名古屋大学 エコトピア科学研究所 情報・通信科学研究部門 (大学院 工学研究科 電子情報システム専攻 兼担) 片山 正昭

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名古屋大学 エコトピア科学研究所 情報・通信科学研究部門 (大学院 工学研究科 電子情報システム専攻 兼担) 片山 正昭 日本テクノセンター 2011.08.05 無線通信の高信頼化技術 ダイバシチ since 2001 名古屋大学 エコトピア科学研究所 情報・通信科学研究部門 (大学院 工学研究科 電子情報システム専攻 兼担) 片山 正昭

無線は切れる 無線は誤る Reliable Robust Radio Wireless Wire for Wireless Factory 誤解? 理解? 無線は切れる 無線は誤る Reliable Robust Radio Wireless Wire for Wireless Factory

無線通信の立場からみた工場内環境 通信距離が小さい(信号レベルが大) 電子情報通信学会情報理論研究会 2002年7月15日 玉川大学 無線通信の立場からみた工場内環境 通信距離が小さい(信号レベルが大) 周波数利用効率への要求が小さい →同時使用局数が比較的小さい. →通信速度が比較的小さい. 高レベル,非ガウス性人工雑音の存在 金属性装置等による大きな反射・遮蔽 マルチパスの遅延分散が小さい   →フラットフェージングによる信号消失の発生 環境の変化速度が遅い   →Slow Fading 無線通信の立場からの電波環境の知見・モデルが少ない.   複数アンテナの視点・平均ではなく分布の視点 軽く紹介

無線通信品質の向上方法 送信された電力を無駄無く受信する. 誤りを検出・訂正する技術を利用する. 電波環境の知識に基づく受信を行う 電波環境の知識に基づく送信を行う. 妨害や雑音は受信せず信号だけ受信する. 軽く紹介

無線通信品質の向上方法 送信された電力を無駄無く受信する. 誤りを検出・訂正する技術を利用する. 電波環境の知識に基づく受信を行う 電波環境の知識に基づく送信を行う. 妨害や雑音は受信せず信号だけ受信する. ダイバシチ 軽く紹介

ダイバシチ 送信側 送受信同時 受信ダイバシチ MIMO 電波伝搬の物理的性質により複数の伝搬経路が存在. 各伝搬経路の信号を分離合成 マルチパスチャネル 各伝搬経路の信号を分離合成 送信側 送信側で,意識的に複数の成分として送信 時間ダイバシチ (ARQ,FEC) 周波数ダイバシチ(多周波数送信,OFDMでのFEC) 空間ダイバシチ (送信アンテナ ダイバシチ) 送受信同時 MIMO

無線の信頼性を下げるもの 妨害(加法性) 消失(乗法性) 雑音 干渉 シャドウイング しばしば,低速(時間ダイバシチ不適)      低分散(周波数ダイバシチ不適)

中継器の導入により、 送信機や受信機のアンテナ間距離の制約を緩和 中継器を用いた空間ダイバシチ 送 信 機 RT 受 信 機 RT RT 中継器の導入により、 送信機や受信機のアンテナ間距離の制約を緩和

中継器の導入方法 中継器と受信機の間が有線ネットワークで結ばれる場合 中継器と受信機の間が無線ネットワークで結ばれる場合

1.事前割り当て 中継処理の流れ MT RT BS 大きな符号語セットが必要 (ブランチを重複させないためにはQ=L) 復号遅延の増大 端末からの信号を 中継する RT MT BS #1 #2 #3 大きな符号語セットが必要 (ブランチを重複させないためにはQ=L) 復号遅延の増大

2.中継器間で協力割り当て 中継処理の流れ RT MT BS 符号語セットは小さくなる(Q=La) 中継器間で制御チャネル必要 端末からの信号を 受信する データを正しく受信した 中継器(La台)間で情報を 交換し、全ての中継器に 異なるブランチを割り当てる RT MT BS #1 #2 符号語セットは小さくなる(Q=La) 中継器間で制御チャネル必要 中継処理遅延の増大

空間ダイバシチの活用 Cooperative Diversity Repeater Cloud Multi-ANT TX --- RX 空間ダイバシチの活用  高信頼無線制御実現のための複数送受信アンテナと複数中継器を用いた空間ダイバーシチ手法 電子情報通信学会論文誌, vol.J91-B, no.5, pp.585-594 2008年5月 Cooperative Diversity Repeater Cloud Multi-ANT TX --- RX TX --- MIMO ---- RX

