環境省地球環境局国際地球温暖化対策室 大井 通博

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国 非営利法人 背景・目的 事業スキーム 事業者等 事業概要 期待される効果 脱フロン・低炭素社会の早期実現のための
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物流分野におけるCO2削減対策促進事業 (国土交通省連携事業) 背景・目的 事業概要 期待される効果 事業スキーム
地域低炭素投資促進ファンド事業 国 民間 資金 低炭素化プロジェクトの実現 (SPCによる実施) 平成25年度予算 ○○百万円 イメージ
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生物多様性条約とは何か 森林を取り巻く様々な国際的取り決めと生物多様性条約 生物多様性条約の課題 藤原敬
海外展開事業名: 「○○○○○」 (添付資料1) 業務概要資料
【事業名】 【事業代表者】㈱○○ ○○ 【実施予定年度】平成29~○年度 平成29年 月 日 (1)事業概要
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調査項目:(事業環境/健康投資/品質評価から選択) コンソーシアム等名称:
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環境省地球環境局国際地球温暖化対策室 大井 通博 2015年2月3日 COP20報告シンポジウム COP20の成果とCOP21への展望  環境省地球環境局国際地球温暖化対策室 大井 通博

1.背 景 

IPCC第5次統合報告書の要点 今後数十年間の大幅な排出削 減が極めて重要。これにより、 21世紀以降の気候リスクの低減 につながる。 気候システムの温暖化には疑う余地がない。世界地上平均気温は1850年~1900年と 1986年~2005年を比較して0.61℃上昇。 人為起源の温室効果ガスの排出が、20世紀半ば以降の観測された温暖化の支配的 な原因(95%の可能性)。 今世紀末の気温上昇は、現在と比較して、厳しい温暖化対策が取られなかった場合 は2.6~4.8℃、厳しい温暖化対策を取った場合は0.3~1.7℃上昇。 (℃) 厳しい温暖化対策を とらなかった場合、 2.6~4.8℃上昇 厳しい温暖化対策をとった場合、 0.3~1.7℃上昇 今後数十年間の大幅な排出削 減が極めて重要。これにより、 21世紀以降の気候リスクの低減 につながる。 2℃目標の経路   複数あるが、どの経路において も以下を要する。 ①2050年に40~70%削減     (2010年比) ②21世紀末までに排出をほぼゼロ 図.1986年~2005年平均気温からの気温上昇 (産業革命前と比較する際は0.61℃を加える。) (AR5 SYR Fig.6 編集) 3

世界のエネルギー起源CO2排出量の推移 1990年 2012年(現状) 2030年(予測) 210億トン 317億トン 365億トン 世界全体の排出量のうち、米中2カ国で40%以上を排出。 今後の排出量は、先進国は微増なのに対し、途上国は急増するとの予測 ⇒すべての(主要)国が参加する枠組みの必要性 1990年 2012年(現状) 2030年(予測) その他 中国 米国 EU27か国 210億トン 317億トン 365億トン IEA「CO2 emissions from fuel combustion 2014」「World Energy Outlook (2013 Edition)」に基づいて環境省作成

2020年までの削減目標・行動を条約事務局に登録・実施 ※我が国は現時点の目標として、2005年度比3.8%減を登録 国際交渉の経緯 1990 2000 2010 2020 条約 採択 (1992) 条約 発効(1994) COP3 京都 議定書 採択 (1997) 京都 議定書 発効 (2005) 先進国に対して、法的拘束力ある数値目標の設定(途上国は削減義務なし) 京都議定書 第1約束期間 (2008-2012) 京都議定書 第2約束期間 (2013-2020) ※我が国は参加せず 先進国・途上国の2020年の削減目標・行動のルールを設定 COP16 カンクン 合意 (2010) 2020年までの削減目標・行動を条約事務局に登録・実施 ※我が国は現時点の目標として、2005年度比3.8%減を登録 COP17 ダーバン・ プラット フォーム (2011) COP21 新枠組みに合意予定 (2015) 2020年以降の、全ての国が参加する新たな枠組み(2015年のCOP21で合意すべく交渉中) 新枠組みの発効 5

