参考資料1 行政機関における サービスデザイン 事例 2016年11月24日 電子行政分科会事務局.

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参考資料1 行政機関における サービスデザイン 事例 2016年11月24日 電子行政分科会事務局

海外政府におけるサービス・デザインの推進 英国政府(GDSデザイン原則) 米国政府(デジタル・サービス・プレイブック) ニーズからスタートする 最小限(行政がやるべきことだけやる) データを使ってデザイン シンプルに作ることに注力する 繰り返し、繰り返し行う 誰もが使える 内容を理解する Webサイトではなくデジタルサービスを創る 同一ではなく、持続する 物事をオープンにする、それが物事を良くする 国民ニーズを理解する 開始から終了までの全体を体験として考える シンプルで直感的に作る アジャイルや対話型プロセスでサービスを創る サービス提供をするための、構造化された予算と契約 リーダーを一人決め説明責任を明確にする 経験あるチームを使う 最新技術を選択して使う 柔軟なホスティング環境を用意する 自動テストや導入 再利用可能なプロセスを通じてセキュリティやプライバシを管理する 意思決定にデータを使う オープンをデフォルト化する 先進各国では、サービス・デザイン・チームを設置するとともに、原則やマニュアル、事例集を整備

行政機関におけるサービスデザインとは 行政機関におけるサービスデザインとは、サービスの開始から終了までに利用者が感じる体験に着目し、(全ての関係者を考慮しつつ)、サービス全体で「使いやすく」、「連続性を持ち」、「全体を俯瞰した」サービスを創り、持続していく考え方。 これまでのシステム設計は、自分の提供するサービスのみを最適化していたが、逆に、利用者の視点でサービスを連携し最適化する。

事例 組織横断でのワンストップ情報提供サービス 民間による、組織横断でのワンストップ情報提供サービス 利用者視点でのWebサービスの見直し 復旧・復興支援制度データベース 官公需情報ポータルサイト 法人ポータル(仮称) 民間による、組織横断でのワンストップ情報提供サービス 広報情報配信サービス(マイ広報紙、アストモ) 利用者視点でのWebサービスの見直し Webサイトガイド等 民間による、ワンストップ手続き支援サービス 起業手続支援サービス(Freee) ふるさと納税支援サービス(さとふる) サービス全体での見直し 街の課題収集サービス(ちばレポ) 国や自治体の壁を越えた利用者視点での情報提供 利用者視点で国や自治体の情報配信を補完 府省の壁を越えた利用者視点での情報提供 利用者視点で国や自治体の手続きを補完 利用者視点の業務の見直しと総合的なサービス向上

復旧・復興支援制度データベース サービスデザイン事例として取り上げたポイント 利用者視点で国、自治体横断のワンストップ情報提供サービスを実現 サービス利用の目的 被災した人が、使える支援制度を的確かつタイムリーに入手し、迅速に復旧・復興をおこなう サービスの対象者 被災者(支援者も含む) サービスデザインの実施主体 内閣官房、経済産業省、復興庁 サービスの概要 国と自治体の支援制度情報を一元的に検索可能にする 情報の形式を揃えることにより一覧性を向上 さらに民間と連携することが可能になるようにAPIを提供 示唆 住民の視点で、国と自治体の提供情報を一元化することは有効である 情報の提供を効率的に行うには情報の標準化が重要 サービス全体像を考えたうえで外部サービスと連携可能なように必要に応じてAPIを提供することが重要

国と自治体の被災者支援制度を一元的に収集して、検索可能なデータベースとして提供している。 復旧・復興支援制度DBの概要 国と自治体の被災者支援制度を一元的に収集して、検索可能なデータベースとして提供している。 窓口相談 フリーダイヤルとも連携 行政機関職員、行政書士等の   行政業務の専門家による相談 府省 web 標準フォーマット 制度 利用者 API 自治体 追加された制度は設定した条件に応じて配信可能 東北教育支援ネットワーク 官民の各種情報が検索できます 奨学金検索 教材検索 学校検索 900件を超える支援制度 外部によるサービス (企業、NPO、個人 他) https://www.r-assistance.go.jp/

