The formation of a Keplerian disk around a late-stage protostar

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The formation of a Keplerian disk around a late-stage protostar 麻生有佑, 小屋松進 (東大), 大橋永芳, 西合一矢 (国立天文台), Hsi-Wei Yen, 高桑繁久 (台湾中央研究院), 相川祐理 (神戸大学), 富阪幸治, 斉藤正雄, 林正彦 (国立天文台), 町田正博 (九州大学), 富田賢吾 (プリンストン大学)

1. 導入 –星形成 ? 原始星 (〜0.3 Myr) – インフォール 運動の遷移が予想されるが、遷移天体の決定的な例はない。 古典的Tタウリ型星 (〜3 Myr) – ケプラー回転 WTTS (30 Myr)  – デブリ円盤 Andre 2002

1. 導入 – 天体と目的 Taurus分子雲にあるTMC-1A。 原始星として後期段階にあり、 原始惑星系円盤が形成されている。 R.A.(J2000) Dec(J2000) 4h39m38.87s 25°41’44.4” D (pc) i (deg) Vsys (km/s) Lbol (L) Tbol (K) Class 140 40-68 6.4-6.6 2.4-2.7 118-172 I Ohashi et al. 1997b, Chandler et al.1996, Kristensen et al. 2012, Yen et al. 2013

1. 導入 –過去の研究 アウトフロー PA=–10°, i=40-68° (i=0°がpole-on) Chandler et al. (1996) インフォールが調べやすい。 比角運動量 j = 2.5×10–3 km/s pc @ 580 AU Ohashi et al. (1997b) 回転則 p = –0.62 (R=100-1000 AU) Yen et al. (2013) ケプラー円盤(?)

2. 観測 Atacama Large Millimeter/submilleleter Array (ALMA) (2012年11月6日) キャリブレーター: J0522-364 (passband), Callisto (flux), J0510+180 (gain) データ解析:CASA, MIRIAD Δν Beam Size σ (mJy/beam) continuum 94.0 MHz 1.0”×0.87” (+0.87°) 0.96 C18O J=2–1 0.17 km/s 1.1”×0.90” (–176°) 7.1 SO JN=65–54 1.1”×0.90” (–2.3°) 6.6 CO J=2–1 0.16 km/s 1.0”×0.90” (–178°) 20

3. 結果 ---連続波 TMC-1A 225GHz continuum ピーク: 148.5±2.2 mJy/beam 大きさと傾き: 0.50”×0.37” (73 deg) (deconvolved size) 連続波のピーク位置を星の位置、傾きを円盤の長軸とする。 (白破線) アウトフローに直交する方向にわずかに伸びている。 連続波のピーク位置を星の位置、伸びている方向を長軸方向と呼ぶ。 Mdust×100もここで示す

3. 結果 ---mom 0 & 1 TMC1A C18O mom 0&1 ピーク:0.84±0.08 Jy/beam km/s フラックス:7.2±0.7 Jy km/s 大きさと向き: 3.3”×2.2” (67deg) 長軸とアウトフローに沿った速度勾配がある。 Mgas=(3.0±0.3)×10–3 M (T=28 K, Brown&Chandler 1999 XC18O=3.0×10–7) アウトフローに直交する方向(長軸方向)に伸びている。 全体として速度勾配は長軸方向だが、短軸方向にもblue-redがアウトフローと同じ速度勾配が見られる。 良く見ると中心付近で勾配の方向がゆがんでいる。

3. 結果 ---C18O J=2–1 TMC-1A C18O high velocity TMC-1A C18O low velocity 高速度成分はコンパクトで、低速度成分は広がっている。 高速度と低速度で速度勾配の方向が変わっている。 TMC-1A C18O high velocity TMC-1A C18O low velocity 高速度(>1.5km/s)と低速度(<1.0km/s)に分けると、高速度がコンパクトで低速度は広がっていることがわかる。 また、勾配の方向が違うこともはっきりとわかる。 ΔV>1.5 km/s             1.0 km/s>ΔV

3. 結果 ---C18O J=2–1 TMC-1A C18O PV (Major) TMC-1A C18O PV (minor) 長軸・短軸ともに中心ほど高速度になっている。 インフォール速度は1Mの自由落下より遅い。 TMC-1A C18O PV (Major) TMC-1A C18O PV (minor) PV図でも長短両軸に中心ほど速くなる速度場が見える。 赤い曲線はM*=1Msun, i=50degとしたケプラー速度と自由落下速度。(Yen et al. 2013 M*=1.1Msun) 代表点は各速度での重心の位置。 長軸では高速度側でこの線に近付き、短軸側は自由落下よりもかなり遅い。 実線は1Mのケプラーとfree-fall