COP17ダーバン決定(2011) <新たな枠組みの大枠> 2020年から発効・実施させる 「条約の下で」 「全ての国に適用される」 「議定書、他の法的文書又は法的効力を有する合意成果」 緩和(排出削減)、適応、資金、技術、行動の透明性、能力 向上を作業のスコープに含む <作業の段取り> 2015年までに新たな枠組みを採択 新しい作業部会(ADP)を2012年前半に立ち上げ 2020年までの排出削減の野心レベル向上に関する作業も併 せて進める

ダーバンプロセス:2015合意に向けた進展 COP20 COP19 (2014年、ペルー・リマ) (2013年、ポーランド・ワルシャワ) COP17 (2011年、南ア・ダーバン) COP18 (2012年、カタール・ドーハ) COP19 (2013年、ポーランド・ワルシャワ) COP20 (2014年、ペルー・リマ) COP21 (2015年、フランス・パリ) ■2015合意の要素を2014年から検討 ■全ての国が、COP21に十分先立ち(準備ができる国は2015年第1四半期までに)自らの約束草案を示す。 ■約束草案に含めるべき情報をCOP20で特定 ■ADPの開始。作業計画に合意。 -少なくとも年2回開催 -2015年5月までに合意の交渉テキスト案を作成 ■2020年以降の枠組みを2015年までに採択。 ■交渉の場として「ダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」を2012年前半に設置

⇒各国の提出するINDCが、2015合意の鍵を握る。 約束草案(INDC) COP19ワルシャワでの合意: 各国は、COP21に十分先立って(準備ができる国は2015年第1四半 期末までに)、各国の目標の案(Intended Nationally Determined Contributions: INDC)を示す ⇒各国の提出するINDCが、2015合意の鍵を握る。 すべての国の参加を確保するためには、各国の目標は各国自らが定める 「各国提案方式」が有効、という発想。 各国の目標を各国が定めることにより、自ずと差異化が実現される(Self- differentiation)。それにより、先進国・途上国という従来の二分論的アプロー チを変えたいとの考え。 これまでにEU、米(、中)が2020年以降の目標を表明

EU 「2020-2030年の気候とエネルギーに係る政策枠組み」 EU 「2020-2030年の気候とエネルギーに係る政策枠組み」 ・2014年1月に欧州委員会が提案。 ・2014年10月23-24日の欧州理事会(首脳級会議)で決定。(下線は欧州委員会提案からの修正)              ●温室効果ガス削減目標   EU全体の排出量を2030年までに少なくとも1990年比40%削減。 ●再エネ目標   EU全体での最終エネルギー消費量に占める再エネ(電力及び熱※1)のシェアを2030年に少なくとも27%(※2)とする。   ※1:電力に関しては、再エネ電力が占める割合が、現状21%から2030年に45%に上がると想定。      (2014年1月22日・欧州委員会提案)。日本は現状約11%。 ※2:現状13% (2014年1月22日・欧州委員会提案) ●エネルギー効率   BAU(成り行き)シナリオに比べ、EU全体での2030年のエネルギー効率を少なくとも27%改善(努力目標)。30%改善も念頭に、2020年までに見直す。 ●越境系統連系   2030年までに域内各国の発電容量の15%を連系させることを目指す。     等

米中の気候変動に関する共同発表 オバマ米大統領と習近平中国国家主席は、2014年11月11、12日の2日間にわたって北京で会談し、温室効果ガスの両国の削減目標等について共同発表。 ●米国 温室効果ガス排出量を2025年までに2005年比26~28%削減    ・2050年80%規模の削減に向けた経路に沿った目標    ・既存法の下での削減策で達成可能    ・2020~2025年に、毎年平均して2.3-2.8%の削減(2005-2020年までの2倍のペース) ●中国   CO2排出量を2030年頃までにピークを迎えるように取り組む。   総エネルギー消費量に占める非化石燃料エネルギーのシェアを2030年までに約20%とする。      ※原子力発電を含むか否かは明確にせず。 ●両国は、   ・2℃目標を念頭に置きつつ、今回の発表は低炭素経済への移行に向け、より長期的な取組の一部であることを認識。   ・継続的な野心向上に向けて取り組んでいく。   ・米中によるこのタイミングでの発表が、他国によるできるだけ早期の、望ましくは2015年第1四半期までの、野心的な行動の発表につながることを期待。 その他、  ・エネルギー共同研究開発の強化、中国におけるCCSプロジェクトの開始、HFCs削減協力の促進、スマート・低炭素都市イニシアティブの開始、グリーン貿易の促進等

