高齢者の権利擁護のための研修 1 神奈川県 平成26年9月 平成28年11月改訂

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個人情報保護講座 目 次 第1章 はじめに 第2章 個人情報と保有個人情報 第3章 個人情報保護条例に規定されている県の義務 第4章 個人情報の漏えい 第5章 個人情報取扱事務の登録 第6章 保有の制限 第7章 個人情報の取得制限 第8章 利用及び提供の制限 第9章 安全性及び正確性の確保 第 10.
介護支援サービス(ケアマネジメント) 要援護者やその家族がもつ複数のニーズと社会資源 を結びつけること。 要援護者の生活の質を高めること。 保健,医療,福祉,住宅等の各種公的サービスだけ でなく,家族、ボランティア,近隣等の支援とも調整 し,在宅生活を支えていくもの.
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高齢者の権利擁護のための研修 1 神奈川県 平成26年9月 平成28年11月改訂 養介護施設従事者等による 高齢者虐待とは 高齢者の権利擁護のための研修 1 神奈川県 平成26年9月 平成28年11月改訂 【研修1のねらい】 ここでは、「施設職員のための高齢者虐待防止の手引き」の第1章の内容である養介護施設従事者等による高齢者虐待について説明をします。 高齢者虐待防止法の目的や、定義、通報義務、施設従事者の責務などについて理解します。 神奈川県

高齢者虐待防止法 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護 者に対する支援等に関する法律」 平成17(2005)年11月 成立  平成17(2005)年11月 成立  平成18(2006)年4月 施行 【法の正式名称】 この法律の正式名称は、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」です。 この研修では、「高齢者虐待防止法」と略して、お話します。 この法律は、平成17年(2005)年11月に、議員立法により成立し、翌年の4月から施行されました。 神奈川県

高齢者虐待防止法の趣旨 「この法律は、高齢者に対する虐待が深刻な状況に あり、高齢者の尊厳の保持にとって高齢者の虐待を 防止することが極めて重要であること等をかんがみ、 高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措 置、養護者の負担軽減を図ること等の養護者に対す る養護者による高齢者虐待の防止に資する支援(以 下「養護者に対する支援」という)のための措置等 を定めることにより、高齢者虐待の防止、養護者に 対する支援等に関する施策を推進し、もって高齢者 の権利利益の擁護に資することを目的とする。」                (第1条 目的) 【法の趣旨】 高齢者虐待防止法は、1条の目的に、高齢者の尊厳を保持するために、高齢者虐待を防止することが極めて重要であり、そのために措置や養護者支援を定めるとあります。 そして、そのことによって、高齢者の権利利益の擁護を目的としているとあります。 そのため、2つの措置を定めることとしています。  ①高齢者虐待を受けた高齢者の保護のための措置を定める  ②養護者の負担軽減をすることで高齢者虐待を防止するための措置を定める 高齢者虐待防止法は、虐待を受けた高齢者のみではなく、虐待をおこなった養護者に対する支援を行うことが法律に明記されていることがポイントとしてあげられます。 神奈川県

高齢者虐待防止法上の定義 「養護者による高齢者虐待」と 「養介護施設従事者等による高齢者待」 に分かれる 「高齢者」とは、65歳以上の者 「養護者による高齢者虐待」と  「養介護施設従事者等による高齢者待」  に分かれる 「高齢者」とは、65歳以上の者 5つの類型  身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待、性的虐待  経済的虐待 【定義】 高齢者虐待防止法では、在宅で介護する家族等による虐待を対象とする「養護者による高齢者虐待」と、 老人福祉法・介護保険法に基づく高齢者を対象とする施設やサービスに従事する者による虐待を対象とする「養介護施設従事者等による高齢者虐待」に分けて定義されています。 また、高齢者とは65歳以上の者と定義されています。ただし、介護保健サービスを利用する人は65歳以下でも高齢者虐待防止法上の「高齢者」とみなされます。 高齢者虐待防止法では、高齢者虐待の内容を、次の5つの類型に分類しています。 身体的虐待 介護・世話の放棄放任、これは、ネグレクトといわれることもあります。 心理的虐待 性的虐待 経済的虐待 ・虐待の内容については、あとで説明します。 神奈川県

