Ⅰ. 中期経営改善施策.

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長期増分費用方式による接続料の算定の在り方に関するNTTの考え方 中期経営改善施策 及び 長期増分費用方式による接続料の算定の在り方に関するNTTの考え方 平成11年11月19日 東日本電信電話株式会社 西日本電信電話株式会社

Ⅰ. 中期経営改善施策

このような考え方に基づき、東西地域会社について、次のとおり、3年間(平成12~14年度)の中期経営改善施策を取りまとめました。 NTTグループは、固定から移動体へ、電話からデータ通信へと市場構造が急激に変化する中で、通信料金の一層の低廉化要望に応えつつ、「グローバル情報流通企業グループ」へと事業構造の転換を図るため、グループ内の人員再配置をはじめとした経営改善施策に取り組むこととし、これにより、グループトータルとして事業の拡大に努めてまいります。  このような考え方に基づき、東西地域会社について、次のとおり、3年間(平成12~14年度)の中期経営改善施策を取りまとめました。 ―1 ―

東西地域会社において、平成14年度末までに約▲2.1万人の人員削減を実施します。 1.人員削減 東西地域会社において、平成14年度末までに約▲2.1万人の人員削減を実施します。 再編成時 (平成11年7月) 平成14年度末 削減数 NTT東日本 6.0万人 約5.0万人 約▲1.0万人 NTT西日本 6.8万人 約5.7万人 約▲1.1万人 合 計 12.8万人 約10.7万人 約▲2.1万人 〔具体的な施策〕 ・ 業務運営体制の効率化(別紙)   東西地域会社において、業務の集約、営業拠点の統廃合(現在の3分の1程度に削減)、本社・間接部門のスリム化など業務運営全般にわたる徹底した効率化を推進するとともに、首都圏・京阪神等大都市への広域異動を含めた大規模な人員再配置を実施する。 ・ グループ内人員再配置   グループ各社の事業開拓・拡大に伴い必要となる人員について、東西地域会社から4,000人程度の再配置を実施する。   これに伴い、グループ各社の新規採用を抑制する。(東西地域会社においては、平成13年度から2年間新規採用を見合わせる。) ― 2 ―

東西地域会社において、平成12~14年度の3年間で設備投資額を約▲9,000億円削減します。 2.設備投資削減  東西地域会社において、平成12~14年度の3年間で設備投資額を約▲9,000億円削減します。 平成11年度 (平年ベース) 3年間平均投資額 (平成12~14年度) 3年間削減額 NTT東日本 6,500億円 約5,000億円 約▲4,500億円 NTT西日本 6,500億円 約5,000億円 約▲4,500億円 合 計 1兆3,000億円 約1兆円 約▲9,000億円 〔具体的な施策〕 ・ コスト・リダクション(機器等購入価格の低廉化、工事設計・発注の効率化等)の一層の推進 ・ 需要動向を踏まえた設備高度化投資の推進 ― 3 ―

グループ内の業務受託会社において、徹底した業務の効率化及び一般市場での業容拡大により、一層の委託費低減を図る。 3.その他 (1) 各種経費の削減    東西地域会社において、各種経費の削減により、平成14年度において約1,000億円(NTT東日本:約300億円、NTT西日本:約650億円)の収支改善効果を実現します。 〔具体的な施策〕 ・ 物件費全般にわたる一層の効率化推進 ・ グループ内委託費の低減   グループ内の業務受託会社において、徹底した業務の効率化及び一般市場での業容拡大により、一層の委託費低減を図る。 (2) 成果・業績主義の徹底     事業環境の変化に対応し、仕事の成果や貢献度を一層重視した人事・賃金制度への見直し等を検討します。 ― 4 ―

4.収支改善効果  中期経営改善施策による収支改善効果としては、平成14年度において、NTT東日本が約1,600億円、NTT西日本が約1,900億円、合計約3,500億円を見込んでいます。 〔注〕この結果、今後の料金制度変更(長期増分費用方式、プライスキャップ制)を織り込まない場合の平成14年度における経常利益は、NTT東日本が約1,000億円、NTT西日本が約300億円と試算しています。 ― 5 ―

東西地域会社における業務運営効率化施策 (別紙) NTT東日本 NTT西日本 ― 6 ― 拠点数等(H10末) 集約等形態 販売業務 230拠点 279拠点 100拠点程度 100拠点程度 営業窓口業務 335拠点 308拠点 電話受付業務 (116) 77拠点 40拠点程度 74拠点 35拠点程度 料金業務 30拠点程度 80拠点 30拠点程度 73拠点 故障受付業務 (113) 23拠点 (昼間のみ34拠点) 10拠点程度 (昼間のみ20拠点) 34拠点 (昼間のみ7拠点) 5拠点程度 (昼間のみ25拠点) ― 6 ―

