法政大学 石川壮一 1. はじめに 2. 3体力 3. 少数核子系における3体力の効果 4. モデル3体力による解析 5. まとめ

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法政大学 石川壮一 1. はじめに 2. 3体力 3. 少数核子系における3体力の効果 4. モデル3体力による解析 5. まとめ 『バリオン間相互作用に基づく核物質の構造』 研究会 2009.06.25-27 @ 盛岡市 つなぎ温泉 少数粒子系における3体力  少数核子系の計算に用いられる3体力モデルの紹介、それらの問題点、今後の課題について 法政大学 石川壮一 1. はじめに 2. 3体力 3. 少数核子系における3体力の効果 4. モデル3体力による解析 5. まとめ

1. はじめに

核子多体系としての原子核ハミルトニアン? 2体力の繰り返しとして、多体計算では取り込まれている 原子核の伝統的描像  非相対論的核子多体系  ハミルトニアン 現実的核子間ポテンシャル・モデル   [QCD]、ボゾン交換、カイラル理論、... 実験データ    重陽子、核子-核子散乱、    p-核子  現実的核力モデル (c2/datum ~ 1)    長距離:One Pion Exchange    引力(中間距離)と斥力(短距離)のバランス    複雑なスピン依存性 を用いた原子核の計算       (束縛状態、連続状態)   *直接計算   *間接計算(モデル空間と有効相互作用) 再現できないA(>2)核子系物理量の存在 off-energy-shell pN散乱 3体力の必要性? 2p交換型3体力 2p交換型3体力の主要項

核力と少数核子系計算 3NF Realistic 2NF (NNN..) calculations ’50~’70 ’80 ’90 Gammel-Thaler Hamada-Johnston Reid, Tamagaki Fujita-Miyazawa Faddeev (separable int.) ’80 Bonn Paris Argonne V14 Tucson-Melbourne Brazil Urbana 3H, 3He: Faddeev 4He: GFMC Variational ’90 ArgonneV18* CD-Bonn* Nijmegen* ChPT (NNLO) ChPT (NNLO) Heavy-boson exchange n-d: Faddeev, variational A>4: GFMC 4He: Faddeev-Yakubovsky 2000~ ChPT (N3LO)* Illinois ChPT(N3LO) 4He: Benchmark p-d: Variational, Faddeev 4N scattering: FY Model space & Effective int. (NCSM,UCOM...) *c2/datum ~ 1

2. 3体力

2p交換型3体力 (2pE-3NF) pN散乱振幅を用いる 3体力の長距離成分 Fujita - Miyazawa (1957)  Tucson-Melbourne model (1979) Brazil model (1983), … 主要項 π r, s pN散乱振幅

Model a (m-1) b (m-3) d(m-3) Fujita-Miyazawa -0.24 -1.24 -0.31 係数{a,b,d}  ← (off-shell) pN 散乱振幅 ← pN 散乱データ、 分散関係、PCAC、Effective Lagrangian  Model a (m-1) b (m-3) d(m-3) Fujita-Miyazawa -0.24 -1.24 -0.31 Tucson-Melbourne(99) -1.12 -2.80 -0.753 Brazil -1.05 -2.29 -0.768     D -1.49 -0.373      r -0.395     s -0.80 Brazil O(q4) -0.981 -2.617 -0.854 π r, s Fitting parameter: cutoff mass 3H binding energy

3H結合エネルギー vs. Λπ (2pE-3NF, 2pDE-3NF)

Urbana 3NF / Illinois 3NF Urbana model (3H and NM) 斥力 2pE-3NFのbD,dD項と同一 A2pPW ⇔ b,4d Urbana model (3H and NM) Illinois model (17 levels for A<=8) in MeV Model A2pPW A2pSW A3pDR AR FM -0.04 URIX -0.0293 0.00480 IL2 -0.037 -1.0 0.0026 0.00705

カイラル摂動論

まとめ(1) 2pE-3NF: Tucson-Melbourne, Brazil (2pE-3NF part of N3LO) pN散乱振幅からの制限 結果は、どのモデルも大差なし 強い引力、形状因子による斥力効果が必要 Urbana, Illinois: 2pDE-3NF, 3p-ring-diagram, repulsion 軽い核(A<=8)のレベルを再現するようにパラメータを決める。

2pE-3NPの成功と失敗 (3、4、...)N系の束縛エネルギー、微分断面積の再現 3体散乱観測量 3. 少数核子系における3体力の効果 2pE-3NPの成功と失敗 (3、4、...)N系の束縛エネルギー、微分断面積の再現 3体散乱観測量

A>3原子核のエネルギーにおける3体力効果 AV18 + IL2, A<=12 3H B.E. vs. 4He B.E.

