Decomposition of toxic and hazardous substances by discharge plasma

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Decomposition of toxic and hazardous substances by discharge plasma 放電学会春のシンポジウム 27 May 2004 芝浦工業大学 田町校舎 本館24教室 放電プラズマによる環境汚染物質の分解 佐 藤 孝 紀 (室蘭工業大学) 吉 澤 宣 幸 (NTTファシリティーズ) Decomposition of toxic and hazardous substances by discharge plasma Kohki SATOH (Muroran Institute of Technology) Nobuyuki YOSHIZAWA (NTT Facilities) Agenda 1.背景と目的 2.装置構成および条件 3.実験結果と考察 (1) 分解生成物の同定 (2) 酸素濃度の影響 (3) ベンゼンの分解過程 4.結論

Background -toxic & hazardous substances #1 亜鉛及びその化合物 アクリルアミド アクリル酸 アクリル酸エチル アクリル酸ブチル アクリル酸メチル アクリロニトリル アクロレイン アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル アセトアミド アセトアルデヒド アセトニトリル アニリン アンチモン及びその化合物 アントラセン イソオクタン イソブチルアルコール イソプロピルベンゼン イソプロペニルベンゼン イソホロン インデノ[1,2,3-cd]ピレン エタノ-ルアミン N-エチルアニリン エチルアミン エチルベンゼン エチレン エチレンイミン エチレンクロロヒドリン エチレングリコ-ル エチレングリコ-ルモノエチルエーテルアセテ-ト 2-エトキシエタノ-ル エピクロロヒドリン 塩化ジメチルカルバモイル 塩化ビニルモノマ- 塩化ベンジル 塩化メチル 塩化アリル 黄リン カテコ-ル カルバミン酸エチル キシレノ-ル 2,4--キシレノ-ル キシレン類 キノリン ギ酸 ギ酸メチル クレゾ-ル類 クロム及びその化合物 クロルデン類 クロロエタン クロロジブロモメタン クロロスルホン酸 o-クロロトルエン p-クロロトルイジン及びその強酸塩 クロロニトロベンゼン(o体,p体) クロロプレン クロロベンゼン クロロホルム クロロメチルメチルエ-テル クロロ酢酸 グラスウール ケイフッ化水素酸 コバルト及びその化合物 酢酸イソブチル 酢酸ビニル 酢酸ブチル 三塩化リン 酸化エチレン 酸化プロピレン 四塩化炭素 シクロヘキサノ-ル シクロヘキサノン シクロヘキシルアミン 臭化ビニルモノマ- 臭素 2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノ-ル ジエタノ-ルアミン ジエチルアミン ジエチルエ-テル 1,4-ジオキサン 1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエタン 1,2-ジクロロエチレン 1,1-ジクロロエチレン ジクロロフェノ-ル類 ジクロロブロモメタン 1,2-ジクロロプロパン 3,3'-ジクロロベンジジン p-ジクロロベンゼン o-ジクロロベンゼン ジクロロメタン ジニトロトルエン類 1,8-ジニトロピレン 1,6-ジニトロピレン ジフェニルアミン ジフェニルエ-テル ジベンゾ[a,h]アントラセンジベンゾフラン ジボラン N,N-ジメチルアニリン ジメチルアミノアゾベンゼン ジメチルアミン ジメチルエ-テル N,N-ジメチルホルムアミド 水銀及びその化合物 スズ及びその化合物 スチレン スチレンオキサイド 石英(結晶) セリウム及びその化合物 セレン及びその化合物 タリウム及びその化合物 タルク

