慶大大学院法学研究科(三田校舎教室) 期間 2008/4/10-2009/1/20 吉野一 法律と人工知能08(第1回) 1.はじめに 慶大大学院法学研究科(三田校舎教室) 期間 2008/4/10-2009/1/20 吉野一
1 はじめに 自己紹介 講義目標 講義目次 教科書 吉野一編著『法律人工知能』創成社、2000年 1 はじめに 自己紹介 講義目標 講義目次 教科書 吉野一編著『法律人工知能』創成社、2000年 適宜(HajimeYoshinoOnline上に)提供されるWeb電子教材 http://www.meijigakuin.ac.jp/~yoshino/ 参考書 吉野一編著『法律エキスパートシステムの基礎』
自己紹介 氏名: 吉野一(よしのはじめ) htttp://www.meijigakuin.ac.jp/~yoshino/ 氏名: 吉野一(よしのはじめ) htttp://www.meijigakuin.ac.jp/~yoshino/ 専門: 法哲学、法情報学、法律と人工知能、 契約法 学歴: 慶應義塾大学法学部法律学科卒 同大学院法学研究科修士課程卒 同博士課程単位取得退学 研究: 論理法学、法律と人工知能,国際動産売買法(CISG)
講義目標 法的知識と法的推論の構造を把握し,法的推論しシステムを構築する。 法的知識と法的推論の構造を把握する。 法律人工知能の現状を把握する。 法分野における知識情報処理の基礎技術を習得 法的推論システムを構築する。 法律人工知能の知見を法および法学に応用する。
講義大目次 1 はじめに 2 法的知識と法的推論の基本構造 3 法律と人工知能研究の現状把握 4 法的推論のシステム化 5 法学への応用 1 はじめに 2 法的知識と法的推論の基本構造 3 法律と人工知能研究の現状把握 4 法的推論のシステム化 5 法学への応用 民事法学と法律人工知能 (公法学と法律人工知能) 6 まとめ
法律人工知能とは何か 法律人工知能・法律エキスパートシステムは、六法や判例集や教科書等の文書に記述された、あるいは文書化されていないが法律家が暗黙裏に頭の中に有している法的知識を登載していて、相談事案を入力すると、法的推論を行い、現在の法体系の下でいかなる法的判断がなされるべきかを、出力してくれるようなコンピュータ上のシステムである。法律エキスパートシステムが単なる法律データベースと違うのは、推論をし、判断をしてくれる点である。なお法的判断の結論を出力するばかりでなく、結論に至るまでの推論過程、その根拠、そして法体系自体を示してくれる。(図-1) 図-1 LESデモ1
法律人工知能をいかに実現するか 法律判断システムとしての法律エキスパートシステムはどう実現していけばよいのであろうか。法律エキスパートシステムを構築する研究目的は表1に示すように、法的知識構造の解明と法律エキスパートシステムのソフトウェア構築の二つに大別できる。第1の研究目的はさらに法的知識の一般構造の解明と実定法の知識構造の解明の二つの項目に分かれる。第2の研究目的はさらに法律知識ベースとその他のソフトウェアを構築する項目とからなる。 法的知識構造の解明 法的知識の一般構造の解明 実定法の知識構造の解明 ソフトウェアの構築 法律知識ベースの構築 推論エンジン他の構築 表1 法律エキスパートシステム構築の課題
法律人工知能の構成
法律エキスパートシステムLES-7デモ Hajime Yoshino Online からアクセス http://www.meijigakuin.ac.jp/~yoshino/ 法律エキスパートシステムプロジェクト 法律エキスパートシステム
CASE 8g 1. On April 1, a New York manufacturer of agricultural machines, A (Anzai), dispatched to the Hamburg branch of a Japanese trading company, B (Bernard), a letter containing the following proposal: A will sell B a set of agricultural machines comprised of a tractor and a rake; the price of the tractor is $50,000; A will deliver the machinery to B by May 10; B must pay A the price of the machinery by May 20; the machinery will be transported by an American fright vessel. 2. The proposal reached B's letter box on April 8. 3. On April 9, B telephoned A and said, "I accept your offer. However, I want the machinery transported by Japanese container ship." 4. A delivered the agricultural machinery to a Japanese container ship at the port of New York on May 1. 5. The machinery was delivered to B's Hamburg branch on May 31. 6. B examined the machinery on June 5. 7. B paid A $58,000 on May 20. (The market price of the rake was $8,000). 8. On August 10, the machinery malfunctioned because of a defective connecting gear. 9. B notified A of the malfunction immediately. 10. On September 1, B demanded that A repair the lack of conformity within one month. 11. A did not repair the defect by October 1. 12. On October 10, B declared the contract avoided. 13. On December 10, B made restitution of the machine to A. 14. On December 20, A made restitution of the $58,000 price to B, plus interest, and gave compensation for damages B had suffered.
問 事例8gにおいて法律関係の変動はいかに? 次の時点における法律関係は何か? 4月5日 4月15日 5月15日 6 月5日 8月15日 9 月15日 10 月5日 11月15日 12 月25日
LES7による法的推論デモ
法律関係変動の帯図
次週 2 .法適用 教材はHajime Yoshino Onlineに掲載済み