重みベクトルWの導入 WもMIMOチャネルの 一部とみなして受信 中継器側送信機 基地局側受信機 : 第l中継器-第n受信アンテナ間チャネル 高信頼無線制御実現のための複数送受信アンテナと複数中継器を用いた空間ダイバーシチ手法 電子情報通信学会論文誌, vol.J91-B, no.5, pp.585-594 2008年5月 中継器側送信機 基地局側受信機 Q列 WもMIMOチャネルの 一部とみなして受信 L台 : 第l中継器-第n受信アンテナ間チャネル : 第l中継器でq番目のSTBC符号化 シンボルに対して乗算する重み

提案重み付け手法 ランダム選択 ー>確率1/2で同じブランチを選択する状況が発生 提案重み付け手法 高信頼無線制御実現のための複数送受信アンテナと複数中継器を用いた空間ダイバーシチ手法 電子情報通信学会論文誌, vol.J91-B, no.5, pp.585-594 2008年5月 ランダム選択 ー>確率1/2で同じブランチを選択する状況が発生 提案重み付け手法 ー>取りうる値を増やすことで ワーストケースの発生確率を軽減

提案重み付け手法の性能評価 RT RT BS RT 中継器ー基地局間の性能比較 変調方式 : QPSK フレームサイズ: 高信頼無線制御実現のための複数送受信アンテナと複数中継器を用いた空間ダイバーシチ手法 電子情報通信学会論文誌, vol.J91-B, no.5, pp.585-594 2008年5月 RT 変調方式 : QPSK フレームサイズ:      256 [symbols] 設置中継器台数 : L台 実働中継器台数 : La (=L)台 BS側アンテナ数 : N=1本 STBC符号語サイズ : Q RT BS 独立なレイリーフェージング (BSで完全に推定可能とする) RT 中継器ー基地局間の性能比較 提案重み付け手法 ランダム選択 重みが理想的に割り当てられる場合

FER vs. SNR(Code size Q=2) 高信頼無線制御実現のための複数送受信アンテナと複数中継器を用いた空間ダイバーシチ手法 電子情報通信学会論文誌, vol.J91-B, no.5, pp.585-594 2008年5月 変調方式 : QPSK フレームサイズ:      256 [symbols] 設置中継器台数 : L台 実働中継器台数 : La (=L)台 BS側アンテナ数 : N=1本 STBC符号語サイズ : Q=2 ランダム 選択 提案重み付け手法 理想割り当て Assignment based La2のとき、ランダム選択と比較して性能改善 提案手法のLa=3と理想選択のLa=2と比較すると、 FER=10-3のとき、およそ2dBの損失

FER vs. SNR Q, Laの増加に伴い、重み割り当てを行う手法と 提案手法との特性差は小さくなる 高信頼無線制御実現のための複数送受信アンテナと複数中継器を用いた空間ダイバーシチ手法 電子情報通信学会論文誌, vol.J91-B, no.5, pp.585-594 2008年5月 理想割り当て 変調方式 : QPSK フレームサイズ:      256 [symbols] 設置中継器台数 : L台 実働中継器台数 : La (=L)台 BS側アンテナ数 : N=1本 STBC符号語サイズ : Q 提案重み付け手法 Assignment based Q, Laの増加に伴い、重み割り当てを行う手法と 提案手法との特性差は小さくなる Q=2のとき約5dB、Q=4のとき約3dB、Q=8のとき約2dBの差

無線通信品質の向上方法 送信された電力を無駄無く受信する. 誤りを検出・訂正する技術を利用する. 電波環境の知識に基づく受信を行う 電波環境の知識に基づく送信を行う. 妨害や雑音は受信せず信号だけ受信する. Diversity incl. FEC/ARQ 軽く紹介

無線通信品質の向上方法 送信された電力を無駄無く受信する. 誤りを検出・訂正する技術を利用する. 電波環境の知識に基づく受信を行う 電波環境の知識に基づく送信を行う. 妨害や雑音は受信せず信号だけ受信する. Adaptive Antenna Cognitive Radio 軽く紹介

無線通信品質の向上方法 送信された電力を無駄無く受信する. 誤りを検出・訂正する技術を利用する. 電波環境の知識に基づく受信を行う 電波環境の知識に基づく送信を行う. 妨害や雑音は受信せず信号だけ受信する. ?? 軽く紹介

雑音を避けて信号だけ受信 空間的な雑音除去 信号の性質による分離 熱雑音には無効 人工雑音には有効である可能性 所望波と妨害波の到来方向の違いを利用 信号の性質による分離 所望波と妨害波の相関の低さを利用 所望波と妨害波の既知の相互相関特性を利用 妨害波を先に受信し受信信号より減算 熱雑音には無効 人工雑音には有効である可能性 軽く紹介