2.COP20の結果 

「リマ声明」 Lima Call for Climate Action ①2015年合意の要素 ■リマでの議論の成果(各国の主張を集約した文書) をCOP20決定の附属書として掲載。 ■交渉テキスト案を2015年5月までに準備するべく、更なる検討を行う。 ⇒COP21に向けた議論が一歩前進。 ②各国の約束草案(目標案) ■約束草案は、緩和を中心とし、適応についても含めることを検討。 ■約束草案提出にあたって提出できる情報を決定 ⇒すべての国が約束草案を提出できる状況が整った。 ■条約事務局に以下の作業を要請  -各国が提出した約束草案をウェブサイトに掲載。  -各国の約束草案を総計した効果に関する統合報告書を11月1日までに作成。 ⇒我が国が提案していた、締約国等の間で約束草案に対する質問・意見を交わすプロセスは合意されず。しかし、各国の約束草案が公開された形で枠組み交渉を進めることとなった。

COP20の結果:①2015合意の要素 COP20の成果:COP21に向けた議論の前進 2015年 合意の 要素 交渉 テキスト案 ■2015年合意は、緩和、適応、資金、技術開発・移転、能力構築、行動・支援の透明性をバランス良く扱うべきことを決定。(パラ2) ■2015年合意を通じて、適応行動を強化する決意を確認。(前文) ■異なる各国の事情に照らし、共通だが差異ある責任の原則を反映した野心的な2015年合意を目指すことを強調。(パラ3) ■先進国に対し、途上国の野心的な緩和・適応行動のための資金支援を提供・動員することを要求。その他の国による補足的支援についても認識。(パラ4) 交渉 テキスト案 ■2015年合意の要素の検討について、リマにおける進展を認識し、その成果(各国の主張を集約した文書)をCOP20決定の附属書として掲載。(パラ5) ■交渉テキスト案を2015年5月までに準備するべく、ダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)において更なる検討を行うことを決定。(パラ6) ※COP20決定パラ番号

COP20の成果:すべての国が約束草案を提出できる状況が整った。 COP20の結果:②約束草案 COP20の成果:すべての国が約束草案を提出できる状況が整った。 ■全ての国がCOP21に十分先立って(準備ができる国は2015年第1四半期までに)約束草案をその明確性、透明性、理解を促進するような形で提出することを改めて招請。(パラ13) ■①参照値(基準年等)、②期間、③対象範囲・カバー率、④計画プロセス、⑤前提条件・方法論(温室効果ガスの排出・吸収の推定・算定方法を含む)、⑥各国の約束草案が公平・野心的であることの説明、⑦条約第2条の目的達成にいかに貢献するものであるかの説明を提出できることを合意。(パラ14) 気候変動枠組条約事務局に下記を要請。(パラ16) ■各国が提出した約束草案をウェブサイトに掲載。 ■2015年10月1日までに提出された約束草案について、その総計した効果に関する統合報告書を11月1日までに作成。                                     ※COP20決定パラ番号 約束草案に含めるべき情報 ■全ての国に対し、条約第2条に基づく目的達成(温室効果ガス濃度の安定化)のための約束草案(削減目標)を提出するよう、改めて招請。(パラ9) ■各国の約束草案は現在の目標・取組よりも進んだものとする。(パラ10) ■後発開発途上国及び島嶼国は、約束草案として、低炭素成長に向けた戦略・計画・行動を提出できる。(パラ11) ■全ての国に対し、適応計画の取組を提出すること、又は約束草案に適応の要素を含めるよう検討することを招請。(パラ12) 約束草案の範囲 約束草案提出後の作業 14

