建築物の地震防災技術情報ネットワーク の構築と国際貢献 独立行政法人建築研究所 国際地震工学センター 斉藤大樹 BRI H17 講演会 2006/03/14 建築物の地震防災技術情報ネットワーク の構築と国際貢献 独立行政法人建築研究所 国際地震工学センター 斉藤大樹
目次 国際地震工学センターの活動 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) 建築物の早期地震被害推定システムの開発 国際地震工学研修事業 途上国へのアンケート調査 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) IISEE-Netとは? IISEE-Netによる耐震情報の発信 建築物の早期地震被害推定システムの開発 早期地震被害推定システムの構成 早期地震被害推定システムの利用例 国際技術協力の推進に向けて
国際地震工学研修 研修事業の経緯 1960~研修事業が発足(東大生産技術研究所) 1962~国際地震工学センターが発足 1963~ユネスコとの共同事業 1972~日本政府単独事業 2005~修士号を授与(Master of Disaster Mitigation) 2006~津波研修がスタート(予定) 研修事業の種類 種類 一般コース グローバル地震観測 個別コース 分野 地震学、地震工学 地球的地震観測 地震学、地震工学 期間 毎年、12箇月 毎年、2箇月 任意 定員 20名/年 10名/年 5名以内
研修修了生 95箇国1,259名(H18.3現在) 研修修了生の所属
研究開発の背景 途上国で頻発する地震災害 ・社会基盤や経済基盤が脆弱 ・地震防災に関する技術情報が十分に得られない 途上国に地震防災技術を普及するために ・研修事業を通じた人材育成 ・技術情報の継続的・効果的な発信 Algeria Earthquake 5/21,2003, BBC News
途上国研究者の情報収集方法 継続的な情報収集の望ましい方法 国際地震工学センターに期待すること IISEE 技術協力 インターネット 雑誌・論文 国際会議 個人的収集、他 49 48 46 46 39 26 7 国際地震工学センターに期待すること 研修継続 研究協力 情報発信 学位制度 第3国セミナー 研修新コース、他 59 46 40 33 32 30 10 修士(2005~) 津波(2006~)
目次 国際地震工学センターの活動 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) 建築物の早期地震被害推定システムの開発 国際地震工学研修事業 途上国へのアンケート調査 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) IISEE-Netとは? IISEE-Netによる耐震情報の発信 建築物の早期地震被害推定システムの開発 早期地震被害推定システムの構成 早期地震被害推定システムの利用例 国際技術協力の推進に向けて
IISEE-net http://iisee.kenken.go.jp/net/index.htm 途上各国が自ら行う地震防災研究を支援するため、 建築物の地震防災技術情報をWebを通じて発信 技術情報は、地震観測、地震被害履歴、耐震基準、 マイクロゾーニングの4種類 国際地震工学研修で蓄積された情報や、研修修了生 の人的ネットワークを利用して情報整備 途上各国の研究者・研究機関との双方向の情報交換 の場として活用
IISEE-net の利用イメージ インターネットを通じた 双方向の情報発信 途上各国の特徴理解 途上国向け技術開発 情報集約 地震被害履歴 地震観測体制や施設 建築耐震基準 マイクロゾーニング 地震活動や被害の理解 建築基準の開発や改良 地震活動や被害の理解 耐震基準の開発や改良 国際地震工学研修を通じた人的ネットワーク
地震観測網 研修修了生のカントリーレポート等を基に、 地震観測網、地震活動、テクトニクス等の情報を掲載 コロンビアの例: 周辺のテクトニクス 国家地震観測網 既往の地震活動
地震被害履歴 被害地震の震源、規模、死者・負傷者数等の諸情報 被害地震に関する報告書(カントリーレポート) 途上国を中心に68カ国分 被害地震の震源、規模、死者・負傷者数等の諸情報 被害地震に関する報告書(カントリーレポート) 余震分布、断層メカニズム解、破壊伝播過程等の解析 被害地震リスト* 検索と図化処理 破壊伝播過程 (Colima、Mexico地震) *宇津徳治東大名誉教授から国際地震工学センターが データベースの管理運営を継承
建築物の耐震基準 途上国及びEuro Code, ISO等の耐震基準要旨を掲載 設計地震力の算出法、補正係数を相互に比較可能 メキシコの例: 耐震基準を保有する46カ国分 途上国及びEuro Code, ISO等の耐震基準要旨を掲載 設計地震力の算出法、補正係数を相互に比較可能 メキシコの例: 設計スペクトル 設計地震力の算出法 地域別補正係数
