Android端末によるロボット制御とその評価

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ロボット制御のソフトウェ ア: シミュレータ試作 情報理工学部 情報知能学科 H 207051 中谷聡太郎.
Advertisements

初歩的情報リテラ シーと アンケート集計のた めの Excel ・ SPSS 講 座 2002 年 5 月 14 日 政策科学部助手 山田 一隆.
多入力パルス波高分析システムの開発 環境計測 小栗 康平  京都府立大学 環境情報学科 環境計測 卒論発表会.
RoboCarTM カーロボティクス・プラットフォーム 電気自動車 充実した環境認識プラットフォーム スケールモデル ユーザアプリ
心理検査の持ち帰り実施が 結果に及ぼす影響について
ARの拡張性の研究 H411023 太田智章.
オペレーティングシステムⅡ 第11回 講師 松本 章代 VirtuaWin・・・仮想デスクトップソフト.
生活介護・施設入所支援に係る報酬算定要件の見直し
第1部 一元配置分散分析: 1つの条件による母平均の違いの検定 第2部: 2つの条件の組み合わせによる二元配置分散分析
USB2.0対応PICマイコンによる データ取得システムの開発
Java言語による シューティングゲーム作成
Chapter5 ステートチャート図 FM 于 聡.
得点と打率・長打率・出塁率らの関係 政治経済学部経済学科 ●年●組 ●● ●●.
電子社会設計論 第11回 Electronic social design theory
プレゼンテーション 情報活用Ⅱ 携帯電話の使用頻度.
「絵葉書を通じてのハルビンの 街の印象調査」システムUIの iPadアプリ化 谷研究室  飯 祐貴.
分布の非正規性を利用した行動遺伝モデル開発
ArduinoによるBoe-Bot制御 H 蟹井 翔貴.
経営学部 キャリアマネジメント学科 宮前 駿史
統計的仮説検定の考え方 (1)母集団におけるパラメータに仮説を設定する → 帰無仮説 (2)仮説を前提とした時の、標本統計量の分布を考える
神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
下のように、つりあいのとれた形の半分をかくしました。見えている半分の形から全体の形を予想しましょう。
仮想マシンの並列処理性能に対するCPU割り当ての影響の評価
A班 ランダム選択に一言加えたら・・・ 成田幸弘 橋本剛 嶌村都.
FPGAを用いたMG3用 インターフェース回路の解説
対応のあるデータの時のt検定 重さの測定値(g) 例:
実機を使用する際、センサ情報はとても重要
大阪教育大学大学院教育学研究科 総合基礎科学専攻 中窪 仁
無線LANにおけるスループット低下の要因の分析
Click 技術研究発表会 ロ ド ー テ ィ ン グ 制 御 の 調 整 ヒ 小谷受変電設備工事 あきら.
※お使いの機種により画面イメージは異なります
第5回 統計処理(2) 塩浦 昭義 東北大学全学教育科目 情報基礎 A 1セメスター 木曜1,3講時 経済学部・法学部
中距離走におけるバウンディング トレーニングの有効性について
PBLソフトウェア班 ~ペイントアプリケーション開発~ 安藤 貴哉 小木曽 太紀
見積もりを使って み つ イラスト 「イラストポップ」 「イラストAC」
屋内施設での先導案内ロボット T213005 一柳良介.
Androidアプリの作成 07A1069 松永大樹.
繰り返しのない二元配置の例 ヤギに与えると成長がよくなる4種類の薬(A~D,対照区)とふだんの餌の組み合わせ
概要 Boxed Economy Simulation Platform(BESP)とその基本構造 BESPの設計・実装におけるポイント!
本時のねらい 「相似の意味と性質を理解し、相似な図形の辺の長さや角度を求めることができる。」
①浮上(RTB準備)→ 圧力センサー(水深)
LEGO MINDSTORMの車両の PCによる遠隔操縦
複数の移動ロボットによる 協調的な行動: 情報共有に基づく お片づけロボットのシステム開発
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
移動ロボットの改良と遠隔操作 (Improvement of the robot and remote control)
TIME SIGNAL: 集合知を利用した赤信号点灯時間の取得手法
仮想コンテナターミナル構築による 荷役作業を考慮したレイアウト計画支援
気圧センサーを用いた 傾斜測定システムのデータベース作成
Androidアプリの作成 情報工学部情報工学科 07A1069 松永大樹.
考えるロボットを目指して 情報理工学部・情報知能学科 H 可知大資.
ロボットの協調動作の研究: マップ作成とマップ情報を利用した行動計画
シューティングゲームにおける 未経験者と経験者の差異の解析
赤外線機能を用いた牧羊犬ロボットの試作 指導教員 川中子 敬至 助教授 S03040  鈴木 良治 (共同実験者  S03060 濁川 豪)
統計処理2  t検定・分散分析.
中間発表 MIRS1704 .
オブジェクト指向 プログラミング 第二回 知能情報学部 新田直也.
中点連結定理 本時の目標 「中点連結定理を理解する。」
統計的検定   1.検定の考え方 2.母集団平均の検定.
21  ~ぜったい負けたくない君へ~ 8班.
プロジェクト演習 知能情報学部 新田直也.
5年 算数 「面積(平行四辺形)」.
生活介護・施設入所支援に係る報酬算定要件の見直し
システム玩具を 応用した環境計測システムの構築
理工学部情報学科 情報論理工学研究室 延山 周平
【ご参考】 GPS機能(位置情報)とBluetooth機能をONにする
センサの基礎知識 メカトロニクス機械を作り上げるには,センサについての幅広い知識と経験が必要!.
立方体の切り口の形は?  3点を通る平面はただ1つに決まります。
Javaを用いたシューティングゲーム作成
●利益計画(参考) 前 期 G.経常利益(E-F) F.営業外損益 E.営業利益(C-D) その他経費 減価償却費 研究開発費 広告宣伝費
卒論発表 榊原玲 
Presentation transcript:

