6月19日 RoutingとRouting Protocol 大竹 由美子 ネットワークプランニング 6月19日 RoutingとRouting Protocol 大竹 由美子 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE パケット転送 E0 : 150.193.4.1 E2 : 150.193.12.1 Mac(E0) Mac(E2) 150.193.12.0/22 あて先 転送先 150.193. 4.0/22 150.193.12.0/22 自分で直接送信 150.193.4.1 150.193.12.2 150.193.4.2 150.193.4.2 255.255.252.0 Mac(H1) 150.193.12.0 AND 演算 150.193.12.2 Mac(H2) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE パケット転送 E0 : 150.193.4.1 E2 : 150.193.12.1 Mac(E0) Mac(E2) 150.193.12.0/22 150.193.12.2 150.193.4.2 150.193.4.2 Mac(H1) 150.193.12.2 Mac(E0) Mac(H1) 150.193.12.2 150.193.4.2 Mac(H2) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE パケット転送 E0 : 150.193.4.1 E2 : 150.193.12.1 Mac(E0) Mac(E2) 150.193.12.0/22 あて先 転送先ポート 150.193.4.0/22 150.193.12.0/22 E0 E2 150.193.12.2 150.193.4.2 150.193.4.2 Mac(H1) 150.193.12.2 Mac(H2) Mac(E2) 150.193.12.2 150.193.4.2 Mac(E0) Mac(H1) 150.193.12.2 150.193.4.2 Mac(H2) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ルータの機能 ネットワークセグメントを接続する Layer3の階層的アドレスに基づいて最適な経路を決定する 着信ポートから適切な送信ポートへパケットを転送する Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ルータのInterface 複数ネットワークセグメントを接続する ネットワークの接点=Network Interface 複数のネットワークを結ぶためには複数のNetwork Interfaceが必要 Network InterfaceにはIP Addressが必要 ホストに必要なのではない Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE カプセル化(復習) データ アプリケーション層 プレゼンテーション層 セッション層 トランスポート層 ネットワーク層 データ・リンク層 物理層 データ ネットワーク・ ヘッダ セグメント データ ネットワーク・ ヘッダ パケット フレーム・ ヘッダ データ フレーム・ トレーラ フレーム 10010111010111010110001011000011 ビット 物理アドレス (MAC) 論理アドレス (IP) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 宛先と送信元 あるホストにデータを送りたい 宛先 送信元 フレーム・ヘッダ MAC Address MAC Address ネットワーク・ヘッダ IP Address IP Address フレーム・ ヘッダ ネットワーク・ ヘッダ データ フレーム・ トレーラ 物理アドレス (MAC) 論理アドレス (IP) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 宛先までの経路の学習 ルータ同士が経路情報(Routing Table)を交換するから どうやって交換するの? ルータ同士が経路情報を交換できるプロトコルを使うの そのプロトコルは何? ルーティングプロトコル Copyright Yumiko OHTAKE
Routing Protocol と Routed Protocol ルータによって中継されるプロトコル 例: IP, IPX 注意)ネットワーク層をサポートしていないNetBEUIなどはルーティングできない Routing Protocol(ルーティングプロトコル) テーブルを維持するためにルータ間で使われる 例: RIP (Routing Information Protocol) IGRP (Interior Gateway Routing Protocol) EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol) OSPF (Open Shortest Path First) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ルーティング ルータはネットワーク層で宛先を判断する アプリケーション プレゼンテーション セッション トランスポート ネットワーク データ・リンク 物理 アプリケーション プレゼンテーション セッション トランスポート ネットワーク データ・リンク 物理 ネットワーク データ・リンク 物理 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ルーティング ルータは宛先アドレスを参照するため、受信したフレームをパケットに分解 ルーティングテーブルから検索し、再度データリンク層フレームにカプセル化し、適切なインターフェイスに送信 フレーム・ ヘッダ ネットワーク・ ヘッダ データ フレーム・ トレーラ ルータが受信したフレーム フレームヘッダを取り除き 宛先IPアドレスを確認する フレーム・ ヘッダ ネットワーク・ ヘッダ フレーム・ トレーラ データ フレーム・ ヘッダ ネットワーク・ ヘッダ データ フレーム・ トレーラ フレームに再カプセル化し 適切な宛先に送信する 宛先がなければパケットを破棄する。 