ND弾性散乱微分断面積 2NF only 3NF included TM’ 3NF Urbana IX 3NF 3MeV 2NF only 3NF included 65MeV TM’ 3NF Urbana IX 3NF 190MeV 135MeV Phys. Rev. C 63, 024007 (2001)

Ayパズル nd Ay(q) for En = 5 – 30 MeV pd Ay(q) for Ep = 0.65 – 3 MeV

pd T21(q) for Ep = 0.65 – 3 MeV

Polarization observables in proton-deuteron breakup process NN (CDBonn, AV18, NijmI, II) NN + TM’(99)3NF AV18 + Urbana IX PRC 79, 054008 (2009), K. Sekiguchi et al.

2pE-3NPの成功と失敗 (3、4、...)N系の束縛エネルギー、微分断面積の再現 但し、2pE-3NFの強い引力を打ち消す斥力効果が必要 弾性散乱の偏極量 低エネルギー領域   Ay : 効果が小さい   T21 : 逆効果(テンソル成分の問題?) 中間エネルギー領域   ????? 3体力のスピン依存性に対する理解が不足 他の3体力発生機構研究の必要性

4. モデル3体力による解析 3体力を簡単な関数形を用いて表す。

(a) BR(83)-2pE-3NFの効果を再現するようなモデル3体力 2体力が第3の粒子により変形される。 V0 (MeV) VT (MeV) C -40.0 0.0 C+T -35.6 +20 引力的テンソル成分

(b) スピン-軌道力型3体力 (“SO”) “Ayパズル” (Kievsky, PRC60 ’99)

(c) Tensor Inversed 3NF (“C-T”) Model 3NF with an opposite tensor effect against 2pE-3NF V0(MeV) VT(MeV) C+T -35.6 +20 C-T -42.9 -20 斥力的テンソル成分

2pE(BR) vs. C-T pd Ay(q) & iT11(q) @ 70 MeV

5.まとめ 現実的2体力だけでは説明できない物理量 軽い原子核のエネルギー 散乱観測量 → 3体力の導入による改善 現実的2体力だけでは説明できない物理量  軽い原子核のエネルギー  散乱観測量         → 3体力の導入による改善 問題点、今後の改良点 2p交換型(2pE) 3体力~強すぎる引力 正しいスピン依存性を反映していない   エネルギー準位、散乱観測量 近・中距離3体力の考察  ・全体として斥力的     ・2pE-3NFとは異なるスピン依存性を期待      重いボゾンの交換、 n(>2)個のp交換、 ChPT (N3LO)、 クォーク自由度(核子の重なり) (Work in progress)    p-r, r-r, r-s, r-w →斥力効果、テンソル力効果 (結合定数の不定性)    但し、Ayパズルを解決するようなスピン-軌道力効果はでない 軽い原子核で有効な“斥力”的3体力は、核物質(高密度領域)でも有効か?

Gauss型3体力(近距離斥力) SJMによる普遍的3体斥力芯  rg=0.5fm W0=2000 MeV → 3H結合エネルギーに対する効果  ~0.4MeV 3H結合エネルギーを再現するようにポテンシャル強度を強めた場合      [例]   rg=0.5fm W0=10000 MeV  核物質への効果の影響は? 中距離3体力の斥力効果も重要?

SJM: Gauss型3体力(近距離斥力) 3H Binding energy (MeV) Empirical : 8.5 Rg=0.5 fm AV18+BR800 : 9.7 AV18+BR800+Wg(2000) : 9.3 AV18+BR800+Wg(10000) : 8.5 Rg=0.6 fm AV18+BR800+Wg(1800) : 8.5

中距離3体力の効果 重いボゾンの交換   r, s, w 2pE-3NF (Lp~660MeV) ~ 2pE-3NF (Lp~800MeV) +(p-r, r-r)D-3NF(Lr~1400MeV) r-s, r-w 交換の効果  ・斥力+引力  ・テンソル力   ~T21(q)の再現性 p,r p,r D

Urbana 3NF Model A2pPW AR FM -0.04 TM(2pE-3NF) -0.063 Urbana-IX 2pE-3NFのb項と同一 A2pPW ⇔ b in MeV Model A2pPW AR FM -0.04 TM(2pE-3NF) -0.063 Urbana-IX -0.0293 0.00480 BHF+3BF -0.0333 0.00038 Parameters: 3H, NM

現実的2体核力による3H結合エネルギー 結合エネルギーの不足