D125-P002 日本地球惑星科学連合2006年度大会 2006年5月16日

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地図の重ね合わせに伴う 位相関係の矛盾訂正手法 萬上 裕 † 阿部光敏* 高倉弘喜 † 上林彌彦 ‡ 京都大学工学研究科 † 京都大学工学部 * 京都大学情報学研究科 ‡
高精度画像マッチングを用いた SAR衛星画像からの地表変位推定
高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 〜画像認識とCGによる画像生成〜 第四回 演習課題 画像中からの物体抽出処理(背景情報を手がかりとして) 芝浦工業大学 工学部 情報工学科 青木 義満 2006/05/15.
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熱帯太平洋における季節内スケールの 赤道波動特性の解析 5AOOM007 萩原 右理 指導  轡田 邦夫 教授.
Todd Walter (Stanford University)
画素密度検出エージェントを用いた文字列の検出と文字切り出し
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ー 第3日目 ー ねじれ型振動子のブラウン運動の測定
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第4章(pp.58-68)
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第8週 高精度GPSの構築 位相測位の原理 通信システムの構築.
統計的震源モデルと 半無限平行成層グリーン関数 による高振動数強震動の計算法
東京海洋大産学官連携研究員/技術コンサルタント 高須 知二 Tomoji TAKASU
HLとEHLモデルでの圧力分布と軸受の変形分布
ダイナミック四次元座標管理システム 2008年 株式会社 日豊
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インフレーション宇宙における 大域的磁場の生成
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第4章(pp.58-68)
格子ゲージ理論によるダークマターの研究 ダークマター(DM)とは ダークマターの正体を探れ!
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2006 年 11 月 24 日 構造形成学特論Ⅱ (核形成ゼミ) 小高正嗣
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すばる /HDSによる系外惑星 HD209458bの精密分光観測
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地上分光観測による金星下層大気におけるH2Oの半球分布の導出
栗駒火山周辺の地震活動と3次元磁気構造 解析範囲 栗駒火山.
ギガビット観測システムによる長基線測地 VLBI
       より短周期地震動予測をめざした複雑な地下構造 のモデル化に関する考察 (株)清水建設  早川 崇 佐藤俊明 2003年4月8日 「大都市圏地殻構造調査研究」成果報告会 ─ 大大特I「地震動(強い揺れ)の予測」─
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D125-P002 日本地球惑星科学連合2006年度大会 2006年5月16日 Estimation of mass-redistribution-induced crustal deformation due to the Earth's fluid envelope to GPS site coordinate time series * 瀧口 博士 情報通信研究機構 鹿島宇宙技術センター, 福田 洋一 京都大学大学院 理学研究科 GSI’s F2 solution はじめに 定常変動 精密測位に影響する荷重変動 計算可能なものは計算 ルーチン化 グローバルデータ 時空間分解能 今後も更新されるもの 全体像の把握 精密測位から荷重変動を取り除く GPS座標時系列 SLR解析 TOPCON ⇒  Trimble 有珠山噴火 地球表層流体による 荷重変動 大気・水などの移動  ⇒ 質量再分配  ⇒ 荷重の変化 精密測位 宇宙測位技術の発展, 精度の向上 十勝沖地震 非定常・非周期変動を 議論する為には周期変化は取り除かなければならない 周期変動を数学的に除去 ← 隠れているシグナルを取り除く可能性 アンテナ交換 精密測位において荷重変化の影響を無視できない トレンドおよびステップの除去 VLBIやGPSで実際に観測される 周期変化 [荷重変化,  スケール変化]  ノイズ     など 観測される地球物理学現象に伴う荷重変動は計算可能 荷重変動に埋もれているシグナルの検出 解析手順の一つに 計算可能な荷重変動は計算して取り除く! GPS座標時系列の補正 荷重変動の計算 使用データ 大気荷重:大気圧 NCEP/NCAR Reanalysis 1 Surface Pressure 2.5°×2.5°,6時間毎 1996/1/1 – 2004/7/31 非潮汐海洋荷重:  海面高変動(Topex/Poseidon) WOCE version 3,1.0°×1.0°,5日毎 AVHRR,海面温度を用いて補正(6mm/℃) 1996/1/2 – 2001/12/31  海洋底圧力変動 ECCOモデル, 1.0°×1.0°,12時間毎 1996/1/1 – 1999/12/31 陸水荷重  土壌水分 Yun Fan and Huug van del Dool [2004] 0.5°×0.5°,月平均 1996/1 – 2004/8 積雪荷重(日本のみ) AMeDAS,国内284点 ⇒ 高度・密度補正 IGS観測点 JPLで解析 GIPSY-OASIS II [Heflin et al., 2002] 1997年以前からの データがある 107点を使用 前処理 経年変動とステップを除去 GEONET観測点 国土地理院の ルーチン解:F2解 Bernese ver 4.2 [Hatanaka. 