Ⅱ. 長期増分費用方式による接続料の算定の在り方に関するNTTの考え方

1.郵政省モデル値を達成するまでの期間的猶予の必要性  NTT(NTT東日本及びNTT西日本。以下、同じ。)は、先に提出した意見(平成11年10月22日)において述べたように、NTTのトップダウンモデルをベースとした接続料金の設定方式が望ましいと考えております。  他方、仮に郵政省研究会のモデル(以下、郵政省モデル)をベースに接続料金を設定する場合には、郵政省モデルは、「現時点で利用可能な最も低廉で最も効率的な設備と技術で」という考え方の下に、一定の仮定を置いて仮想的なネットワークを構築する場合の費用を算定したものであり、郵政省モデルに基づく費用は仮想上の事業者でなければ達成し得ない性格のものと考えており、モデルを直ちにそのまま接続料金に適用すれば接続料コストの未回収につながらざるを得ないことから、NTTとしては期間的猶予の設定、適用領域の限定等により、コスト回収を確実にすることが必須条件であり、次のような配慮がなされることが不可欠であると考えます。 1.郵政省モデル値を達成するまでの期間的猶予の必要性    郵政省モデルをベースに接続料金を設定する場合には、現実のネットワークのコストを郵政省モデルのコストに近づけることを可能にするための期間的猶予を設定して、コストの未回収が発生しないようにするしくみが不可欠であります。    NTTは、3年間(平成12~14年度)にわたり中期経営改善施策を実施する予定ですが、この効果を織り込んでも平成14年度までに現実の接続料コストを郵政省モデルの水準まで引き下げることは不可能であると考えており、郵政省モデルを適用する場合には、3年を超える十分な猶予期間が不可欠であると考えます。    その際に、ZC接続機能、GC接続機能等アンバンドルされた機能区分によって、モデル値を達成するために要する期間が異なることへの配慮が必要であると考えます。 ― 7 ―

(2) 加入者回線の光化等を勘案した場合のコスト傾向 2.加入者回線の適用除外  加入者回線については、次の理由から、現実のネットワークのコストを郵政省モデルのコストに合わせることは中期的にも困難であることから、この部分については郵政省モデルの適用除外とすることを要望します。 (1) き線ケーブルの設置形態    郵政省モデルは、例えば、 き線ケーブルについて、約90%架空設備とする前提に立っていますが、現実は耐震対策や美観向上のための自治体等からの要請でほぼ100%地中化を終えており、今後の現実の運営からしても、今さら架空に戻すことはあり得ないこと。 (2) 加入者回線の光化等を勘案した場合のコスト傾向    NTTは、中期経営改善施策を実施しコスト削減に最大限努力していく考えでありますが、今後の光化等の地域ネットワークの高度化投資を勘案すると現行よりもコストを引下げることは困難であること。 ― 8 ―

従って、NTTとしては、利用者への負担変動をもたらす可能性が高いケースBをモデ ル値として採用すべきではないと考えています。 3.ケースBの適用について  ケースBは、き線点RTコストを加入者交換機から加入者回線へ付替えるものであり、 き線点RTコストの回収方法としては、全てのユーザに基本料金の値上げとして負担を求 める方法と、現在このコストを負担している全ての事業者に対する定額制の接続料金を設 定する方法とが考えられます。  後者の場合であっても、米国の長距離電話会社は、地域電話会社から請求される定額制 の事前登録長距離事業者接続料金(PICC)について、ユーザに対する請求書にその旨 を明示して転嫁しているのが実態であり、我が国において定額制の接続料金を設定した場 合にも、結果的に全てのユーザの基本料金の値上げと同等の効果を持つ可能性が極めて高 いと考えられます。    従って、NTTとしては、利用者への負担変動をもたらす可能性が高いケースBをモデ ル値として採用すべきではないと考えています。 ― 9 ―

4.モデルの改訂及びデータの更新の取り扱い    NTTが現実のネットワークのコストを郵政省モデル値に近づけるために必要な期間内 においては、モデル(プラットフォーム)及びデータ(入力値)を固定することを要望し ます。    また、NTTがモデル値を達成後、モデルの改訂及びデータの更新を行う際には、新しいモデル値に現実のネットワークのコストを合わせるために必要な期間を含め、その時点で新たな枠組みを検討することを要望します。 ― 10 ―