養介護施設従事者等の定義 養介護施設・養介護事業とは 養介護施設 養介護事業 老人福祉法による規定 老人福祉施設 有料老人ホーム 老人居宅生活支援事業 介護保険法による規定 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 地域密着型   介護老人福祉施設 地域包括支援センター 居宅サービス事業 地域密着型サービス事業 居宅介護支援事業 介護予防サービス事業    介護予防サービス事業 介護予防支援事業 【養介護施設従事者等の定義】 高齢者虐待防止法は、養護者(在宅)と養介護施設従事者等による虐待を分けてあると先程説明しましたが、それぞれに対応方法が定められています。 この研修では、養介護施設従事者等による虐待について、説明をします。 養介護施設従事者等とは養介護施設や、養介護事業に従事する者とされています。 養介護施設や養介護事業者に該当する施設・サービスはスライドの表のようなものです。 老人福祉法によって規定されている老人福祉施設。これは特別養護老人ホームや養護老人ホーム、軽費老人ホームなどがこれにあたります。 また、有料老人ホームも老人福祉法に規定されています。有料老人ホームは、介護保険法の特定施設入居者生活介護事業の指定の有無、老人福祉法の届出の有無に限らず、有料老人ホームであると認められる場合があります。そのため、未届け有料老人ホームは、有料老人ホームに該当するものとして対応します。 なお、老人居宅生活支援事業は、介護保険法の指定を受ける際に、届け出を行っています。 介護保険法によるものとしては、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などです。 その他、地域包括支援センターや、居住系のサービスも該当します。 この施設・事業者に従事する者全てが、高齢者虐待防止法における養介護施設従事者等に該当し、直接介護を行う職員に限ったものではありません。 そのため、食事を作っている職員、管理者や施設長も該当します。 神奈川県

養介護施設・事業者の責務 高齢者虐待の早期発見(法第5条) 養介護施設従事者等による高齢者虐待防止 のための措置(法第20条) 通報義務(法第21条) 【養介護施設・事業者の責務】 高齢者虐待防止法では、高齢者虐待防止のため、国民、市町村、都道府県、国等の責務を定めていますが、養介護施設・事業者にも重要な責務を定めています。 高齢者虐待の早期発見のための担い手としての責務(法第5条) 養介護施設従事者等による高齢者虐待防止のための措置(法第20条) 通報義務(法第21条) 「養介護施設従事者等は、当該養介護施設従事者等がその業務に従事している養介護施設又は養介護事業において業務に従事する養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。」 神奈川県

高齢者虐待の早期発見 「養介護施設従事者等、高齢者の福 祉に職務上関係のある者は、高齢 者虐待を発見しやすい立場にある ことを自覚し、高齢者虐待の早期 発見に努めなければならない。」 【高齢者虐待の早期発見】 法第5条では、次のように規定されています。 「養介護施設、病院、保健所その他高齢者の福祉に業務上関係のある団体及び養介護施設従事者等、医師、保健師、弁護士その他高齢者の福祉に職務上関係のある者は、高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければならない。」 保健・福祉医療従事者の責務として、在宅で介護する家族等によって起きる「養護者による高齢者虐待」や、自分が働いている施設・事業所以外での「養介護施設従事者等による高齢者虐待」についても、発見しやすい立場であることを自覚して、早期発見に努めることが求められています。 神奈川県

養介護施設従事者等による高齢者虐待防止等のための措置 養介護施設従事者等の研修の実施 苦情処理体制の整備 その他の高齢者虐待の防止等のた めの措置 【養介護施設従事者当による高齢者虐待防止等のための措置】 法第20条では、次のように規定されています。 「養介護施設の設置者又は養介護事業を行う者は、養介護施設従事者等の研修の実施、当該養介護施設に入所し、その他当該養介護施設を利用し、又は当該養介護事業に係るサービスの提供を受ける高齢者及びその家族からの苦情の処理の体制の整備その他の養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止等のための措置を講ずるものとする。」 「養介護施設従事者等による高齢者虐待」を未然に防止するための措置として、これらの規定があります。 養介護施設の設置者や養介護事業者には、高齢者虐待防止法の趣旨を理解し、自施設や事業所に勤める職員による高齢者虐待が発生しないような体制を整備することが求められています。 神奈川県