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ルーティングテーブル ルータに保存される経路選択情報 宛先までの経路およびメトリック(距離) 隣接している機器情報だけでなく、ルーティングプロトコルで交換されたルータ情報が保存されている B 宛先ネットワーク 送出ポート A B C E0 E1 S0 E1 A E0 S0 C Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 経路はいつも同じ? ルーティングプロトコルで決まる経路はいつも同じ?それとも違う? 常に同じ行き方をして欲しいときは静的ルーティング 状況に応じて最適な経路を選択して欲しいときは動的ルーティング Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 静的(スタティック)ルーティング 手動でルーティングテーブルを作成し、常に一定の経路を経由するようにすること スタブネットワーク(外部と一箇所で接続されたネットワーク)のときなどに使用する 例)PC 利点 負荷が低い 欠点 ネットワークが増えるとすべての機器に設定を追加しなければいけない Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 動的(ダイナミック)ルーティング ルーティングプロトコルを用いて随時最適なルートを選択することを動的ルーティングという 利点 自動でネットワーク状況の変化に対応するので手間がかからない 欠点 負荷が高い 帯域幅を消費するのでトラフィックが多いと影響する Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE RIP ディスタンス ベクタ ルーティング プロトコル メトリックはホップ数だけで決まる。 ホップの最大数は15。 30秒ごとにアップデートする。 必ずしも最速の経路をパケットが選択できるとは限らない。(次ページ参照) アップデート送信のために多量のネットワークトラフィックを生成する。 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE RIP ホップ数のみで経路を選択する (帯域幅を考慮しない) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE RIP ホップ数は15まで 12 11 10 13 15 16 9 14 7 3 2 1 4 5 8 6 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE メトリック 経路を決定にするために参考にするもの ホップ数 帯域幅 負荷 遅延 信頼性 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE RIP2 ルーティングはRIPと同じ クラスレスなアドレス処理 RIPはクラスフルな処理しかできない Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE OSPF リンク ステート ルーティング プロトコル ネットワークをエリアに分割し、エリア内のネットワークのすべてのトポロジを交換する メトリックは管理者が決定できる(どのメトリックを重要視するか重み付けができる) パケットはメトリックのもっとも小さな経路を選択する Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 宛先と送信元 あるホストにデータを送りたい 送信元 MAC アドレス IP アドレス 宛先 www.cisco.com % nslookup www.cisco.com Server: dns-tokyo.cisco.com Address: 64.104.14.184 Name: www.cisco.com Address: 198.133.219.25 DNS 198.133.219.25 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE なぜ届く? アプリケーション プレゼンテーション セッション トランスポート ネットワーク データ・リンク 物理 FTP HTTP SMTP DNS DNS FTP TCP UDP IP RARP ARP インターネット LAN WAN Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ISPの内部構造(概略図) ISP Network ルータ ルータ IGP IGP ルータ ルータ IGP Network ルータ 他のISPへ Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 経路(ルート) ルータの主な仕事 目的ネットワークへ到達する経路の選択 パケット転送 経路選択(ルーティング) ネットワーク層(L3) のIPアドレス ルーティングテーブルによる経路評価 ルーティングテーブルの収集 ルーティングプロトコルのタイプ 最適な経路に対するインターフェイスへの転送 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 経路(ルート)の種類 静的ルート 管理者が手動で設定・更新する経路 動的ルート 状況に応じて自動的に設定・更新される経路 ルータ間で交換される Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 静的ルート メリット セキュリティ高 ネットワークについての情報をルータ間で交換しなくてよい データ量の減少 ネットワークへ経路が 1 つだけの場合(スタブ・ネットワーク) オーバーヘッドを防ぎ、負荷を減少 デメリット 大規模・高信頼性ネットワークには不向き 全てのネットワークの経路情報を書くのは負荷高 経路情報の設定ミス、忘れなどを起こしやすい Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 静的ルートのコマンド例 172.16.1.1 172.16.1.2 172.16.0.0/16 : S0 192.168.2.0/24 : E0 S0 172.16.0.0/16 E0 ルータは、192.168.1.0/24 を知らない。 でも人間は知っている。 192.168.1.0/24 192.168.2.0/24 Router(config)# ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 172.16.1.1 Router(config)# ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 S0 Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE show ip routeコマンド ルーティング・テーブルの内容を調べる アドバタイズされたルーティングテーブルの内容と種類 直接接続されているネットワークやサブネットワーク C:直接接続、S:静的ルート、R:RIP、I:IGRP Copyright Yumiko OHTAKE