Background -toxic & hazardous substances #2 ダイオキシン類 チタン及びその化合物 1,1,2,2,-テトラクロロエタン テトラクロロエチレン テトラヒドロフラン テレフタル酸 トリエタノールアミン トリエチルアミン 1,1,1-トリクロロエタン 1,1,2-トリクロロエタン トリクロロエチレン トリクロロフェノール類 1,2,4-トリクロロベンゼン o-トリジン トリメチルアミン トリメチルベンゼン類 トルイジン類 トルエン トルエンジイソシアネート類 ナフタレン β-ナフト-ル 二臭化エチレン ニッケル及びその化合物 N-ニトロソジ-n-ブチルアミン N-ニトロソジ-n-プロピルアミン N-ニトロソジエチルアミン N-ニトロソジメチルアミン N-ニトロソ-N-メチル尿素 N-ニトロソモルホリン ニトロトルエン類 1-ニトロピレン ニトロフェノ-ル類 3-ニトロフルオランテン 2-ニトロフルオレン ニトロベンゼン 乳酸ブチル 二硫化炭素 バナジウム及びその化合物 バリウム及びその化合物 パラジウム及びその化合物 ビス(2-クロロエチル)エ-テル ヒドラジン ヒドロキシルアミン ヒドロキノン ヒ素及びその化合物 2-ビニルピリジン ビフェニル ピクリン酸 ピリジン ピレン フェニルヒドラジン フェニレンジアミン類 フェノール フタル酸ジエチル フタル酸ジ-2-エチルヘキシル フタル酸ジブチル フタル酸ジメチル フッ化物 フルフラ-ル フルフリルアルコ-ル 1,3-ブタジエン ブタナ-ル 1-ブタノ-ル 2-ブタノ-ル 2-ブトキシエタノ-ル ブロモエタン ブロモホルム プラチナ及びその化合物 プロパナ-ル プロピオン酸 プロピレンイミン ヘキサクロロエタン ヘキサクロロベンゼン ヘキサメチレンジイソシアネ-ト ヘキサン ベリリウム及びその化合物 ベンゼン ベンゾ[a]アントラセン ベンゾ[a]ピレン ベンゾ[b]フルオランテン ベンゾ[j]フルオランテン ベンゾ[k]フルオランテン ベンゾ[e]ピレン "ベンゾ[g,h,i]ペリレン" ベンゾトリクロライド ホルムアルデヒド ポリ塩化ナフタレン ポリ塩素化ビフェニル(PCB)マンガン及びその化合物 無水酢酸 無水フタル酸 無水マレイン酸 メタクリル酸メチル メタノ-ル N-メチルアニリン メチルアミン メチルイソブチルケトン メチル-t-ブチルエ-テル メチルエチルケトン メチルシクロヘキサノ-ル 2-メチルシクロヘキサノン 1-メチルナフタレン 2-メチルナフタレン メチルヒドラジン N-メチルピロリドン 4,4'-メチレンジアニリン メチレンビス 4,4'-メチレンビス 2-メトキシエタノ-ル 2-メルカプトイミダゾリン ヨウ化メチル 硫化カルボニル 硫化リン 硫酸ジエチル 硫酸ジメチル リン酸トリス(クロロエチル) リン酸トリス(ブトキシエチル) リン酸トリス リン酸トリブチル ロックウ-ル 4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン

Background 優先的な排出抑制の取組が必要な物質(22種) 排ガス中の有害物質の処理法(分解・除去) (“今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第二次答申)”,環境庁大気保全局, 1996年8月) ダイオキシン類* アセトアルデヒド トリクロロエチレン** クロロホルム テトラクロロエチレン** 酸化エチレン ベンゼン** 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン ホルムアルデヒド 1,3-ブタジエン ベンゾ[a]ピレン アクリロニトリル 水銀及びその化合物 クロロメチルメチルエーテル ニッケル化合物 タルク(アスベスト様繊維) 塩化ビニルモノマー マンガン及びその化合物 六価クロム化合物 ベリリウム及びその化合物 ヒ素及びその化合物 *ダイオキシン類対策特別措置法,平成11年法律第105号,(1999年7月16日公布) **“大気汚染防止法の概要”,環境省大気保全局大気規制課,(1999年2月) 排ガス中の有害物質の処理法(分解・除去) 直接燃焼法、触媒燃焼法、吸着法: 大流量の排ガス処理が可能(1,000Nm3以上) 100ppm~10,000ppmの濃度範囲 放電プラズマによる処理: 低流量の排ガス処理(~10,000Nm3以下) 数ppm~数1000ppmの濃度範囲 ベンゼン環のように安定なものも分解できる 環境ホルモン等、微量でも有害な物質の処理に適用できる

直流コロナ放電(ストリーマコロナ)の利点 objective 大気圧マコロナ放電により有害化学物質を分解・無害化する。 ⇒ 直流ストリーマコロナ放電によるベンゼン分解特性を調査する。 中枢神経麻痺作用、発ガン性、催奇形性を持ち,白血病と因果関係がある 環境基準値(3mg/m3)が定められ、排出量の削減が求められている 自動車、コークス炉の排ガスに多く含まれる ベンゼン 排出量削減のため,環境省は全国5地域(室蘭地区,鹿島臨海地区,京葉臨海中部地区,水島臨海地区及び大牟田地区)に地域自主管理計画の策定を要請 ●ベンゼン環の分解過程の解明 ⇒ ダイオキシン類分解過程のシミュレーション 直流コロナ放電(ストリーマコロナ)の利点 放電領域が大きい 大量のガス流に対して適合性がある  (吉岡 芳夫 :電学論A ,Vol.122-A, 676 (2002)) ・DCでは火花放電に移行し易い。

