地方公共団体における オープンデータの取組支援状況について 資料3 地方公共団体における オープンデータの取組支援状況について 平成29年10月30日 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室
1.オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移 2.地方公共団体向けパッケージの導入状況 3.自治体向け研修の実施 目 次 1.オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移 2.地方公共団体向けパッケージの導入状況 3.自治体向け研修の実施 4.オープンデータ伝道師の活動実績 5.オープンデータ100の策定状況
1.オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移
オープンデータに取り組む地方公共団体数の推移 (内閣官房IT総合戦略室調べ) 確認時期 取組済み団体数 (市区町村)※1 (都道府県)※1 (計) 取組済み基礎自治体 の合計人口 ※2 備考 平成27年6月 132 22 154 37,607,306 「新たなオープンデータの展開に向けて」公表 平成28年3月 176 29 205 50,859,261 平成28年9月 199 34 233 56,069,787 平成28年12月 208 242 58,871,769 平成29年2月 267 61,605,983 自治体アンケート実施 平成29年5月 243 36 279 63,494,373 「オープンデータ基本指針」公表 平成29年10月 260 40 300 66,202,833 ※1 自らのホームページにおいて「オープンデータとしての利用規約を適用し、データを公開」又は「オープンデータの説明を掲載し、データの公開先を提示」を 行っている都道府県及び市区町村。 ※2 上記の取組済み基礎自治体の合計人口に都道府県は含まない 取組済み団体数の推移と各時期における取組開始地方公共団体の例 福井県鯖江市 福島県会津若松市 千葉県流山市 石川県金沢市 (都道府県)岩手県、京都府、福岡県、長崎県 (市区町村)青森県青森市、栃木県大田原市・さくら市・那須町、東京都台東区・多摩市、愛知県刈谷市・豊田市・瀬戸市・みよし市、大阪府茨木市、福岡県小郡市、うきは市、大刀洗町
オープンデータ取組済自治体マップ 都道府県 ※平成29年10月26日時点 都道府県
オープンデータ取組済自治体マップ 市区町村(全体) ※平成29年10月26日時点
2.地方公共団体向けパッケージの導入状況
地方公共団体におけるオープンデータへの取組を加速するパッケージの提供。 地方公共団体向けパッケージの導入状況 地方公共団体におけるオープンデータへの取組を加速するパッケージの提供。 オープンデータに取組む意思や必要性は感じているが、具体的な取組方法が分からない地方公共団体を支援するため、関係諸 団体と連携し、オープンデータのデータカタログとダッシュボードアプリケーションをパッケージ化して提供することで、地方公共団体によ るオープンデータの導入・活用を促進する。 パッケージのポイント ・カタログサイトにてデータのサムネイル表示が可能。 ・ダッシュボードにてマッシュアップするデータを任意に選択可能。 ・既にカタログサイトを開設済の自治体向けに、ダッシュボードのみの導入が可能。 パッケージの内容 ■期待される効果 ・防災関連や少子高齢化など地域課題に関係するデータの公開による、地域課題解決の一助 ・公開と活用両方の自治体展開パッケージの提供による、地方公共団体の取組を容易化 ・標準化の推進(登録データのフォーマット標準例の提供等) 職員 住民等 政策実行や課題解決に活用 参照 各種情報把握 ダッシュボード データ選定 データ登録 避難所等の防災に役立つデータや、保育施設や老齢者向け施設情報など、少子高齢化に関するデータ 等 パッケージはオープンソースとしてGitHubで公開しており、地方公共団体が利用可能 (※) データカタログサイト ※パッケージ一式導入用: https://github.com/nes-opendata/odpkg-docker ※ダッシュボードのみ導入用: https://github.com/nes-opendata/odpkg-dashboard これらをパッケージ化して 展開
