地域の社会資源の再構築 -認知症カフェの取り組みを通して- 北村 佳奈子 ・ 久保 英樹 テーマ区分 A―3 佐賀県

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高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7-1 1  意見交換会開催に至る経緯  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治療 に関する意向確認ができているかという課題提起がなされた。  平成27年度   (1) 介護サービス事業者協議会主催研修会・施設ごとの講演会(救急課)                  
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地域の社会資源の再構築 -認知症カフェの取り組みを通して- 北村 佳奈子 ・ 久保 英樹 テーマ区分 A―3 佐賀県   佐賀市東与賀町地域包括支援センター 北村 佳奈子 ・ 久保 英樹

1. 佐賀市東与賀町の概要 佐賀市 東与賀町 人 口 235,162人 8,560人 65歳以上 59,748人 1,952人            佐賀市   東与賀町 人   口   235,162人   8,560人 65歳以上   59,748人  1,952人   (25.41%) (22.80%) 75歳以上   30,705人    979人           (13.06%) (11.44%) (平成27年度、佐賀市高齢者実態調査結果より) ・ 町の南側は有明海に面していて、町域の大半は干拓により造成された起伏が少ない低地で、最高点は海抜2.8メートル ・ 住宅は町の北側に集中、近年住宅地としての整備がすすむ。

佐賀市東与賀地域包括支援センターの人員配置 佐賀市の地域包括支援センターの設置状況 統括地域包括支援センター (佐賀市) 直営 1箇所 委託 14箇所 佐賀市東与賀地域包括支援センターの人員配置 主任介護支援専門員   1名 社会福祉士         1名 介護支援専門員     1名

カフェに取り組む契機

準 備 地域ケア会議の意見を受けて「カフェ」の実施を計画 1. 関係機関への協力要請 1) 介護サービス事業所 準   備 地域ケア会議の意見を受けて「カフェ」の実施を計画 1. 関係機関への協力要請    1) 介護サービス事業所  ・ 認知症対応型共同生活介護  2箇所(4ユニット)  ・ 介護老人保健施設     1箇所   ・ 居宅介護支援事業所   2箇所   ・ 訪問介護     1箇所   ・ 通所介護、通所リハビリ  3箇所  特に、認知症対応型共同生活介護(グループホーム) は、認知症の人のみを対象としているので、地域における認知症ケアの拠点として協力を要請した。

準 備 2) 民生委員 毎月参加している校区の民生・児童委員協議会にて協力を要請 3) 行政担当部局 2) 民生委員 毎月参加している校区の民生・児童委員協議会にて協力を要請 3) 行政担当部局 市支所の高齢者保健福祉担当部局への協力要請 2. カフェの名称検討 「認知症カフェ」という言葉を使わず、誰でも気軽に立ち寄ることができるように「よってみゅ~かふぇ」(方言で、立ち寄ってみる の意) という名称に決定 3. 会場の検討 2ヶ月に1回、校区内のサービス事業所で実施 準   備

実 施 【ねらい】 1. グループホームでのカフェの開催 地域の人にグループホームを知ってもらうことで・・・ 実   施 1. グループホームでのカフェの開催 【ねらい】 地域の人にグループホームを知ってもらうことで・・・ 事業所もより主体的にかかわることができる。 地域の認知症ケアの拠点とした取り組みの糸口に

実 施 1. グループホームでのカフェの開催 1) 参加者からいただいた主な感想 実   施 1. グループホームでのカフェの開催 1) 参加者からいただいた主な感想 ・ 身近に顔見知りになる機会があればと思います。地域や老人クラブなどへも出てきてもらえたらと思います。 ・ 認知症の方、家族の方が、なかなか他の方にいえないことをはきだせる場ができれば、家族にとっても介護の負担が気持ち軽くなるのかなぁと改めて感じたところでした。民生委員さんを通してグループホームがもっと身近な場所になるといいなと思います。 ・ 入所されている方と一緒にカフェしてみてもいいと思う。

実 施 2) 事業効果 ・ 地域の関係者と協働して運営することで、情報共有がすすみ関係者間の関係(情報共有)が強化される。 実   施 2) 事業効果 ・ 地域の関係者と協働して運営することで、情報共有がすすみ関係者間の関係(情報共有)が強化される。 ・ カフェの運営で生まれた新たなつながり は、地域包括支援センターを介して関係者間にも共有される。 2. カフェのPR (研修会の実施)

課 題 1. カフェの運営から見えてきた課題 1) カフェの運営目的をはっきりさせる。 課   題 1. カフェの運営から見えてきた課題 1) カフェの運営目的をはっきりさせる。 認知症の人への効果、介護者への効果、支援関係者に対する効果、ボランティア活動等の活性化・・・ など色々な効果が得られると考えられるが、一度にたくさんのことはできない。 2) 地域包括支援センターだけでは立ち回れない。 多くの関係者が参加することで、情報共有がすすむ。現在、地域包括支援センターが持っていない機能を補うことができる。

課 題 2. 課題に対する対策 1) カフェの目的を絞る。 介護者への支援を目的としてカフェへの参加を募る。 課   題 2. 課題に対する対策 1) カフェの目的を絞る。 介護者への支援を目的としてカフェへの参加を募る。 ・ 介護者が、別の家族と出会うことで得られる安心感やカタルシス効果 ・ 支援者や専門職と出会う機会を得るという効果 2) 支援関係者とのさらなる連携強化 ・地域関係者とのカフェの運営会議の開催 ・保険者や行政担当部局のカフェ参加 ・市の認知症対策との連携や中圏域での実施、  生活・介護支援サポーターの協力(検討中)

東与賀町の南部に位置する有明海 東与賀北部の新興住宅と田園風景 佐賀市東与賀地域包括支援センター 〒840-2221 〒840-2221  佐賀市東与賀町大字下古賀1193 TEL/FAX  0952 (45) 3238 E-mail:chiikihoukatsu@lup.bbiq.jp

認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン) ~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~ 1. 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進 2. 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供 3. 若年性認知症施策の強化 4. 認知症の人の介護者への支援 5. 認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進 6. 認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進 7. 認知症の人やその家族の視点の重視 厚生労働省 平成27年1月27日

新オレンジプランでのカフェの位置づけ 4. 認知症の人の介護者への支援 (認知症の人の介護者の負担軽減) ○  認知症の人の介護者の負担を軽減するため、認知症初期集中支援チーム等 による早期診断・早期対応を行うほか、認知症の人やその家族が、地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合う認知症カフェ等の設置 を推進する。

新オレンジプランでのカフェの位置づけ 【認知症カフェ等の設置】 (目標新設) 2013(平成25)年度  (目標新設) 2013(平成25)年度 国の財政支援を開始 ⇒ 2018(平成30)年度~ すべての市町村に配置される認知症地域支援推 進員等の企画により地域の実情に応じ実施 * 医療介護総合確保推進法を踏まえ、新たに目標を設定。

新オレンジプランでのカフェの位置づけ 7. 認知症の人やその家族の視点の重視 ○ また、初期段階の認知症の人を単に支えられる側と考えるだけでなく、認知症とともによりよく生きていただけるよう環境整備を行っていく観点からは、例えば認知症カフェで認知症の人を単にお客さんとして捉えるだけでなく、希望する人にはその運営に参画してもらい、このような中で認知症の人同士の繋がりを築いて、カフェを超えた地域の中での更なる活動へと繋げていけるような、認知症の人の生きがいづくりを支援する取組を推進する。