関電美浜 2005/4/5
事故の概要 二次系配管破損事故 5人死亡 噴出した蒸気や熱水のために、タービン建屋内の二次系の給水ポンプモーター、ケーブル、電流系などの機器類178箇所が損傷(中央制御システムやタービン本体に影響はない)
関連 二次系配管30箇所の肉厚調査で一箇所の厚さが国の技術基準を下回っていた 配管の減肉 86年米国サリー原発で、減肉による配管破断事故が発生、4人が死亡
最終報告案 美浜原発3号機の11人死傷事故は、関電の管理体制が機能せず、破裂した配管が点検対象から漏れたまま放置されたことが本質的問題だ 経産省事故調査委員会最終報告書案 点検対象から漏れていたことより、それを是正できなかった関電の企業体質、同社の経営陣の姿勢を厳しく批判
最終報告案の内容 保守管理には外注が不可欠だが、外注の結果発生した責任が一義的には事業者にあることの自覚が関電に不足 関電は、三菱重工や日本アームに現場の実情を十分反映していない配管図から点検箇所を抽出させ、点検対象のリストや点検計画を作成させた。関電は点検リストの確認をしたが、配管図まではチェックしなかった。 現場の第一線では安全より、検査工程を優先 産経2005.3.13
点検リスト 過去の修繕、改造工事で配管の構造を変更したのに、定検用の図面にきちんと反映しなかった 関電が二次系配管の管理を軽視していたことを示す 関電は過去の定検で周辺機器を点検しやすくしたり、作業時に足場を組みやすくしたりして、配管の屈曲部が増えるなどしていたが、そうした変更を図面などに書き直していなかった
リスト漏れ 三菱重工が90年に関電の委託を受けて点検リストを作った際に起きた。三菱重工は98年以降、北電泊原発1号機や日本原子力発電2号機の同一部位がリストから漏れているのを発見したが、日本アームには減肉の発生に関する情報だけを伝え、点検リスト漏れの情報は伝えていなかった。関電にも伝えなかった。 関電と三菱重工との契約は切れていた
委託先管理と情報共有 点検を委託する そこに漏れがあった そこまでを事業者が管理すべきだと言われる 下請けの管理か、委任なのか 情報の共有は、三菱が別の原発で分かっていた知識を教えなかった 航空機業界では、国際機関が音頭を取ってメーカーや航空会社、整備会社との間でトラブルや保守点検に関する情報を共有している
組織 保守点検の問題 管理者(所有者)と製造者と管理委託者 回転ドアの場合は、メーカーと管理者が同じく責任を問われた テレビが発火すると、所有者ではなく、メーカーが責任を問われるだろう
倫理綱領 原子力学会の倫理綱領は、関係者に対する指導責任を認めている 関電は独自の基準を使っていた これは、東電の維持基準と同じことか また、JCOの裏マニュアルと同じことか
組織の倫理 JALは、美浜の事故の後、京大での原子力学会の講演で、組織の対応が優秀だと見なされていた(2004年秋) しかし、2005年の春には事故、トラブルが続き、組織の問題が指摘されている JALは、JASとの間のシステムの統合ではうまくいったと見なされている