JVO (Japanese Virtual Observatory) の研究開発 V03c

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JVO の研究開発(コスミックストリング探査への応 用) V04b 白崎裕治 1,8 、田中昌宏 1 、本田敏志 1 、大石雅寿 1 、水本好彦 1 、矢作日出樹 1 、小杉城治 1 、柏川伸成 1 、松崎英一 2 、安田直樹 3 、長 島雅裕 4 、増永良文 5 、石原康秀 6 、阿部勝巳 6 、堤純平.
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プログラムの差分記述を 容易に行うための レイヤー機構付きIDEの提案
白崎裕治, 田中昌宏, 本田敏志, 大石雅寿, 水本好彦 (国立天文台), 安田直樹 (東大宇宙線研), 増永良文 (お茶の水大)
MOAデータベースを使った セファイド変光星の周期光度関係と 距離測定
プログラム分散化のための アスペクト指向言語
Googleマップを活用した 生物調査データベースの構築
オントロジーを利用した Webサービスの実行支援に関する研究
異種セグメント端末による 分散型仮想LAN構築機構の設計と実装
JVOプロトタイプ システムの開発 DEWS2004 2004年 3月 5日 田中 昌宏、白崎 裕治、 本田 敏志、
Presentation transcript:

JVO (Japanese Virtual Observatory) の研究開発 V03c ~プロトタイプ2の開発 ~ 本田敏志、白崎裕治、田中昌宏、大石雅寿, 水本好彦(国立天文台)、 安田直樹(東京大学)、   増永良文(お茶の水大学)、石原康秀、阿部勝巳、堤純平(富士通)、中本啓之、森田康裕(セック) http://jvo.nao.ac.jp/ 概要 : 近年の天文観測では、望遠鏡や検出器の発展により非常に精度の高いデータが大量に生産されており、これらのデータの多くが、世界中の観測所や研究機関でデータベース化され公開されている。Virtual Observatory(仮想天文台)はこれら世界中に分散して存在している天文データベースを、GRID技術とネットワークを使うことによって、ひとつの巨大データベースとして連携させ、計算機の中に構築した数値宇宙を観測することを目指したものである。国立天文台では2000年よりJVO構築プロジェクトを開始し、現在プロトタイプの作成を行っている。ここでは、JVOの紹介と現在開発中のプロトタイプ第2版を使って実際にデモを行う。 はじめに JVOの開発 JVOの開発は、まず機能を限定したプロトタイプの開発をおこない、採用した技術の有効性や機能を評価する方法で進められている。プロトタイプ第1版はすでに評価を終了し、第2版を作成した。 天文学と情報学の融合が進んでいる。 近年の天文観測では膨大なデータが生み出されている。 Webサービス GRID技術 データマイニング技術 データベース技術 可視化技術 etc… ユーザDB Grid サービス OAI-PMH メタDB JVOQLエディタ リソースファインダによるDB検索 UCDファインダー 天体名レゾルバー 実行状況表示 ユーザ登録 ユーザ認証 インターフェイス ユーザー JVOシステム部 DB・解析部 Registry (XMLDB) 検索 interface シンプル解析機能 天体検出(Sextractor) HyperZ 画像演算 Photometry 特殊解析機能 重力レンズ 銀河ダスト 化学組成の進化 解析 interface JVOQLパーサ JB スケジューラ JB エクゼキュータ JB コントローラー JB VOTable Viewer Plotter 画像データ Viewer スペクトルデータ Viewer 複数カタログの重ね合わせプロット 異なる波長画像の重ね合わせ表示 リソースファインダーによるDB検索 DBナビゲータ データ表示 Servlet JSP DBメタデータ検索 検索結果 (XML) 検索文 (XPath) 検索指示 (JVOQL) 状態確認 検索実行状況 JVOQL Parsed JVOQL Parsed JVOQL, 実績 観測指示書 実績 GSI-SFSによるデータ転送 検索命令 SOAPによる 結果渡し 天文DB 解析実行状況 解析指示 RFT 野辺山 : 年間~1TB   世界のデータ すばる : 年間~20TB + 衛星のデータ ALMA  : 年間~?PB   etc. データの処理には、観測装置ごとにデータの 検索、転送、解析といった作業が必要。 