ルーティングテーブルの見方 S 192.168.2.0/24 [1/0] via 192.168.1.2 メトリック値 S 192.168.2.0/24 [1/0] via 192.168.1.2 Routing Protocol 受信したネットワークアドレス Administrative Distance 経路情報の送信元 その他、 どのくらい前に経路情報を受け取ったか、 どのインターフェイスを通じて受け取ったか などの情報が表示される Administrative Distance Static --- 1 IGRP --- 100 OSPF --- 110 RIP --- 120 Routing Protocolは 複数同時使用可 同じ経路情報が複数のRouting Protocolによって受信していた場合は、この値によって信頼すべき情報を選択する Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 経路交換の仕組み - 1 Network A Network B Network C Network D A ← 0 B → 0 B ← 0 C → 0 C ← 0 D → 0 初期状態 A ← 1 B → 1 B ← 0 C → 0 B ← 0 C → 0 A ← 1 + 隣から来たルーティングテーブルのホップ数には必ず1を足す 同じ経路が存在した場合はホップ数を比較し、大きいものを破棄する B ← 0 C → 0 A ← 1 D → 1 B ← 0 C → 0 A ← 1 C ← 1 D → 1 + Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 経路交換の仕組み - 2 6.2.5 Network A Network B Network C Network D A ← 0 B → 0 B ← 0 C → 0 A ← 1 D → 1 C ← 0 D → 0 B ← 1 C → 1 A ← 2 D → 2 C ← 0 D → 0 C → 0 D → 0 A ← 2 B ← 1 + Copyright Yumiko OHTAKE
ディスタンス・ベクタルーティングプロトコルの問題点 ルーティング・ループ ③パケットがループしてしまう A経由(Hop2)で行けるよ E経由(Hop1)で行けるよ D経由(Hop5)で行けるよ 直接行けるよ B経由(Hop3)で行けるよ ①Network1がダウン A経由(Hop2)で行けるよ C経由(Hop4)で行けるよ ②間違った情報を信じてしまう Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE 問題点の解決方法 最大値カウント メトリックが15を超えたらパケット破棄 スプリットホライズン 教えてもらったルータに同じ情報は教えない ポイズンリバース 自分が持っているネットワークが落ちたことを無限遠(RIPだと16)として告知 ホールドダウンタイマー ルートの変更情報を全員に伝わるまで待つ Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE ルーティングプロトコル動作確認コマンド show ip rip database RIPデータベースを表示 show ip protocols ルータに設定済みのルーティングプロトコルに関連する情報 show ip route IPルーティングテーブルを表示 show ip interfaces インターフェイスのレイヤ3情報を表示 Copyright Yumiko OHTAKE
show ip protocols コマンド(RIP) ルーティング・タイマとネットワーク情報の確認 ルーティング更新は 30 秒ごとで、次の更新まで 13 秒 アドバタイズするネットワーク アドミニストレーティブ・ディスタンスが 120 Copyright Yumiko OHTAKE
show ip interfaces コマンド I/Fの状態とパラメータの確認 送受信できるI/Fは、「UP」 送受信できないI/Fは「DOWN」 レイヤ3情報も表示(show interfaceでは表示されない) Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE コマンドまとめ PC, ルータ(左)はIPアドレス、RIP等の設定が終わっているとする。 ② 172.16.1.2 ① ① interface ethernet 0 ip address 192.168.2.1 255.255.255.0 interface serial 0 ip address 172.16.1.1 255.255.0.0 172.16.0.0/16 : S0 192.168.2.0/24 : E0 172.16.1.1 192.168.2.1 192.168.1.0/24 ② router rip network 192.168.2.0 network 172.16.0.0 172.16.0.0/16 : S0 192.168.2.0/24 : E0 192.168.1.0/24 : 172.16.1.2 ①直近までOK ②隣の隣以降もOK Copyright Yumiko OHTAKE
Copyright Yumiko OHTAKE まとめ ディスタンス・ベクタルーティングプロトコル ルーティングループという問題 最大値カウント スプリットホライズン ポイズンリバース ホールドダウンタイマー RIP 更新間隔は30秒 メトリックはホップ数のみ アドミニストレーティブディスタンスは120 トラブルシューティング show ip route, show ip protocols, debug コマンドなど Copyright Yumiko OHTAKE