寝屋川の総合治水対策について 都市整備部河川室
寝屋川流域治水対策の方針 ◆寝屋川流域の洪水の出口は京橋口しかありません ◆安全・安心への答えが「総合治水」です 洪水を流す! ・洪水はすべて京橋口に集まってきます。 ・高度に都市化された京橋から肥後橋に かけての河川の拡幅は困難です。 ◆安全・安心への答えが「総合治水」です ・地下河川などで洪水を安全なところまでバ イパスします。 ・洪水を一時貯留し、大雨の危険がなくなっ たら放流します。 寝屋川北部地下河川 洪水を流す! 京橋口 寝屋川治水緑地 平常時 豪雨時 洪水を貯める! 東諸福流域調節池
寝屋川総合治水対策の概要 寝屋川流域では、昭和32年に八尾で観測された戦後最大実績雨量(時間最大62.9mm、24時間雨量311.2mm)が流域全体に降ったときの京橋口での流域基本高水流量2,700m3/sとし、この内300m3/sを流域における対策で低減させ、残りの2,400m3/sを河川や下水などの治水施設で対応するという計画を策定している。人口・資産が集中する寝屋川流域は、急激な市街化が進み、河道の拡幅が不可能であったため、河道改修だけでなく、分水路や遊水地、そして地下河川、流域調節池等の整備を組み合わせることで、流域全体の治水安全度の向上を図っている。 雨量 内水域 治水安全度 1/10 内水域 治水安全度 1/20 内水域 治水安全度 1/40 下水貯留 流域基本高水流量 基本高水流量 流域調節池 地下河川 河道・分水路 遊水地・治水緑地 流域における 対策 2,400m3/s 2,150m3/s 京橋口換算流量 2,700m3/s 1,650m3/s 河道(改修) 洪水を安全に流下させるための河道の拡幅、堤防の嵩上げ、河床の掘り下げ、橋梁の改築などの事業 地下河川 河川の拡幅や新たな河川の掘削が困難な密集市街地で、道路等の公共施設の地下空間を利用した放流施設 分水路 本川(寝屋川)の洪水負担を軽減するため、洪水を分流する新しい河川 遊水地 河川からの洪水を一時貯留し、下流河川の負担を軽減するための施設 調節池 水路や下水道が流しきれない雨水を一時貯留し、周辺地域の浸水被害を軽減する施設 流域における対策 学校や公園施設などの公共施設や民間開発などで設置され、雨水を一時貯留・浸透させ、降った雨が一気に河川に流出しないようにする施設 寝屋川流域では、昭和32年に八尾で観測された戦後最大実績雨量(時間最大62.9mm、24時間雨量311.2mm)が流域全体に降ったときの京橋口での流域基本高水流量2,700m3/sとし、この内300m3/sを流域における対策で低減させ、残りの2,400m3/sを河川や下水などの治水施設で対応するという計画を策定している。人口・資産が集中する寝屋川流域は、急激な市街化が進み、河道の拡幅が不可能であったため、河道改修だけでなく、分水路や遊水地、そして地下河川、流域調節池等の整備を組み合わせることで、流域全体の治水安全度の向上を図っている。
地下河川事業 ◆都市計画道路の地下に2本の地下河 川を計画 ・流域に降った雨を下水道の幹線から取 水し、流域の外側に排水します。 川を計画 ・流域に降った雨を下水道の幹線から取 水し、流域の外側に排水します。 ・流域に降った雨の約20%を処理する計画 です。 ・長期間にわたる事業のため、完成した区 間から貯留施設として有効活用します。 ・現在、31%の進捗状況です。 寝屋川流域図 北部地下河川 南部地下河川 地下河川 下水幹線 ポンプ場 H14.10暫定供用 北部地下河川(古川調節池)
流域調節池事業 ◆公園や駐車場などの公共施設の地下 に180万m3の流域調節池を計画 三ツ島流域調節池(門真市) 流入状況 に180万m3の流域調節池を計画 ・流域に降った雨を下水道の幹線から取 水し、一時的に貯留します。 ・流域に降った雨の約10%を処理します。 ・様々な公共施設の地下を利用し、 流域にきめ細かく配置します。 ・現在、24%の進捗状況です。 三ツ島流域調節池(門真市) 流入状況 三ツ島流域調節池 内部
総合治水の背景~慢性化する浸水被害~ ◆寝屋川流域では、毎年のように浸水被害が発生しています。 年 月 日 気象要因 流域最大降雨量 年 月 日 気象要因 流域最大降雨量 浸水被害 時間最大 (mm) 総雨量 (mm) 床上(戸) 床下(戸) 計(戸) 昭和28年9月25日 台風13号 38.0 192.0 3,200 48,553 51,753 昭和32年6月26日 - 62.9 326.1 - 昭和47年7月12日~13日 梅雨前線 20.0 237.5 6,138 37,273 43,411 昭和47年9月15日~16日 台風20号 47.5 115.0 8,902 52,505 61,407 昭和54年6月27日~7月2日 25.0 268.5 1,044 12,043 13,087 昭和54年9月30日~10月1日 台風16号 66.0 96.0 4,045 23,691 27,736 昭和57年8月2日~3日 台風10号 及び低気圧 39.5 150.5 6,778 43,262 50,040 平成元年9月2日~3日 秋雨前線 23.0 166.0 26 1,927 1,953 平成元年9月14日 49.0 75.5 68 3,600 3,668 平成元年9月19日~20日 台風22号 