コレステロール その生合成の調節について 家政学部 通信教育課程 食物学科 4年 大橋 万里子 佐藤 由美子 鷲見 由紀子 堀田 晴 子

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1
Advertisements

生物学 第6回 転写と翻訳 和田 勝.
LDL-C代謝機構の 新たなパスウェイ PCSK9 野原 淳 先生 監修: 金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 脂質研究講座 特任准教授
Gene Constellator SystemTM
ビタミン (2)-イ-aーJ.
脂質代謝.
J Dermatol Sci ;75(1): Resveratrol inhibition of human keratinocyte proliferation via SIRT1/ARNT/ERK dependent downregulation of AQP3 レスベラトロールによるヒトケラチノサイトの増殖阻害は.
生物学 第8回 代謝経路のネットワーク 和田 勝.
RNA i (RNA interference).
無機質 (2)-イ-aーH.
脂質 細胞や組織から無極性有機溶媒で抽出することにより単離される天然有機化合物 エステル結合を有し,加水分解できるもの 脂肪,ワックスなど
特論B 細胞の生物学 第2回 転写 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
生物学基礎 第4回 細胞の構造と機能と      細胞を構成する分子  和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
研究テーマ 福山大学 薬学部 生化学研究室 1) 脂質代謝を調節するメカニズムに関する研究 2) がん細胞の特徴と
骨格筋のインスリン抵抗性が肥満の引き金 1 参考 最近、エール大学のグループは、骨格筋のインスリン抵抗性がメタボリック症候群を引き起こす最初のステップであることを報告した。BMIが22-24の男性をインスリン感受性度で2グループに分け、食事(55%炭水化物、10%蛋白質、35%脂肪)を摂取してから、筋肉のグリコーゲン量をMRI(核磁気共鳴画像法)で調べたところ、インスリン感受性群に比べて、抵抗性群ではグリコーゲン生成が61%減少していた。肝臓のグリコーゲン量は2群間で有意差はみられなかった。しかし、肝臓の
1. 経口薬(飲み薬)による治療が 必要なのは、どんなとき? 2. 糖尿病の飲み薬の種類と特徴 3. 飲み薬による治療を正しく
動物への遺伝子導入 hGH 遺伝子 右:ひと成長ホルモン遺伝子を 導入したラット 左:対照ラット
活性化エネルギー.
第 五 章 脂 質 代 謝 Metabolism of Lipid.
脂肪の消化吸収 【3】グループ   ~
人工血液 神戸大学輸血部 西郷勝康.
外膜 内膜 R- (CH2)n -COOH R-(CH2)n-CO-S-CoA R-(CH2)n-CO-S-CoA CoA-SH
1)解糖系はほとんどすべての生物に共通に存在する糖の代謝経路である。 2)反応は細胞質で行われる。
栄養と栄養素 三大栄養素 炭水化物(糖質・繊維) 脂質 たんぱく質 プラス五大栄養素 ビタミン 無機質.
好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 水素伝達系.
代謝経路の有機化学 細胞内で行われている反応→代謝 大きな分子を小さな分子に分解→異化作用 第一段階 消化→加水分解
緩衝作用.
解糖系 グルコース グルコキナーゼ(肝) ヘキソキナーゼ(肝以外) *キナーゼ=リン酸化酵素 グルコース6-P グルコースリン酸イソメラーゼ
8章 食と健康 今日のポイント 1.食べるとは 何のために食べるのか? 食べたものはどうなるのか? 2.消化と吸収 3.代謝の基本経路
セラミド分解の標的導入は全身の代謝を改善し、脂肪肝を減らす
輸血の生理学 大阪大学輸血部 倉田義之.
3)たんぱく質中に存在するアミノ酸のほとんどが(L-α-アミノ酸)である。
・神経 続き シナプス 神経伝達物質 ・ホルモン ホルモンの種類 ホルモン受容体 ホルモンの働き
たんぱく質 (2)-イ-aーF.