COP21に向けて、自治体・民間企業の方々の取組への注目が高まっている。 ■2014年9月の国連気候サミットも踏まえ、国、都市、民間セクターの行動をより活性化させるためのアジェンダであり、今後、主要なグローバル、国家レベル、地域レベルのリーダーの取組促進や、国以外のアクターのパートナーシップ、行動促進のショーケース化への貢献が期待されている。 ■12/11に、プルガル・ビダルCOP20議長のイニシアティブで「リマ気候行動ハイレベル会合」が開催。 ■この「リマ気候行動」の一部として、ペルー政府がUNFCCC事務局の支援の下新しい気候行動ポータル Nazca Climate Action Portal を設立。 ■都市、地域、企業、投資家による豊かな気候行動の見える化を促進するためのポータルであり、今後もパリに向けたプロセスの中で更なる行動が追加される予定。 ■ICLEI(持続可能性をめざす自治体協議会)とも連携され、日本の多くの自治体の取組も共有されている。 http://climateaction.unfccc.int/ 気候行動ポータル設立 ( 「リマ気候行動」の一部) リマ・パリ行動アジェンダ

COP20の結果: ④適応(ロス&ダメージ) ①2カ年作業計画、②執行委員会の構成と手続き に合意。 背 景 適応・・・気候変動による影響に対して、被害を和らげる自然・人間システムの調整 ロス&ダメージ・・・自然又は人間システムに対し負の影響を及ぼす現実的及び潜在的な気候変動による影響の発現(※交渉上合意された定義はない。) ■カンクン合意(2010) 「カンクン適応枠組み」:①適応委員会、②適応計画、③L&D作業計画 ■「L&Dに関するワルシャワ国際メカニズム(WIM)」(2013)の設立   -2015~2016年の2カ年作業計画をCOP20で決定 ⇒2016年COP22で作業の見直し   -執行委員会の構成等をCOP20で決定 適応とロス&ダメージ(L&D) L&Dの交渉経緯 COP20の結果 ①2カ年作業計画、②執行委員会の構成と手続き に合意。 執行委員会は、先進国10名、途上国10名で構成(経験・知見を有する専門家のノミネートを奨励)。第1回執行委員会を3月までに開催 等 16

COP20の結果: ④市場メカニズム関係 各国の約束草案(目標案)について ADP(強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会) 各国の約束草案(目標案)について 約束草案とともに提出する事前情報として、市場メカニズムの活用を記載することは可能となった 2015年合意における市場メカニズムやアカウンティングについて 各国の多様な意見がオプションとして記載された途中経過文書 SBSTA(科学および技術の助言に関する補助機関) (2020年以前を含む)国際的な市場メカニズム等の様々なアプローチのための枠組み、特に二重カウントの防止の必要性等について各国が意見を表明したが、結論が得られず2015年6月の次回会合において、引き続き議論することとなった。 サブミ:FVAに関する制度設計・運用に関する情報・経験・グッドプラクティスについて SBI(実施に関する補助機関会合) 京都メカニズム(特にCDM、JI)の改革について各国が意見を表明したが、実質的な結論が得られず、2015年6月の次回会合において、引き続き議論することとなった。

望月環境大臣の対応 18 (1)閣僚級会合における日本代表ステートメント 12月10日のハイレベル・セグメント(閣僚級会合)において、日本政府代表として、下記について演説。 ・「2050年までに世界全体で50%減、先進国全体で80%減」という目標を改めて掲げること ・我が国の約束草案の出来るだけ早期の提出を目指すこと ・我が国の技術を活用した世界全体の排出削減への貢献、 途上国の緩和行動及び適応に関する支援、資金支援等を進めていくこと                         等 (2)バイ会談 COP20議長国ペルー、COP21議長国フランス、EU、英国、中国等7つの国・地域の閣僚及び潘基文国連事務総長など国際機関の長と会談を行い、新たな枠組みの合意に向けて協調していくことの重要性を確認。 ・潘基文国連事務総長からは、全ての国に約束草案を2015年第1四半期に提出することを要請している旨述べられた。 ・EUからは、日本の約束草案の早期提出への期待が示された。 ・フランス及び英国等からは我が国が気候変動問題の解決をリードすることへの期待が示された。 (3)「JCM署名国会合」を開催  二国間クレジット制度(JCM)に署名した12か国が一堂に会する「JCM署名国会合」を開催し、JCMの進捗の歓迎と更なる進展に向けて共同声明を発表。 18

