シャープの国内トップブランド確立までの道のり 大東文化大学１班 久保　大樹 これから大東文化大学１班の報告を始めさせて頂きます。 私達は、「シャープの国内トップブランド確立までの道のり」というテーマで研究を行いました。 報告者は皆様から向かって右（または左）から～（軽く会釈）、～（軽く会釈）、わたくし宮田です。 宜しくお願い致します。（おじぎ）★ 斉藤　惇浩 宮田　絵莉

報告内容 １．研究動機 ２．企業紹介 ３．今日のテレビ市場 ４．シャープの液晶テレビに対する取り組み ①シャープの液晶技術の歴史 ②亀山工場の一貫生産 ③環境への配慮 本日の報告内容です。 １．研究動機 ２．企業紹介 ３．今日のテレビ市場 ４．シャープの液晶テレビに対する取り組み ５．ブランド力の確立 ６．これからのシャープ ７．参考文献 以上の流れで報告させて頂きます。★ ５．ブランド力の確立 ６．これからのシャープ ７．参考文献

１．研究動機 一家に一台という考えから各部屋に一台の時代へ テレビと言えば「薄型」というのが主流 「液晶テレビ＝シャープ」というイメージが強い なぜ売れるのか？ 今日では、テレビは私達の生活に欠かせないものとなっており、★一家に一台という考えから各部屋に一台という考えにシフトして来ています。 ここ最近では、★テレビと言えば「薄型」というのが主流になっており、家電量販店でも薄型テレビが多く見られます。 私達は、薄型テレビの中でも液晶テレビに興味を持ちました。その中でも★「液晶といえばシャープ」というイメージが強く、★なぜシャープの液晶テレビは売れているのか、ということに興味を持ちました。 さらに、★シャープは今後どのように市場を拡大していくのか、シャープのこれからに関しても研究を進めていきました。★ 今後どのように市場を拡大していくのか？

２．企業紹介 社名 シャープ株式会社 本社所在地 大阪府大阪市阿倍野区長池町２２番２２号 創業 １９１２年（大正元年） 設立 １９３５年（昭和１０年） 売上高 連結：３兆４１７７億３６００万円　　 単独：２兆７６８７億９７００万円　 従業員数 連結：５万４８００名 単独：２万３２００名　 事業内容 家電、情報システム、半導体、液晶、電子部品などの研究開発ならびに製造・販売 （２００８年３月期現在） シャープ株式会社は１９１２年に創業され、まもなく創業１００周年を迎える歴史と伝統のある企業です。 １９７０年に前進である早川電機工業株式会社からシャープ株式会社に社名変更されました。 売上高は連結で約３兆４０００億円、 従業員数は連結で５万４８００名となっております。 主に家電、情報システム、半導体、液晶、電子部品などの研究開発ならびに製造・販売をおこなっております。 皆さんが普段から使用してるシャープペンシルはこのシャープ株式会社から誕生した代表的な製品の一つです。★ （２００８年９月末日現在）

３．今日のテレビ市場 出荷台数 液晶テレビ：６５０万２００台 プラズマテレビ： ８０万4000台 約８倍の差 液晶テレビが主流である 　　液晶テレビ：６５０万２００台 プラズマテレビ：　８０万4000台 　出荷台数 （出所：電子情報技術産業協会　2008年1年1日～2008年10月31日） 　　　 ２００５年に薄型テレビが 　　ブラウン管テレビを抜いた！！ 約８倍の差 薄型 現在、テレビ市場では、薄型テレビが2003年の地上デジタル放送の開始とともに急速に普及し始めました。 こちらのグラフからわかるように★2005年には薄型テレビの年間出荷台数がブラウン管テレビを初めて上回り、それからも薄型テレビの出荷台数は年々増え続けています。 薄型テレビの中にも液晶テレビとプラズマテレビの２種類がありますが、★出荷台数を比べてみると、液晶テレビが約６５０万台、プラズマテレビが約８０万台と★８倍以上の差があることがわかります。 このことから、★薄型テレビ市場の中でも液晶テレビが主流であると考えられます。★ 液晶テレビが主流である 出所：電子情報技術産業協会

３．今日のテレビ市場 （2008年1年1日～2008年10月31日） 出所：電子情報技術産業協会 次にこちらのグラフをご覧下さい。 液晶テレビ市場のメーカー別シェアでは、シャープが全体の46.1％と大半を占めており、市場を圧倒しています。★ 出所：電子情報技術産業協会　

