高次数曲線を用いた音場 Acoustic Fields Having Higher Order Curvature

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高次数曲線を用いた音場 Acoustic Fields Having Higher Order Curvature 国際情報通信研究科 山崎研究室 修士2年 須賀一民

研究の目的・概要 快適な音空間の実現 均一で明瞭な拡声 省エネルギーと快適なコミュニケーション空間を実現 ⇒ 高次数曲線を用いた音場の解析 モードの縮退(壁面,稜線,コーナからの反射音の規則的な重畳による音圧分布の干渉縞)の少ない音場の実現 均一で明瞭な拡声 省エネルギーと快適なコミュニケーション空間を実現 ⇒ 高次数曲線を用いた音場の解析   - モードの縮退の減少を確認

高次数曲線型    2次型           3次型          6次型           正方形     i=2             i=3            i=6              i=∞ 図-1 高次数曲線型

研究の概要 2次元音場における高次数曲線型音場 3次元音場における高次数曲線型音場 加振器を用いた板振動実験 コーナーモールを配置した箱内部の残響測定

隣接固有周波数間隔統計 regular形状においては縮退の影響から隣り合う固有周波数間隔の分布は指数分布に従う irregular形状においては縮退が存在せず、固有周波数間隔分布はWigner分布に従う 高次数曲線形では曲線次数が6次(正数次)になるときモードの縮退が最小になる

図-2 隣接固有周波数統計(長方形、スタジアム形) 図-2 隣接固有周波数統計(長方形、スタジアム形) “系の自由度に着目した不整形2次元音場の解析” 藤坂洋一,東山三樹夫,杉村陽   日本音響学会春期講演 3-5-6 (3月 1998年)より

加振器を取り付け周波数特性、隣接固有周波数間隔分布からの分析 6次曲線を利用した振動板の実験 Mg / 樹脂 / Mg の板(正方形、6次曲線) スチレンボード(正方形、6次曲線) 加振器を取り付け周波数特性、隣接固有周波数間隔分布からの分析

隣接固有周波数間隔分布 TSP信号応答測定 インパルス応答の復元 集群線スペクトルモデリング(CLSM) による固有周波数推定 隣接固有周波数間隔分布算出

CLSM (Clustered Line-Spectrum Modeling: 集群線スペクトルモデリング ) 集群した周波数成分を有する信号から窓関数の誤差の影響を受けず 真の正弦波成分を抽出 1つのスペクトルの山を複数のスペクトルの和として表現 特徴 包絡線を含む波形分析が可能 波形の微細な変動抽出が可能

図-3 振動板(正方形)への加振器取り付け例 図-3 振動板(正方形)への加振器取り付け例

図-4 振動板(6次曲線形)への加振器取り付け例 図-4 振動板(6次曲線形)への加振器取り付け例

図-6 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(Mg/樹脂/Mg) 正方形(駆動点1) 6次曲線形(駆動点1) 図-6 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(Mg/樹脂/Mg)

図-7 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(Mg/樹脂/Mg) 正方形(駆動点2) 6次曲線形(駆動点2) 図-7 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(Mg/樹脂/Mg)

図-8 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(Mg/樹脂/Mg) 正方形(駆動点3) 6次曲線形(駆動点3) 図-8 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(Mg/樹脂/Mg)

図-9 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(スチレンボード) 正方形(駆動点1) 6次曲線形(駆動点1) 図-9 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(スチレンボード)

図-10 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(スチレンボード) 正方形(駆動点2) 6次曲線形(駆動点2) 図-10 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(スチレンボード)

図-11 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(スチレンボード) 正方形(駆動点3) 6次曲線形(駆動点3) 図-11 周波数特性と隣接固有周波数間隔分布(スチレンボード)

6次曲線型空間 立方体空箱の内部に高次数曲線コーナーモールを設置し、測定、分析、評価 立方体、直方体との比較

図-12 立方体の箱(コーナーモールなし,あり) 図-12 立方体の箱(コーナーモールなし,あり)

[立方体] [6次曲線体] [直方体(1辺が1/2] [直方体(1辺が1/3] 図-13 隣接固有周波数間隔分布

むすび Mg/樹脂/Mg振動板、スチレンボードの振動板において正方形と6次曲線形の隣接固有周波数間隔分布の変移を確認 コーナモールなしから6次曲線コーナモールありの箱において隣接固有周波数間隔分布の変移を確認 いずれも指数分布からWignar分布に近付いている ⇒ モードの縮退の減少傾向

研究の課題と今後 今回は3次元空間である箱の中に2次元的な6次曲線を用いたが、曲線自体を3次元的な形にした場合を検討