3. 結果 ---C18O J=2–1 TMC1A C18O channel maps 高速度ではコンパクトで、勾配はほぼ東西。 低速度では広がっていて、勾配は北東-南西。        ↓ 全てのチャネルを比べて速度勾配を調べられないか? 高速度はコンパクトで、低速度は広がっていることがわかる。 勾配の方向を調べるために各チャネルでの代表点として重心の位置を調べる。

4. 議論 --- TMC1A C18O mean positions チャネル毎に輝度で重みを付けて、重心を探す。 長軸に乗っている部分と離れて行く部分に分けられる。 内側pure rotation 外側rotation + infall 重心の位置はS字を描いている。 これは、回転とインフォールを含む視線速度場に現れる。 長軸上に乗っている部分はインフォールを含まないpure rotationだと思われる。

4. 議論 –––モデルフィット pure rotation部分をケプラー回転と仮定し、モデルフィットを行った。 LTE 静水圧平行 3D + 速度 (周波数) 輻射輸送 面密度・温度分布 LTE, ケプラー ※ i=50°は固定

4. 議論 –––モデルフィット TMC1A C18O model & observation 高速度は残差が少ない。 ベストフィット χν2 = 7.5 @ M* = 1.0M, Mdisk=0.06M, Rc = 77 AU, γ=0.76, T100 = 108 q=0.20 → M* = 1.0±0.1 M 以降このM*を用いる。 長軸上に乗っていた速度のみをケプラー円盤モデルでフィット。 長軸上に乗った部分では残差は少ない。 M*を決定する。 TMC1A C18O model & observation

4. 議論 –––PV図 (長軸) TMC1A C18O PV (Major) 重心が長軸に乗っているR〜70 AUの内外でベキを変えてフィット    内側:p=0.54±0.05    外側:p=0.90±0.07 外側では比角運動量を保存していることを示唆している。 TMC1A C18O PV (Major)

4. 議論 –––PV図 (短軸) TMC1A C18O PV (minor) 短軸方向のPV図には、高速度で回転成分が見えてしまっている。 Vinf〜1.0 km/s @ R=300 AU tdyn = 1500 yr Mdot = Mgas/tdyn = 2.0×10–6 M/yr (C18O mom0Mgas=3.0×10–3 M) 遠心半径付近ではインフォール速度はケプラー速度程度と考えられるが、それよりも遅い。

4. 議論 –––重心の位置 ケプラー回転だけでは重心のS字は現れない。 遠心半径(Rcent)を変えて、Vr(R)を加える。 (速度方向にも合わせるのでR-Vの関係を考える) 重心の位置は、2次元空間平面とV-R平面で全ての情報が表される。 フィット結果は高速度のV-R関係を再現したが、当然S字は再現できない。 赤:観測 青:ケプラーのみモデル

4. 議論 –––重心の位置 図はRcent = 200 AUの場合 長軸から離れ始める半径で、R-Vの関係も変わる。 赤:観測 青:Rcent=200AU モデル ケプラー回転の外にj保存回転とE保存落下を加える。 たとえばRcent=200AUのときこのような結果で、空間平面上で長軸から離れ始めるとV-R平面上でもずれはじめる。 このままでは、観測されたS字とV-R関係を同時には満たせない。 たとえば、今までの議論にあったように落下速度を減らすという方法がある。 図はRcent = 200 AUの場合 長軸から離れ始める半径で、R-Vの関係も変わる。 →このままではS字とR-Vの関係を同時に再現できない。

4. 議論 –––重心の位置 たとえば、インフォールを小さく設定すれば合う。 落下速度を減らすと同時に再現できる。 しかし、RcentがPV図のフィットと異なる。 モデルからPV図の重心の振る舞いを再現できれば良い。 赤:観測 青:Vr半分モデル たとえば、インフォールを小さく設定すれば合う。 (上の図はRcent=130 AU, インフォールを半分にした) 観測結果でもインフォールはfree fallより遅かった。

4. 議論 –––比角運動量 M* = 1.0 MとRcent = 130 AUから比角運動量jを見積もる。 j = √GM*Rcent = 1.7×10–3 km/s pc (cf. 2.5×10–3 km/s pc @ 580 AU) Class IとIIの間に相当する比角運動量を持っている。 Yen et al. 2011

5. まとめ と これから まとめ これから TMC1Aの円盤の中心付近はケプラー回転している。 外側にはインフォール+R^(–1)回転が見られる。 インフォールは中心星質量に対して遅い。 j=2.5×10–3 km/s pc (Class IとIIの間)、Mdot=2.0×10–6 M/yr (Class 0程度) これから インフォール(エンベロープ)を含んだモデルでのフィッティング。 インフォールでS字が現れることの解析的な説明。