復旧・復興支援制度DBにおけるサービスデザイン 支援制度を受ける人、使う人の立場になって、情報を収集し、比較検討しやすい形で情報を提供 従来の流れとユーザーの感覚 改革後 支援制度情報の収集 思いつく支援制度提供先から情報を収集 支援制度関連冊子を収集 口コミによる情報収集 制度の比較 様々な記述方法の制度情報を比較 申請 申請に必要情報の確認 支援実施 ・国・自治体横断で一元的に情報を検索 ・登録条件に従い配信 ・探すのが大変 ・同じ記述様式のデータを比較 ・どうやって見るのだろう ・必要情報は記述項目で確認 ・どこに聞けばよいのかな ※民間の提供する復旧復興支援ナビではAPIを使って、国、自治体、民間のサービスを検索可能にしている 従来は、支援制度提供組織が中心になって情報提供していたので、利用者は探しにくかった ワンストップで検索

官公需情報ポータルサイト サービスデザイン事例として取り上げたポイント 利用者視点で国、自治体横断のワンストップ情報提供サービスを実現 サービス利用の目的 自社製品を行政機関に売りたい人に的確に情報を提供する (競争を促進し良いものを適正な価格で購入する) サービスの対象者 物品や役務の販売をしたい人 (国、自治体) サービスデザインの実施主体 中小企業庁 サービスの概要 国、自治体の調達情報を収集し、データ形式を整えたうえで提供する 示唆 各組織が改革しなくても、オープンデータを使ってサービスを代行することが可能 自治体に共通的なAPIがあれば効率的な情報収集が可能

官公需情報ポータルサイトの概要 政府機関、自治体の調達公告情報を一元的に収集できるサイト。自転車、顕微鏡等の調達品を全文検索可能。エリアや期間設定も可能。 公共調達を軸に地域活性化を期待 入札公告情報の収集 (検索、RSS) 収集 (自動クロール) 中小企業 日々の調達情報が簡単に入手できるので、ビジネスチャンスが広がった。 現データへのリンク 提案の幅が増えた。 中小企業庁 http://www.kkj.go.jp/s/ 地元の企業が、広域で活用しているぞ。 国、自治体(約4000サイト) 月間約18万アクセス

官公需情報ポータルサイトにおけるサービスデザイン 調達に参加したい人の立場になって、情報を収集し、比較検討しやすい形で情報を提供 調達情報の収集 思いつく調達制度提供先から情報を収集 官報・広報を確認 有料サービスを購入 案件の比較 仕様書の入手(手交、郵送等) 手作業で関連案件を抽出 資格登録 調達機関の資格情報を確認 資格申請(資格がない場合) 提案・入札 郵送 ・国・自治体横断で一元的に情報を検索 ・登録した条件で配信 ・探すのが大変 ・同じ記述様式のデータを比較 ・なぜダウンロードではないのか ・資格登録を統一してほしい ・最後は郵送か 調達情報の収集は手作業の場合が多く。案件を見つけても、仕様書入手、資格等の障壁があった ワンストップで検索可能

法人ポータル(仮称) サービスデザイン事例として取り上げたポイント 利用者視点で府省横断のワンストップ情報提供サービスを実現 サービス利用の目的 特定法人の基本的な活動情報を収集し、事業に役立てる サービスの対象者 法人間の取引などのある人 サービスデザインの実施主体 内閣官房、経済産業省 サービスの概要 法人名や地域などの検索条件により、条件に合った法人の住所等の基本情報、資格、表彰、国との契約情報が一覧できる 示唆 府省毎のWebページで情報を公開しても、利用者に情報は届かないが、集約することで、利用者の検索時間削減などの効果がある 府省も広報効果を上げることができる

法人ポータル(仮称)の概要 府省の持つ契約や資格、表彰情報などを一元的に検索可能 取引先の新規開拓、照会等が可能 法人ポータル 関心のある企業を検索 法人ポータル 府省の持つ情報を登録 契約情報 補助金情報 届出情報 資格情報 表彰情報 処分情報  等 APIを使って付加価値を付けたサービスを提供可能

法人ポータル(仮称)におけるサービスデザイン 法人情報を使う人の立場になって、情報を収集し、比較検討しやすい形で情報を提供 法人関連情報の収集 思いつく情報提供先から情報を収集 Webを検索 口コミを使う 法人情報の比較 不統一な形式の情報を比較 連絡する 電話やメールで相手の法人に連絡する 取引 郵送等 ・府省横断で一元的に情報を検索 ・登録した条件で配信 ・いろいろなサイトを見るのが大変 ・同じ記述様式のデータを比較 ・いろいろなサイトを見るのが大変 法人の各種情報を入手するのが大変だった ワンストップで検索可能