2003] データ量の多い, 892点を使用 前処理 Berneseのバグ補正 固定点の変更 経年変動とステップを除去 Convolution Method (Farrell, 1972) 質量分布とグリーン関数によるコンボリューション積分 鉛直方向の弾性変形L ρ:平均密度(大気や海水) H:入力データ(大気圧変動) GL:Green関数 1066A地球モデル T:方位角αにおける三角関数 海陸データ 世界 : 5'×5' (0.083°×0.083°) 日本周辺 : 1.5"×2.25" 補正方法 荷重変動時系列 入力データの時間分解能の違い 荷重時系列の形式や品質をそろえる GPS座標時系列 : 日毎 日毎に補間 ローパスフィルターをかける 1ヶ月以下の短周期成分を取り除く 100日 : 荷重時系列とGPS座標時系列の        コヒーレンスの結果から Snow Depth Corrected Snow Depth Heki [2004] に倣い 0.5°×0.5° 水換算 (cm) 大気荷重 内陸部で大 水平成分:2mm ,垂直成分:6mm 非潮汐海洋荷重 T/P とECCO で地域差, ECCO-NTOL が相対的に変位小 海岸線で大 水平成分:3mm ,垂直成分:10mm 陸水荷重 水収支の活発な地域で大 水平成分:3mm ,垂直成分:15mm  大気荷重+非潮汐海洋荷重(T/P)+陸水荷重+積雪荷重  大気荷重+非潮汐海洋荷重(ECCO)+陸水荷重+積雪荷重  大気荷重+非潮汐海洋荷重(T/P)+陸水荷重  大気荷重+非潮汐海洋荷重(ECCO)+陸水荷重  大気荷重のみ  非潮汐海洋荷重のみ(T/P)  非潮汐海洋荷重のみ(ECCO)  陸水荷重のみ  積雪荷重のみ 月毎の推移 差は,最大1.5mm Metsahovi 7806 UP T/P ECCO 評価基準 AL+T/P-NTOL+CWL 年周変化がどの位小さくなったか GPS座標時系列 年周+半年周でフィッティング  ⇒ 年周振幅 A1 GPS-Loads時系列 年周+半年周でフィッティング  ⇒ 年周振幅 A2  A2がA1に比べ,どの位小さく  なったかで評価 = GPSの年周変化のうち,  荷重変動でどの位説明できるか AL+ECCO-NTOL+CWL AL T/P-NTOL ECCO-NTOL CWL GEONET UP 地域毎の平均 GEONET IGS IGS UP 地域毎の平均 NS EW UP AL+ T/P +CWL +SL 17.5 30.7 18.5 AL+ECCO+CWL +SL 14.7 23.9 3.0 AL+ T/P +CWL 15.4 21.1 24.4 4.9 5.1 17.0 14.5 17.8 17.7 1.9 7.5 18.6 AL 9.0 9.4 15.9 -2.6 4.1 4.5 T/P-NTOL 15.1 13.7 17.6 -0.2 -1.9 1.1 ECCO-NTOL 15.5 9.6 7.7 -1.5 1.5 1.7 CWL 7.2 8.5 4.4 8.9 4.7 13.2 SL 8.4 15.2 -1.1 % 結 果 振 幅 時 系 列 東北 中部 中国 九州 South America Africa Australia 北海道 関東 近畿 四国 Mean Antarctica North America Europe Asia Island Mean Localな影響の抽出が可能 ← 最小二乗法で周期成分を取り除く場合との違い ← 年周振幅の評価では分からない NS:1.1mm EW:1.3mm 複数の荷重を用いた方がよい 年周振幅の増減で評価できない場合もある Slow Slip イベント 1997年 豊後水道 LHAS CIT1 荷重変動時系列で GPS座標時系列の補正 荷重時系列の計算 荷重変動 比較的内陸部で変位が大きい GPS座標時系列補正 周期性 20%軽減 (AL+T/P-NTOL+CWL) = 荷重変動が周期変化の20% IGS    : 水平成分 2~7%,          垂直成分 20% GEONET : 水平,垂直成分 20% 時系列 隠れていたシグナルを抽出 ローカルな変動 長周期の変動,一時的な変動, 変動の変化 ← 別の荷重の変動,    環境変化,人口ノイズ Slow Slipイベントにも適用可能  rms 0.4mm 従来の方法 * イベントの起こっていない時期 最小二乗法でトレンドおよび 年周と半年周変動を推定 イベント時の時系列から除去 荷重補正(Case4) ・ 比較:両者のrms 隠れていた長周期の変動が現れる 長周期な変動を取り除くと,別の変動が現れる ROCK TSKB 変動の様子が変化 別の変動が残る (地下水変化) rms 0.4mm程度で一致 Slow Slipイベントの解析時に荷重補正が有効 ※ 本研究で計算した荷重変動時系列を公開予定です. 評価してください!