コレステロール その生合成の調節について 家政学部 通信教育課程 食物学科 4年 大橋 万里子 佐藤 由美子 鷲見 由紀子 堀田 晴 子 大橋 万里子 佐藤 由美子 鷲見 由紀子 堀田 晴 子 これから、コレステロールの合成の調節についての発表をします。
目次 コレステロールの役割 コレステロールの生合成経路と 体内での循環 コレステロール生合成の調節 内容は、 コレステロールの役割について 体内での循環 コレステロール生合成の調節 内容は、 コレステロールの役割について コレステロールの生合成経路と体内での循環について コレステロール生合成の調節について の順に説明いたします。
1.コレステロールの役割 細胞膜やリポタンパク質の 構成成分である。 体内の他のステロイドの 前駆体となる。 まず第一にコレステロールの役割についてです。 コレステロールには 細胞膜やリポタンパク質の構成成分となったり、 体内の他のステロイドの前駆体になる などの役割があります。
体内の他のステロイドの前駆体 胆汁酸 ビタミンD 性ホルモン ・コエンザイムQ10 コレステロール 生成中間体より また、生成の中間体からは、 化粧品などに使われる、コエンザイムQ10などが生成されます。 ビタミンD ・コエンザイムQ10
2.コレステロール生合成 アセチルCoA(C2) HMG-CoA(C6) HMG-CoAレダクターゼ メバロン酸(C6) 次に、前回の復習になりますが、 コレステロール生合成ついてお話します。 コレステロールの生成は、アセチルCoAから始まり、 アセチルCoAが3つ縮合して、3-ヒドロキシ-3-メチルグリタルCoAが、生成されます。 次に、HMG-CoAレダクターゼの触媒によって、炭素数6のメバロン酸となります。 メバロン酸は、リン酸化、さらに脱炭酸されて、イソテンペニル二リン酸を形成します。 このイソテンペニル二リン酸は、イソプレン単位と呼ばれます。 メバロン酸(C6) イソテンペニル二リン酸
2.コレステロール生合成 スクワレン(C30) ラノステロール(C30) コレステロール(C27) 次に、6個のイソプレン単位から、炭素数30のスクワレンが生成されます。 スクワレンは、折りたたまれ環状構造となり、 6員環3個と、5員環1個の、ステロイド骨格を持った、ラノステロールへ変換され、 さらに5段階を経て、炭素数27のコレステロールが生成されます。 コレステロール(C27)
2.コレステロールの体内での循環 LDL 肝細胞外 細胞膜 LDL受容体 肝細胞内 アセチルCoA HMG-CoA 腸肝循環 コレステロール ここでコレステロールの体内での循環について説明します。 コレステロールは、組織中や血液中では、コレステロールエステルとして存在し、 主にLDLとして、血液中を輸送されています。 コレステロールの細胞内への取り込みは、LDL受容体により行われます。 LDLは、受容体と共に細胞内に入り、受容体と乖離して、コレステロールと脂肪酸に分解されます。 乖離した受容体は、細胞膜表面へリサイクルされます。 また、肝細胞の小胞体では、アセチルCoAからコレステロールが合成され、細胞膜やホルモンの材料として使われます。 さらに肝臓で胆汁酸を合成し、胆汁として小腸に分泌、排出しています。 肝臓のコレステロール蓄積量が高まると、一部が核内受容体LXRの作用で、 胆汁酸合成酵素のコレステロール7α水酸化酵素が発現し、 合成が促進され、胆汁として分泌されます。 しかし胆汁として分泌されたコレステロールの90%以上が再吸収されて再び肝臓に戻り、 核内受容体FXRの作用で酵素の活性を低下させ、胆汁酸の合成を抑制します。 この流れを腸肝循環といいます。 他の物質に異化されずに残ったコレステロールは、 血漿中ではLCAT、それ以外ではACATという酵素の作用 によりエステル型に変換され細胞質内に貯蔵されます。 メバロン酸 コレステロール合成 コレステロール7α水酸化酵素 LXR ACAT LCAT FXR 胆汁酸 コレステロールエステル 胆汁酸合成 コレステロール貯蔵