ジャパン・パビリオン 日本政府として「ジャパン・パビリオン」と題する イベントスペースを設置。 19 ・国、各種機関・組織、研究者等の取組の紹介や議論を行うイベントを多数開催し、気候変動対策に関する我が国の貢献等について紹介。 ・12月1日-11日までの11日間で25のイベントを開催。   多数の聴衆を集めた。 「AIMモデルを用いた低炭素都市実行計画づくりの事例紹介と今後の展開」 二国間   クレジット 制度(JCM)について多くのイベントを開催  国立環境研究所及び京都大学等が開発してきたアジア太平洋地域における温暖化対策モデル(AIM)を用いて、滋賀県、京都市、イスカンダル及びプトラジャヤ市(マレーシア)、ホーチミン市(ベトナム)で行ってきた気候変動実行計画づくりの経緯を紹介。望月環境大臣が挨拶。 19

JCM署名国会合共同声明(概要) JCMの進捗を歓迎し、引き続きJCMを通じた優れた低炭素技術の促進による地球規模での温室効果ガスの排出削減・吸収への継続した貢献に対する期待を共有。 すべての署名国における関係者と協力し、JCMの実施を進展させる意思を共有。 地球規模での温室効果ガスの排出削減・吸収の達成において、JCMの実施を通じて得られた経験を共有することにより、気候変動に関する国際連合枠組条約に引き続き貢献していく意図を確認。 (共同声明賛同国)日本、モンゴル、バングラデシュ人民共和国、エチオピア連邦民主共和国、ケニア共和国、モルディブ共和国、ベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国、インドネシア共和国、コスタリカ共和国、パラオ共和国、カンボジア王国、及びメキシコ合衆国

3.COP21に向けて 

2015合意の論点(課題) キーワード(COP17ダーバン合意) 条約の下で(under the Convention) 全ての国に適用される(applicable to all Parties) 法的な合意 (a protocol, another legal instrument or an agreed outcome with legal force) (ワルシャワ~リマでの決定) 合意に十分先立って各国が自らの約束草案を提出 「緩和、適応、資金、技術、能力構築、透明性」の6要素をバランスよく扱う 適応の行動を強化するとの決意 主な論点: 来年の交渉における宿題 各国間の差異化のあり方(「共通だが差異ある責任」原則の反映のさせ方) 各国の目標はまず各国が定める「各国提案方式」で、いかに実効性を確保するか(「参加」と「野心」のジレンマ)。 「適応」の取り扱い。 「資金」、「技術」、「能力構築」の扱い。 「透明性」(報告、評価)の仕組み 合意の法的形式(議定書、その他)

各国がCOP21に十分先立って(準備ができる国は2015年3月末までに) 約束草案を提出 各国の約束草案が参照できる状態で枠組みの交渉 COP21に向けた道筋 COP20 COP21 2015年12月 (パリ) 各国がCOP21に十分先立って(準備ができる国は2015年3月末までに) 約束草案を提出 新たな枠組み採択 2月交渉会合 ジュネーブ(2/8-13) 5月までに交渉テキスト作成 各国の約束草案が参照できる状態で枠組みの交渉 秋 交渉会合  6月交渉会合 ボン(6/3~14) 各国の約束草案をウェブサイトで公開  各国の約束草案を総計した効果についての統合報告書を11月1日までに作成 この間、様々な非公式会合でも議論予定 今後の日本の対応: ■全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組み構築に向けて、引き続き交渉に積極的に貢献。 ■約束草案については、COP決定、各国の動向や将来枠組みに係る議論の状況、エネルギーミックスに係る国内の検討状況等を踏まえて検討し、できるだけ早期に提出することを目指す。

まとめ 2015年COP21(パリ)に向け、国際交渉は正念場。 だが、先進国・途上国の意見対立は厳しさを増しており、合意への道のりは険しい。 2015合意は「条約の下で」「すべての国に適用される」「法的な」「2020年以降の」枠組み。 差異化のあり方が重要論点 「参加」と「野心」のジレンマ。「各国提案方式」を基本としつつ、いかに実効性(世界全体での削減)を確保するか? 適応、支援の位置づけも重要(途上国はむしろこちらに関心) INDC(約束草案)が鍵。 COP21に十分先立って各国が提出するINDCが、2015合意の主要要素 INDCを横に置きながら交渉が進む形。INDCを先に示す国と未だ示さない国、野心的な目標を掲げる国とそうでない国の間で発言力の差 各国、特に途上国がINDCを示すことが重要。 我が国としては、できるだけ早期に、できるだけ野心的な目標を示すことが必要 24