地方公共団体向けパッケージの導入状況 カタログサイト ダッシュボード ・福岡市、久留米市へダッシュボードを導入。(平成29年4月公開) ・長崎県(平成29年6月公開)、京都府(平成29年8月公開)へパッケージを導入。
3.自治体向け研修の実施
オープンデータパッケージについての自治体研修について ■背景 全国市町村国際文化研修所(JIAM)における「オープンデータ、ビッグデータ等を活用した自治体政策」研修にて、 オープンデータに関する講師の依頼を受領。 IT室にてオープンソースとして提供している「オープンデータパッケージの実機を用いた研修」を提案し、実施。 ■実施日 10/3(火)・10/4(水) ■場所 滋賀県大津市 全国市町村国際文化研修所 ■参加人数・自治体 49人(うち情報系部局:14人) 46市区町村(うちオープンデータ取組済自治体:14団体)
1.パッケージを用いたデータカタログサイト・ダッシュボードの環境構築 研修の概要 研修では、デモ環境を用いて、オープンデータパッケージを用いた実際のデータ公開までの一連 の流れと、データ登録後のダッシュボードの確認を実施。 パッケージの内容 研修の対象範囲 住民等 職員 【パッケージを用いたオープンデータ公開までの流れ】 1.パッケージを用いたデータカタログサイト・ダッシュボードの環境構築 ダッシュボード 政策実行や課題解決に活用 参照 各種情報把握 データ選定 データ登録 2.公開するデータの作成 3.データの登録 避難所等の防災に役立つデータや、保育施設や老齢者向け施設情報など、少子高齢化に関するデータ 等 データカタログサイト 4.公開されたデータの確認 これらをパッケージ化して展開 研修の範囲
研修の様子
研修後のアンケート結果 ■アンケート結果(質問欄) アンケート結果の総評 ο パッケージのデータ登録操作、ダッシュボードの有用性について、約78%の人にご理解いただくことができた。 ο また、 「オープンデータを身近に感じた」「データの組み合わせで新たな知見を得ることが出来て参考になった」等の オープンデータの取組に向けた前向きな意見も多くあり、実機を用いた研修は有用であると言える。 ■アンケート結果(質問欄) 普通 あまりよくなかった とてもよかった 普通 とてもわかりやすかった 普通 とても理解できた 理解できた よかった わかりやすかった あまりやりやすくなかった どちらでもない とても思う とても思う 思わない あまり思わない 普通 とてもやりやすかった どちらでもない やりやすかった 思う 思う 凡例: はい(5点) はい(4点) 普通(3点) いいえ(2点) いいえ(1点)
(参考) 研修後のアンケート結果(意見記述欄) ■アンケート結果(意見記述欄)の主な意見 【肯定的意見】 ツールを利用したことで、イメージしやすかった。 利用者目線で考えると必ずパッケージ型の方が良い。 仮のオープンデータ公開作業をやってみて、意外と簡単にでき、また、他の項目と組み合わせると新たな知見を得 ることが出来て参考になった。 官民データ活用推進基本法で今後示されていく国の仕様書に合わせていく必要性が昨日、今日の研修でしっか り認知できました。庁内で周知していきたいと思います。 実際にデータを作成することができ大変有意義であった。通常はなかなか体験できない、オープンデータを少し身 近に感じた。 今回のパソコンでの作業レベルでオープンデータを実施しているといえると学べてことが良かった。 【次回に向けた改善余地のある意見】 初めての研修メニューということで、時間配分が難しかったと思う。個人的には内容を詰め過ぎていたと感じたので、 もう少し長めの日程でも良かったのではないかと思います。 どんなデータをオープンデータに求められていて、公開に至ったのかをもっと学びたかった。 普及が進んでいる点、進んでいない点をまじえた取組事例をもう少し詳しく説明頂けたらよかったと思います。 使用したサイトの説明や類似のサイトの紹介等があればよかった。
4.オープンデータ伝道師の活動実績
