Nova in M31: b b: 山中雅之(広島大)、新井彰(京産大)、かなた望遠鏡グループ

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Nova in M31: 2009-10b 2009-10b: 山中雅之(広島大)、新井彰(京産大)、かなた望遠鏡グループ 系内新星の観測的研究での問題:   距離の不定性、エネルギーetcが決められない LMC, M31など近傍銀河の新星:  距離がほぼ一定、多数の観測による統計的性質の導出  (>700 novae discovered in M31; Pietsch+ 2007; Shafter+ 2009) 2009-10b: 板垣、西山、樺島各氏により 2009年10月11日(UT)発見 これまでで観測されたM31の新星で最も明るいクラス

Nova in M31: 2009-10b かなたで測光観測 t2 = 2.96±0.35 days very fast nova   ~V1500 Cyg (t2~2.4d)   ~MU Ser (t2~2.4d)   ~V838 Her (t2~2d)   ~U Sco (t2~2.2d) しかし、立ち上がりは遅い  ←→ 通常のvery fast nova

極大絶対等級 かなた観測のVmax=15.08 → MV=-9.3±0.1 (μ=24.38) Shafter+ 2009 かなた観測のVmax=15.08 → MV=-9.3±0.1  (μ=24.38) (極大を逃した=より明るかった可能性有り) MMRD(Della Valle&Livio 1995)からはMV=-9.0±0.1

V1500 Cyg との比較 By 蜂巣さん 黒体輻射期から自由・自由遷移期に掛けての進化はよく似ている → Polar?

スペクトル観測 スペクトル観測 さほど早くはない ΔV~4でもOIに吸収 輝線FWHM~1300km/s ぐんま1.5m (CBET 1980) 美星1m (CBET 1980)   P Cyg型バルマー線   FeII型に近い? すばる望遠鏡 輝線FWHM~1300km/s 吸収成分 2000-1200km/s  さほど早くはない   ΔV~4でもOIに吸収 分解能 Δv~500km/s

議論・まとめ 非常に明るい部類の新星 Pre-maximum期が長い 放出速度もさほど速くない MV=-9.3±0.1 t2 = 2.96±0.35 days Pre-maximum期が長い 放出速度もさほど速くない U Scoのような回帰新星とは異なる 可視光度曲線はV1500 Cygに類似 Dense な wind?