様々な生産方式とJIT 経済学部4回生 0400-15-7636 尾野 祥一
目次 ①混流生産とJIT (1)混流生産とは? (2)混流生産に見るJIT (3)事例:NPW生産方式 ②セル生産方式とJIT (1)混流生産とは? (2)混流生産に見るJIT (3)事例:NPW生産方式 ②セル生産方式とJIT (1)セル生産方式の3形態 (2)セル生産方式に見るJIT (3)事例:SONY美濃加茂工場での生産方式
①(1)混流生産とは? 生産量が少なく、似た作り方の製品を集めて、大量生産の効果が得られる生産量を確保。 多品種少量生産とも表現される。 長所 短所 大量生産 商品1つあたりの 生産コスト削減。 一定の生産量以上を確保する必要。 少量生産 投資規模が低く、 固定費は少ない。 商品単価が高くなる。(人件費など) ↓ ↓ 生産量が少なく、似た作り方の製品を集めて、大量生産の効果が得られる生産量を確保。 多品種少量生産とも表現される。
①(2)混流生産に見るJIT 【ダンゴ生産】 ダンゴ生産(ロット※1生産)は 仕事のやりやすさ・単純性を 第一に考えており、PUSH システムになっている。 ↓ 在庫や仕掛品の氾濫の原因 混流生産による「1個流し」が 効率的であり理想的。 仕入 JIT導入が 必要不可欠 在庫
①(3)事例:NPW生産方式 コンセプトは 「限りないお客様への同期」 「限りない課題の顕在化と改革」 ↓ 「限りないお客様への同期」 「限りない課題の顕在化と改革」 ↓ Just In Time&Quality&Costの追求 品質の同期:お客様が要求する品質を作りこむ。 コストの同期:お客様に対価をいただけないムダを排除する。 ⇒お客様本位の受注生産型システム
ジャストインタイム導入推進の大きな要因に。 NPW生産方式とJIT① 1997年 同期生産導入宣言 1999年 NRP(日産リバイバルプラン※2)の展開 ①車両工場は7工場16ラインから4工場10ラインに 統合され、主要ラインは平均4車種混流生産に。 生産技術面では他車種混流・フレキシビリティーを 前提とした高度なものに進化。 これにより扱う部品も急増し、納入スペースが不足。 ↓ ジャストインタイム導入推進の大きな要因に。
NPW生産方式とJIT② A A B B C C ②調達物流費にメスが入り、調達物流を日産自身が担当。(物流費の外化・引き取り化) サプライヤー任せの輸送形態 ⇒日産の工場からの引き取り輸送に。 日産が管理・統括することで効率のよいJITが実現 直接輸送方式 ミルクラン方式 A NISSAN 生産工場 A NISSAN 生産工場 B B C C
②(1)セル生産方式※3の3形態 out← (1)分割方式 1つのセルに複数の作業者がついて作業を行う。分業制。 (2)一人方式 1つのセルに複数の作業者がついて作業を行う。分業制。 In→ 人 out← (2)一人方式 1人の作業者がすべての作業をこなす。1人屋台方式。 In→ 人 out←
②(1)セル生産方式の3形態 (3)巡回方式 セルを2~3人で共有し、同程度の作業速度で各 工程を順番に担当。 In→ 人 Out←
②(2)セル生産方式に見るJIT ・変種変量生産に対応したシステムなので、JITを心がける事が肝要。 ・必要な時に必要なだけものを作る →必要に応じてセル内の人員増減が容易。 ・基本的に1個流しのシステムを取る。 →ジャストインタイムの徹底が重要に。
②(3)事例:SONY美濃加茂工場 SONYの主力工場の高度生産活動に加え、SONYグ ループ以外の企業との、広範なB to B ビジネスを展開。 通称「多能工スパイラルライン」
高密度実装システム
③まとめ 様々な生産システムのなかにJITは根付いて いる。 JIT=トヨタというイメージがあるが、自動車産 業に限らず、あらゆる製造業でその導入を心 がけている。 JITの限界説もあるが、企業内の人の知恵と 努力がJITを自然に生み出すと思われる。
用語説明 ※1)ロット 製造業において、まとめて同種の製品を生産する場合の生産単位。例えば、ある製品をまとめて1000個生産した場合、この1000個がロット(1ロット)である。バッチ(batch)も同様の意味で使われるが、業界や会社によってはロットと使い分けられている場合がある。 近年、消費者嗜好の多様化や個性化に伴い、生産においても流通においても、多品種小ロット化が進展している。 (IT情報マネジメント用語辞典より抜粋) ※2)日産リバイバルプラン ・1999年に日産自動車のカルロス・ゴーンCOO(当時)が発表した同社の再建計画。 「2001年3月31日までに黒字化を達成 」「2003年3月31日までに営業利益率 4.5%以上を達成 」などのコミットメントを課し、リストラや工場閉鎖、資源の再配備 などを行った。 ・日産自動車はその後、社長兼CEOとなったゴーン氏のもとで、売上高などの業績 を著しく向上させ、2003年までの4年間で2兆1,000億円もの巨額の借金を完済 した。
用語説明 ※3)セル生産方式 ・日本で提唱された生産方式で、情報機器メーカーや家電メーカーの多くで導入されている。 ・1人、または複数人の作業チームで製品の組み立てを行うので作業者1人が受け持つ範囲が広い。 ・作業者または作業チームの周囲に工具や部品、作業台が囲む様子を細胞に見立ててセル生産方式と呼ばれている。 ・一人屋台方式とも呼ばれている。 (第5回 生産プロセスのレジュメ( 宝槻)より抜粋)
参考文献 ・「ジャストインタイム生産システム」 ジャストインタイム生産システム研究会/編 ・「生産システムの革新と進化」 都留 康/編著 ジャストインタイム生産システム研究会/編 ・「生産システムの革新と進化」 都留 康/編著 ・「セル生産システム」 岩室 宏/著 ・月刊 工場管理 2005年1月号/3月号/3月臨時増刊号/8月号 日刊工業新聞社 ・SONY美濃加茂株式会社ホームページ ・日産自動車ホームページ ・ウィキペディア百科事典 ・http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/5191/NRP.htm
本日のディスカッション① 日本の企業が中国に工場を建設する際、 JITを導入するにあたって、どのような問題 点があるだろうか。 また解決策としてはどのような対策が挙げら れるか。
本日のディスカッション② 日本でのJIT生産システムを海外移転する際、日本的経営システム の移転には次の4つの可能性が挙げられる。 ①日本的経営システムは国際ルールとしての欧米のものと類似 したものに変わってしまう。 (例)労働時間短縮・女性の管理職登用など ②日本的経営システムはそのまま変化せず存続 ③両国のシステムが折衷 (例)米国で開発されたコンピュータネットワークなどが日本で普及 アメリカのMRPにかんばん方式が結合 ④他国の環境の中に新しい環境を創造し、そこに日本的経営システムを当てはめて折り合いをつける。 以上のうち、最も適当な道はどれであろうか??