早稲田大学大学院 理工学研究科情報科学専攻 後藤滋樹研究室 1年 渡辺裕太 6boneの活動 早稲田大学大学院 理工学研究科情報科学専攻 後藤滋樹研究室 1年 渡辺裕太
IPv6の必要性 考案当時は十分な数だと思われていたIPv4だが、インターネットの爆発的な普及により、枯渇の危機にさらされている。 また、効率的なアドレスの割り当てが行われていないため経路表も大きなものになってしまった。 そのため現状より多くのIPアドレスを (効率的に)提供できるInternet Protocolが要求されるようになった。 そこで、128ビットでアドレスが表現されるIPv6が考案された。
IPv6の利点 IPv6を利用することにより次のような利点がある。 ヘッダが単純化された。これによりルーターにかかる負荷が小さくなる。
sTLAとpTLA sTLA 商用でも利用可能なアドレス空間。アドレスは2001:…となる。 pTLA 実験用のアドレス空間、商用としての利用はできない。アドレスは3FFE:…となる。
提供できるアドレス長 インターフェイスのMACアドレスが利用され、 64ビットはホストアドレスとなる。 NLA SLA sTLA 40+64bit 16+64bit pTLA 48+64bit インターフェイスのMACアドレスが利用され、 64ビットはホストアドレスとなる。 後藤研ではWIDEよりsTLAのSLAアドレス (2001:200:125::/48)を取得している。
後藤研における6boneの活動 後藤研メンバーの希望者に対してはトンネルによるIPv6の接続性を提供している。 AS (Autonomous System)を取得し (AS17956)、WIDE, IMNet, KDDIとのマルチホーム環境を実現している。 火曜日にゼミを実施し、IPv6に関わる知識や大手町におけるオペレーションに必要な技術を取り扱っている。 なお、後藤研内では主要なマシンのほとんどがIPv6に対応している (UNIX, Windows)。 マルチホーム環境を実現するためにはASの取得は不可欠である。 また早稲田大学ではAS17956を取得済みである。
IPv6接続性の提供 希望者にはトンネルを利用したIPv6の接続性を自宅へ提供する。希望者はv6users@goto.info.waseda.ac.jpまで。 Windowsでは加藤さんが作成したパッチ (http://win6.jp/)を利用することによって、Internet Explorer以外(Tera Term, FFFTP etc)でも利用可能になる。
シングルホーム 外部との接続が1カ所でしか行われていない状態。 早稲田のネットワークを出ていくIPv4パケットは、大手町でIMnetに送られているだけである。逆に早稲田のネットワークに入ってくるパケットは必ずIMNetから届く。
マルチホーム 2つ以上のIX (Internet eXchange)と接続を行うことをマルチホームと呼ぶ。ASを取得し、BGPを利用して経路情報の広報・制御を行う。 早稲田のIPv6ネットワークでは、WIDE, IMNet, KDDIの3機関と接続が行われている (フルルートを受信しているのはWIDE, IMNetの2機関)。
NSPIXP6 WIDEプロジェクトで行われている商用インターネット相互接続実験の接続ポイントの1つで、東京に設置されているIPv6 IXである。IPv6ネットワークの各種運用経験を得ることを目的としている。 今回のマルチホームの接続先はこのNSPIXP6である。
大手町の環境 IPv4のルータは専用のルータを利用しているが、IPv6のルータはPCである。そのため、パケットの測定が容易にできる。 IMNetがなくなってしまうため、早稲田大学では10月にIMNetからSINETに接続先を変更する。その影響で大手町でのマルチホーム環境が確実に保証できるのは今年度いっぱい (たぶん来年も大丈夫)。