住宅における緑のカーテンの 温熱環境緩和効果の実測

Slides:



Advertisements
Similar presentations
過去の気温変化. Newton ムック 2005 地球大変動 pp.114 Newton ムック 2005 地球大変動 pp.115.
Advertisements

日射遮蔽と組み合わせた 微細水ミストの被験者実験 石井 英丈 大森 勇.
1 通風の簡易設計手法構築に向けて ( 通風性状に関する新しい知見と 通風計画に関する提案 ) 独立行政法人 建築研究所 環境研究グループ 研究員 西澤 繁毅.
第1章 金融の基本的要素 Q.4~Q /5/6 棚倉 彩香.
BODPODの使い方.
おおさかヒートアイランド対策推進計画 概要版
現場における 熱貫流率簡易測定法の開発  五十嵐 幹郎   木村 芳也 
4月1日魚沼守門週間天気情報 ポイント予報 魚沼市 週間天気予報 中越地方 注意報 雷 なだれ
4-5 風の道ビジョン 風を感じていますか? 大阪市 (紙芝居風に) この場所は、夏だというのに、風がとても気持ちいい。西風だわ!
較正用軟X線発生装置のX線強度変化とスペクトル変化
東京23区の気温分布と リモートセンシングを用いた 緑被面積率の関係
微細水ミストによる気温低下量および日射影響に関する実験的研究 出居 祐哉 岡田 尚久 指導教員 成田 健一
「熱負荷計算モデル」の入力パラメータとの関連
神奈川県立保健福祉大学学生居住支援事業(概要)
被験者実験による 微細水ミストの冷却効果に関する研究
大学との研究・学会発表等 月(社)日本木材加工技術協会 第27回年次大会
高分子電気絶縁材料の撥水性の画像診断に関する研究
神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
北部を中心とした 関東平野の夏季の気温分布特性
山口市における ヒートアイランド現象の解析
緑のカーテンによる 温熱環境緩和効果のメカニズム
ステップガーデンを有する建物と その周辺市街地の熱環境実測
気温測定用日射遮蔽シェルターの性能検証 保坂 智樹 指導教員 成田 健一
木造住宅の 常時微動観測 05TC012 押野雅大 05TC021 川村潤也.
東京湾臨海部における 夏季の気温分布特性  山城 剛司.
シンチレーション法による 顕熱フラックス測定の検討
自然教育園における 冷気の「にじみ出し現象」の実測 方位による冷気流出の差異について
屋外における温冷感指標を作成する 既存の体感指標SET*,PMVなど 室内の環境を評価対象 放射←周りからの赤外線放射のみ
建物周辺気流の予測手法としての 数値シミュレーション・風洞実験の検証
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
人間温度計になって 暑さ・涼しさをはかってみよう!
3.8 m望遠鏡主鏡エッジセンサ 開発進捗 京都大学 理学研究科 M2 河端 洋人.
京大岡山3.8 m望遠鏡計画: 分割主鏡制御エッジセンサの開発
LabVIEWによる 地上気象観測データ 収集システムの開発
13 室内空気環境 ○気温、気湿:アスマン通風湿度計 ○カタ冷却力:カタ温度計(カタ係数÷カタ温度計が38℃から35℃に下降するまでの時間)
バランスシート 月分 資産 負債 流動資産 今月支出(収入ー支出) 6万円 ローン 車のローン残金 100万円 残1年 預金 A銀行
関東平野スケールでみた 夏季夜間の冷気生成域の分布   山内 恵太.
コンビニ向け省エネ対策システム (提案事例)
蒸気圧と沸点 『水の沸点は変化する』.
第11回   ディジタル画像(2) ディジタル画像処理(2)
高効率・太陽電池 エス・ジー・ケイ有限会社.
葉面積密度の空間分布を考慮した 樹木の抵抗係数の算定に関する風洞実験 加藤 麻希 佐藤 宏樹
Radiation dosimetry of 137Cs γray for a long time irradiation
自然通風時の室内風速分布に関する研究 ー噴流理論を応用した簡易予測手法の検討ー
YT2003 論文紹介 荻原弘尭.
住宅用調理レンジを対象とした 排気フードの廃気捕集率に関する研究
構造情報に基づく特徴量を用いた グラフマッチングによる物体識別 情報工学科 藤吉研究室  EP02086 永橋知行.
省エネルギーを指向した複合ビルの環境設計
スケールモデルサイトにおける「風の道」の野外実験
都市表面における 熱輸送速度の実験的研究 スケールモデルによる野外実験と風洞実験の比較 大久保 典明
建築物の環境配慮のあり方について~温暖化対策部会報告の概要~
遮熱性塗料の断熱性能評価実験  柏原 雅史.
集合住宅団地における棟間気流性状および 外壁面対流熱伝達率の実測
断熱Low-Eガラスが冬期の自然室温に及ぼす効果
住宅における通風時の温熱環境および 省エネルギー効果に関する実証研究 増田真也
風が都市内水路に及ぼす 熱的影響 ー河川における気温低下の条件ー  仲里 耕太郎.
コケを用いた屋上緑化の ヒートアイランド緩和効果に関する屋外実験
準実大模型を用いた 都市の表面温度と気温分布 に関する野外実験
マイスターⅡ 窓シリーズ商品 商品性能 快適を創る優れた商品性能 H-5相当 T-1(25)等級 T-2(30)等級 W-4(35)等級
水ジェットキャビテーションによる 有機物分解効率の向上に向けた基礎研究 2002年12月26日
2006 年 11 月 24 日 構造形成学特論Ⅱ (核形成ゼミ) 小高正嗣
研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 今後の展望 太陽光模擬の高精度化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用
熱放射層による 熱源の放射冷却について.
13 室内空気環境 ○気温、気湿:アスマン通風湿度計 ○カタ冷却力:カタ温度計(カタ係数÷カタ温度計が38℃から35℃に下降するまでの時間)
スケールモデルを用いた建物群周りの        気温分布の検討 藤原 孝三 指導教員  成田 健一.
スケールモデルサイトにおける 「風の道」の野外実験
輻射伝搬効果の検証(中) 都丸隆行.
高分子がいし材料の吸水及び乾燥過程と表面粗さ
スケールモデルによる都市表面の熱輸送速度に関する実験
北大MMCセミナー 第23回 Date:2014年3月6日(木) 16:30~18:00 ※通常と曜日が異なります
Presentation transcript:

住宅における緑のカーテンの 温熱環境緩和効果の実測 1103309 杉山 匠

緑のカーテンの特性 サーモグラフィを用いて緑のカーテンの熱画像を見た場合、屋根や道路の表面温度と比較して低い温度を保っていることが確認できる。 緑のカーテン サーモグラフィによる熱画像

本研究の背景 緑のカーテンには周囲の放射環境の改善や 体感温度の低下効果が期待されている 周辺の放射熱を含めた実験を行う場合、一 般住宅では住民の方への負荷が大きい 人が暮らしている住宅で周囲の放射熱を含 めた系統的な実験を行った例はこれまでほ とんどなかった 毎年緑のカーテンを設置している一般住宅 にて本測定に協力して頂ける機会を得るこ とができた

研究目的 本実測は実際に住民の方が住んでいる 一般住宅で周辺の放射環境を含めた系 統的な温熱環境実測を行う 緑のカーテンの成長前から成長後にか けての実測期間に軒下や居室内で緑の カーテンの有無によって放射環境にど のような変化があるのかを確認する

実測住宅の位置 神奈川県 川崎市高津区久地 3㎞

対象住宅の概要 3F建てSRC造 緑のカーテンは南面の 2,3Fに掛けてベランダ に設置されている すだれと緑のカーテン を設置した居室がある 1Fはビール工場として 使われている 居住スペース 屋上 すだれ 緑のカーテン 3F ベランダ 2F ビール工場 1F 道路面 (北面) 東断面図 2,3F床面積 12,7m*6,4m=約81.2㎡

2F 軒下(幅約2m) 塩ビ製 波型屋根 すだれ

ベランダ周辺 屋上から見たベランダ すだれ有り すだれ無し

2F 測器設置図 緑カーテン すだれ 軒 強制通風 シェルター グローブ温度計 居室の設置状況

西断面図 緑のカーテン 3F 超音波風速計 すだれ 2F 1F ビール工場 日射遮蔽 シェルター 超音波風速計

成長前(ゴーヤ) カーテン完成 成長中 6月24日 6月24日 7月11日 7月21日 何も設置しない居室気温を基準として、緑のカーテンとすだれを使用している居室の気温を比較した。 12~15時平均 カーテンの成長によって、緑のカーテンとすだれを設置した居室の気温が徐々に下がる。

軒下 グローブ温度と気温の関係 居室 8/22~10/3 12~15時平均 遮蔽なし 緑のカーテン 緑のカーテン&すだれ 軒 居室 (遮蔽なし) 緑のカーテン&すだれ

緑のカーテンとすだれの間に熱が籠る 基準温度との差 手摺(2F基準温度) 2F 緑のカーテン&すだれ間 基準温度より高い気温であることから、すだれ、または緑のカーテンによって熱が籠り、気温に影響を受けていることが分かる。

SET* (標準新有効温度)について 周囲を取り巻く温熱環境と人体との間の熱 平衡式に基づいて定義される 温熱6要素を考慮した物理的、生理的に基 づく快適性指標 実際に人が体で感じる温度により近い数値 が求められるため、快適性の評価に使用さ れる 室内における快適範囲は22.2~25.6℃

2013年8月30日 (12~15時の平均) 3F屋上=36.9℃ アメダズ府中=35.8℃ 軒下の気温差は0.3℃、 47.4℃ 40.7℃ SET*=44.8℃ 44.2℃ 40.3℃ SET*=42.3℃ 45.3℃ 39.7℃ SET*=43.1℃ 軒下の気温差は0.3℃、 グローブ温度差は3.2℃、 SET*差は約2.5℃ 2F手摺 37.7℃ 居室では気温差は1.9℃、グローブ温度差は1.4℃、SET*差は0.9℃ 軒 気温 グローブ温度 SET*(標準 新有効温度) 軒下のSET*は軒の赤外放射の影響を強く受けており、体感温度と実際の気温に大きく差がある。 35.6℃ 36.4℃ SET*=34.6℃ 34.2℃ 34.5℃ SET*=33.7℃ 34.4℃ 2F平面図

まとめ 緑のカーテンの成長に伴い、緑のカーテンとす だれを設置している居室気温が何も設置しない 居室と比べて低くなっている 緑のカーテンとすだれに挟まれた空間は、外部 よりも1~2℃高くなっており熱が籠っている 軒下の屋外空間では、緑カーテンによる気温差 は日中でも1℃以内、すだれとの併用によっても 1~2℃程度で、大幅な気温差は見られない 軒下のグローブ温度は緑のカーテンの有無に よって3℃以上の差が出ており、放射環境の改善 による温熱環境緩和効果は大きい