通報義務 養介護施設従事者等は、高齢者虐待を発見したら 市町村等に通報する義務がある。 高齢者虐待の相談・通報を市町村に行う際は、守 秘義務違反にはならない。 高齢者虐待の通報・相談をしたことによって、解 雇などの不利益な扱いを受けない。 【通報義務】 法第21条では、次のように規定されています。 「養介護施設従事者等は、当該養介護施設従事者等がその業務に従事している養介護施設又は養介護事業において業務に従事する養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。」 つまり、養介護施設従事者等には、自分が働いている施設などで虐待を発見した場合は、速やかに市町村に通報しなければならない義務があるということです。 これは義務ですので、養介護施設従事者等は、高齢者虐待の発見者や対応者として重い責任を負っていると言えます。 また、自分が働いている施設など以外であっても、養護者による高齢者虐待を発見した場合も、市町村に通報する必要があります。これは、「早期発見」のところでも説明したように、法第5条において、保健・福祉医療従事者の責務として、高齢者虐待を発見しやすい立場であることを自覚し、早期発見に努めることとされてるからです。 相談や通報は、市町村の高齢福祉や介護保険担当部署が受け付けています。 この施設(事業所)のある○○市では、○○課が担当しています。電話番号は○○○‐○○○○ですので、メモを取っておいてください。 ※○○の部分は、各施設・事業所の所在する市町村及び担当課名と電話番号を入れて、説明して下さい。 なお、第21条の第6項に、高齢者虐待の相談・通報を市町村に対して行う場合に、施設の高齢者の氏名や年齢などを伝えることは、守秘義務違反にはならないこと、同じく第7項に、相談・通報をしたことにより、解雇などの不利益な扱い(降格、減給、退職の強要)を受けないことがあります。 神奈川県

市町村等の守秘義務 「市町村が通報・届出を受けた場合にお いては、当該通報又は届出を受けた市 町村の職員は、その職務上知りえた事 項であって当該通報又は届出をしたも のを特定されるものを漏らしてはなら ない。  都道府県も同様。」 【市町村等の守秘義務】 法第23条では、市町村等の守秘義務についても規定されています。 通報や届出をした職員や高齢者本人、家族が、施設や事業所により特定されないように配慮されます。 もし、通報したのは誰かということを、市町村に問い合わせをしても、施設・事業所に、通報者を特定できる情報提供はしません。 神奈川県

高齢者虐待の5つの類型 身体的虐待 介護・世話の放棄放任(ネグレクト) 心理的虐待 性的虐待 経済的虐待 【高齢者虐待の5つの類型】 次に高齢者虐待防止法に定義されている高齢者虐待の次の5つの類型について説明します。 神奈川県

身体的虐待 高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じ る恐れのある暴行を加えること。 神奈川県 【身体的虐待】 身体的虐待は、「高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じる恐れのある暴行を加えること」と高齢者虐待防止法にはあります。 例えば、次のような行為です。  「暴力行為」   ・平手打ち、つねる、殴る、蹴るという直接的なもの。   ・ぶつかって転ばせる。   ・入浴時に熱いお湯やシャワーをかけてやけどさせる。   ・本人に向かって物を投げつける。  「本人の利益にならない強制による行為」「代替方法を検討せずに高齢者を乱暴に扱う行為」   ・医学的診断や介護サービス計画等に位置付けられていないにも関わらず、身体的苦痛や病状悪化を招く行為を強要する。   ・介護がしやすいように、職員の都合でベッド等へ押さえつける。   ・車椅子やベッド等から移動させる際に必要以上に体を高く持ち上げる。   ・食事の際に職員の都合で本人が拒否しているのに口に入れて食べさせる。  「緊急やむを得ない」場合以外の身体拘束や抑制」   ・身体拘束については後ほど説明します。 神奈川県