Android端末によるロボット制御とその評価 情報理工学部 情報知能学科 H209018 神戸雅史

研究の目的 スマートフォンやタブレット端末が移動ロボット の操作インターフェースとして適しているかを調 べる →その一環として操作アプリケーションの操作性の評価を行う そのために 操作アプリケーションの作成 移動ロボットの動作プログラムの作成 評価実験 を行う ロボットに関する説明

研究概要 しかし、ロボットの行動に問題が生じた場合、ロボット本体とプログラムのどちらに問題がある。本研究ではプログラムにおける問題に焦点を置き、問題を見つけやすくするためにシミュレータを作成することにした。 Androidスマートフォン向けの操作アプリケーションの作成 移動ロボット:Boe-Botの移動プログラムの作成。 以上2つを用いた操作性の評価実験 その結果の評価 3

全体通信構造 操作アプリケーションでの操作 ↓ 操作に応じた信号の発信 移動ロボットで信号の受信 信号に応じた動作 これらの通信は無線通信規格のBluetoothを 用いる。 4

Androidと使用端末 ・Androidとは ・使用端末 使用する端末は2010年シャープ製のIS03。 AndroidはGoogle社が開発するタブレット端末向けのOSで、スマートフォンのOSとしては世界1位のシェアを誇る。 ・使用端末 使用する端末は2010年シャープ製のIS03。 ・ OSのVerはAndroid2.2.1 ・Bluetooth通信、赤外線通信、wifi通信など基本的な機能を搭載 ・加速度センサー、地磁気センサー、方位センサーも装備している 5

開発環境 Eclipse(Android側開発環境) Eclipseはjavaに対応した統合開発環境。 javaだけでなく、Androidの開発ツールである AndroidSDKにも対応しているためAndroidアプ リケーションの開発にも使用される。

操作アプリケーション Bluetooth通信の基礎が備わったサンプルプロ グラムを改変していく形で開発を行った 操作方法はボタン操作と傾きセンサーによる操 作の二種、そこに片手での操作と両手での操 作で分け、計4種類。 7

移動ロボット:Boe-Bot Boe-Botはパララックス社が販売する独立した 二つの車輪で移動するロボット。 BasicStampというマイクロコントローラにプログ ラムを記憶して実行することができる。

Boe-Botの動作プログラム 設定した動作:前進 後進 右旋回 左旋回 なお前進のみ、赤外線センサーによる検知を行 い、前方に障害物があった場合停止する。

操作アプリケーションの評価実験 8人の大学生男女の実験協 力者にスタートから ゴールまでロボットを操作 してもらい、そのタイムを 測定し、実験後アンケート を記入して貰った。  1.基本事項の説明  2.操作方法の説明  3.操作方法の練習  4.実験 全四種類の方法について2~3を行う。  5.アンケート記入

アンケート ・操作性 悪い 1 ・ 2 ・3 ・ 4 ・ 5 良い ・衝突回数 ・タイム(スタートからゴールまで) ・性別 ・ゲームのプレイ時間 ・スマートフォンやタブレット端末の所持 ・スマートフォンを持っている場合、そのOSと使用日数

操作アプリケーションの評価 ・操作性 ・タイム ・衝突回数 の3つの項目に対して人による対応をした一元 配置分散分析を行った。 ・帰無仮説:操作方法の違いによる各項目の評価(又は結果)に差はない ・対立仮説:操作方法の違いによる各項目の評価(又は結果)に差はある

実験結果:操作性 片手ボタン操作 両手ボタン操作 片手センサー操作 両手センサー操作 A 3点 2点 B 4点 5点 C 1点 D E F G H 得点合計 30点 25点 21点 得点平均 3.75点 3.125点 2.625点

実験結果:タイム タイム(秒) A B C D 片手ボタン操作 48.66 46.53 50.37 53.74 両手ボタン操作 48.42 45.34 48.99 45.29 片手センサー操作 42.69 54.91 48.77 61.59 両手センサー操作 42.45 45.16 47.54 51.61 E F G H 45.24 44.85 41.59 43.24 44.41 49.78 50.76 42.54 34.8 79.85 51.98 37.55 41.03 41.9 44.96 35.21

実験結果:衝突回数 衝突回数(回) 片手ボタン操作 両手ボタン操作 片手センサー操作 両手センサー操作 A 1 B 2 C 3 D E F B 2 C 3 D E F 6 G H 回数合計 18 回数平均 0.75 0.375 2.25

グラフ:操作性の評価

グラフ:タイム

グラフ:衝突回数

結果 各項目の分散分析の結果は以下のとおり。 操作性、タイムにつ いては有意な結果は得 られなかった 衝突回数の項目につ いては有意な結果が得 られた 片手センサー操作の 衝突回数が多かった

考察 操作性とスタートからゴールまでの時間については有意な差があるとは認められなかった。 しかし衝突回数の点においては、有意水準5%で有意な差があり、片手センサー操作が他の3種の操作方法よりも衝突する可能性が高いことがわかった。

改善点 展望 より良いインターフェースのために、各種操作方 法の見直しや再設定、さらにカメラを搭載しての 改善点 展望 より良いインターフェースのために、各種操作方 法の見直しや再設定、さらにカメラを搭載しての ロボット視点での操作なども考えられ、改善、拡 張できる機能は多い。 それだけにロボットのインターフェースとして、ス マートフォンやタブレット端末が有用である考える 。

ありがとうございました