GRS1915+105 等におけるジェット噴出と X 線強度変動の相関 2002-07-30 Wed 千葉大学宇宙物理学研究室 M1 松尾 圭
概要 Marscher et al. の論文を参考に、AGN やマイクロクエーサーの、相対論的なジェット放出と X 線強度変動の観測結果を紹介し、その相関性について考察する。
Contents 活動銀河中心核(AGN) 3C120 の観測 マイクロクエーサー GRS1915+105 の観測
3C120 について Redshift z = 0.033 M = 1.6~5.1×107M◎ (Wandel et al. 1999) 超光速ジェット噴出が見られる
3C120 の相対論的ジェット噴出 観測された速度: 4.1 c~5.0 c t u l o 観測された速度: 4.1 c~5.0 c 実際の速度: 0.98 c (Gomez et al. 2000)
3C120 の X 線強度変動 hard soft
3C120 のまとめ X 線放射の強度が減少して、約 0.10 年後にジェットの噴出が見られる。 X 線放射強度の減少時に、エネルギースペクトラルインデックス αE が増加を示す。(X 線のハードニングが起こる。)
GRS1915+105 について M = 10 ~ 14 M◎ (Greiner et al. 2001) 超光速ジェット噴出 (Mirabel et al. 1994)
GRS1915+105 のジェット噴出 観測された速度 (Rodriguez & Mirable 1999) 実際の速度: 0.92 c Approaching: 1.25 c Receding: 0.65 c (Rodriguez & Mirable 1999) 実際の速度: 0.92 c
GRS1915+105 の電波/ X 線/赤外線強度変動
GRS1915+105 の観測結果 X 線強度が減少して、約 15 分後に電波の強度が増大(ジェットの噴出)。
GRS1915+105 における X 線強度とジェット噴出の相関 ジェットの噴出 X 線のソフトニング =内側の降着円盤がブラックホールに落ち込み、一部がブラックホールに吸い込まれ、残りがジェットの原料になる。 =外側のディスクが、内側に落ち補充され、外側へは伴星から補充される。
3C120 と GRS1915+105 の比較 ブラックホールの質量比: 1.1~5.1×10^6 ジェットの長さの比: 7×10^4 X 線強度の減少の間隔の比: 5×10^5 BHの質量 / ジェットの長さ = 20 ~ 70 BHの質量 / X 線減少の間隔 = 2 ~ 10
結論 AGN、マイクロクエーサーは質量に比例した、同じような挙動を示す。 本質的に同じモデルにより、現象をシミュレートできる。 同様の現象がおきているかどうかを確認するため、統一的なモデルを作成し、数値計算を行う。
比較 3C120 BH の質量~10^7 0.10 yr GRS1915+105 質量~10 15 min