広報情報配信サービス(マイ広報紙、アストモ) サービスデザイン事例として取り上げたポイント 自治体横断で利用者視点のワンストップ情報提供サービスを民間が実現 サービス利用の目的 広報紙やリーフレットに載っているイベントや制度などの情報を一括して入手する サービスの対象者 イベントなどを探している人 サービスデザインの実施主体 株式会社パプリカ、バイザー株式会社 サービスの概要 各自治体が従来は紙を中心にして公表してきた情報を、自治体の壁を越えてWebサイトで広域で案内をする 示唆 民間サービスを活用することで、自治体は質の良い情報を提供することに集中できる。また、配信を広範囲にマルチデバイスで行うことができる

広報情報配信サービスの概要 複数の自治体等の広報情報を、一括して閲覧することが可能 読み手に合ったスタイルで配信 花火特集などの情報のまとめも可能 ・親の住んでいる地域の広報紙が読める ・周辺自治体の広報誌が読める 広報紙情報を登録 https://mykoho.jp/ ・目的に沿ってイベントを検索 http://www.asutomo.net/ リーフレットを登録

広報情報配信サービスにおけるサービスデザイン イベントに行く人の立場になって、情報を収集し、比較検討しやすい形で情報を提供 情報の収集 思いつく情報提供先から情報を収集 Webを検索 口コミで収集 情報の比較 不統一な形式の情報を比較 申し込む 申し込み情報を収集する 電話やメールで申し込む 参加 郵送等 ・一元的に情報を検索 ・いろいろなサイトを見るのが大変 ・同じ記述様式のデータを比較 ・比較するのが大変 自治体の各種情報を入手するのが大変だった ワンストップで検索可能

Webサービスの見直し サービスデザイン事例として取り上げたポイント 利用者が情報を入手しやすい環境の整備 サービス利用の目的 政府の情報を知りたい、入手したい サービスの対象者 だれでも サービスデザインの実施主体 内閣官房 サービスの概要 Webのデザインなどのガイドの提供やドメインの整理によって、Webサイト全体の体系を整理 示唆 検討過程で各サイトのよい取り組みが比較でき、よりよい解決策が検討できる

ガイドに沿って、メニュー位置と項目を統一 Webサービス見直しの概要 府省のサイトの視認性や使いやすさを向上させるためにWebサイトガイドを整備 ドメイン管理ガイドで利用者に安全でわかりやすいサイト体系を推進中 Webデザインの変更 ドメインリストの整備 2013年5月時点 2016年9月時点 ガイドに沿って、メニュー位置と項目を統一 2013年5月時点 2016年9月時点 ドメインの全容を把握していなかった ガイドに沿って管理し、一覧として公開

Webサービス見直しにおけるサービスデザイン 複数サイトを検索する場合の動線を検討し、サイトデザインのひな型等を作成 目的に沿ったサイトの発見 政府のサイトを検索 複数サイトを検索 サイト内の情報検索 サイト内の詳細情報を検索 サイトの情報の活用 使ってよいか規約を確認する ・ドメイン一覧を整理 ・探している情報があるサイトがわからない ・基本デザインと項目を統一 ・メニューがバラバラでわからない ・利用条件等を統一 ・ルールが不統一 各種情報を入手するのが大変だった 複数サイトを検索するのが容易

起業支援サービス(freee) サービスデザイン事例として取り上げたポイント 利用者視点のワンストップ手続きサービスを民間サービスとして実現 サービスの目的 会社をスムースに起業したい サービスの対象者 起業する人 サービスデザインの実施主体 Freee株式会社 サービスの概要 起業に必要な情報を入力することで、複数府省に提出する書類を作成することができる 示唆 行政側が改革しないのであれば、そのうえでサービスを代行することが可能 APIがあれば書類提出なども実施可能

起業支援サービス(freee)の概要 画面のWebフォームに情報を入力していくだけで、申請書式を意識せずに簡単に各種申請書類を作成可能。 画面の質問に答えていくことで各種申請用紙を一括して作成 企業名や住所などを繰り返し入力する必要はない https://www.freee.co.jp/