天文学において、情報学の果たす役割は非常に大きくなっている! 従来の方法では処理しきれなくなる! VOはこれらの情報学の技術を用いて、計算機の中に宇宙を構築し、利用者は計算機の中の宇宙を観測するシステム。 VOができると… いつでも、どこでも観測できる。 データ解析もJVO内部で行うため、大量のデータを転送しなくてもよい。 観測装置によらない統一的な操作性により、多波長にわたる研究が容易になる。 JVOで実装される機能 1.Globus Toolkitを使ったグリッド環境   プロトタイプ第1版ではGlobus ToolkitVer2を用いて、グリッド機能を実現したが、 第2版では最新版であるVer3(OGSA)を採用し、そこで新たに導入された「グリッドサービス」を遠隔実行に用いた。コントローラとデータベースサーバとの間のデータ転送にはGSI-SFSを利用している。 2.連携データベース検索言語JVOQL   複数のデータベースを連携検索する問い合わせ言語としてJVOQLを定義した。 リレーショナルデータベース操作言語として一般的に利用されているSQL言語を基礎として、JVO固有の機能を拡張し、SQLとできるだけ互換な文法となるように設計した。 3.複数の利用者への対応   利用者認証機能(シングルサインオン機能)を持たせ、複数の利用者の各利用者番号とJVOシステム用利用者番号との対応機能を持たせる。また,GRID上で複数の利用者が互いに干渉することなく計算機資源を利用できるように,利用者ごとのジョブ管理,データ管理機能を持つようにする。 4.メタデータの管理   観測データが保管されているデータベースサーバの情報や観測データなどのメタデータを、レジストリとしてXMLデータベースに登録した。これによって、現在利用可能なアーカイブデータとそれらからどのようなデータを取得できるか等、利用可能なサービスの登録情報をJVOQLで検索できるようになり、アクセスできるデータベースのリストなども動的に生成することができる。 研究者のみならず、一般教育、アマチュア天文家、一般家庭からも利用できる。 利用者操作画面 JVO プロトタイプ 認証を行った後、JVOQLエディターで必要なカタログを選択し、カタログの内容から検索条件を指定する。 ここではJVOを実際に使った研究の一例として、すばる望遠鏡で得られたデータから重力レンズ天体を探す一連のプロセスを示す。 重力レンズ天体探しのワークフロー 1.すばるのカタログから指定した領域のデータを取ってくる。 ↓ 2.取ってきたデータをもとに明るさを計算する。 3.クエーサーを選ぶ条件を決める。 4.取ってきたデータからクエーサー候補のペアリストを作成する。 5.ペア天体の周辺の画像データを検索する。 6.画像データを解析し、さらに候補を絞り込む。 指定した検索条件はJVOQLエディターに反映される。 検索結果表示画面 検索して得られた結果は、天文学データをXML形式で記述したVOTableと呼ばれる国際的に標準化された形式で得られ、HTMLに変換して表示される。 検索は、入力された検索条件をもとにXPathを生成し、レジストリへ渡される。 レジストリでの検索結果はXML形式で出力され、パーサおよびスケジューラがそれをもとに実行手順を作成し、エクゼキュータによって各サーバへ問い合わせる。 従来の手法では何時間もかかった作業。 JVOを使えばわずか5分程度で候補天体を見つけて表示することが可能! 得られた結果を使って新たに解析を行ったりできるように、特定のサイエンス専用の機能を組み込んだページを追加することも容易な設計になっている。 ↑ SDSSのQSOを検索して。 スペクトルを表示した例。 ← ↑ すばるSXDSのデータを検索して イメージを表示した例。