第6回 商法Ⅰ
前回の内容 商業使用人って何? 会社の使用人って何?
六法の見方 商法 商法 旧商法○○条 新商法○○条 商業使用人 商業使用人 会社法 会社法○○条 会社の使用人
比べてみる 旧商法37条 新商法20条 会社法10条 商人ハ支配人ヲ選任シ本店又ハ支店ニ於テ其ノ営業ヲ為サシムルコトヲ得 商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができる 会社法10条 会社(外国会社を含む)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる
調べ方 会社法10条(支配人) 会社(外国会社を含む)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる 〔支配人→11.12、民623-631.643-655、348③1・・・商登44.45〔会社以外の商人→商20
商法のための民法入門 権利と義務 2債権と債務 不法行為と不法利得 商法のための民法入門 権利と義務 2債権と債務 不法行為と不法利得 不法行為(民法709条) 他人の権利または利益を侵害して損害を与える違法な行為であり、損害賠償請求権の発生原因 ①加害者に責任能力があること ②故意又は過失 ③被害者の権利の侵害 ④損害の発生 ⑤行為と損害の間に因果関係
不法行為と不法利得 どの行為が不法行為 汚職や公文書偽造 約束の期日に借金を返済しないこと 工場の排水処理で付近の住民に損害を与えること
不法行為と不法利得 不当利得(民法703条) 法律上の原因なしに 利益を受け 他人に損害をかける 受益者 損失者 悪意 善意
WHO ARE YOU? 知的財産権と商号・商標 知的財産とは、人間の知恵や工夫などから生まれる創造物のことをいい、それを生み出した創作者に一定期間の権利を与えて保護するようにしたのが知的財産制度です。 花王株式会社 トヨタ自動車株式会社 Kao Corporation TOYOTA
知的財産権とは 知的創造物についての権利 知的財産 営業標識についての権利 企業は開発された技術やデザイン等を権利化し、その権利を武器にして商品を販売し、その収益を研究資金として次の技術やデザイン等の開発を行う 知的財産 営業標識についての権利 市場に流通する商品やサービスがどの企業によって提供され、どのような品質や機能を備えたものかを識別
知的財産権とは 知的創造物についての権利 特許権(特許法) 実用新案権(実用新案法) 意匠権(意匠法) 著作権(著作権法) 回路配置権(半導体集積回路の回路配線に関する法) 植物新品種(種苗法) 営業秘密(民法・刑法・不正競争防止法)
知的財産権とは 営業標識についての権利 商標権(商標法) 商号権(商法・会社法) 著名商標・原産地表示等(不正競争防止法)
知的財産権とは CDトレイの構造 チップ 画像制御装置 デザイン 記憶媒体の材料 組立製造方法 プログラム ロゴマーク ブランド名
商標や商号を利用したマーケティング戦略 Good Will 顧客吸引力 形 色 名称
商標や商号を利用したマーケティング戦略 Good Will を構築する例
考えてみよう! 商品の優位化を図る上で最も簡単な手段が名前をつけることであり、セールスポイントとなる名前をつけることが重要になります。 特に商品の品質にあまり差がない場合は、ブランド力が重要な役割を果たし、その企業価値を高めることができます。 商品の名前がどのように決定されるのかを考えてみましょう!
ネーミングの考え方 商標登録制度 商標を保護することにより、商標使用者の業務上の信用維持 需要者の利益の保護 商品のネーミング ・顧客に好まれること ・商品のコンセプトがわかること ・商標権取得 模倣
ネーミングのチェックポイント 自社商品の識別力を有するもの 他人がその商品分野をカバーする同一または類似の商標権 不正競争防止法上問題となる他人の著名な商標、商号などがないこと 虚偽の原産地表示、品質誤認表示などでないこと 文化的な観点から問題のないこと
どのような商標が登録できるの? ①商品または役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する説明のみからなる商標 時計? ○○くん時計?
どのような商標が登録できるの? ②商品または役務について慣用されている商標 観光ホテル? ○○観光ホテル?
どのような商標が登録できるの? ③商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格もしくは使用方法もしくは・・・を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標 デラックス? 高級? シルク? 絹? 疲労回復? ダイエット?
商標からブランド力へ
WHO ARE YOU? 知的創造物についての権利 知的財産 営業標識についての権利 商標権(商標法) 商号権(商法・会社法) 著名商標・原産地表示等(不正競争防止法)
商標や商号を利用したマーケティング戦略 Good Will を構築する例
商法11条(商号の選定) ①商人は,その氏,氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。 ②商人は,その商号の登記をすることができる。 商人→四 【会社の商号→会社六 【商号選定自由の制限→一二,会社七・八 【名板貸し→一四 【登記→九 商登六-1・二七-三三
商号とは?(242・26-27頁) 会社がその営業を為す上で、自己を表すために用いる名称をいい、会社の営業の同一性を維持し、取引の相手方などの信用の標的となる機能を有しています 商号 会社の種類に従って 株式会社・合名会社 合資会社・合同会社
会社法6条(商号) ①会社は、その名称を商号とする ②会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれの商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いらなければならない。 ③会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
会社法7条(会社と誤認させる名称等の使用禁止) 会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
商号のしくみ(27頁) 株式会社日本商事 名称 = 商号 文字を持って記載され,発音のできるもの
会社設立のスピード化 商号 商標 保護法 会社法・新商法 商標法 機能 会社(商人)の識別標識※ 商品、役務の識別標識 構成 文字で構成※ 文字、図形、記号等で構成 権利の及ぶ範囲 類似商号禁止の規制撤廃 日本全国単一の権利
考えてみよう! Aは「ほっかほっか弁当」という名の弁当屋を開業したい。ところが、同じ町にはすでに「ほかほか弁当」という弁当屋さんがあった。
類似商号規制撤廃 現在は、ある商号が登録されている場合、同市町村内で同一の営業内容では同一の商号を登記できないという制度 問題点 ・審査に時間と手間がかかる ・範囲は同市町村に限定されることは経済実態と合わない