ例(日立製作所) 出典: 木村 :日立評論 39,3 (1957)
永久磁石を使用した電子顕微鏡例(日立製作所) 出典:木村:日立評論 39,3 (1957) P.W.Hawkes :Topics in Current Physics:Magnetic Electron Lenses(1982)
電子レンズ 従来の汎用小型SEM Tiny-SEM 種類 電磁レンズ 永久磁石レンズ 特徴 ・高性能定電流電源必要 収差が出やすい 収差が出やすい ・サイズ、重量大 ・発熱対策 ・コスト高 ・電源不要 電源による収差なし ・サイズ、重量非常に小 交換レンズ可能 ・発熱なし ・低コスト ・非点収差合わせ容易 ・像が無回転
試料微動、検出器
試料微動、検出器 ユーセントリックステージ(傾斜容易) 高角度傾斜可能 振動に強い フィードスルー 取付可能 取付可能 高感度二次電子検出感度 深い焦点深度;ステレオ写真 チャージアップが少ない;無蒸着観察
制御ユニット 基本機能に限定 アナログ主体の操作系 デジカメ感覚 CFカード保存 PC画像取込みインター フェイス(USB) 電子ビーム制御(DBC)可能
530分解能
Mighty-8DX 分解能 1710分解能写真
モルフォ蝶の色の不思議(構造色)
スギ花粉と抗原
応用例1 カーボンナノチューブ CMC
応用例2 コピー用紙(無蒸着) 小麦粉(無蒸着)
応用例3 (低加速電圧) スギ花粉(無蒸着) 2kV 5kV X2000 X6000
高分解能スペクトル ・Si-PIN検出器; 11Na以上(150eV) SDD検出器;6C以上(135eV)
元素マッピング(最大8元素同時) サンプル(鉛はんだ)
アスベスト分析
実際の使われ方 現場でのSEM観察 特別な場所、設備必要なし 見たいときにすぐに見られる 高級FE-SEMを使用する前の事前チェック 大型、小型の役割分担で効率アップ カスタマイズ 改造自由自在
カスタマイズ例 マニュピュレータ 予備排気付き 試料交換装置
小型化による特徴 1.検出感度が高い 2.チャージアップ現象が少ない 3.焦点深度が深い 4.振動に強い 5.非点収差補正がしやすい 6.消費電力が少ない 7.改造しやすい Tiny-SEMには、小型装置ならではのメリットが最大限に盛り込まれています。