３．今日のテレビ市場 出所：シャープ株式会社ホームページ （億円） シャープの液晶テレビの売上高を見てみると年々上昇しており、液晶テレビに対する力の入れ具合がわかります。 それでは、なぜシャープは液晶テレビ市場を圧倒できたのでしょうか。 シャープの液晶テレビに対する取り組みを見ていきましょう。★ 出所：シャープ株式会社ホームページ

４．シャープの液晶テレビに対する取り組み ①シャープの液晶技術の歴史 始まりは電卓から ・１９６４年　世界で初めて電卓を商品化 ・「電卓戦争」勃発 「電卓戦争」を通じて培った液晶技術を自社の強みとして発展させる 　　現在 まずは、シャープの液晶技術の背景を見ていきます。 １９６４年、シャープの当時の社名である早川電機工業株式会社が★世界で初めて電卓を商品化しました。 電卓は電気回路の知識があれば簡単に作ることが出来るので、多いときには４９社が参入し★電卓市場は「電卓戦争」と呼ばれる激しい価格競争と過当競争が展開されました。 この戦いで当時の早川電機工業は、他社よりも早い技術革新により商品の付加価値を向上させる差別化戦略をとりました。 こうして★シャープは電卓戦争を通じて培った液晶技術を自社の強みとして発展させ、★現在の液晶テレビ「アクオス」にもその技術が活かされています。★ 「アクオス」にも液晶技術が活かされている

４．シャープの液晶テレビに対する取り組み ②亀山工場の一貫生産 垂直統合型工場とは・・・ 　　　部品の製造から組み立てに至る製造工程を総合的に行う工場 現在 以前 世界初の垂直統合型工場 液晶パネル 製造工場 三重県 多気工場 亀山工場 液晶テレビ 組み立て工場 栃木県 矢板工場 運搬コストの削減 生産リードタイムの短縮に繋がる 液晶パネルを輸送 液晶パネル破損の低減 シャープの液晶テレビ取り組みの一つとして、亀山工場の一貫生産です。 亀山工場は液晶パネルから液晶テレビまでの★「一貫生産」を行う世界初の垂直統合型工場で、２００４年１月に稼動しました。★ 垂直統合型工場とは、部品の製造から組み立てに至るまでの製造工程を総合的に行う工場です。★ 今までシャープは、三重県にある多気工場で液晶パネルを作り、その液晶パネルを★栃木県にある矢板工場に輸送して液晶テレビを組み立てていました。 ですが、★亀山工場では液晶パネルと液晶テレビを作る工場が同一敷地内にあるので、液晶パネルを運搬する必要がなくなります。その結果、★運搬コストの削減、★液晶パネル破損の低減、★検査や包装の最小化が実現し、★生産リードタイムの短縮に繋がりました。 また、★技術者同士の部門を越えた密接な交流が図りやすいため、品質の向上にも繋がります。★ 検査や包装の最小化 技術の融合によって品質の向上に繋がる

４．シャープの液晶テレビに対する取り組み ③環境への配慮 亀山工場 製造工程で生じた排水を１００％再利用 雨水を空調へ利用 自家発電を行い、２４時間安定的に稼働出来る工場へ 取り組みの２つめとして、環境への配慮です。 亀山工場は★製造工程で生じた排水を１００％再利用したり、★雨水を空調へ利用したりと環境に配慮することで二酸化炭素の排出量を削減しています。 また、工場敷地内の屋上や壁面に太陽電池パネルを設置して★自家発電を行っており、雷や地震などの自然災害が起こり外部からエネルギーを得ることが出来ない場合でも工場内部でエネルギーを作ることが可能です。 自家発電を行うことがもしもの時に２４時間安定的に工場を稼動させるのと同時に生産性を保つことにも繋がります。 今日では、以前のように★ただ生産していれば良いという時代ではなく、企業自らが環境へ配慮した取り組みが必要となってきています。 そして、★環境へ配慮した取り組みが社会へ貢献出来るのと同時に、消費者に信頼を与えることにも繋がるのです。★   企業自らが環境へ配慮した取り組みが必要 環境への取り組みは消費者に信頼を与える