起業支援サービス(FREEE)におけるサービスデザイン 行政機関に提出が必要な書類作成支援を行う。 定款等の準備 本を見て作成 公証の実施 登記 法務局への提出 郵送もできるが差し戻しがあると面倒 税・社会保険等 様々な書類を解説を見ながら作成 解説がわかりにくい 添付書類を準備 口座開設等 登記書類を持って申請 ・freeeに入力 ・わかりにくい ・わかりにくい ・出力した内容を届け出 ・出力した内容を届け出 ・わかりにくい ・添付を省略したい 書類作成と添付書類が大変であった 書類作成を簡素化、迅速化

ふるさと納税支援サービス(さとふる) サービスデザイン事例として取り上げたポイント 利用者視点のワンストップ手続きサービスを民間サービスとして実現 サービスの目的 ふるさと納税の納税策の選定と手続きを簡単に行いたい サービスの対象者 納税者 サービスデザインの実施主体 FREEE サービスの概要 ふるさと納税の情報を自治体横断で収集することができ、その後の納税手続きも可能 示唆 民間サービスを活用することで、利用者の利便性向上と、行政側の事務処理負担を軽減できる

ふるさと納税支援サービス(さとふる)の概要 様々なふるさと納税の情報を集約して提供 利用者は、多くの自治体の中から、寄付対象自治体を選択可能。 また、寄付可能額を管理する機能なども提供 自治体は広く広報することができる。また、決済などの処理もできる。 情報 情報 寄付 寄付 個人 アカウント 管理 http://www.satofull.jp/

ふるさと納税支援サービスにおけるサービスデザイン 各自治体で広報しても、広がらず、利用者からみると探しにくい課題があったが、利用者の視点で民間がポータルを整備した。 納税先の選択 ゆかりのある地などを選択 支援内容等の選択 納税先のWebやガイドで使途や返礼品を選択 納税 振り込みの実施 返礼品の受領 ・寄付額や品目で比較選択可能 ・探すのが大変 ・納税処理申告後に別画面で公金収納可能 ・振り込みに行くのは面倒 ・残りの納税可能額を知りたい ・納税可能額を管理 各自治体のサイトを探すのが大変だった 幅広い情報から選択可能 ワンストップで手続きが可能

街の課題収集サービス(ちばレポ) サービスデザイン事例として取り上げたポイント 徹底した利用者視点とゲーム感覚の工夫 サービスの目的 快適な町に住みたい サービスの対象者 市民 サービスデザインの実施主体 千葉市 サービスの概要 市民がスマートフォン等を使って市内の課題を市に報告。 市では、対応状況を公開。 市から課題を提示し、情報提供してもらう取り組みも実施。 示唆 市民の利便性を向上しながら、行政の効率も向上するWin-Winな仕組み 市民と協力することで、これまで集めきれなかった情報を収集

ちばレポの概要 市民はスマートフォンを使って簡単に課題の報告が可能 街の課題を迅速に収集することができ、対応も迅速になった。 報告の課題を出すことでゲーム感覚で参加可能 (カーブミラーの腐食確認等)

ちばレポにおけるサービスデザイン スマートフォンの機能を活用し、これまでの業務の流れを大きく変更 街の課題を効率的に集めたかった 発見する 金網の破れなど街の課題を発見 (職員の巡回には限界がある) 通報する 通報するのが面倒 口頭で説明しても伝わらない 修理を待つ 職員が課題を発見するか、誰かが通報してくれて修理されるのを待つ (通報ベースではないので時間がかかる) 日常に戻る ・市民が気が付く ・スマホで写真と位置情報を 通報 ・面倒なので通報しない ・近隣住民が修理 ・可視化されるので修理時間も改善 街の課題を効率的に集めたかった 課題解決時間が短縮

サービスデザインの事例から学ぶこと サービスデザインは、行政側も楽になる仕組みが必要 インタフェースを定義することで、民間がサービスを開発してくれる分野は多い 行政の場合、一気にサービス開始から終了までのサービスを提供できることは少ない。できるところからに進めていくことが重要 開発においてユーザの声を取り入れていくことが重要 現場はITに詳しいわけではなく、専門チームによるサービス立ち上げ支援も重要