ネブライザーについて 2009年4月30日 集学治療病棟 白石 美恵
ネブライザーについて ネブライザーの原理と構造 ネブライザーの種類と使用目的 ネブライザーの吸入薬液 ネブライザーの感染予防と感染管理 ネブライザーのトラブル
ネブライザーの原理と構造 超音波ネブライザー (ウルトラネブライザー) ①発振器でつくられた電気エネルギーによって 振動子が振動 振動子が振動 ②この振動波が水槽内の水、ダイヤフラム、 チャンバー内の薬液に伝播する ③液面が激しく揺さぶられ、噴水状に盛り上がり、 その先端で細かい霧となり舞い上がる 細かい霧をエアロゾルという 直径0.5~5μmの微小で安定した均一の粒子 ○全身麻酔下術後の患者の排痰のための加湿 ×気管支が過敏で狭窄しているような喘息や慢性 閉塞性肺疾患(COPD)患者 発作を増悪可能性あり ウルトラネブライザーの構造 エアロゾルは送風器の風によって患者に供給
ハンドネブライザー (ジェットネブライザー) ①薬液の中に細い管を立て、その片端にジェット 流を供給する細管の先端が接する構造 流を供給する細管の先端が接する構造 ②ジェット流が供給されると、流速の早い部分の 圧力が他の部分より低くなって、薬液は細い管 から吸い上げられ、ジェット流によって吹き飛ば され、微小なエアロゾルを作り出す (ベルヌーイの定理) 毛細血管現象を利用してくみあげられた溶液に 空気を吹き付けて、溶液を霧状粒子にして吸入 ジェットネブライザーの構造 *超音波式よりも粒子が不均一で粗い *使用する薬液は2~4mlと少量であり、過剰な水分で気道閉塞しない *適応:喘息発作時、COPD増悪時 *圧縮空気を用いて吸入
ネブライザーの使用目的 給湿とエアロゾル吸入療法 給湿 生成された粒子表面からの気化で湿度を保持 効果:超音波ネブライザー>ジェットネブライザー 副作用:長時間の直接の気道吸入→水分過剰→気道粘膜が 粘稠度を著しく低下→自浄作用低下 短時間の使用:超音波ネブライザー 長時間の使用:ジェットネブライザー
ネブライザーの使い分け 吸入療法 薬物をエアロゾル化して気道や肺に投与 エアロゾルが沈着する部位がその粒子の 大きさによってことなる 治療部位に沈着する粒子の 大きさを知っておく!!! 気管支や肺胞のような末梢レベルの治療 手前の気管レベルの治療 超音波ネブライザーが有効 ジェットネブライザーが有効 粒子の大きさと沈着部位
ネブライザーの吸入薬液 ネブライザーで使用される水や薬液が汚染されて いると、細菌を含んだエアロゾルが生成される エアロゾルは、数μmの小さい粒子であるため、 細 菌を含んだエアロゾルは呼吸器の深部や肺胞まで 到達する 肺炎や感染症を起こす危険性があるため、ネブライ ザーに用いる薬液は清潔でなければならない
誤薬予防・感染予防のために 吸入薬液は必ずカラーシリンジで作成 清潔操作で作成し、清潔に取り扱う 作成日、患者氏名、薬液内容を明記 薬液は24時間毎に作成し冷所に保管 吸入薬作成、吸入療法実施前には手洗い・手指 消毒などを行う 患者、医療スタッフへの指導
細菌感染を防ぐには 定期的な回路交換 水槽内の水は毎日交換 薬液カップは使用毎に洗浄 薬液のつぎ足しはしない 蛇管内に水分を貯留させない 使用後の回路消毒と本体清拭
ウルトラネブライザーチェックリスト
ネブライザーを実施する前に・・・ 使用前点検 ・本体に汚れや破損はないか? ・フィルターの汚染や破損はないか? ・本体に汚れや破損はないか? ・フィルターの汚染や破損はないか? ・薬液カップやダイアフラム、発振筒に汚染や破損 はないか? ・し管の破損やひび割れなどがないか? ・し管、蛇管、薬液カップなどは患者毎に使用し滅 菌されたものであるか?
超音波ネブライザーをしよう 必要物品 蛇管 薬液カップ、ダイヤフラム 発振筒 吸入薬液 水道水(水槽内用) タオル、ティッシュなど 超音波ネブライザー本体 蛇管 薬液カップ、ダイヤフラム 発振筒 吸入薬液 水道水(水槽内用) タオル、ティッシュなど ガーグルベースン (含嗽用) 送風量 噴霧量調整 パネル 送風器フィルター バクテリアフィルター
ジェットネブライザーをしよう 必要物品 ジェットネブライザー本体 し管 延長チューブ 薬液 タオル、ティッシュなど ジェットネブライザー本体 し管 延長チューブ 薬液 タオル、ティッシュなど ガーグルベースン(含嗽用) エアフィルター 延長チューブを接続 圧縮空気吹き出し口 本体 し管
ネブライザーのトラブル チャンバー内で噴霧していないor噴霧量が少ない 蛇管の出口まで噴霧されない 本体の電源は? 噴霧量設定レベルは? 本体の電源は? 噴霧量設定レベルは? 水槽内の水は? 薬液は? ダイヤフラムが逆さま?変形は? 蛇管の出口まで噴霧されない 蛇管内の水分貯留は? 送風器フィルターの汚染は? 送風器の故障は?