放電プラズマによるC6H6分解過程に関する研究 Previous work 放電プラズマによるC6H6分解過程に関する研究 後藤他:N2-O2混合ガス中のバリア放電(電気学会論文誌A, 123巻, 9号, 900, 2003) N原子がC6H6分解に寄与している可能性を示唆。 O原子は分解生成物の酸化に寄与する。 Ogata et al:パックドペッド放電(IEEE Trans. Ind. Applicat., Vol. 35, 753, 1999) 短寿命のNおよびO原子、および電子衝突でC6H6が分解される。 McCorkle et al:希ガス中の直流グロー放電 (J. Phys. D, Vol. 32, 46, 1999) (1) XYZ + e-fast → X + YZ + e-slow (XYZ: Benzene) (2) XYZ + e-slow → X- + YZ (3) XYZ + RG*m → RG + X+ + e- + YZ Dissociation by direct excitation transfer (4) XYZ + RG*m → XYZ*(HR) + RG Dissociation by indirect excitation transfer XYZ*(HR) + e-slow → X- + YZ (via excitation to high Rydberg state and dissociative attachment) バックグラウンドガスと分解効率 Ar > Ne > He, Ar > N2 (in CH2Cl2) ガス圧力が高いほど高効率 佐藤他:窒素ガス中の直流グロー放電 (電気学会論文誌A, 122巻, 5号, 479, 2002) 電子衝突によりC6H6が分解される。 ベンゼン環の水素の解離よりもベンゼン環分解が先に起こる。 N2*、N2+のベンゼン分解への寄与は小さい。 分解効率のガス圧依存性は小さい。 大気圧 大気圧 低気圧 低気圧

Outline of decomposition process & present work 放電プラズマ中のエネルギー移行と化学物質分解 バックグラウンドガスの組成や種類に依存 Present work 大気圧下、窒素-酸素混合ガス中のDCコロナ放電で、ベンゼンを分解したときの、分解率および分解生成物等の種類を調査する。 バックグラウンドガスの組成が、分解率、分解生成物等の種類・生成量に与える影響を調査する。 DCコロナ放電の不安定性⇒多数針電極により解決。

Apparatus 針電極形状 放電チェンバー (ステンレス製) 針電極数:13本 マクセレック(株)製 LS40-10R1 内径 :f197mm 高さ :300mm 針電極形状 針電極数:13本 針電極 :ステンレス製 直径f4mm 台座 :真鍮製 直径f50mm 針密度 :0.66本/cm2 高圧側 マクセレック(株)製 LS40-10R1 Vmax±40kV, Imax±10mA 平板電極(ステンレス製) 直径 :f80mm 厚さ :10mm グランド側 VACUUBRAND DVR2 測定範囲 :1~1100hPa 測定精度 :<1hPa 許容圧力 :0.2MPa 測定周期時間 :1sec 日本MKS(株)製 622A12TCE フルスケールレンジ :1.33×104Pa 分解能 :1×10-5F.S. 精度 :0.25% Infrared Analysis, Inc. ,10-PA 光路長 :10m 島津製作所製 FTIR-8900 干渉計 :30°入射マイケルソン 干渉計 光学系 :シングルビーム方式 波数範囲 :7800cm-1~350cm-1 波数精度 :±0.125 S/N :20000:1 データサンプリング :He-Neレーザー エア・ウォーター(株)製 日本酸素(株)製 Benzene濃度:382ppm 純度:99.5% 純度:99.999%

Conditions 電極構成 :複数針対平板電極 電極間隔 :2.5cm 針電極極性 :正極性 電極構成 :複数針対平板電極 電極間隔 :2.5cm 針電極極性 :正極性 放電電圧 :19.0~25.0kV (約300~1200mA ストリーマコロナが発生) 酸素濃度 [%] ガス圧 全圧[hPa] 窒素分圧[hPa] 酸素分圧[hPa] ベンゼン濃度[ppm] 0.2 1013 1011 2 300 (0.30hPa) 0.5 1008 5 2.0 993 20 5.0 962 50 10.0 912 101 20.0 810 203

Lambert-Beerの法則 吸光度 ⇒ ガス濃度の導出 Measurement FTIRによる赤外吸収スペクトルの測定 透過率%T 赤外吸収スペクトル測定 ⇒ ベンゼン分解率、分解生成物の種類と生成量 注入電力量の測定(放電電流の時間変化) 放電後のベンゼン濃度 初期ベンゼン濃度 = ×100[%] 1- FTIRによる赤外吸収スペクトルの測定 Lambert-Beerの法則 吸光度A k=吸光係数 I0=入射光強度 I=透過光強度 c=試料濃度[g/l] d=ガスセルの光路長[cm] 透過率%T 吸光度 ⇒ ガス濃度の導出