オープンデータ伝道師の活動実績(平成29年上期時点) 氏 名 所属団体等 これまでの主な活動実績等 藤井 靖史 Code for AIZU 青森県・福島県内の市町村や民間企業等に向けた講演を行い、地方公共団体内や大学等との連携についての検討等を促した。【活動実績:2日】 越塚 登 東京大学 トロンフォーラムにてオープンデータ利活用セミナーを開催すると共に、オープンデータを利用したまちの課題解決やマーケティング上の課題を解決する方法について講演を行い、オープンデータの利活用を促進した。【活動実績:2日】 庄司 昌彦 OKFJ 千葉県や東京都に加え、オランダ・インフラ環境省やタイ・電子政府庁等に対して講演等を行い、複数の地方公共団体が連携したアイディアソン開催や日本のオープンデータ政策についての理解等を促した。【活動実績:8日】 関 治之 Code for Japan 神戸市や多摩市等において、オープンデータ施策についてアドバイスを行い、オープンデータを通じた地域住民、団体、大学、企業等の広域連携等を促した。【活動実績:5日】 村上 文洋 VLED 富山県、九都県市、滋賀県等向けに講演し、オープンデータに取組む意義、データ活用による行政サービス改革等について理解を促した。【活動実績:6日】 新井 イスマイル 奈良先端科学技術大学院大学 奈良市や生駒市の管理職に向けて研修を行い、シビックテックとの連携事例について紹介することで、市民との連携の意義等を伝えた。【活動実績:2日】 福野 泰介 Jig.jp 鯖江市、金沢市、大阪府等で講演するとともに、鯖江商工会議所のオープンデータ公開支援、アイディアソン開催支援等を実施した。【活動実績:14日】 牛島 清豪 Code for Saga Code for Nagasakiのキックオフに合わせ、オープンデータに関する基調講演を行い、長崎県が導入した地方公共団体向けオープンデータパッケージを活用したアイディアソン、ハッカソンの開催等を促した。【活動実績:6日】 注:表中の数字は、内閣官房IT総合戦略室や自治体主催の個別イベントでの活動実績について、通年でのオープンデータ推進活動とは別に集計したもの
5.オープンデータ100の策定状況
オープンデータ100の策定状況 ■追加した6事例 策定状況 ο 平成29年6月以降、6事例を追加。(平成29年10月末時点で合計36事例を公表。) ο 今後も順次、事例を追加・公表していく予定。 ■追加した6事例 事例 事例概要 事業者等 使用データ 活用分野 セーフティマップ 行政から提供される交通事故発生状況に係るデータと、カーナビデータから得られる急ブレーキ情報、さらに危険箇所に係る住民の声をもとに、事故多発箇所や要注意箇所を地図上に提示。 本田技研工業株式会社 交通事故情報、ゾーン30 【自治体】 急ブレーキ発生箇所等 【本田技研】 ・ 防犯 医療 教育等 KYOTO Trip+ 個々の利用者のニーズにフィットした京都の観光、防災情報をトータルに多言語で提供。 京都府・京都市 観光スポット、避難所、救急医療機関、AED設置場所の情報 ・ 防災・減災 ・ 産業創出 なごや健康のりかえ 普段使う地下鉄の経路の中から最適な徒歩ルートの提案を受け、街を知りながら歩くことで健康になれるサービス。 名古屋大学大学院 情報学研究科 安田・遠藤研究室 地下鉄区間区数距離表 【名古屋市交通局】 名古屋の観光施設情報 【LinkData】 路線、駅、接続駅データ 【駅データ.jp】 ワーンニング 感染症が流行した際、迅速に流行地域や流行レベルを把握し、早期に対策をとるため、利用者からのかぜの症状に関する投票情報と医療機関・保健所が公表する感染症情報を地図上に表示。 株式会社オリズン 感染症発生動向調査データ 全国水利台帳 火災現場の位置情報を入力することにより、現場に近い防災用の水利の位置・種類を表示。消防団員・消防署職員だけでなく、自主防災や地域防災においても活用することが可能。 株式会社placeOn 水利の位置・種類のデータ(防火水槽、消火栓、自然水利、防災設備・施設) 大阪市 警察署x犯罪発生 警察署・交番の位置情報と犯罪発生地点を地図上に重ね合わせて表示。犯罪多発地帯や犯罪の種類による発生場所の傾向を視覚的に把握することが可能。 上田洋、佐藤麻耶 地図情報(警察署、交番) 犯罪発生場所情報 参考:オープンデータ100(https://cio.go.jp/opendata100)