名古屋市立大学 経済学部 森田ゼミ 佐藤史治 間野大樹 三輪千紘 迫る電子化の波 名古屋市立大学 経済学部 森田ゼミ 佐藤史治 間野大樹 三輪千紘
研究対象:電子書籍 電子書籍とは・・・ 「電子化された書籍データ。紙に印刷するのではなく、パソコンや携帯電話、専用の表示装置などにデータを取り込んで閲覧する」もの (大辞泉) 例・・・新聞、小説、漫画など
新たな端末の登場でどのように発展していくか? 動機 ・映像、写真、音楽あらゆるものが電子化 ・電子書籍の市場が拡大 ・パソコン、携帯電話以外の新たな端末の登場 電子書籍市場は 新たな端末の登場でどのように発展していくか?
アウトライン 1.存在するニーズ 2.日本の電子書籍市場 「ケータイコミック」 3.アメリカの電子書籍端末 “kindle” 2.日本の電子書籍市場 「ケータイコミック」 3.アメリカの電子書籍端末 “kindle” 4.新しい端末による市場拡大 5.考察・まとめ
消費者のニーズ 大きなニーズが存在!! (「インターネット白書2011」より)
日本の電子書籍市場 このうち約8割が ケータイコミック (428億円) 文芸系や写真集・・・ それぞれ1割程度 (「ケータイ白書2011」より)
日本の電子書籍市場(2) ・市場規模574億円(2009年)・・・世界1位 ⇒ 約9割が携帯電話向け(513億円) ⇒ 約9割が携帯電話向け(513億円) ・その大半を占める「ケータイコミック」(428億円) ・主なユーザー・・・10代や20代の若者、女性
日本の電子書籍市場(3) 日本の電子書籍市場は・・・ 「若い世代、女性中心のケータイコミック市場」 発展の要因 ・第3世代携帯電話 ・パケット定額制 ・携帯電話所有年齢の若年化
問題点「画面の大きさ」 新聞、雑誌は携帯電話では実現が難しい! コミック 新聞・小説 1コマずつ表示できる 文字が少ない 一方向に読み進める レイアウトがわかりやすい 写真、図、イラストが多い 文字が多い 紙面全体を見て理解を深める レイアウトが複雑 新聞、雑誌は携帯電話では実現が難しい!
制限を解消した例 ‘kindle’ Kindleとは・・・ アマゾンの発売した電子書籍専用端末 「画面の大きさ」を解消 アマゾンの発売した電子書籍専用端末 「画面の大きさ」を解消 電子書籍専用端末=「電子ブックリーダー」
アメリカの電子書籍市場 (「インターネット白書2011」より)
制限を解消した例 ‘kindle’ (2) 大画面 6~10インチ ⇔ 携帯3~4インチ ⇒ 新聞、雑誌、小説もより読みやすく 6~10インチ ⇔ 携帯3~4インチ ⇒ 新聞、雑誌、小説もより読みやすく ex. The New York Times The Wall Street Journal 朝日、毎日新聞 etc…
電子ブックリーダーは 日本で普及するか? ‘kindle’(電子ブックリーダー)の普及 = コミック以外のニーズ 実現可能 本当に新しいニーズの市場は拡大するのか? ★電子ブックリーダーは、日本では普及しづらいのではないか?
