インターネットをめぐる諸問題.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
いままでの環境のままかんたんに 防犯効率をアップするシステムとは・・・ KGUARD の防犯カメラセットのご案内 ケーガード.
Advertisements

11 インターネットの危険 情報セキュリティの視点から 2012 年 7 月 15 日 (日) 駒澤大学 経営学部 教授 西村 和夫 オープンキャンパス/模擬授業.
不正アクセス禁止法 他人のパスワードを不正に入手して使用 することや、セキュリティホールを悪用 してパスワードなしにアクセスを行うこ とがあげられる。 他人のパスワードを本人の許可なく第三 者に知らせることも不正アクセス行為に なる。 違反すると 1 年以下の懲役と 50 万円以下 の罰金が科せられる。
検索エンジンが 日本にないのはなぜか  なんで検索エンジン? 2006 年 10 月 9 日、「 Google 」が「 YouTube 」を買収した。 16 億 5 千万ドル相当の株式交換で買収、という形になって いる。  そもそもなんでそんな疑問が? 政府の知的財産戦略本部は 2008 年 6.
計算機リテラシーM 第 11 回 計算機・ネットワーク技術 伊藤 高廣
情報社会における情報システ ム 高校 1 年「社会と情報」 ⑮. 1.身近にある情報システム 情報システムとは? (情報システム)  コンピュータ,ネットワークなどによ り,情報の収集・保管・伝達などの情 報活用を可能にするしくみ  産業・金融・交通・防災・行政・交通 ・教育・医療などあらゆる分野で利用.
メディアリテラシー教 育 に関する調査研究 ○ 小野 幸子 ・ 鈴木克明 岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科 ソフトウェア情報学部.
11 月 17 日 インターネット検索の基礎 インターネット検索 最近の話題 宿題披露 興味を持っているものを検索してみ よう どんな時にインターネット検索するか 宿題 授業資料
情報モラルデザイン B 班第 2 回 合法的な盗聴? 吉田. 盗聴?  ひとの通信を許可なく傍受(盗み聞き) する – 電話線に接続して話を盗み聞く – 周波数を合わせて無線を傍受する – インターネット上を流れているパケットを集 めて再生する – 無線 LAN の電波を勝手に受信する  データへの不正アクセス.
携帯電話のウソ・ホント ケータイは危険がいっぱい 知らないでいると、あなたが被害者になり ます. 第1問 携帯電話の番号から、誰もが検 索すればすぐ分かるものは次の何ですか  1. 使用者の電話会社と住んでいる地域  2. 使用者の現在の位置  3. 使用者の住所、氏名.
インターネットで情報検索 平成 19 年 8 月 26 日 生涯学習施設「アクロス」 パソコンボランティア「パソ 救」
テレビと YouTube 1DS05174T 有光慶祐 1DS05198N 野尻順子 1DS05178S 山下大二.
情報倫理と メディアリテラシー 第 1 章 ネットワーク社会と情報化社 会. ネットワーク社会 携帯電話 コンピュー タ テレビ 家電 カーナビ など ネットワーク 新たなコミュニケーションの場.
インターネット広告が 及 ぼす 影響 2015/9/19 駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 2fr3195 稲沢珠依 ( たま ) 1.
システム案内.
通信販売の成長と未来           MR9068 吉村勇輝.
C G M 集合知 メディアコミュニケーション論Ⅲ 第9回.
Global Ring Technologies
インターネット接続方法 プロバイダとの契約が必要(パソコン購入店で相談) 「価格.COM」や「朝日新聞 x ECナビ」等で下調べ 回線の種類
ケータイ・ネット安全教室 被害者・加害者にならないために
初めてのパソコン目次へ パソコンでできること
コンピュータウィルスと脆弱性 メディアコミュニケーション論Ⅲ 7/18/08.
コンピュータ演習Ⅰ 8月6日(土) 4限目 フリーウェア.
Android と iPhone (仮題) 情報社会とコンピュータ 第13回
SaaS (Software as a Service)
第2章 ネットサービスとその仕組み(前編) [近代科学社刊]
ICTビジネス 社会人基礎 II.