生体分子を構成している元素 有機分子   C, H, O, N, P, S(C, H, O, N で99%) 単原子イオン 
Β酸化 1班:相川、青木、石井、石井、伊藤.
* 研究テーマ 1.(抗)甲状腺ホルモン様作用を評価するバイオアッセイ系の確立 2.各種化学物質による(抗)甲状腺ホルモン様作用の検討
生命科学基礎C 第4回 神経による筋収縮の指令 -伝達 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
メタボリックシンドロームはなぜ重要か A-5 不健康な生活習慣 内臓脂肪の蓄積 高血糖 脂質異常 高血圧 血管変化の進行 動脈硬化
炭水化物 (2)-イ-aーB.
高脂血症の恐怖 胃 基礎細胞生物学 第14回(1/22) 2. 胃酸の分泌 1. 胃 3. 消化管(小腸)上皮細胞の更新
農学部 資源生物科学科 加藤直樹 北村尚也 菰田浩哉
一分子で出来た回転モーター、F1-ATPaseの動作機構 ーたんぱく質の物理ー
1. 水はどこにあるのか?.
コレステロールの合成 と 脂肪酸の合成 これからコレステロールの合成と脂肪酸の合成についての説明をはじめます。★
細胞と多様性の 生物学 第7回 細胞外からの情報が核に伝わる 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
細胞周期とその調節.
DNAメチル化とクロマチン構造の変化による転写制御のモデル
高脂血症.
特論B 細胞の生物学 第5回 エネルギー代謝 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
酵母細胞プロジェクト研究センター 春期シンポジウム
Central Dogma Epigenetics
脂質異常症 7月 疾患別研修.
1月19日 シグナル分子による情報伝達 シグナル伝達の種類 ホルモンの種類 ホルモン受容体 内分泌腺 ホルモンの働き.
トリグリセリドの吸収、合成 佐藤、神保、鈴木、諏訪、田中.
生命科学基礎C 第1回 ホルモンと受容体 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
カルビンーベンソン回路 CO23分子が回路を一回りすると 1分子のC3ができ、9分子のATPと 6分子の(NADH+H+)消費される.
アミノ酸の分解とアンモニアの代謝 タンパク質やアミノ酸はどこにでもあるありふれた食材ですが、実は分解されるとアンモニアという、体に非常に有害な物質を産生します。これは、普段われわれが何も気にせずに飲んでいる水が、実はH+(酸)とOH-(アルカリ)で出来ているのと似ているように感じます。今回、アミノ酸の分解に伴って産生されるアンモニアを、生体はどのようにして無毒化しているかを考えましょう。
細胞の膜構造について.
タンパク質.
The Nobel Prize in Medicine 1953
●食物の消化と吸収 デンプン ブドウ糖 (だ液中の消化酵素…アミラーゼ) (すい液中の消化酵素) (小腸の壁の消化酵素)
TCA-cycle 7月1日 25~30番 生化学Ⅱ .
学習目標 1.栄養代謝機能に影響を及ぼす要因について説明することができる. 2.栄養代謝機能の障害による影響を,身体,精神機能,社会活動の三側面から説明することができる. 3.栄養状態をアセスメントする視点を挙げることができる. 4.栄養状態の管理方法について説明することができる. SAMPLE 板書.
物質とエネルギーの変換 代謝 生物体を中心とした物質の変化      物質の合成、物質の分解 同化  複雑な物質を合成する反応 異化  物質を分解する反応 
好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 電子伝達系.
特論B 細胞の生物学 第6回 エネルギーはどこから 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
⑥ ⑤ ① ③ ② ④ 小胞の出芽と融合 11/20 ATPの使い途2 出芽 核 細胞質 供与膜 融合 標的膜 リソソーム
内分泌攪乱物質の環境リスク -何がわかっていて、何がわかっていないのか-
好気呼吸 解糖系 クエン酸回路 電子伝達系.
Presentation transcript:

コレステロール その生合成の調節について 家政学部 通信教育課程 食物学科 4年 大橋 万里子 佐藤 由美子 鷲見 由紀子 堀田 晴 子 大橋 万里子 佐藤 由美子 鷲見 由紀子 堀田  晴 子 これから、コレステロールの合成の調節についての発表をします。

目次 コレステロールの役割 コレステロールの生合成経路と 体内での循環 コレステロール生合成の調節 内容は、 コレステロールの役割について    体内での循環 コレステロール生合成の調節 内容は、 コレステロールの役割について  コレステロールの生合成経路と体内での循環について コレステロール生合成の調節について の順に説明いたします。

1.コレステロールの役割 細胞膜やリポタンパク質の 構成成分である。 体内の他のステロイドの 前駆体となる。 まず第一にコレステロールの役割についてです。 コレステロールには 細胞膜やリポタンパク質の構成成分となったり、 体内の他のステロイドの前駆体になる などの役割があります。

体内の他のステロイドの前駆体 胆汁酸 ビタミンD 性ホルモン ・コエンザイムQ10 コレステロール 生成中間体より また、生成の中間体からは、 化粧品などに使われる、コエンザイムQ10などが生成されます。 ビタミンD ・コエンザイムQ10

2.コレステロール生合成 アセチルCoA(C2) HMG-CoA(C6) HMG-CoAレダクターゼ メバロン酸(C6) 次に、前回の復習になりますが、 コレステロール生合成ついてお話します。 コレステロールの生成は、アセチルCoAから始まり、 アセチルCoAが3つ縮合して、3-ヒドロキシ-3-メチルグリタルCoAが、生成されます。 次に、HMG-CoAレダクターゼの触媒によって、炭素数6のメバロン酸となります。 メバロン酸は、リン酸化、さらに脱炭酸されて、イソテンペニル二リン酸を形成します。 このイソテンペニル二リン酸は、イソプレン単位と呼ばれます。 メバロン酸(C6) イソテンペニル二リン酸

2.コレステロール生合成 スクワレン(C30) ラノステロール(C30) コレステロール(C27) 次に、6個のイソプレン単位から、炭素数30のスクワレンが生成されます。 スクワレンは、折りたたまれ環状構造となり、 6員環3個と、5員環1個の、ステロイド骨格を持った、ラノステロールへ変換され、 さらに5段階を経て、炭素数27のコレステロールが生成されます。 コレステロール(C27)

2.コレステロールの体内での循環 LDL 肝細胞外 細胞膜 LDL受容体 肝細胞内 アセチルCoA HMG-CoA 腸肝循環 コレステロール ここでコレステロールの体内での循環について説明します。 コレステロールは、組織中や血液中では、コレステロールエステルとして存在し、 主にLDLとして、血液中を輸送されています。 コレステロールの細胞内への取り込みは、LDL受容体により行われます。 LDLは、受容体と共に細胞内に入り、受容体と乖離して、コレステロールと脂肪酸に分解されます。 乖離した受容体は、細胞膜表面へリサイクルされます。 また、肝細胞の小胞体では、アセチルCoAからコレステロールが合成され、細胞膜やホルモンの材料として使われます。 さらに肝臓で胆汁酸を合成し、胆汁として小腸に分泌、排出しています。 肝臓のコレステロール蓄積量が高まると、一部が核内受容体LXRの作用で、 胆汁酸合成酵素のコレステロール7α水酸化酵素が発現し、 合成が促進され、胆汁として分泌されます。 しかし胆汁として分泌されたコレステロールの90%以上が再吸収されて再び肝臓に戻り、 核内受容体FXRの作用で酵素の活性を低下させ、胆汁酸の合成を抑制します。 この流れを腸肝循環といいます。 他の物質に異化されずに残ったコレステロールは、 血漿中ではLCAT、それ以外ではACATという酵素の作用 によりエステル型に変換され細胞質内に貯蔵されます。 メバロン酸 コレステロール合成 コレステロール7α水酸化酵素 LXR ACAT LCAT FXR 胆汁酸 コレステロールエステル 胆汁酸合成 コレステロール貯蔵