５．ブランド力の確立 その結果 そこで 亀山工場設立前： シャープの最新技術が市場に出る度に 他社にすぐ真似されていた ブラックボックス化によって ブランド力が確立されたことによって消費者が あまり注目していなかった液晶テレビ以外の 商品も売れるようになった シャープの技術はシャープだけのものとなった 液晶テレビはシャープの主力事業へと登りつめた その結果 せっかくの技術が流失してしまい 市場でのシェアを獲得することが出来なかった 他社に真似されても諦めずに様々な取り組みをし続けた 経験があったからこそ「シャープ」というブランドが確立した 今お話した「亀山工場の一貫生産」と「環境への配慮」の２点が、ブランド力の確立につながった最大の取り組みですが、ブランド力が確立するまでには苦難がありました。 ★亀山工場が設立されるまでは、シャープの最新技術が市場に出る度に他社にその技術がすぐに真似されてしまいました。 その結果、★せっかくの技術が流失してしまい、市場でのシェアを獲得することが出来ませんでした。 そこで、★シャープはブラックボックス化という技術の流出を防ぐ方法を考え、実行に移しました。 ブラックボックス化によって、★シャープの技術はシャープだけのものとなり、その結果、今回テーマで取り上げた「液晶テレビ」は、シャープの主力事業へと登りつめたのです。 ★今まで他社に真似されても諦めずに様々な取り組みをし続けた経験があったからこそ、ブラックボックス化という発想が生まれ、「シャープ」というブランドが確立されました。 また、★ブランド力が確立されたことによって、消費者があまり注目していなかった液晶テレビ以外の商品も売れるようになりました。★ そこで ブラックボックス化という方法を考え、実行した

しかし ６．これからのシャープ 液晶テレビに特化した結果 シャープはさらなる市場開拓を目指して「海外展開」や 国内でのトップブランドの地位を確立することが出来た シャープはさらなる市場開拓を目指して「海外展開」や 「太陽電池」などを液晶テレビに次ぐ柱に成長させようとしている 液晶テレビに次ぐ柱を確立していくことが重要 しかし 今まで培ってきた技術を最大限に活かし、様々な事業を展開していくことでシャープは今後も成長し続けるのでは？ 液晶テレビだけに甘えているのでは 今以上に成長することは出来ない シャープは★液晶テレビに特化した結果、国内でのトップブランドの地位を確立することが出来ました。 しかし、★これからはトップブランドの地位にのし上がった液晶テレビだけに甘えているのでは今以上に成長することは出来ません。 そのことを踏まえて★国内の液晶テレビ事業に次ぐ柱を確立していくことが重要になってきます。 ★そこでシャープはさらなる市場開拓を目的とした「海外展開」や、環境への取り組みとして「太陽電池事業」を国内の液晶テレビ市場に次ぐ柱に成長させようとしています。 こちらのグラフをご覧ください。★ 世界の液晶テレビ市場を見てみるとシャープはナンバーワンではありません。ブランド力をさらに向上させるためにも世界での活躍が求められています。★ 次にこちらのグラフをご覧ください。 シャープは環境への取り組みとして、太陽電池に力を入れ始めています。 太陽電池は液晶テレビに比べるとまだまだ収益性の低い事業ですが、環境問題がクローズアップされている今日ではこれから伸びていく事業であるのと同時に、液晶テレビに匹敵した事業へと変貌を遂げるのではないでしょうか。 市場の変化が激しい今日ですが、★今まで培ってきた技術を最大限に活かし、様々な事業を展開していくことでシャープは今後も成長し続けていくのではないかと感じています。★ 出所：シャープ株式会社ホームページ

７．参考文献 シャープ株式会社ホームページ http://www.sharp.co.jp/ シャープ株式会社ホームページ　 http://www.sharp.co.jp/ 電子情報技術産業協会　 http://www.jeita.or.jp/japanese/ 日経就職ナビ　 http://job.nikkei.co.jp/ ケースに学ぶ経営学（東北大学経営グループ著　有斐閣） オンリーワンは創意である（町田勝彦著　文芸春秋） シャープ　独創の秘密（宮本惇夫著　実業之日本社） シャープの謎（長田貴仁著　プレジデント社） 参考文献はこのようになっております。 以上で、大東文化大学１班の報告を終了させて頂きます。 ご清聴ありがとうございました。（おじぎ）