IPマルチキャスト通信とXcast 早稲田大学後藤研究室 Xcast班
マルチキャストとは 送信者が送出する1つのデータグラムをネットワーク上の複数のノードに適切に複製しながら配布する技術 送信者が送出する1つのデータグラムをネットワーク上の複数のノードに適切に複製しながら配布する技術 1対多の通信(テレビ放送など)や多対多の通信(ビデオ会議など)に利用
マルチキャストとは (cont.) ユニキャストの場合 受信 ルータ 受信 ルータ 受信 送信 ルータ 受信
マルチキャストとは (cont.) マルチキャストの場合 受信 ルータ 受信 ルータ 受信 送信 ルータ 受信
マルチキャストの利点 3Mbpsの動画を100人に流す場合 一人あたり200kbpsの動画で6人でビデオ会議をする場合
マルチキャストの仕組み クラスDのアドレスを使用 (IPv4の場合) アドレスはホストではなくグループにつく テレビのチャンネルのようなもの 送信者はそのアドレスに対してデータを流す 受信者は受信したいグループアドレスを選べばデータが流れてくる
Mbone Diployment Working Group of the IETF マルチキャストはすばらしい 一刻も早く使いたい 世界でも日本でもマルチキャストをエンドユーザに届けようとしているグループがある Mbone Diployment Working Group of the IETF http://antc.uoregon.edu/MBONED JP-Mbone homepage http://ahohakobe.ipc.chiba-u.ac.jp/misc/JP-MBONE しかしマルチキャストは広まっていない
マルチキャストは難しい マルチキャストは ・送信者所在管理 ・アドレス管理 ・受信者生存確認 ・経路集約 といった問題がありあまり普及していない
マルチキャストは絶望的か マルチキャストの応用領域は大きく2つに分かれる ・one-to-many (放送型) ライブ中継など ライブ中継など ・few-to-few (プライベート型) ビデオ会議、ネットワーク対戦型ゲーム
few-to-few型の特徴 グループのメンバーを1つ1つ個別に識別しなければならない ・ビデオ会議なら送られてきたデータが誰からきたかを判別して適切なウィンドウに表示しなければならない
few-to-few型の特徴 (cont.) アプリケーションが本当にやりたいことすべての通信相手に同じパケットを送ること グループを作ってアドレスを割り当てるのは手段にすぎない それならパケットにあて先をすべてはっきり 書いたらどうか XCAST (Explicit Multicast)
XCASTの仕組み IPヘッダの拡張ヘッダに宛先を書く 実装は主にIPv6で行われている メールに例えると通常のマルチキャストはメーリングリスト、 XcastはToやCcに直接複数のアドレスを書く 実装は主にIPv6で行われている IPv4では途中のすべてのルータがXCASTに対応 していなくてはならない
XCASTの特徴 メリット ・新たな経路管理プロトコルは不要 ・アドレスの管理、割り当ても不要 ・誰かに設定を依頼する必要がない ・新たな経路管理プロトコルは不要 ・アドレスの管理、割り当ても不要 ・誰かに設定を依頼する必要がない ・多数のグループが存在可能 デメリット ・受信者の数に限りがある ・ルータの経路テーブル参照回数が増える
XCASTの仕組みと実装 XCAST非対応ルータが分岐点でも宛先のほうに送信する その先のXCAST対応ルータが改めて分岐させる 冗長になるが)データグラムの到達性が 保証される
XCASTのデータグラムの流れ 受信者X SRC:S DST:X XCAST 拡張ヘッダ Y,Z 対応 ルータ 受信者Y XCAST 非対応 対応 ルータ 受信者Y XCAST 非対応 ルータ 送信者S 受信者Z XCAST 非対応 ルータ
XCAST6でビデオ会議 NetBSDでの実装