ITの日本語教育への利用1 PART II 小澤伊久美
ネットワーク技術の普及による 費用配分の変化
講 義 ガ イ ダ ン ス 情報社会と情報倫理 第1回.
第3章 第2節 ネットワークを活用した 情報の収集・発信 6 情報の多様な提示方法 7 構造を工夫した情報の表現方法 8 ウエブページの公開
プログラミング演習I 2004年4月14日(第1回) 木村巌.
Webサイト運営 09fi118 橋倉伶奈 09fi131 本間昂 09fi137 三上早紀.
[オンライン学習に登録] [情報ネットワークを安全に利用しよう]
『地域の活性化,豊かな社会形成のためのICT利活用の 検討について』
企業の収益基盤と戦略の関係 ~Googleは何の会社なのか?~
子どもをとりまく ネットトラブル 子どもをとりまくインターネット社会におけるトラブルの種類とそれに対応する情報モラル教育の必要性について考えていきます。
インターネット活用法 ~ブラウザ編~ 09016 上野喬.
PageRankの仕組 林晋.
ビッグデータとオープンデータ 情報社会とコンピュータ 第12回.
ネットワークの活用 イントラバケッツシステム 情報ネットワーク研究会 渡部英綱.
1DS04169K 太田睦美 1DS04185K 高田将平 1DS04206E 森根光春
「ネット上のいじめ」 ネット時事課題 ○子供たちは、スマートフォンや携帯ゲーム機を使い、毎日様々なインターネットサービスを利用しています。
スライド資料 E1 教育校務の情報化 〈タイトル〉 ここでは、教育の情報化とICT活用について学びます。 兵庫県版研修プログラム.
マナー講座 ブログと紙の日記は     何がちがうの? 情報科主任 岡本弘之 2006 情報科.
インタネットマーケティング グーグルの戦略
O’REILLY EMERGING TECHNOLOGY CONFERENCE 2006 の概要説明 2006/02/14 R&D推進部
セキュリティ 05A2013 大川内 斉.
技術家庭科・特別活動・総合的な学習の時間
Webサイト制作 第1回 動的なページ.
両国の現状 スウェーデン 日本 インターネット普及率 インターネット普及率 More than 50% 30.6% Eコマース浸透率
第一回 掲示板                 05A1054         前田嵩公.
インターネット利用法実習 経営工学基礎演習a(第3週).
◎便利な利用方法 テクサポ 千島拓朗.
情報通信ネットワークの利用 ネットワークでできること
「調査事項」 ・米国 National Security Agency の年間予算はいくらか。 ・その国家予算に占める割合は どれだけか
主人公だけでなく、 周りの人間の問題点も考えながら ドラマを視聴してください。
メールの仕組みとマナー.
「ネット上のいじめ」 ネット時事課題 ○子供たちは、スマートフォンや携帯ゲーム機を使い、毎日様々なインターネットサービスを利用しています。
SNS・ミニブログとは ネット上で色々なコミュニティの人とつながることができるサービス 学校・地元・趣味や友人の友人などとつながり、コミュニティを形成することもできる.
心を磨く 公共的なネットワーク社会の構築 知恵を磨く 情報モラル教育 情報社会の倫理 法の理解と遵守
コンピュータ リテラシー 担当教官  河中.
後藤滋樹研究室の紹介 現在のインターネットの課題 敵を知り、己を知れば、百戦危うからず(孫子) 1
社会と情報 情報社会の課題と情報モラル 情報化が社会に及ぼす影響と課題
第一回 情報セキュリティ 05A1027 後藤航太.
2017年度 現代文明論 (浜名優美) 第1回 9月20日 問題提起と今年の予定(シラバスの一部修正を含む)
Googleの マーケティング戦略 馬 橋琳.
中等情報科教育Ⅱ 情報セキュリティの確保.
学校裏サイト 「学校裏サイト」とは,公式な学校のサイトとは別に,卒業生や在校生によって情報交換を目的に作られた非公式なサイトのことをさします。 ほとんどが掲示板を使っていることから「裏掲示板」とも呼ばれています。 内容としては,部活動のことやテストの情報交換,卒業生同士の近況報告など,しっかりとした利用規約に基づいて運営されているものもたくさんあります。
子どもをとりまく ネットトラブル 子どもをとりまくインターネット社会におけるトラブルの種類とそれに対応する情報モラル教育の必要性について考えていきます。
Presentation transcript:

インターネットをめぐる諸問題

山本義隆『福島の原発事故をめぐって』 (みすず書房、2011) 第1回授業の参考文献(補足) 山本義隆『福島の原発事故をめぐって』 (みすず書房、2011)

インターネットとはなにか(ウィキペディ アの定義、歴史) インターネット(世界中のコンピュータを接続する通信網全 体) ウェブ(World wide Web)インターネットの中 で相互に文書ファイルなどを交換しあえるシステム

IP addressからわかること (だれが、いつアクセスしたか相手にわか る)

パソコンの普及 知の階層秩序を崩壊させた(紙による情報 の時代=一部の者の知の独占 パソコンの普及  知の階層秩序を崩壊させた(紙による情報 の時代=一部の者の知の独占 パソコン、特にインターネットの普及は教 師対学生の差異を消失させた

インターネットはどのように世界中がつながっているか

海底ケーブル

誰でも著者になれる 出版の形態の変化 紙の時代 =選ばれた人間だけが著者 著者は出版社の近くに住む人 紙の時代  =選ばれた人間だけが著者 著者は出版社の近くに住む人 インターネットの時代=学歴、経歴に関係な く、子どもでも、地方在住でも誰もが著者に なれる

プライベート(私的な空間)に見えて、実はパブリック(公的な空 間)→日記の公開にあたる SNS  Twitter Youtube instagramなど プライベート(私的な空間)に見えて、実はパブリック(公的な空 間)→日記の公開にあたる 炎上→ほめる(いいね!)のではなく、批判、中傷、デマ   現状 : 情報量の増大(取捨選択不可能なほど→判断が適正にできな い:内山節『文明の災禍』(2011,新潮新書) (発信する情報は千差万別、玉石混淆) 例 ウィキペディア

インターネットの普及により生じた諸問題の一つ:コピペ (NHK ビデオ、クローズアップ現代、2008年9月1日から) コピペルナー(コピペ判定用のソフト) http://www.ank.co.jp/works/products/copypelna/

キーワード: 効率 機能 情報革命(機械化を進めた産業革命はハード、情 報革命はソフトあるいは知の秩序の革命)

クラウド 例として Microsoft OneDrive (Office 365に付 属) 無料 上限10GBに達すると凍結 プレミアム 1TB 1年 12、744円

多様化→一極集中 多様化のはず→一極集中 市場原理のはたらき 矛盾? ブラウザの例 多様化のはず→一極集中 市場原理のはたらき  矛盾?  ブラウザの例 Windows Internet Explorer(ほぼ独占状態、 Windows 95で90%)、Netscapeは駆逐されてし まった  Macの占有率は?

検索エンジンの例 検索エンジン Google 53%(米国、200 6、日本32.8%)、70%(フランス。ドイ ツ)80%(イギリス) 日本ではYahoo (25.4%)(国内50.2%) 2010年7月28日の朝日新聞(ヤフーとグーグル 提携発表)→検索寡占

一人勝ち(多様化から独占へ淘汰) 掲示板は2チャンネル、オークションはヤフー、 ニュースはヤフーか朝日コム、ブログはライブド ア、SNSはミクシィ、動画はYou Tub e,オンライン書店はアマゾン(購入履歴にもと づいておすすめを表示またはメールで案内)、 ショッピングは楽天 (アマゾンについては後述)  それぞれ一人勝ちの状況

分散化 分散化、ネットワーク化した世界(企業のグローバリゼー ション) アメリカ企業のコールセンター、会計業務(インド)   アメリカ企業のコールセンター、会計業務(インド) 日本企業(たとえばデパート)の会計業務(中国)→「O Lにっぽん」(テレビドラマ、2008) フランスの場合(アフリカ) 速度の問題 メール(瞬時):比較対象 16世紀の手紙 (ヴェネツィアに向かうニュース、図版 『地中海』よ り)

Google Google 1998 ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが創 始、2002 700人、2007 1万4000人の社員(コン ピュータの数は100万台、世界中に分散、データを自動収集、 ニュースは4000のサイトから自動生成) YouTube買収(16億円)

便利になったインターネットの負の側面 情報流出(Sonyの場合、2011年5月) Yahoo 5億人の情報流出 ベネッセ 危険なサイト ペニーオークション(詐欺)、出会い系 掲示板(2チャンネル)→いじめ サイバー暴力(韓国のケース、NHK クローズアップ現代  2009年1月14日放送) 悪意のある書き込みで、日常生活が乱 される、職を失う

忘れてはならないこと ネットへの書き込みはいったん書いたら消えない メールは誰か第3者に読まれている(アメリカCIA スノーデン事 件の例)

課題 クラウドコンピューティングのように、一部の企業(しかも 膨大な設備投資が可能な企業)が「すべての情報」を独占する事態 は健全か?  Google Newsのように、報道機関からロボットで情報を集めて提供 するシステムは合法的な引用か?(EUでは違法とされた)   アマゾンのように、客が閲覧(購入)した商品をすべて記録し、広 告を客に個別に送るシステムは、個人の情報を勝手に集めているの ではないか?

まとめ ・技術は進歩する(進歩は止まらない) ・競争(市場原理)によって淘汰され、次第に独占化   ・技術は進歩する(進歩は止まらない) ・競争(市場原理)によって淘汰され、次第に独占化 ・技術の使用についての倫理的問題はいつも後回し(問題が発生しないと、問題点に気づかない)