THPS081 KEK-STFにおける量子ビーム実験のためのキャプチャークライオモジュールの建設とビーム運転 概要 Y. Yamamoto, M. Akemoto, S. Fukuda, K. Hara, H. Hayano, T. Homma, E. Kako, H. Katagiri, Y. Kojima, Y. Kondo, T. Matsumoto, H. Matsushita, S. Michizono, T. Miura, H. Nakai, H. Nakajima, K. Nakanishi, S. Noguchi, T. Shidara, T. Shishido, T. Takenaka, N. Toge, K. Tsuchiya, K. Watanabe, S. Yamaguchi, A. Yamamoto, K. Yokoya, M. Yoshida (KEK, Japan) THPS081 第9回 日本加速器学会年会 概要 諸々のパラメータの測定結果 チューナー駆動試験 KEK-STFで量子ビーム実験に使用されるキャプチャークライオモジュールの建設が2011年9月から始まり、12月に終了した。このクライオモジュールには2台の超伝導9セル空洞(MHI-12, -13)が導入されており、それらは縦測定(空洞単体性能試験)でいずれもILCの要求するスペックを満たしている。また、2010年に行われていたS1-Global実験でその入熱量が問題となっていた入力結合器も改良され、新たに導入されている。空洞の周波数調整機構はS1-Globalの時と同様に、ヘリウムジャケット中央部と端部の2カ所に1台ずつ取り付けられ、運転時の動作比較が行えるようになっている。2012年2月からクライオモジュールの冷却が開始され、2K到達後に低電力試験、高電力試験、熱負荷測定等を経て、4月からビーム運転が始まった。高電力試験を通じて一台の空洞性能が、縦測定時に比べて25%程も劣化していることが判明したが、運転勾配は20MV/mのため深刻な影響は与えなかった。現在、ビーム運転が日夜行われているが、キャプチャークライオモジュールは安定に動作している。本学会では、量子ビーム実験のためのキャプチャークライオモジュールの建設状況から性能試験やビーム運転時の状態などを詳細に報告する。 MHI#12 MHI#13 f0 [MHz] 1299.999931 1300.000106 Δf [Hz] 406 499 QL 3.19 x 106 3.02 x 106 Qt @C.T. 1.40 x 1011 2.24 x 1011 Qt @V.T. 1.69 x 1011 2.25 x 1011 QHOM#1 1.33 x 1014 4.52 x 1014 QHOM#2 1.15 x 1013 2.09 x 1013 Band width (400W Amp.) 3.04 x 106 3.09 x 106 Decay time 3.11 x 106 3.01 x 106 Network analyzer 機械振動モード測定 LFD測定とピエゾによる補償 クライオモジュールの建設とトンネルへの設置 MHI#12 (center) MHI#13 (end) Mode # fPiezo [Hz] Δφp-to-p [mV] 1 96 760 ? 2 180 1260 171 300 3 193 1360 4 206 1880 216 740 5 332 460 334 280 6 351 940 365 400 7 481 445 200 8 496 1160 490 260 9 542 220 Eacc Mode #4 Mode #9 Δφ Piezo output function generator MHI#12 MHI#13 ビームコミッショニング中の出来ごと 量子ビーム計画におけるビーム運転は2012年4月から始まった。これまでのところ、両空洞はほぼ問題なく安定に動作している。しかし、運転中の予期せぬトラブルには何度か遭遇しており、以下でいくつかを紹介したい。 7/3のビーム調整中にビームが空洞のどこかに当たっていたようで、真空悪化を招いた 7/4は空洞がクエンチを起こしていたにも関わらず、インターロックが作動せず、かつ、RFの投入は続けられており、非常に危険な状態で10分以上運転されていた。 7/5は落雷による停電があり、真空排気系や冷凍機が全てダウンした。 最大到達加速勾配の比較