ご清聴ありがとうございました。

(参考)JCM関係資料 

JCMの基本概念 優れた低炭素技術・製品・システム・サービス・インフラの普及や緩和活動の実 施を加速し、途上国の持続可能な開発に貢献。 日本からの温室効果ガス排出削減・吸収への貢献を、測定・報告・検証(MRV) 方法論を適用し、定量的に適切に評価し、日本の排出削減目標の達成に活 用。 CDMを補完し、地球規模での温室効果ガス排出削減・吸収行動を促進すること により、国連気候変動枠組条約の究極的な目的の達成に貢献。 日本 ホスト国 優れた低炭素技術等の普及や 緩和活動の実施 JCMプロジェクト 合同委員会で MRV方法論を開発 MRV 日本の削減目標 達成に活用 クレジット 温室効果ガスの排出削減・吸収量

二国間文書に署名済みの国 日本は、2011年から開発途上国とJCMに関する協議を行ってきており、モンゴル、バ ングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタ リカ、パラオ、カンボジア、メキシコとJCMに係る二国間文書に署名。 【モンゴル】 2013年1月8日 (ウランバートル) 【バングラデシュ】 2013年3月19日 (ダッカ) 【エチオピア】 2013年5月27日 (アジスアベバ) 【ケニア】 2013年6月12日 (ナイロビ) 【モルディブ】 2013年6月29日 (沖縄) 【ベトナム】 2013年7月2日 (ハノイ) 【ラオス】 2013年8月7日 (ビエンチャン) 【インドネシア】 2013年8月26日 (ジャカルタ) 【コスタリカ】 2013年12月9日 (東京) 【パラオ】 2014年1月13日 (ゲルルムド) 【カンボジア】 2014年4月11日 (プノンペン) 【メキシコ】 2014年7月25日 (メキシコシティ) モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシ ア、パラオとの間で、それぞれ合同委員会を開催。

JCM登録簿を構築予定(2015年度中の見込み) 登録済みプロジェクト:1件 承認方法論:5件(モンゴル:1件、インドネシア:4件) JCMの進捗状況 モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、パラオとの間で合同委員会を実施し基本的なルール及びガイドライン類を採択。 JCMウェブサイトを開設し運用中 JCM登録簿を構築予定(2015年度中の見込み) 登録済みプロジェクト:1件 承認方法論:5件(モンゴル:1件、インドネシア:4件) 提案方法論:8件(モンゴル:1件、ベトナム:4件、インドネシア:3件) 第三者検証機関を指定(各国ごと、複数の機関を指定済み) JCMの実施状況についてはCOP18決定(19/CP18)に基づき各年報告書でUNFCCCに報告・専門家によるレビューを完了。

JCMのスキーム図 日本 ホスト国 合同委員会 (事務局) 政府 政府 プロジェクト参加者 第三者機関 プロジェクト参加者 プロジェクト登録の通知 プロジェクト登録の通知 ルール、ガイドライン、方法論の策定及び改定 プロジェクトの登録 JCMの実施に関する協議 クレジットの発行 政府 クレジットの発行 政府 クレジット発行の報告 クレジット発行の報告 政策対話の実施 プロジェクト登録の申請 プロジェクト登録の申請 クレジット発行の申請 クレジット発行の申請 プロジェクト計画書(PDD) /モニタリングレポートの提出 プロジェクト計画書(PDD) /モニタリングレポートの提出 プロジェクト参加者 プロジェクトの実施及びモニタリング プロジェクトの妥当性確認(有効化) 温室効果ガス排出削減量及び吸収量の検証 第三者機関 プロジェクト参加者 プロジェクトの実施及びモニタリング 妥当性確認(有効化)及び検証の結果の通知 妥当性確認(有効化)及び検証の結果の通知

