現代の経済学B 植田和弘「環境経済学への招待」第3回 第7章 環境制御への戦略と課題 京大 経済学研究科 依田高典
1 環境と技術 技術進歩と環境保護との関係: 自動車排ガス規制 →技術革新・燃料節約 →国際競争力 →自動車産業の発展 環境技術: 法定依存型需要 環境政策の明確な目標が不可欠
汚水やダストを含む廃棄物→土壌地下水汚染 対症療法的政策から未然防止的政策へ (2) エコロジーに適合しない技術: 環境政策下での環境技術の欠陥: 終末処理技術中心: 汚水やダストを含む廃棄物→土壌地下水汚染 対症療法的政策から未然防止的政策へ (2) エコロジーに適合しない技術: 大規模な下水道→水の循環破壊 (3) 発展途上国にとって高価な技術 今後の環境技術の発展方向: 環境技術の生産技術への内生化: クリーナープロダクション技術 (2) 途上国においても利用可能な技術 適地技術
環境情報を公開しないことの紛争解決取引費用は大きい 2 環境と情報 環境情報の公開と共有化 環境情報の違いや非対称性 有害物質の包括的な管理対策 TRI 有害物質のデータベース化 環境情報を公開しないことの紛争解決取引費用は大きい エコラベル制度: 環境に優しい製品 グリーン調達制度と結びつく効果
・環境政策を技術革新のてこになるように設計できないか 3 環境と税 政策課題にのぼる環境税: ・地球温暖化防止対策の炭素税 ・市場の失敗 環境政策手段 ・国際競争力へ及ぼす影響 産業界の強い反対: ・環境政策を技術革新のてこになるように設計できないか 環境税の発達史: ・環境政策の経済的手段ではなく、 環境対策費用の財源調達 ・環境税の二重配当論 ・外部不経済の内部化 ・既存税の軽減化
→ 環境破壊を未然に防止する法的権利の枠組み 5 環境制御と行財政システム 環境保全法の制定: 1969年スウェーデン・アメリカ 1970年日本 環境政策: 環境権を保証する環境制御システムの構築 公害裁判: 原告の損害賠償・加害企業の法的責任 → 環境破壊を未然に防止する法的権利の枠組み 公共信託財産の法理: 環境は将来世代を含む一般公衆のもの
環境権を実質化させる実効的な政策の具体化: 基本権としての環境権と 私権としての環境権による開発優先のストップ (2) 行政手続きへの住民参加の保証: 環境情報の公開が必要 環境アセスメント: 環境影響評価 開発行為の環境に及ぼす影響を予測・評価・政策判断 環境アセスメントの科学性の向上 情報公開と住民参加の必要性 以上 ここまで