半導体による大面積硬X線観測 2010年くらいから硬X線領域(10-60keV)での 望遠鏡観測が開始 高感度撮像により さまざまな天体の非

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半導体による大面積硬X線観測 2010年くらいから硬X線領域(10-60keV)での 望遠鏡観測が開始 高感度撮像により さまざまな天体の非 深沢泰司、大杉節、宇野進吾 (広島大理) 2010年くらいから硬X線領域(10-60keV)での 望遠鏡観測が開始 高感度撮像により さまざまな天体の非 熱的X線の観測が 可能に。 特に暗い硬X線天体 コンパクトに広がった天体

硬X線望遠鏡 2010年ごろの第1世代の望遠鏡 10-60keVで面積1,000cm2ほど 視野10分角くらい 少し弱い 短時間変動によるスペクトル変化 大きく広がった天体 大面積、視野の大きい観測が有利 大面積にするのが大変 製作、重量、コスト 大型ミッションでないと実現できない

大面積10,000cm2以上、1度くらいの視野がほしい 望遠鏡以外の候補 ガス検出器 実績あり 阻止能が小さい 読み出し容易 高圧が必要 シンチレータ 実績あり、安定 BGD高い 読み出し容易 ΔE悪い 重い シリコンストリップ 実績あり、安定 読み出し大変 軽い、BGD低い コンパクト可 読み出し大変 CdTe 阻止能高い コンパクト化 実績少ない

シリコンストリップ検出器(SSD) アイデアと最初の試作: Kemmer et al (late 1970s) 日本(浜松ホトニクス), イギリス, スイス, イタリア 安定した動作と耐放射線劣化は、加速器実験で実証済み GLASTのものは、広島大学が中心に開発

Encapsulated wire bonds 高エネルギー実験で1加速器あたり数万枚近く 使われている 大面積も可能 6インチウェーハ-上に不感ch 0.05%以下 の高性能のものを実現(広島大学、HPK) ワイヤーボンディング技術も確立 ストリップどうしの結線 ストリップとアンプの結線 Edge joint and wire bonds before encapsulation Encapsulated wire bonds

e+e-対生成粒子の飛跡検出器としてSSD SSD使用により大面積、大きな視野 位置決定精度の飛躍 1万枚近くが使われる。 最近になって宇宙観測に使われ始めてきた GLAST衛星(2006-) 10MeV--300GeVの次世代ガンマ線衛星 e+e-対生成粒子の飛跡検出器としてSSD SSD使用により大面積、大きな視野 位置決定精度の飛躍 1万枚近くが使われる。 EGRET GLAST Field of View 0.5sr 2.4sr (20% of 4π) 有効面積 1,500cm2 11,000cm2 1イベント デッドタイム 100ms 20μs 点源位置決定精度 5--30分 0.5--5分 点源感度 ~1×10-7cm-2s-1 ~1×10-7cm-2s-1(1日) ~2×10-9cm-2s-1(2年) 検出天体数             271 >10000 ガンマ線コンプトンカメラにも応用されようと している(50-300keV)

GLAST衛星の構成 日本から広島大学、理研、宇宙研、東工大が参加 SSD製造、Geant4などソフト、キャル Delta II 7920 H Large Area Telescope (LAT) 2560 kg, 600 W, 1.73²  1.06 m Si -Pb Tracker CsI Calorimeter Anti-Coincidence Detector Gamma-ray Burst Monitor 日本から広島大学、理研、宇宙研、東工大が参加 SSD製造、Geant4などソフト、キャル

GLASTに搭載されるSSD 0.4mm厚 0.384mmストリップ間隔 全部で約8000枚 (16*16枚*32層) 12,000cm2の有効面積 15cm この量のSSDを用いれば、 大面積硬X線検出器 になる Si:30kg + 望遠鏡衛星 コリメーターを考える

ブラックホール、中性子星などのコンパクト 天体の短期時間変動によるスペクトル変化 の観測 大面積検出器のみ可能なサイエンス ブラックホール、中性子星などのコンパクト 天体の短期時間変動によるスペクトル変化 の観測 望遠鏡衛星よりも 精度の良いスペクトル CygX-1 例えば、 HerX-1 3C273 10ks観測 3C273 100ks 10ks

コンパクト星の近傍を探るには、 できるだけ短時間の変動を測定するべし 硬X線は、コンパクト星近傍の変化に敏感 大面積SSD 吸収線 望遠鏡衛星 吸収線 (デッドタイムなしと仮定)

BGO結晶でActive Shieldすれば低バックグラウンド 4*10-5c/s/cm2/keV Astro-E HXD が可能に。 2mm SiのBGD コリメータ 視野 1度くらい 銀河団の非熱的X線観測 数10分に広がっている Coma 銀河団 大面積SSD BGD3%の 再現性を仮定 望遠鏡 低温の銀河団(Cen, Virgo) に有効(熱成分の影響小)

大面積コリメーター型のX線衛星 Ginga, RXTEが いることを考えれば、一考の価値あり 速い時間変動 広がった放射観測(スキャン観測も併用) CXBの10-60keVでの揺らぎ 広域サーベイ

開発項目 0.4mm ----> 1mm厚にしてch数減らす 容量性ノイズの許す限り、パルスハイト測定 は複数ch間でサム ただし、トリガーは、ch個別に バックグラウンド除去 壊れたch除去 コリメータと合わせて粗い位置測定 読み出し系開発 低ノイズ化 BGOによる低BGD化

開発の現状(広島大学、宇宙研、東大) 多重コンプトン散乱検出器の一環として 開発を進めている ΔE~1keVは達成 実験のセットアップの写真 Siストリップ 22.1 keV RCチップ 24.9 keV 39 mm ストリップ本数 : 64 ピッチ間隔 : 0.2 mm 実験のセットアップの写真