税犯罪について – 新たな脅威とその防衛戦略 パートナー、Evgeny Timofeev グループ長、Alexander Erasov 2017年10月3日
税犯罪に関する迷信と最近の傾向 迷信 最近の傾向 税務当局は、常習的な脱税犯だけを追及する CEOと経理部長だけが刑法上の責任を負う 「でも、どうやったら税務調査でわかるというのでしょうか?」 「みんなやっていることですから!」 最近の傾向 政府は追加的な納税義務があるかどうかを見極め追及することに、非常に積極的 な実務をとってきている 税犯罪は、刑法上重罪規定の中に分類されている 被疑者となる可能性のある者の財産に対して、差し押さえが可能 税務当局の判断や裁判所の判決に刑法専門用語の文言が登場し始まる 税務当局は、税金の回収にますます積極的になってきている
何が起きているのか 税務当局及び商事裁判所の税務監査と税務訴訟に対するアプロー チが変化 重要なターゲットに対する、よく作戦された攻撃に注力 事前調査・取調べと税務監査に用いられる方法の変化 刑事犯として摘発される事件数の増加 最近税務訴訟において勝利するのは相当困難 事態は 変わってきている
税犯罪数の統計
省庁間の連携 ロシア連邦税法第32条、第36条及び第37条 ロシア連邦刑事手続法第56条、第144条、第148条及び第213条 ロシア捜査委員会と連邦税務庁のガイドライン : 2017年7月13日付ロシア 連邦税務庁文書(ЕД-4-2/13650@)「意図的な税金(課徴金)の不払又は支 払不足に対する調査と立証について」 ロシア内務省と2017年5月29日付連邦税務庁指令(第317号/ММВ-7- 2/481@) :「捜索と摘発結果の税務当局に対する報告手続について」 2017年3月23日付ロシア連邦税務庁文書(ЕД-5-9/547@) 「税に関する不正な利益を特定す る状況について」 2017年8月16日付ロシア連邦税務庁文書(СА-4-7/16152@)「2017年7月18日付連邦法第 163-FZ「ロシア連邦税法第1編の修正について」の適用について」(ロシア連邦税法第54.1条)
税犯罪の罪体(Corpora delicti) 刑法第199条 – 法人の脱税 刑法第199.1条 – 税代理人としての納税義務の懈怠 刑法第199.2条 – 税金回収に用いられる法人財産の隠匿 刑法第159条 – 詐欺、すなわち、欺瞞又は信託の濫用を通じた資金の窃取( VATの還付を含む) 刑法第193条 – 外貨をロシア連邦への送還する義務の違反* 刑法第193.1条 – 虚偽の書類に基づく国際資金送金* * これらの条項は外国企業との取引実体が無効の訴えに用いられる可能性がある
詐欺か、それとも税金の不払か: 違いは何か? (国庫からの)資金の流れの方向 捜査委員会及び警察によって捜査され得る 租税当局の見解を(形式上のものであってすら)求める必要がない 刑事手続を終了させる事由が追加的に生じない(税金を支払っても 終了事由にならない) 拘留が可能 刑期がより長期
最も注意すべき分野 VAT の払戻し!!! 悪意ある相手方との関係 税制上の優遇策の利用 法人による、税代 理人としての義務の懈怠 グループ内取引 (費用分担や組織再 編等の事項を含む) 税制上の優遇策の利用 法人による、税代 理人としての義務の懈怠 VAT の払戻し!!! 課税を避けるために財産の隠匿 「信用性に疑問のある書類」 証人の尋問 税金の還付 ???
誰が刑事上の責任を負うことになるか? 以下の個人が責任を負う: 会社の事業を執行する立場にある者 会社の事業を執行する立場にはないが、従業員に対し て指示をする者 CEO及び/又は経理部長の役割を実際に果たしている者 その他犯罪に関与した者(従犯)
誰が刑事上の責任を負うことになるか? 株主 CEO 経理部長 税務担当部長 その他の者 (諸般の状況による)
事業のための、積極的対策: 「課題」 取引と書類の流れの透明性の基準を高める 証拠についてあらかじめ思い至る(形式的な議論をすれば足りると 期待してはならない) より改善された内部統制(相手方の選定基準を含む)を導入する 相手方の選定及び契約締結を再検討(統制を厳格化)する 契約の諸条項が、全ての事業状況に合致しているようにする 価格が、取引の実体及び範囲と適合しているようにする スタッフに対して、必要な指示(研修等)を行う
事例研究その1 – 輸送サービス 納税者 形骸会社 +VAT VAT無し 実際のサービス提供 個人企業家 結果: 従業員無し、資産無し 名目上の取締役 輸送サービス 納税者 形骸会社 +VAT 輸送サービス(下請) VAT無し 実際のサービス提供 個人企業家 (簡素な課税制度、VAT無し) 結果: VATの払戻しは認められなかった 刑事訴追された
事例研究その2 – 倉庫サービス 納税者 形骸会社 倉庫所有者 倉庫サービス +VAT 倉庫賃貸契約 VAT無し 実際のサービス提供 結果: 従業員無し、資産無し 名目上の取締役 納税者 倉庫サービス 形骸会社 +VAT 倉庫賃貸契約 VAT無し 倉庫所有者 簡素な課税制度、 VAT無し 実際のサービス提供 結果: VATの払戻しは認められなかった 刑事訴追された
事例研究その3 – 商品の輸入 形骸会社 輸出者 納税者 製造者 +VAT 実際の商品配送 結果: ロシア国内 ロシア国外 国庫に対するVATの支払無し、利益税の支払無し 従業員無し、資産無し 名目上の取締役 価格減少 形骸会社 +VAT 輸出者 所有権 所有権 価格上昇 納税者 子会社 所有権 製造者 親会社 実際の商品配送 結果: VATの追加支払い及び法人税の追徴となった 刑事訴追された
税犯罪防衛グループチーム Evgeny Timofeev パートナー、弁護士 Alexander Erasov オブグループ長、弁護士
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