介護・世話の放棄放任(ネグレクト) 高齢者を衰弱させるような著しい減食 又は長時間の放置その他高齢者を養護 すべき職務上の義務を著しく怠ること 【ネグレクト】 ネグレクトは、「高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること」と高齢者虐待防止法にはあります。 例えば、次のような行為です。  「必要とされる介護や世話を怠り、高齢者の生活環境・身体や精神を悪化させる行為」   ・入浴しておらず異臭がする。   ・髪、ひげ、爪が伸び放題。   ・汚れのひどい服や破れた服を着せている。   ・褥瘡ができるなど体位の調整や栄養管理を怠る。   ・おむつが汚れている状態を日常的に放置している。  「高齢者の状態に応じた介護を怠ったり、医学的診断を無視した行為」   ・医療が必要な状態にも関わらず受診させない。   ・救急対応を行わない。   ・処方通りに服薬させない。   ・処方通りの治療食を食べさせない。 「必要な用具の使用を限定し、高齢者の要望や行動を制限させる行為」   ・ナースコール等を使用させない、手の届かないところに置く。   ・必要なメガネ、義歯、補聴器等があっても使用させない。 「高齢者の権利を無視した行為またはその行為の放置」   ・他の利用者に暴力をふるう高齢者がいるにも関わらず、なんら高齢者が被害を受けないような予防的手立てをしていない。 神奈川県

心理的虐待 高齢者に対する著しい暴言又は著し く拒絶的な対応その他の高齢者に著 しい心理的外傷を与える言動を行う こと 神奈川県 【心理的虐待】 心理的虐待は、「高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」と高齢者虐待防止法にはあります。  例えば、次のような行為です。  「威嚇的な発言、態度」   ・怒鳴る。罵る。   ・「追い出すぞ」など脅す。  「侮辱的な発言、態度」   ・排泄の失敗や食べこぼしなどを嘲笑する。   ・排せつ介助の際に、「臭い」、「汚い」などと言う。   ・利用者を子ども扱いするような呼称で呼ぶ。  「高齢者や家族の存在や行為を否定、無視するような発言、態度」   ・「意味もなくコールを押さないで」、「なんでこんなことができないの」などと言う。   ・他の利用者に高齢者や家族の悪口等を言いふらす。   ・話しかけ、ナースコール等を無視する。  「高齢者の意欲や自立心を低下させる行為」   ・トイレで使用できるのに、職員の都合を優先し、本人の意思や状態を無視しておむつを使う。  「心理的に高齢者を不当に孤立させる行為」   ・本人の意思や状態を無視して面会させない。  「その他」   ・車椅子で速いスピードで走らせて移動介助し恐怖感を与える。   ・利用者の顔に落書きをして、それをカメラ等で撮影して他の職員に見せる。 神奈川県

性的虐待 高齢者にわいせつな行為をすること又 は高齢者をしてわいせつな行為をさせ ること 【性的虐待】 性的虐待は、「高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること」と高齢者虐待防止法にはあります。  例えば、次のような行為です。  「本人との間で合意が形成されていない、あらゆる形態の性的な行為またはその強要」   ・性器等に接触したり、キス、性行為を強要する。   ・性的な話を聴かせること、させること。   ・本人の裸を映像や写真に撮る。また、撮影したものを他人に見せる。   ・排せつや着替えがしやすいという理由で下半身・上半身を裸にしたり、下着のままで放置する。   ・人前で排泄させたり、おむつを交換したりする。また、その場面を見せないための配慮をしない。 神奈川県

