熊本県事務職員協会 会長 中村知子 熊本県の校務情報化について.

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受付番号 平成 23 年度 東北復興に向けた地域ヘルスケア構築推進事業 (被災地域における医療・介護周辺サービスの提供拠点整備の推進及び医療情報 等の共有システムの推進のための調査事業) 提案書 事業区分 イ-2:被災地における医療情報等の共有等を可能にするシステム の推進の調査事業 (被災地での地域医療提供体制の再構築のための情報通信技術の活用の在り方、
1 1 先導的教育情報化 推進プログラム 情報を区分けした先進的な校務の情報化 ~校務の情報化により、 学校が変わる・教員が変わる・児童生徒が変わ る~ 学校が変わる・教員が変わる・児童生徒が変わ る~ 文部科学省委託事業(平成 19 年度~平成 21 年度) 岐阜市教育情報化推進プロジェクト ( NTT-
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【1.1 事業(調査)目的】 1 8.1 (別紙1) 提案書雛型 本事業(調査)の目的について 記述内容
「沖縄におけるスポーツサイエンスの拠点化に向けた
小学校校務支援システム 県立総合教育センター   .
ICT活用指導力向上のための ICT教育研修と校内研修
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第1章 日本の統計制度 ー 経済統計 ー.
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茨城県つくば市立茎崎第一小学校 校長 大塚 隆幸
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(提案事業のタイトルを記載:80文字以内) ○○○○○○○○○○○○ (提案者名を記載) ○○○○
「地域経済産業活性化対策調査(沖縄市が整備するアリーナ施設を核としたまちづくり等に関する基礎調査)」
【1.1 事業(調査)目的】 1 8.1 (別紙1) 提案書雛型 本事業(調査)の目的について 記述内容
事業区分: 課題調査事業 コンソーシアム等名称: ○○ 事業名: △△ 代表団体名: □□ 参加団体: ▲▲、■■ 協力団体: ●●、◎◎
情報を持つ人が直接発信する FreeStyleWikiを 使った学校Webサイト
歓迎のあいさつ [年度を挿入] 学年度 学校名 教員名 学年 2019/5/5.
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1 はじめに 2 防災主任配置に至る経緯 3 防災主任の役割 4 具体的な業務の例 5 教職員の連携・役割分担 6 おわりに
●●市における教育ICT環境整備方針 (概要)
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(別紙1) 提案書雛型 令和元年度 沖縄型テレワーク実装推進調査 ー提案書ー                        (日付)                        (企業名)                        (連絡先等)
はじめる 利用上の注意 利用マニュアル 一覧表上ページ 一覧表下ページ
基礎情報の収集・・・前年度の出欠席状況、配慮の必要性、長期欠席経験者への対応
長野大学における科研費等の運営・管理について
学校における教育の情報化の推進と校内研修の企画運営
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熊本県事務職員協会 会長 中村知子 熊本県の校務情報化について

はじめに 熊本県教育委員会では、平成19年度から平成21年度の3か年 文部科学省の校務情報化の委託事業実施 「新しい学校経営における熊本型Web統合校務支援システムの実践」 教員校務用PC整備率33.1%   100% 校務ICT活用能力59.2%  100%

Ⅰ 調査研究の概要 ・情報化を前提に決裁権限等の見直し ・各種書類の電子化 ・事務の削減、簡素化   Ⅰ 調査研究の概要 ・情報化を前提に決裁権限等の見直し ・各種書類の電子化 ・事務の削減、簡素化               効率的で高度な学校経営の実践             

 具体的内容

1 校務の全体的見直し 校務分掌や役割分担の在り方を整理 校長から下位管理職への積極的な決裁権限の委譲 1 校務の全体的見直し 校務分掌や役割分担の在り方を整理 校長から下位管理職への積極的な決裁権限の委譲 校務の内容や処理過程を見直し、校務の削減と簡素化

2 様式の統一と電子化 学校→各種書類の電子化(可能な限り) 県教育委員会→所要の制度的見直し 様式の簡素化、統一化 押印の廃止等 2 様式の統一と電子化 学校→各種書類の電子化(可能な限り) 県教育委員会→所要の制度的見直し             様式の簡素化、統一化             押印の廃止等 ・ 生徒指導情報の電子化        

3 校務支援システムの活用による校務 処理の高度化 3 校務支援システムの活用による校務           処理の高度化   (1)  「情報共有」   (2)  「教務支援」   (3)  「文書管理」   (4)  「授業支援」

(1) 「情報共有」機能 スケジュール 生徒出欠情報 服務管理 旅行 アンケート集計 校内施設管理             等

(2)教務支援機能 成績処理 関連業務処理 分析情報提供           等

(3)文書管理機能 学校内の情報資産をセキュリティを高め管理      (4)授業支援機能 ・授業準備や諸教育情報の提供 等

4 生徒の学習や生活面の指導充実 成績や生徒指導、保健等に関する生徒情報の一元管理 4 生徒の学習や生活面の指導充実 成績や生徒指導、保健等に関する生徒情報の一元管理 ベテラン教師のノウハウをデータ化し、アラート機能等により問題の早期発見 教員の生徒へのきめ細かい指導を支援

5 さらなる校務の改善 <有識者の意見を踏まえ検討> 校務の情報化により生じる時間や人員の余剰を活用 5 さらなる校務の改善 <有識者の意見を踏まえ検討> 校務の情報化により生じる時間や人員の余剰を活用 学校本来の教育活動を効果的に行うための学校経営の在り方 事務の共同実施、一部業務のアウトソーシング 事務職員が学校運営に一層関わるための人的配置の在り方