Stability of DC Corona (positive) 針電極密度と放電電流 1~13本 36本 針電極数を増加させることで 安定したストリーマコロナ放電の発生・維持が可能となる。 放電電流はほとんど変化しないため、分解率やエネルギー効率は変化しない。

V-I characteristics of multi-point electrode

Identification - benzene - N2:O2=98:2, C6H6, 300ppm 吸収ピーク減少=放電分解 [out-of-plane] (http://webbook.nist.gov/chemistry/form-ser.html) [declination]

Identification - fragments & by-products - N2:O2=98:2, C6H6, 300ppm 吸光度スペクトルの時間変化 NIST (http://webbook.nist.gov/chemistry/form-ser.html)

Identification - fragments & by-products - N2:O2=98:2, C6H6, 300ppm 吸光度スペクトルの時間変化 分解生成物の比較 DC CORONA discharge CO, CO2, HCN, O3, N2O HCOOH, C2H2 Barrier discharge (pulse) CO, CO2, HCN, O3, N2O, C2N2, H2O (後藤他 :電学論A ,Vol.123-A, 900 (2003))

Spectra for working curve N2:O2=98:2, C6H6, 300ppm CO2 CO C6H6 O3 N2O HCOOH C6H6 : 3068cm-1 C-H str C2H2 : 730cm-1 C-H bend CO : 2000-2300cm-1 CO2 : 2349cm-1 anti str HCN : 712cm-1 bend O3 : 1042cm-1 anti str N2O : 2170-2250cm-1 HCOOH : 1105cm-1 C-O str C2H2 HCN

酸素濃度が増加するとベンゼン分解率は減少する C6H6 decomposition rate 酸素濃度が増加するとベンゼン分解率は減少する 後藤ら(電学論A ,Vol.123-A, 900 (2003)):バリア放電 酸素濃度が低い方が分解率がよい T.Yamamoto et al.(J.Adv. Oxid. Technol.,1,67(1996)):パックドペット放電 酸素濃度が高い方が分解率がよい

Fragment & by-products #1 C2H2 HCOOH HCN 生成量は30~40kJ付近で最大となり,その後低下する傾向 酸素濃度が増加すると、HCOOHの生成量は増加 生成量は10~20kJ付近で最大となり,その後低下する傾向 酸素濃度が増加すると、C2H2,HCNの生成量は減少

Fragment & by-products #2 CO CO2 注入エネルギーに対し飽和傾向を示した 酸素濃度による生成量の変化がない 注入エネルギーに対し飽和傾向を示した 酸素濃度が0.5%以上の時,酸素濃度による変化がない

Fragment & by-products #3 N2O O3 酸素濃度0.5~5%で生成量が最大 注入エネルギーに対し飽和傾向を示した 酸素濃度が増加するとO3生成量も増加する

Ozone production  オゾンとベンゼンは化学的な反応をしない。 放電により発生するO原子は ・ ベンゼンがないと、O2分子と反応しオゾンになる。(J.Kitayama et al, J.Phys.D, 32, 3032, 1999) O2 + e → O + O + e O + O2 + M → O3 + M ・ ベンゼンがあると、ベンゼンの分解生成物と反応し,分解生成物を酸化する。(後藤他 :電学論A ,Vol.123-A, 900, 2003) オゾン生成に関わるO原子がベンゼンの分解生成物との反応に使われる HCOOH, CO2, COが生成される ベンゼンを封入するとオゾン生成量が減少する

Decomposition processes of benzene in CORONA discharge 高酸素濃度においてC6H6はHCOOHを経てCO,CO2に分解される 低酸素濃度においてC6H6 はC2H2およびHCNを経てCO,CO2に分解される

Conclusions ベンゼンの分解率 酸素濃度とベンゼン分解生成物の関係 ベンゼンの分解過程 針対平板間にコロナ放電を発生させベンゼンの分解を行い,その分解率と分解生成物を調査した。 ベンゼンの分解率 酸素濃度の増加とともに分解率は低下する。 酸素濃度とベンゼン分解生成物の関係 CO,CO2, HCOOH,HCN,C2H2, O3, N2O,が生成される。 CO,CO2 の生成量は酸素濃度に依存しない。 高酸素濃度ではHCOOHの生成量が多い。 低酸素濃度ではHCN,C2H2の生成量が多い。 ベンゼンを封入するとO3生成量が減少する。 ベンゼンの分解過程 高酸素濃度においてC6H6はHCOOHを経てCO,CO2に分解される。 低酸素濃度においてC6H6 はC2H2,HCNを経てCO,CO2に分解される。