3.コレステロールの生合成の調節 LDL受容体生合成 アセチルCoA HMG-CoA SREBP SREBP HMG-CoA LDL受容体 肝細胞外 細胞膜 LDL受容体 肝細胞内 アセチルCoA HMG-CoA SREBP SREBP HMG-CoA レダクターゼ LDL受容体 発現 次に、コレステロールの生合成の調節について説明します。 調節は小胞体のステロール調節要素結合タンパク質の活性による転写段階で行われます。 細胞内コレステロール量が減少すると、 小胞体のSREBPが活性化されて核へ移行し、 核内でHMG-CoAレダクターゼ遺伝子と、LDL受容体遺伝子の転写を促進します。 これにより、コレステロールの合成と、細胞外からのコレステロールの取り込みが増加し、 細胞内のコレステロール量は増大します。 細胞内のコレステロール量が増加すると、SREBPが不活性となり、 HMG-CoAレダクターゼの合成と、LDL受容体の発現が抑制され、 細胞内のコレステロール量は減少します。 HMG-CoAレダクターゼは、生成物のコレステロールやメバロン酸からフィードバック阻害を受ける、 コレステロール合成経路の、第一の律速段階の酵素です。 コレステロール メバロン酸 LDL受容体生合成 HMG-CoAレダクターゼ合成

3.コレステロール生合成の調節 HMG-CoAレダクターゼの 発現量による調節 (酵素遺伝子の転写による調節) HMG-CoAレダクターゼの    (酵素遺伝子の転写による調節) HMG-CoAレダクターゼの 活性による調節    (酵素のリン酸化による調節) それでは、HMG-CoAレダクターゼによる、生合成の調節についてのまとめを行います。 HMG-CoAレダクターゼは、その発現量と酵素活性による調節をうけます。 次に詳しく説明します。

HMG-CoAレダクターゼの 発現量による調節 HMG-CoAの発現は 小胞体にあるSREBPの活性で調節される。 1 細胞内コレステロール量減少時 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の 遺伝子の転写促進 コレステロールの合成と 取り込みを 高める SREBPが 活性化 HMG-CoAレダクターゼの発現量による、コレステロール合成の調節ついてまとめます。 細胞内コレステロールが量が減少した時には、ステロール調節要素結合タンパク質(SREBP)が活性化し、 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の、遺伝子の転写を促進します。 その結果、合成と、取り込みが高まり、 細胞内のコレステロール量は増加します。 反対に細胞内コレステロール量が増加した時は、SREBPが不活性化され、 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の、遺伝子の転写が抑制され、 合成と取り込み量が減少し、 細胞内コレステロール量は減少していきます。 2 細胞内コレステロール量増加時 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の 遺伝子の転写抑制 コレステロールの合成と 取り込みが 減少 SREBPが 不活性化

HMG-CoAレダクターゼの 活性による調節 HMG-CoAレダクターゼはリン酸化、脱リン酸化によって活性が変化する。 3.インスリンによるHMG-CoA活性化 リン酸化されている HMG-CoA 脱リン酸化促進 酵素活性化 コレステール 合成促進 インスリン HMG-CoAレダクターゼは、リン酸化と脱リン酸化によって活性が変化します。 インスリンは、リン酸化されたHMG-CoAレダクターゼの脱リン酸化を促進することにより、 酵素を活性化させてコレステロール合成を促進させます。 グルカゴンは、HMG-CoAレダクターゼのリン酸化を促進することにより、 酵素を不活性化させてコレステロール合成を抑制させます。 これまで説明したように、コレステロール合成の調節は、種々の因子により行われています。 4.グルカゴンによるHMG-CoAの不活性化 グルカゴン HMG-CoAリン酸化 促進 酵素不活性化コレステロール合成抑制

これで コレステロール合成の調節 の発表を終わります。 コレステロール合成の調節の発表を終わります。 ご清聴ありがとうございました。 ご清聴ありがとう ございました。