DAHLAN NARIMAN (ダハラン ナリマン) 立命館アジア太平洋大学 教育開発・学修支援センター准教授 3/21/2017 11:30 PM ハラールの基本と認証について DAHLAN NARIMAN (ダハラン ナリマン) 立命館アジア太平洋大学 教育開発・学修支援センター准教授 © 2007 Microsoft Corporation. All rights reserved. Microsoft, Windows, Windows Vista and other product names are or may be registered trademarks and/or trademarks in the U.S. and/or other countries. The information herein is for informational purposes only and represents the current view of Microsoft Corporation as of the date of this presentation. Because Microsoft must respond to changing market conditions, it should not be interpreted to be a commitment on the part of Microsoft, and Microsoft cannot guarantee the accuracy of any information provided after the date of this presentation. MICROSOFT MAKES NO WARRANTIES, EXPRESS, IMPLIED OR STATUTORY, AS TO THE INFORMATION IN THIS PRESENTATION.
発表内容: 背景 ハラールとは(定義、対象) イスラム法(シャリアー) ハラールと非ハラールの原則 ムスリムにとってのハラールの重要性 ハラール認証の定義 世界の有名なハラール認証機関について 結論
背景 →グローバル・ハラールの動き ムスリム人口の増大。 ハラール食品市場の重要性。 ハラール食品市場における利益の拡大。 世界には推定16億人以上のイスラム教徒が存在し、それは世界人口の約23パーセントであり、増え続けている。 ハラール食品市場の重要性。 ハラール食品市場における利益の拡大。 グローバルマーケットにおける、食の安全性・高品質性の希求。 グローバルマーケットにおける多様性の希求。 ハラール市場の混乱と真のハラール産品への熱望。
ハラールとは? ハラールの定義 イスラム法で“許されたもの”を意味する 非ハラール → 「ハラーム」という 非ハラール → 「ハラーム」という →イスラム法で“禁じられたもの・こと”を意味する ハラールの定義 ハラールは食品やそれ以外でもイスラム法におけるハラールという概念を保証するものに使用される。
ハラールの対象 イスラム法で禁止された獣類あるいはその成分を含まないもの。また、イスラム法に則り食用とされ屠殺されたもの。 イスラム法で不浄のものとされている如何なる物質も含まないもの。 イスラム法で不浄とされているものとの混入や混入の可能性を避ける為、不浄なものに使用された可能性のある食器や調理器具、あるいはそれらによって調理、加工、提供されないもの。 この概念はイスラム法による不浄なものとの接触を避けるということから由来し、食品運搬・食品保存・食品加工・食品提供にまで及ぶ。
イスラム法 (シャリアー) イスラム法の法源 第一法源 : 聖クルアーン 第二法源 : スンナ 第三法源 : イジュマー 第一法源 : 聖クルアーン 第二法源 : スンナ →預言者ムハマドから出た言葉・行為・承認 第三法源 : イジュマー →ある時代のイスラム法学者が一致した判断を示すこと 第四法源 : キヤース →他の法学者を拘束しないあるイスラム法学者の判断 第五法源 ・・・ イスラム法は、公理論的構成 axiomatic constraction をとっている → 合理性
ハラール食や飲料になるもの 動物→陸生動物 以下のような場合を除き、ほとんどの陸生動物 ハラール食品になり得る: イスラム法に則り屠殺されていない動物。 豚、犬あるいは捕食のために牙や爪を持つもの。例えば、トラ・熊・象・サイ・ネコ科の動物や類似のもの。 かぎ爪や鋭い嘴のある鷹やフクロウなど猛禽類。 イスラム社会で殺生してもよいとされているネズミ・サソリ・カラス・ムカデ・蛇などの類。あるいは蟻・蜂・キツツキ・ツバメ・蜘蛛。 イスラム社会で保護されている動物 (→続く)
続き イスラム社会で嫌悪の対象になるハエ・ウジの類。 陸と水中で生活する生き物、例えばカエル・ワニ・カメ・アザラシなどの類。 豚や犬の成分の遺伝子を使ったもの以外でハラールとされる生物学的に由来するすべての植物と動物。
ハラール食や飲料になるもの 飲料 水生生物 植物 本質的に水の中に棲息する生き物はハラールである。 但し健康を害する恐れのある毒・酩酊・危険のあるものは除く。 植物 すべての植物あるいは植物に由来するものはハラールである。但し、人間の健康を害する恐れのある毒・酩酊、及びハラールでないものに由来する遺伝子を含むものを除く。 飲料 全ての飲料水はハラールである。但し、人間の健康を害する恐れのある毒・酩酊、及び汚染水を除く。
ハラール食や飲料になるもの 自然成分 化学成分 食品添加物 水、ミネラルなどのすべての自然成分は許されたものである。但し、汚染されたものあるいは毒性・酩酊・健康に害のあるものを除く。 化学成分 毒性・酩酊・健康に害のあるものを除くすべての化学成分は許されたものである。 食品添加物 イスラム法で許されない動物に由来する成分で作られたものを除く、安定剤・乳化剤・着色剤などはハラールである。
ハラール認証が必要になった訳 ハラールは単純であるが、ハラール産業は複雑化して きている。 テクノロジーの発達から食品加工において原材料の特 きている。 テクノロジーの発達から食品加工において原材料の特 定が難しくなっている。 ムスリムにとって食品を一目でハラールだと確認する ことが難しくなっている。 ムスリムの間で消費者としてハラール食品を見分ける 方法を高める意識が生まれた。 ムスリムにとっての食の安心・安全の確保
ハラール認証(定義) ハラール基準(ハラールスタンダード)に基づき監査され、ハラールであることが証明される事。 通常は「ハラール認証団体(機関)」(Halal certification body : CB) によって監査される。 監査はあくまでも、各ハラール認証機関のハラールスタンダード、監査人によるものであり世界統一基準はない。 通常ハラール認証は1年間で更新を必要とする。 通常ハラール認証は各製品ごと、工場ごと店舗ごとに行われる。 生産地から消費者までの全工程についてハラール基準 に基づき、すべての製造流通過程(肥料、屠畜、動物 愛護、衛生、加工、倉庫管理、輸送、社内ハラール取 り組み等)を第三者機関(ハラール監査団体)が確認 し、「ハラール製品」認証し、消費者が安心して消 費、摂取する事ができるようにする事
ハラール認証(定義) 生産地から消費者までの全工程についてハラール基準に基づき、すべての製造流通過程(肥料、屠畜、動物愛護、衛生、加工、倉庫管理、輸送、社内ハラール取り組み等)を第三者機関(ハラール監査団体)が確認し、「ハラール製品」認証し、消費者が安心して消費、摂取する事ができるようにする事
ハラール対応の難易度 14 フードサービス 高 難易度 加工品 素材 低
ハラール認証が可能にする事 製造される製品がハラールであり、ハラームな素材を含んでいないことを確認できる。 製造される製品がハラールであり、ハラームな素材を含んでいないことを確認できる。 ハラール食品の製造、流通、販売において、虚偽の情報から消費者を保護する。 ハラール食品のグローバルな取引を促進する。 他宗教が混合する国では大変重要。 ハラール食品の信頼性を高める。
世界のハラール認証機関とそのハラールロゴマーク
結論 世界ハラール食品市場の重要性 イスラム法に基づくハラールと非ハラールの明確化 異文化やテクノロジーの発達などによってハラール産業は複雑化になる。 ムスリムにとっての食の安心・安全の確保のためハラール認証の必要性 ハラール認証機関のハラールスタンダード、監査人によるものであり世界統一基準はない。