胃腸炎
研修医になるとかかる病気 研修医になり、多くの方が罹る病気 それは・・・胃腸炎。 ではなく 「ま、胃腸炎でしょ。」病である。
各疾患をしっかり見て それでも、胃腸炎でしょ。と思った時。 次の動きはどうしよう?
様々な感染性下痢症 急性大腸型・・下痢は少量で頻回の粘血便、発熱、 便中WBC(+) Shigella属 C.diff Salmonella属 EIEC 急性小腸型・・下痢大量、発熱・腹痛軽度、便中 WBC(-) Vibrio cholerae Clostridium perfringens ETEC 原虫 急性胃腸炎型・・下痢+悪心・嘔吐 ウィルス性、毒素型(S. aureus Bacillus cereus) 全身症状が強いもの・・腹痛・発熱 Salmonella typhi Campylobacter fetus Vibrio vulnificus Vibrio alginolyticus Yersinia enterocolitica
便中白血球 便をグラスに塗って固定 メチレンブルーをポタポタ。 見る。 グラム染色に比し、メチレンブルー染色は手間が少なく、 また鮮やかに見える。 白血球、細菌の有無だけをみるなら、とてもきれいに見 える。 グラム染色をdirty stain メチレンブルーをClear stainと いう人もいる。
胃腸炎の抗生剤適応 病原菌 臨床状況 大腸型の一部(便に白血球や血液があるもの) ①幼児(3歳まで)、50歳以上(動脈瘤・動脈硬化のため) 赤痢は珍しく全例投与と明確な適応があり、救命的 コレラは症状緩和に役立つ 腸チフス、パラチフス(他のサルモネラ属は保菌状態を長 引かせるので×)、寄生虫など 臨床状況 ①幼児(3歳まで)、50歳以上(動脈瘤・動脈硬化のため) ②細胞性免疫障害 HIV、臓器移植、悪性疾患(リンパ腫) ③他 人工骨頭、人工関節、心臓弁疾患、腎不全患者
リーズナブルな考え方。 「25歳で、小腸型の腸炎っぽい病歴だし、特に リスクのない患者だから、抗生剤は必要ないと 考えます。脱水所見もないので、経過観察とし ます。」 「胃腸炎と考えられるが、70歳の上ハイリスク なので、便培血培と抗生剤治療も必要かな」 腹痛を来す疾患は経過観察が必要なことが多く、 ICはしっかりしておきましょう。