6 削減効果 <本調査研究の効果> ・教員1人あたり30分以上の校務時間の削 減(子どもと向き合う時間の増加) 6 削減効果 <本調査研究の効果>  ・教員1人あたり30分以上の校務時間の削  減(子どもと向き合う時間の増加)  ・1校あたり事務職員0.5人程度の事務量の 削減

Ⅱ 校務支援システムの開発・運用 熊本県の「校務支援システム」 全てのサービスをWeb上で提供するWeb型 の校務支援

(1) グループウェアの概要 平成19年度に教職員及び学校・教育委員会における情報共有化を促進し、併せて庶務業務と決裁処理の効率化のため、山梨県のGrupeWearをベースにグループウェアを開発 休暇、出張等の教職員の服務、旅行の電子申請と電子決裁機能を有し、各種報告書の自動作成や県で運用している旅費システム等へのデータの受け渡しを行い、庶務業務を大幅に削減

(2)グループウェアの実施 グループウェア(愛称「ゆうnet」)のについては平成21年6月1日から全県立学校に導入 平成21年4月に全校導入のためのブロック別研修実施。 校内研修の実施 運用開始後の7月にシステムの不明点を解消するために、システムを実施ながらの研修

(3)グループウェアの全校導入に関する事務職員の意識調査 調査概要  グループウェアの全県立学校への導入の効果を測定するため、教員調査と同様の調査を、事務職員にも実施した。なお、調査対象は以下のとおり。 ○ 調査対象 (1)対象校 県立学校72校(先導的教育情報化推進事業のモデル校5校を除く) (2)対象者 各学校1名(事務長、服務事務担当 旅費事務担当者から無作為抽出)  計 72人・・・15.6%(対象事務職員総数462人)

回答者の属性    (有効回答72人) 回答者の職種、年齢構成は以下のとおり 1 職種 (主任)事務長 事務主査 主任事務職員 事務職員 事務職員(臨採) 27 10 16 14 5 37.5% 13.9% 22.2% 19.4% 6.9%

2 年齢構成 25歳以下 26~30歳 31~35歳 36~40歳 41~45歳 46~50歳 51~55歳 56~60歳 61歳以上 10 5 8 11 6 14 13.9% 6.9% 11.1% 15.3% 8.3% 19.4% 0.0%

     調 査 結 果

1 休暇(年休、特別休暇等)の電子申請について 1 休暇(年休、特別休暇等)の電子申請について (1)休暇申請に係る時間の変化 短くなった やや短くなった 変わらない やや長くなった 長くなった 24 23 20 3 2 33.3% 31.9% 27.8% 4.2% 2.8%

(2)システムでの休暇申請に負担感じるか 感じない あまり感じない どちらともいえない 少し感じる 感じる 33 30 6 2 1  システムでの休暇申請に負担を感じる事務職員はほとんどいない(3.8%)。 感じない あまり感じない どちらともいえない 少し感じる 感じる 33 30 6 2 1 45.8% 41.7% 8.3% 2.8% 1.4%

2 旅行(出張)の電子申請について (1)申請や復命にかかる時間の変化 約6割が旅行申請や復命に係る時間が短縮と回答 短くなった 2 旅行(出張)の電子申請について (1)申請や復命にかかる時間の変化 約6割が旅行申請や復命に係る時間が短縮と回答 短くなった やや短くなった 変わらない やや長くなった 長くなった 14 31 17 7 2 19.7% 43.7% 23.9% 9.9% 2.8%

(2)システムでの旅行申請の負担 システムでの旅行申請に負担を感じる約1割 感じない あまり感じない どちらともいえない 少し感じる 感じる    システムでの旅行申請に負担を感じる約1割 感じない あまり感じない どちらともいえない 少し感じる 感じる 23 34 4 8 2 32.4% 47.9% 5.6% 11.3% 2.8%

3グループウェア導入による学校内の情報共有化   約7割が、情報の共有化が進んだと回答 進んだ やや進んだ 変わらない 4 46 22 5.6% 63.9% 30.6%

4グループウェア導入による業務の変化 ・全体的に事務処理時間が短縮された ・年休等の休暇請求や出張伺、復命書の取扱いが紙媒体から電子媒体となったため、書類の移動・整理・保管に要する時間が減った ・職員の出張状況報告等、全職員の動静が随時把握できるようになり、服務業務の処理に係る時間が短縮された ・出張・年休等の決裁印(押印)がなくなったので、負担軽減になった ・文書ではなく、電子データで出勤や出張の状況把握をできるようになったので、抽出や管理が楽になった ・また、特定の教員にのみ様式等を送れるようになったので、無駄な印刷等の軽減とデータの共有化が進んだ

5グループウェア導入前と比べて改善された点 ・日ごとの行事、服務、連絡事項などが一目でわかり便利になった ・出勤簿の押印、復命書の未提出に対する催促が不要になり、負担が減った ・紙の使用が減ったことにより、コストの削減と空きスペースが取れるようになった ・報告関係書類が自動作成になり、事務が削減された ・生徒の欠席・遅刻等の連絡が確実になった ・連絡事項を発信しやすくなった

6グループウェア導入による問題点や改善要望 庶務事務システムと連携されれば、旅費業務もさらに効果的と思う 現在のパソコン環境では、グループウェア導入の効果は限定的だが、1人一台パソコンが整備されれば、グループウェアだけでなく教務支援システムなどを含めた活用により、教員の負担軽減につながると考える 庶務事務システムのように支払状態、旅行申請状態などでデータを抽出できるようになると支払事務が簡素化すると思う