経済的虐待 高齢者の財産を不当に処分すること その他高齢者から不当に財産上の利 益を得ること 【経済的虐待】 最後に経済的虐待は、「高齢者の財産を不当に処分することその他高齢者から不当に財産上の利益を得ること」と高齢者虐待防止法にはあります。 例えば、次のような行為です。  「本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人の希望する金銭の使用を理由なく制限すること」   ・金銭を寄付・贈与するように強要する。   ・金銭・財産等の着服・窃盗等で、お釣りを渡さない。   ・立場を利用して「お金を貸してほしい」と頼み、借りる。   ・日常的に使用するお金を不当に制限する。   ・生活に必要なお金を渡さない。 5つの類型について例あげました。 しかし、その行為があったから虐待として認定されるということではなく、虐待の事実確認を認定する市町村が、調査を行ったうえで判断をします。 逆に例にあがっていない行為であっても、虐待として判断される場合もあります。 神奈川県

身体拘束 平成12年4月 介護保険法施行 介護保険施設等での身体拘束が禁止 平成13年3月「身体拘束ゼロへの手引き」 厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」 【身体拘束】 次に、身体的虐待の部分でも触れましたが、身体拘束について説明をします。 身体拘束は、介護保険制度が始まった平成12年に、介護保険施設等での身体拘束が、運営基準において禁止されました。 「生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為をおこなってはならない。」 禁止された身体拘束をどのように廃止していったらよいかなどの考え方が、厚生労働省に設置された「身体拘束ゼロ作戦推進会議」において検討され、平成13年3月に「身体拘束ゼロへの手引き」が作成されました。 厚生労働省のホームページに「身体拘束ゼロへの手引き」は公開されていますので、時間があったら、考え方等についてみていただければと思います。 神奈川県

身体拘束の内容 11項目 徘徊しないように、車いすやいす、ベッド に体幹や四肢をひも等で縛る。 身体拘束の内容 11項目 徘徊しないように、車いすやいす、ベッド に体幹や四肢をひも等で縛る。 転落しないように、ベッドに体幹や四肢を ひも等で縛る。 自分で降りられないように、ベッドを柵 (サイドレール)で囲む。 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないよ うに、四肢等をひも等で縛る。 【身体拘束11項目】 身体拘束の内容について、先程の厚生労働省の手引きでは、次の11項目を、「身体拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為」として考えています。 1 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 2 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 3 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。 4 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢等をひも等で縛る。 神奈川県

点滴・経管栄養等のチューブをぬかないよ うに、または皮膚をかきむしらないように、 手指の機能を制限するミトン型の手袋等を つける。 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上 がったりしないように、Y字型拘束帯や腰 ベルト、車いすテーブルをつける。 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨 げるような椅子を使用する。 脱衣やおむつはずしを制限するために、介 護衣(つなぎ服)を着せる。 5 点滴・経管栄養等のチューブをぬかないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。 6 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。 7 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。 8 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 神奈川県

他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドな どに体幹や四肢をひも等で縛る。 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過 剰に服用させる 自分の意思で開けることができない居室等 に隔離する。 9 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。 10 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる 11 自分の意思で開けることができない居室等に隔離する。 神奈川県

11項目以外の身体拘束 11項目に該当しないが、身体拘束と判断 される事例もある ●言葉による制止(スピーチロック) ●センサーマットも使用方法により   該当することもある 【11項目以外の身体拘束】 以上の11項目が、介護保険指定基準で身体拘束に該当するとされている内容です。 しかし、11項目に該当しない内容であったとしても、身体拘束と考えられるものもあります。 例えば、「言葉による制止(スピーチロック)」や「センサーマット」も使い方次第で、身体拘束と考えられる場合もあります。 【身体拘束の弊害】 身体的弊害 常態化することで、関節の拘縮や筋力低下など身体機能を奪ってしまう危険性がある。=身体的虐待 車椅子に拘束しているケースでは、無理な立ち上がりによる転倒事故。 ベッド柵のケースでは、乗り越えによる転落事故。 精神的弊害 高齢者に不安や怒り、屈辱、諦めといった精神的な苦痛を与える。=心理的虐待 身体拘束によって、さらに認知症が進行し、せん妄が頻発するおそれ。 安易な拘束は、スタッフがケアに対して誇りが持てなくなり、士気の低下を招く 社会的弊害 介護保険施設等に対する社会的な不信、偏見を引き起こすおそれ。 高齢者の機能低下は、さらなる医療的処置を生じさせ、経済的にも影響をもたらす。 高齢者が不適切行為により権利が侵害されている状態に置かれていることは許されるものではなく、身体拘束は、原則的に行わないということを理解してください。 神奈川県