マイクロゾーネーション 途上国の首都圏での解析事例を掲載 地震動評価、液状化評価、地盤災害評価、建物被害 6カ国分の事例 途上国の首都圏での解析事例を掲載 地震動評価、液状化評価、地盤災害評価、建物被害 想定について我が国の代表的手法を紹介 イランの例: マイクロゾーネーション事例 予想震度分布
IISEE-net の運用状況 Webpageの運用状況 平成14年5月より公開済み、随時内容を更新拡充 双方向の情報交換 Webpageで情報発信、Emailや掲示板で情報受信 継続的な運用のための工夫 ・研修プログラムと連携(情報確認、更新、討議) ・研修修了生との連携確保(ニュースレター等) ・関係機関や関連研究情報へのリンクを充実
目次 国際地震工学センターの活動 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) 建築物の早期地震被害推定システムの開発 国際地震工学研修事業 途上国へのアンケート調査 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) IISEE-Netとは? IISEE-Netによる耐震情報の発信 建築物の早期地震被害推定システムの開発 早期地震被害推定システムの構成 早期地震被害推定システムの利用例 国際技術協力の推進に向けて
開発の背景 途上国が自らの努力で地震対策を実施することを支援する。 地震対策のノウハウに関する情報を提供する。 被害推定に必要な方法論・手順をメニュー化し、途上国がWeb上で手法を選択できるようにする。 地震被害推定の方法論を以下に大別 ①震源特性推定 ②地震波の伝播・増幅推定 ③建築物の応答・被害推定
早期地震被害推定システムの構成 ①震源特性推定 ②地震波の伝播・増幅推定 ③建築物の応答・被害推定 地震が起きた後 地震が起きる前 地震動記録 地震観測 震源の特性 地震が起きる前 ①震源特性推定 震源特性の同定 地殻構造、テクトニクス、 地震活動 想定地震 地震波の伝達特性 表層地盤による地震波の増幅 地盤・建物の相互作用 ②地震波の伝播・増幅推定 建物への入力地震動 地表の地震動 工学的基盤での地震動 被害推定 補修コスト推定 応答推定 ③建築物の応答・被害推定 建物の地震応答 建物被害 可能な対策
震源特性推定(グレード1)の例 Step 1. IISEE-net サイトに接続 Step 2. サーチエンジンを利用して、 カタログから被害地震を検索 例) ペルーの地震、検索条件(死者1000人以上) グレード1 震源 地震発生前
地震波の伝播・増幅推定の例
建築物の応答・被害推定の例 (グレード1 GESI Method)
目次 国際地震工学センターの活動 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) 建築物の早期地震被害推定システムの開発 国際地震工学研修事業 途上国へのアンケート調査 地震防災技術情報ネットワーク(IISEE-Net) IISEE-Netとは? IISEE-Netによる耐震情報の発信 建築物の早期地震被害推定システムの開発 早期地震被害推定システムの構成 早期地震被害推定システムの利用例 国際技術協力の推進に向けて 情報インフラ ツールDB 共同研究・共同実験
途上国のニーズの把握 途上国の専門家を交えたテレビ会議の実施事例 ルーマニア ,2005 ペルー (TDLCホームページより抜粋) ルーマニア テレビ会議による「日本・ペルー耐震技術報告会」 Friday, February 24, 2006 ペルー
共同研究・共同実験の実施 共同研究テーマ案 共同実験テーマ案 途上国に特徴的な建築物(例えば組積造建物)の 耐震性能評価実験 「建築物の早期地震被害推定システム」のケーススタディ 共同実験テーマ案 途上国に特徴的な建築物(例えば組積造建物)の 耐震性能評価実験 日本側の実験・分析技術 途上国側の安価なマンパワーと現地の材料・工法 = + 枠組み組積造 RC造の柱・梁 レンガの壁 ductile brittle
地震防災のための国際技術協力ネットワーク 1990~1997 JICAプロジェクト ペルー CISMID メキシコ CENAPRED 1986~1993 JICAプロジェクト CIB 米国EERI 建築研究所 情報交換等 遠隔講義 IISEE-net 早期地震被害推定システム (知識データベース) ルーマニア CNRRS 国地研修 テレビ会議システム 共同研究 共同構造実験 共通課題 2002~2007 JICAプロジェクト 技術指導 インドネシア トルコ ITU 共同研究 共同構造実験 その他 1993~2000 JICAプロジェクト
目標とする成果・アウトカム 共同研究・実験の実施、TV会議の開催 地震防災に関わる国際技術協力の推進 地震被害推定システムの事例蓄積 地震被害推定システムの普及 地震防災情報の海外発信 世界の地震防災情報の共有化 日本の地震防災技術の普及 レクチャーノートの電子化、遠隔講義の実施など 研修内容の充実・強化
さらなる国際貢献へ… IISEE Flag 2005-2006 Regular Course Participants