41.0 104.0 3 1,694 1,697 平成7年7月2日~6日 32.0 290.0 14 2,026 2,040 平成9年7月9日 35.0 74.0 9 163 172 平成9年7月13日 42.0 114.0 61 3,767 3,828 平成9年8月5日 低気圧 61.0 75.0 67 3,135 3,202 平成9年8月7日 前線 80.0 116.0 359 8,854 9,213 平成11年6月26日~27日 50.0 94.0 398 401 平成11年6月29日~30日 130.0 2 195 197 平成11年8月10日~11日 熱帯低気圧 56.0 244.0 364 3,116 3,480 平成11年9年17日 局地的豪雨 88.0 106.0 85 3,872 3,957 平成15年5月8日 47.0 15 611 626 平成16年5月13日 89.0 22 310 332 平成16年10月20日 台風23号 134.0 490 505 平成20年8月6日 63.5 73.5 183 2,357 2,540
総合治水の背景~慢性化する浸水被害~ 昭和32年6月(戦後最大の豪雨)【現在の計画降雨】 昭和47年7月豪雨 昭和57年8月台風10号豪雨 近鉄奈良線 八戸の里駅付近 東大阪市稲田楠根連絡所付近 昭和47年7月豪雨 昭和57年8月台風10号豪雨 大東市役所前 S57 東住吉区
総合治水の背景~水捌けの悪い地形~ ◆寝屋川流域は雨水排水をポンプなどの施設に頼らざ るを得ない水捌けの悪い地形です。 るを得ない水捌けの悪い地形です。 ・寝屋川流域(河内平野)は、河内湾が陸地化した土地です。 ・市街地の大部分は、河川の堤防より低い土地です。 ・このため、雨水排水をポンプなどの施設に頼っています。 流域面積:268km2 人 口:275万人 総資産額:48.7兆円 縄文時代前期の海 (河内湾)
総合治水の背景~流域の高度な都市化~ 昭和36年(43年前) 平成7年 ◆戦後、寝屋川流域は急激に都市化が進展し、 保水・遊水機能の低下がしました。 ◆都市化は事業用地の取得を困難にしました。 ・昭和30年代から都心部からの利便性があるため、 寝屋川流域では、人口が急激に増加し、都市化 が著しく進展しました。 ・それに伴い、田畑は住宅地に改変され、流域の 保水・遊水機能の低下がもたらされました。 ・また、高度な都市化により事業用地の取得が困 難となり、公共用地の高度利用が必要となりま した。 東大阪市・鴻池付近 昭和36年(43年前) 平成7年
総合治水の背景~地上河川での対応の限界~ ◆寝屋川流域は改修工事の結果、堤防 はコンクリートの壁で限界まで高く 積上げています。 ・過去から浸水被害に悩まされてきた寝屋 川流域ではこれまでの対策で地上河川で の洪水対策は限界と考えられます。 ・高い堤防は自然環境、必ずしも生活環境 や景観に良いとは思えませんが、いつも 流域住民の安全・安心を守っています。 特殊堤 (パラペット) 特殊堤 (パラペット) 設計高水位 堤内地 堤外地 寝屋川(大東市上町付近) 堤内地 設計高水位 寝屋川(住之江橋付近)
完成・供用開始した主な治水施設(S57→H16) 事業の効果~同規模降雨での被害比較~ 守口市 大阪市 東大阪市 八尾市 柏原市 大東市 寝屋川市 四條畷市 門真市 枚方市 交野市 同規模降雨での浸水被害の減少(S57→H16) S57浸水 H16浸水 43000 同規模降雨で被害激減 床上 6700 500 30 S57年台風10号 時間雨量:27.5㎜/hr 総雨量:146.5㎜ H16年台風23号 時間雨量:41.0㎜/hr 総雨量:131.0㎜ 床下 完成・供用開始した主な治水施設(S57→H16) ○平野川排水機場、太間排水機場の供用開始 ○地下河川・調節池運用(南部55万m3、北部9万m3)【12万m3貯留】 ○治水緑地の供用(4箇所、294万m3)【118万m3貯留】 ○流域調節池の供用(12箇所、21万m3)【10万m3貯留】 寝屋川治水緑地 寝屋川北部地下河川 60万m3貯留 9万m3貯留
事業の効果~南部地下河川暫定運用の効果~ 貯留状況(寝屋川南部地下河川【平野川調節池】 寝屋川南部地下河川の進捗状況 浸水戸数の推移(大阪市東南部) 貯留状況(寝屋川南部地下河川【平野川調節池】 昭和61年7月 寝屋川南部地下河川・ 調節池として供用開始
流域による対策~みんな行う総合治水~ (棟間貯留) (校庭貯留) ◆寝屋川流域では、河川管 理者による治水対策だけ でなく流域市、民間開発 流域対策(洪水の発生源対策) ◆寝屋川流域では、河川管 理者による治水対策だけ でなく流域市、民間開発 などによる流域対策や 治水事業に関する出前講 座を行うなど住民啓発に よる災害に強い街づくり を進めています。 (棟間貯留) (校庭貯留) 平常時 貯留区域 雨天時 出前講座による啓発 【開催実績】263校、26,244名 平成13年度…18校、1,514名 平成14年度…18校、2,015名 平成15年度…39校、3,230名 平成16年度…37校、2,778名 平成17年度…60校、5,516名 平成18年度…52校、5,825名(うち、保護者1,022名) 平成19年度…16校、1,805名(うち、保護者300名) 平成20年度…39校、3,561名