緊急やむを得ない場合 切迫性 利用者本人または他の利用者の生命または身 体が危険にさらされる可能性が高い場合 非代替性  利用者本人または他の利用者の生命または身 体が危険にさらされる可能性が高い場合 非代替性  身体拘束以外に代替する介護方法がないこと 一時性  身体拘束は一時的なものであること 3要件すべてを満たしていることが必要 【緊急やむを得ない場合の3要件】 身体拘束は行ってはならないこととなっていますが、本当に必要な、緊急やむを得えない場合に限り、認められています。 緊急やむを得ない場合とは 「切迫性」「非代替性」「一時性」の3要件をすべて満たしていることが必要です。 神奈川県

慎重な手続きが必要 組織的な判断 丁寧な説明と記録 必要性の再検討 関係者が幅広く参加するカンファレンス等を実施し、組織 的に判断する。 本人や家族に、身体拘束の内容、目的、理由、拘束の時 間・時間帯、期間等を具体的、また、詳細に説明し、理解 を得たことを、書面に残す。 身体拘束の実施の時間・期間、本人の状態等について記録 に残す。 必要性の再検討 「緊急やむを得ない場合」に該当するか、常に観察し、必 要性を再検討する。要件該当しない場合は直ちに解除する (必ず解除した後の状況も記録とる)。 【慎重な手続き】 3要件を満たしていたとしても、身体拘束を実施するためには、慎重に手続きを行います。 緊急やむを得ない場合であるかという判断は、職員個人や少人数のチームで判断するのではなく、施設全体で判断をしなければなりません。 身体拘束を実際に行う場合は、身体拘束の内容、目的、時間、期間を高齢者本人や家族に対して充分に説明し、理解を得るように努める必要があります。 身体拘束を実施している際も、内容や時間や、高齢者の様子について記録を残す必要があります。 また、理解を得ているから、記録を取っているからと言って、永続的に実施できることではなく、あくまでも一時的なものなので、高齢者や環境について評価し、高齢者本人の生命や身体の危険が続いているか、他に方法がないかを検討する必要があります。 要件に該当しない場合は直ちに解除しなければなりません。 身体拘束は原則禁止ですので、家族から安全確保のため、身体拘束の希望が出されたとしても、施設・事業所で3要件を満たしているかなどについて、高齢者の状況を評価するとともに、家族に身体拘束廃止の理解を求めていくことが重要です。 緊急やむを得ない場合があれば、認められるから身体拘束を行っても良いということではなく、原則禁止ということを常に意識に置いておいてください。 神奈川県

高齢者虐待の起きる要因 養介護施設従事者等による高齢者虐待の発生要因 これらの要因は相互に関係している場合が多い 組織運営 チームアプローチ ケアの質 倫理観とコンプライアンス(法令順守) 負担・ストレスと組織風土 これらの要因は相互に関係している場合が多い 【高齢者虐待の起きる要因】 「虐待と思われる行為を受けた利用者側の要因」や「高齢者虐待を行った職員の要因」また、業務が多忙だった等の「その他の要因」があげられるかも知れません。 そのさまざまな要因を、県の手引きでは、次のような5つの要因に分けて考えています。 組織運営 チームアプローチ ケアの質 倫理観とコンプライアンス(法令順守) 負担・ストレスと組織風土 それぞれの内容については、高齢者虐待や不適切なケアの防止の部分で説明をしますが、高齢者虐待の要因はそれぞれの要因が単独であるのではなく、相互に関係している場合が多くあるとともに、虐待の発生に直接関係しなくても、放置されることで虐待などの温床になったり、いくつかの要因が作用することで発生することがあります。 ここで、おぼえておいていたただきたいことは、単に虐待を行った職員個人の問題ではないということです。 以上で、「養介護施設従事者等による高齢者虐待について」の説明を終わります。 神奈川県