1.田んぼ(棚田)の多面的な役割り 「生態系サービス」 1)治水の役割り(洪水を防ぐ) →梅雨や台風時に水を一時的に貯める機能 2)土壌の流出を防ぐ役割り →とくに傾斜した土地では豪雨の際に田んぼ があれば、平らで畦もあるため、土が流れ にくい。下流のダムにも土がたまりにくい
田んぼ(棚田)の多面的な役割り「生態系サービス」 3)水源を涵養する役割り →田んぼに貯めた水は、地下へゆっくりと 浸透し、地下水となって工場や都市の水源 に再利用される 4)里地・里山の景観を担う役割り →里地・里山の原風景として、日本人の心の よりどころの一つとなる景観をつくりだす
田んぼ(棚田)の多面的な役割り 「生態系サービス」 5)生物多様性を育む役割り →ドジョウやメダカ、カエルといった生き物を 育み、さらに、それをエサとする、コウノトリ やナベヅルが育まれる
2.生物多様性を育む田んぼ 田んぼは生き物のゆりかご 田んぼの畦で休むカルガモ 里山への自然放鳥が進むコウノトリ (兵庫県豊岡市 コウノトリの郷公園) 田んぼの中を歩き回るクサガメ 夜に田んぼに姿をあらわしたドジョウ 田んぼに産卵に訪れたトノサマガエル 田んぼで育つメダカ
2ー1.生物多様性を育む田んぼのお米の値段 3280円/5kg
新潟県 佐渡 「トキ」 3900円/4.5kg 茨城県 霞ヶ浦 「オオヒシクイ」 3500円/5kg
山口県 八代 「ナベヅル」 2980円/5kg
お米の末端販売価格が高い理由 ・安全、安心を売る! ↑生き物がたくさん育まれる田んぼ ・絶滅危惧種(シンボル)の 生き物を守る ・地域の環境・景観保全に努める ・手間、ひま がかかっている ・収量が少ない
3.田んぼの生き物調査の様子
捕獲した生き物 クロゲンゴロウ ヒメガムシ
捕獲した生き物 サワガニ ミズカマキリ
捕獲した生き物 アカハライモリ ニホンアカガエル
種類ごとの捕獲個体数 1.種類ごとの捕獲個体数 1.種類ごとの捕獲個体数 昆虫類 捕獲個体数 ヒメガムシ 22 コカゲロウ 7 マツモムシ 魚類 捕獲個体数 ドンコ 1 甲殻類 サワガニ 3 貝類 ヒメモノアラガイ 4 魚類 捕獲個体数 ドンコ 1 甲殻類 サワガニ 3 貝類 ヒメモノアラガイ 4 種類ごとの捕獲個体数 昆虫類 捕獲個体数 ヒメガムシ 22 コカゲロウ 7 マツモムシ ミズカマキリ 5 アメンボ 2 タイコウチ クロゲンゴロウ 1 ミズムシ 両生類 捕獲個体数 アカハライモリ 7 ニホンアカガエル 1 トノサマガエル ヌマガエル 4 ツチガエル 8 魚類 捕獲個体数 ドンコ 1 貝類 捕獲個体数 ヒメモノアラガイ 4 甲殻類 捕獲個体数 サワガニ 3
多様度指数 多様度指数(H’) = 3.387053
多様度指数 種数と捕獲個体数をもとにした、多様度指数(種多様度)の計算。 マッカーサーの多様度指数(H’)は種の多様性をはかる指数で、一般にその数値が大きいほど、種の多様性(生物の多様性)が高いと言われます。計算式は下記のとおりです。 C:定数=1、Ni:i番目の種の捕獲個体数、N:捕獲した生き物の総個体数 例:発現種数が偏っている場合 多様度指数(H’) = 1.48773
4.調査した田んぼの現状と今後 現 状 田んぼに水を入れて間もないため、生物の種類数や個体数がまだ少なめ。 今 後 現 状 田んぼに水を入れて間もないため、生物の種類数や個体数がまだ少なめ。 今 後 継続して水をためることや、周辺の田んぼや川とネットワークをつなぐ(魚道等でつなぐ)ことで、水辺の生き物の多様性が高まる可能性あり!