電子ブックリーダー普及の 阻害要因 認知率 普及困難!! 読書家 購入のハードル
3点への着目 知らなければ買うことができない購入の前提 認知率 読書家 読む人に偏りがないか? 普及の限定 購入のハードル 値段の感じ方の違い 普及の妨げ
電子ブックリーダーの 認知率・利用率 [利用者] [非利用者] 利用者・・・30代、金銭的余裕と知識欲 ( 『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』 より)
読書家・購入のハードル [利用者] [非利用者] 積極的に投資!! ( 『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』 より)
電子ブックリーダー:まとめ 認知率が低い 読書家以外には受け入れられにくい 購入のハードルが高い (非利用者) 3点を克服した端末とは?? 電子ブックリーダーは広く普及しづらい!! 認知率が低い 読書家以外には受け入れられにくい 購入のハードルが高い (非利用者) 3点を克服した端末とは?? 電子ブックリーダー(専用端末)・・・△ スマートフォン、タブレットPC ・・・○ 汎用性、付加価値の1つとしての「電子書籍」
新しい端末による電子書籍市場 新しい端末による普及 認知率 読書家 購入のハードル 端末の所有⇒電子書籍の利用・市場予測 ジャンルの拡大 市場への影響
スマートフォンとタブレットPC 「認知率」 前身 ー スマートフォン・タブレットPC・・・携帯電話 ー 電子ブックリーダー・・・存在しない 「買い替え」⇒市場調査=認知のきっかけ スマートフォンやタブレットPCは、認知されやすい構造を持っている!!
スマートフォンとタブレットPC 「読書家」以外への普及 インターネット 大容量 読書家 音楽プレーヤー アプリ 電子ブックリーダー スマートフォン・タブレットPC 電子書籍 新しいもの好き etc… インセンティブの数・・・ 多数! 1つ スマートフォンやタブレットPCは、 多くの人を惹きつけることが可能!!
スマートフォンとタブレットPC 「購入のハードル」 市場価格と払ってもよい価格との乖離の程度 ・・・ 乖離幅が小さい ⇒ ハードルが低い スマートフォン・タブレットPCの方が乖離幅が小さい = ハードルを下げている!! 市場価格の 平均 消費者が 費やせる価格 価格の 乖離幅 電子ブックリーダー 19933円 15396円 4537円 スマートフォン タブレットPC 53688円 52288円 1400円
問題解消の流れ スマートフォンやタブレットPCは、電子ブックリーダーの課題を解消している = 普及に適した端末 Kindle (電子ブックリーダー) スマートフォン タブレットPC 認知率 21%(非利用者) 存在を知らない・・・75% 87.3%(iPhone) 携帯電話の普及と 「買い替え」による認知機会 読書家 読書好きの積極的な利用 ⇔ 非利用者は消極的 数多くの魅力(インセンティブ) = 幅広い消費者への普及 購入のハードル 利用者による多額の投資 ⇔ 非利用者のハードルの高さ 市場価格の開き・・・小 =ハードルを下げる スマートフォンやタブレットPCは、電子ブックリーダーの課題を解消している = 普及に適した端末
今後の市場予測 スマートフォン向けが急成長!!!
今後の市場予測(2) スマートフォン向け電子書籍が急成長 携帯向け電子書籍は伸び悩む 対紙の書籍の販売額の割合も2倍以上に! 端末の所有が電子書籍の利用につながる!
ジャンルの拡大 新しいジャンルの拡大 10代、20代の若い女性ユーザー ⇒ 幅広い年代への広がり ex. 主婦層・・・料理・収納 ⇒ 幅広い年代への広がり 新しいジャンルの拡大 ex. 主婦層・・・料理・収納 社会人・・・新聞・経済系 音声機能(語学学習など) etc…
まとめ スマートフォン、タブレットPCによる、 携帯電話と電子ブックリーダーの問題点の解消 ⇒ 電子書籍市場の拡大 今後の電子書籍の課題 紙の書籍との関係 権利の問題(著作権) 価格設定
参考文献 一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム (監修), インプレスR&D インターネットメディア総合研究所 (編集) (2010)『ケータイ白書2011』(インプレスジャパン) 一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム (監修), インプレスR&D インターネットメディア総合研究所 (編集) (2010)『インターネット白書2011』(インプレスジャパン) 西田 宗千佳 (著) (2010)『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(エンターブレイン) 『スマートフォン市場規模の推移・予測(11年7月)』 (MM総研) <http://www.m2ri.jp/index.php> 『スマートフォン端末の興味度・購買意欲調査』(MMD研究所) < http://mmd.up-date.ne.jp/ > 『ケータイwatch』 <http://k-tai.impress.co.jp/> 『ASCII.jp』 <http://ascii.jp/>