環境省JCM設備補助事業 日本国政府 国際コンソーシアム (日本の民間団体を含む) 2014年度予算額: 年間12億円かつ3か年 (合計36億円) 日本国政府 MRVの実施によりGHG排出削減量を測定。クレジットの発行後は1/2以上を日本政府に納入 初期投資費用の最大1/2を補助 国際コンソーシアム (日本の民間団体を含む) 補助対象者 事業実施期間 (日本の民間団体を含む)国際コンソーシアム 最大3年間 補助対象 補助対象要件 エネルギー起源CO2排出削減のための設備・機器を導入する事業(工事費、設備費、事務費等を含む) 補助交付決定を受けた後に設備の設置工事に着手し、平成28年度内に完工すること。また、JCMプロジェクトとしての登録及びクレジットの発行を目指すこと

2013・2014年度 JCMプロジェクト設備補助事業(2015年1月時点) パラオ: ●島嶼国の商用施設への小規模太陽光発電システム(パシフィックコンサルタンツ)   商用施設屋上に高品質で耐風速性の高い小規模太陽光発電システムを設置し、グリッド電力を代替することにより、CO2排出量を削減する モンゴル: ●高効率型熱供給ボイラの集約化に係る更新・新設(数理計画)   冬季の暖房用温水の供給に利用する旧式の低効率石炭焚きボイラ(HOB)を、高効率ボイラに更新又は新規に導入する。その際、既存のHOBが建物個別供給型であるものを、高効率HOBを集約的に導入し、集約的に温水(熱)供給することも想定する。HOBによる暖房用熱供給を効率化し、石炭消費量を削減する。 インドネシア: ●工場空調及びプロセス冷却用のエネルギー削減(Batang市)(荏原冷熱システム)   製品品質管理のための空調(冷房)のための冷凍機として、高効率の圧縮機とエコノマイザーサイクルを採用した省エネ型冷凍機を導入する。 ●コンビニエンスストア省エネ(ローソン)   コンビニエンスストアにおいて、冷蔵冷凍・空調・照明に、それぞれ自然冷媒(CO2冷媒)を採用した高効率冷凍機、インバータ式空調機器、及びLED照明を導入する。 ●コールドチェーンへの高効率冷却装置導入(前川製作所)   食品冷凍・冷蔵倉庫業に、自然冷媒(NH3・CO2の二元冷媒)を採用した高効率冷却装置を導入する。 ●冷温同時取出し型ヒートポンプ導入による省エネルギー(豊田通商)   冷温同時取出しヒートポンプからの温熱及び冷熱を同時に供給することで、全体としての効率化を図り、CO2排出量を削減する。 ●工場空調及びプロセス冷却用のエネルギー削減(荏原冷熱システム) ◆セメント工場における廃熱利用発電(JFEエンジニアリング)   廃熱回収発電を導入し、セメント生産プロセスから生じる廃熱を電気エネルギーに転換することで、工場の消費電力を削減する。 ◆無電化地域の携帯基地局への太陽光発電ハイブリッドシステムの導入(伊藤忠商事)   電源にディーゼル発電を使用する携帯基地局に、太陽光発電と蓄電池を導入することで、CO2排出量を削減する。 ◆自動車部品工場のアルミ保持炉へのリジェネバーナー導入による省エネルギー化(豊通マシナリー)   工場の鋳造工程に高効率なリジェネバーナーを導入することで、CO2排出量を削減する。 ◆省エネ型ターボ冷凍機を利用した工場設備冷却(荏原冷熱システム)   紡績工場における品質管理(温度・湿度の適正化)のため、高効率の圧縮機とエコノマイザーサイクルを採用した省エネ型冷凍機を導入する。 ベトナム: ◆卸売市場における有機廃棄物メタン発酵およびガス利用事業(日立造船)   卸売市場で発生する有機廃棄物についてメタン発酵システムにより嫌気性処理を行い、生じるメタンガスを回収して水産加工工場へ供給する。 ◆デジタルタコグラフを用いたエコドライブ(日本通運)   エコドライブ啓発システムをトラック輸送に導入し、CO2排出削減と安全運転を促進する。 モルディブ: ◆校舎屋根を利用した太陽光発電システム導入プロジェクト(パシフィックコンサルタンツ)   高効率のインバータ付太陽光発電を校舎屋根に導入しグリッドからの電力消費を代替する。 ●2013年度採択案件 (3ヶ国7案件) ◆2014年度採択案件 (3ヶ国7案件)