アンビエント情報社会基盤創成拠点 -アンビエントインタフェース領域-

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アンビエント情報社会基盤創成拠点 -アンビエントインタフェース領域- 竹村治雄・岸野文郎・前田太郎・井上克郎・沼尾正行・大坊郁夫・林 良彦・西尾章治郎 大阪大学 大学院情報科学研究科 サイバーメディアセンター・産業科学研究所 人間科学研究科・言語文化研究科 1

動的に適応可能なシステム構築に関する基礎の確立 アンビエントインタフェース領域の目的 アンビエントインタフェースの普及 アンビエントインタフェースの構成要素を明確なものとし、他のインタフェース手法をアンビエントインタフェースを明確に区別化できる定義を定めるとともに、これの一般的な用語としての定着を図る。 動的に適応可能なシステム構築に関する基礎の確立 アンビエント情報や利用者情報の動的な解析により、インタフェース系が常に最善のシステムとして動的に構成されるための基礎的な機構を確立する。また、この考えに基づいていくつかのシステムを構築し手法の有効性を検証する。 身体動作におけるアトラクターの応用手法の開発 パラサイトヒューマンを用いて身体動作の知覚・記銘・想起・再現のプロセスを解析し,これをアトラクターを用いて動的にモデル化することによって,人間動作のアトラクター記述と,その引き込み特性を利用して複数動作者間のアトラクター重畳的な作業の協調効果を誘導する.

2008年度計画(1) 研究室 研究内容 期待される成果 岸野研究室 アンビエント情報環境の1つの典型的な例として,1~複数のディスプレイからなる環境を考え,機器構成の変動や利用者の明示的ではない曖昧な要求に柔軟に対応できる情報提示環境を,生物に学ぶ新しい方法論(アトラクタ選択・重畳など)に基づき試作する. ・デモ 1件(12月) ・国際会議投稿 1件 ・論文誌投稿  1件 前田研究室 これまでに研究を進めてきた錯覚利用の感覚提示技術を元に,新型のパラサイトヒューマンを試作し,これを使った感覚伝送システムを構築を目指す.これと並行して同システムを介した人間の身体動作の見まねと伝達を想定した心理物理実験を行う.この計測結果から身体動作の知覚・記銘・想起・再現のプロセスを解析し,これをアトラクターを用いて動的にモデル化することによって,人間動作のアトラクター記述と,その引き込み特性を利用して複数動作者間のアトラクター重畳的な作業の協調効果を誘導する.この効果の計算モデルによる数値予測を心理物理計測によって定量的に検証することで.アトラクター重畳モデルの構成論的な実証例とすることを狙う.(今年度は次年度以降に行う実証実験システムの予備的な検証段階として感覚伝送システムとアトラクター重畳モデル構築の予備的検証を中心に試行錯誤的に研究を進める.) ・デモ 1件 井上研究室 アンビエント情報環境は、システム構成や人間の振る舞いや要求条件が変化したとしても,プログラム全体を作り直さずとも簡単に柔軟に対応できるような仕組みが重要である。本研究では、システムの振る舞いを自立的に検出し、人間の行動とのマッチングを最適にするようなシステムの構築方法について検討する。 沼尾研究室 我々の研究室では、脳波計を含む各種センサーのデータを収集し、データマイニングおよび機械学習技術を用いて、解析を進めている。解析結果に基づいて、感情などの心的状況を推定することで、アンビエントインタフェース実現に向けての基礎技術を構築することを目指す。ストリームマイニングなどのセンサーデータ解析に適した技法も研究する。

2008年度計画(2) 研究室 研究内容 期待される成果 大坊研究室 複数のテーマを設定し、小集団事態での言語的、非言語的コミュニケーション行動を記録し、コミュニケーション行動間の関係を検討する。主として、発話、視線、顔面表情、しぐさを測定する。そのために、多面的な記録のために既保有に加えて、HIVのビデオカメラ、ノイズ影響の少ないマイクロフォンを新たに要する。研究対象者は男女大学生、さらに、社会人をも加える。この研究を通して、アンビエント情報社会のインタフェースの基礎となるマルチ・チヤネルのコミュニケーション行動の相互関連性を明らかにし、さらに、アトラクタ重畳につながる視点を検討する。 ・デモンストレーション         1件 ・国際会議投稿 2件 ・論文誌投稿  4件 林研究室 多人数(3~6人程度)における音声対話の状況において,発話者のスポッティングを行い,発話のプロソディ(韻律情報),パラ言語情報から,場の盛り上がりなどを推定する方法を検討する. ・論文誌投稿  1件 西尾研究室 インターネットの爆発的な普及により、WWWを情報源として利用することが一般的になっている。しかし、現在のWWW検索ではページの信頼度は考慮されるが、そのページの意味的内容は考慮されないため、ユーザはその中から必要な情報を含むページを一つ一つ閲覧しながら探さなければならない。ユーザが必要としている情報を含むページを優先してランキングの上位に表示するようなサービスを実現するためには、ユーザの趣向や意図といったユーザプロファイルを考慮して、検索結果のパーソナライズを行う必要がある。  本研究では、アトラクター選択をユーザプロファイリングに応用することで、ユーザの興味の変化に迅速に対応できるプロファイリング技術の実現を目的とする。またその応用として、検索結果のパーソナライズシステムを試作し、評価実験を行うことで、アトラクター選択のユーザプロファイリング技術への適用性を評価する。さらに、プロファイリングのためのアトラクター選択式におけるパラメータの調整法方について調査する。 竹村研究室 本年度は、アンビエントインタフェースを実現するための1.インテリジェントな状況認識手法、2.インテリジェントな情報提示手法、3.生物に習った環境変動に強いシステムに関する研究を実施する。具体的には、アンビエント環境に分散されたセンサ群からの、人や環境の状況認識アルゴリズムの開発、得られた情報をアンビエント環境にいるユーザーに伝えるために、ユーザー状況を把握してその伝え方を変換する情報提示アルゴリズム、生物の「群」の知能を生かし、ユーザーの状況に応じてシステムが構成を変化させ、状況把握や情報提示を行うアルゴリズム等の開発を行う。

中期計画 中間評価まで 「アンビエントインタフェース」の定義を明確化し、様々な状況に置けるアンビエントインタフェースの事例を蓄積する。 環境情報と利用者情報の動的かつ連続的な解析メカニズムを構築し、それにより動的にかつ適応的に構成可能なインタフェースシステム実現のための基礎的フレームワークを構築する。 身体動作の知覚・記銘・想起・再現のプロセスを解析し,これをアトラクターを用いて動的にモデル化することによって,人間動作のアトラクター記述と,その引き込み特性を利用して複数動作者間のアトラクター重畳的な作業の協調効果を誘導する. 最終(5年目)まで 「アンビエントインタフェース」を広く一般的に使われる用語とし、その中でも生物に学ぶという特徴を活かした動的なインタフェース構成手法を確立し、実際にインタフェースへ応用事例を構築する。さらに、アトラクタ重畳を複数の利用者間や人間とシステムとの協調が必要とされる場面に実際に適用した事例を作る。

アンビエントインタフェース領域 必要経費(設備品費・消耗品費・旅費) アンビエントインタフェース領域 必要経費(設備品費・消耗品費・旅費) 当初執行計画   ¥14,856千円 設備費      ¥7,770千円 設備  レーザ変位センサなど 旅費       ¥3,350千円 謝金       ¥1,500千円 その他      ¥2,245千円