3.コレステロールの生合成の調節 LDL受容体生合成 アセチルCoA HMG-CoA SREBP SREBP HMG-CoA LDL受容体 肝細胞外 細胞膜 LDL受容体 肝細胞内 アセチルCoA HMG-CoA SREBP SREBP HMG-CoA レダクターゼ LDL受容体 発現 次に、コレステロールの生合成の調節について説明します。 調節は小胞体のステロール調節要素結合タンパク質の活性による転写段階で行われます。 細胞内コレステロール量が減少すると、 小胞体のSREBPが活性化されて核へ移行し、 核内でHMG-CoAレダクターゼ遺伝子と、LDL受容体遺伝子の転写を促進します。 これにより、コレステロールの合成と、細胞外からのコレステロールの取り込みが増加し、 細胞内のコレステロール量は増大します。 細胞内のコレステロール量が増加すると、SREBPが不活性となり、 HMG-CoAレダクターゼの合成と、LDL受容体の発現が抑制され、 細胞内のコレステロール量は減少します。 HMG-CoAレダクターゼは、生成物のコレステロールやメバロン酸からフィードバック阻害を受ける、 コレステロール合成経路の、第一の律速段階の酵素です。 コレステロール メバロン酸 LDL受容体生合成 HMG-CoAレダクターゼ合成
3.コレステロール生合成の調節 HMG-CoAレダクターゼの 発現量による調節 (酵素遺伝子の転写による調節) HMG-CoAレダクターゼの (酵素遺伝子の転写による調節) HMG-CoAレダクターゼの 活性による調節 (酵素のリン酸化による調節) それでは、HMG-CoAレダクターゼによる、生合成の調節についてのまとめを行います。 HMG-CoAレダクターゼは、その発現量と酵素活性による調節をうけます。 次に詳しく説明します。
HMG-CoAレダクターゼの 発現量による調節 HMG-CoAの発現は 小胞体にあるSREBPの活性で調節される。 1 細胞内コレステロール量減少時 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の 遺伝子の転写促進 コレステロールの合成と 取り込みを 高める SREBPが 活性化 HMG-CoAレダクターゼの発現量による、コレステロール合成の調節ついてまとめます。 細胞内コレステロールが量が減少した時には、ステロール調節要素結合タンパク質(SREBP)が活性化し、 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の、遺伝子の転写を促進します。 その結果、合成と、取り込みが高まり、 細胞内のコレステロール量は増加します。 反対に細胞内コレステロール量が増加した時は、SREBPが不活性化され、 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の、遺伝子の転写が抑制され、 合成と取り込み量が減少し、 細胞内コレステロール量は減少していきます。 2 細胞内コレステロール量増加時 HMG-CoAレダクターゼとLDL受容体の 遺伝子の転写抑制 コレステロールの合成と 取り込みが 減少 SREBPが 不活性化
HMG-CoAレダクターゼの 活性による調節 HMG-CoAレダクターゼはリン酸化、脱リン酸化によって活性が変化する。 3.インスリンによるHMG-CoA活性化 リン酸化されている HMG-CoA 脱リン酸化促進 酵素活性化 コレステール 合成促進 インスリン HMG-CoAレダクターゼは、リン酸化と脱リン酸化によって活性が変化します。 インスリンは、リン酸化されたHMG-CoAレダクターゼの脱リン酸化を促進することにより、 酵素を活性化させてコレステロール合成を促進させます。 グルカゴンは、HMG-CoAレダクターゼのリン酸化を促進することにより、 酵素を不活性化させてコレステロール合成を抑制させます。 これまで説明したように、コレステロール合成の調節は、種々の因子により行われています。 4.グルカゴンによるHMG-CoAの不活性化 グルカゴン HMG-CoAリン酸化 促進 酵素不活性化コレステロール合成抑制
これで コレステロール合成の調節 の発表を終わります。 コレステロール合成の調節の発表を終わります。 ご清聴ありがとうございました。 ご清聴ありがとう ございました。