J-PARC E15実験 A search for deeply bound kaonic nuclear states

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J-PARC E15実験 A search for deeply bound kaonic nuclear states by in-flight 3He(K-,n) reaction 参加研究機関数 15 参加人数 47

はじめに J-PARC E15 実験 K中間子原子の 2p-1s 状態へのX線測定(KpX, KEK-E228,1997) の教えていること K中間子‐核子間に強い引力が働いているということ この実験事実を踏まえ、L(1405) をKNの強い束縛状態と仮定する K中間子原子核の存在を予言 (赤石ー山崎, 2002) K中間子原子核は 本当に存在するのか? 2番目に単純な構造を持つ K中間子原子核、K-pp に注目 その存否に関し決着をつける J-PARC E15 実験

L 実験手法 K-pp neutron 3He K- p p- 3He(K-,n) 反応による K-pp 状態の直接生成 cluster 中性子測定における 質量欠損によるK-pp状態同定 崩壊 L p p- 終状態荷電のみの崩壊モード この反応では生成されたK-pp 束縛状態 は質量欠損測定および不変質量再構成 の両面から識別可能 不変質量 の再構成

本日の発表の概要 1)E15実験で使用するビームの妥当性 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 前方スペクトロメータ 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 前方スペクトロメータ ビームライン スペクトロメータ 崩壊粒子検出器群 ビーム   スイーパー 中性子カウンター 飛跡検出器等 K- Q D Q 標的 1-1) ビームラインスペクトロメータ 1-2) 3He 標的 1-3) 前方スペクトロメータ 1-4) 崩壊粒子検出器群 1-5) 信号読み出し回路 3)実験建設予算に関する事項 4)実験実施体制

本日の発表の概要 1)E15実験で使用するビームの妥当性 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 ビームライン スペクトロメータ 標的 崩壊粒子検出器群 前方スペクトロメータ ビーム  スイーパー 中性子カウンター K- 飛跡検出器等 Q D Q 1-1) ビームラインスペクトロメータ 1-2) 3He 標的 1-3) 前方スペクトロメータ 1-4) 崩壊粒子検出器群 1-5) 信号読み出し回路 3)実験建設予算に関する事項 4)実験実施体制

E15実験で使用するビームの妥当性 1) (K- ,n) 素過程反応断面積 2) K中間子ビーム強度の運動量依存性 反応断面積の観点から 1.0 GeVビーム付近のビームを使う すなわち K1.8BR ビームラインでの実験実施 K ビーム強度 X 反応断面積 K ビーム強度 X 反応断面積からの観点 K1.8BR最高ビーム運動量近辺での実験実施

E15実験で使用するビームの妥当性 (2) 3He(K-,n) 反応において中性子が受ける運動量移行 前方に放出される中性子運動量 E15実験で使用するビームの妥当性 (2) 3He(K-,n) 反応において中性子が受ける運動量移行 K-pp 状態 束縛エネルギーが100MeVを仮定 入射 K中間子ビーム  1.0 GeV/c 放出 中性子の運動量    1.3 GeV/c ~300 MeV/c 前方に放出される中性子運動量 飛行時間差(Time-Of-Flight)で測定 飛行距離一定 運動量が低い(飛行時間が長い)方が分解能が良い 質量欠損分解能 飛行距離12m    DMx (FWHM)= 28 MeV/c2 @ Kbeam=1.0 GeV/c    DMx (FWHM)= 38 MeV/c2 @ Kbeam=1.1 GeV/c 反応レート と 質量欠損分解能の双方を考慮し、ビーム運動量 1.0GeV/c を選択

本日の発表の概要 1)E15実験で使用するビームの妥当性 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 ビームライン スペクトロメータ 標的 崩壊粒子検出器群 前方スペクトロメータ ビーム  スイーパー 中性子カウンター K- 飛跡検出器等 Q D Q 1-1) ビームラインスペクトロメータ 1-2) 3He 標的 1-3) 前方スペクトロメータ 1-4) 崩壊粒子検出器群 1-5) 信号読み出し回路 3)実験建設予算に関する事項 4)実験実施体制

ビームラインスペクトロメータ 1. SQDQで構成されているビーム光学系 2. VI点と最下流の最終フォーカス(FF)点 でpoint to pointになるようにデザイン ビームラインに設置する検出器群 1.ビームライン飛跡検出器 2.ビームホドスコープ(TOFカウンター) 3.粒子識別 Aerogel カウンター

ビームラインスペクトロメータ : 上流 KEK-PS E471で製作、使用した Beam Line Chamber (BLC) BLC1 有効面積 16cm X 16 cm ワイヤー構成 X-X’ -Y-Y’ 4セット(計16 planes) アノードワイヤー数 32 wires / plane (計512 wires) セルサイズ 5 mm cell ( 2.5mm drift lengh) BLC1 KEK-PS E471で製作、使用した Beam Line Chamber (BLC) BLC1 VI 点での ビームプロファイル BH1 (ビームホドスコープ) 新規製作、BLC1 の上流に設置 シンチレーター 2cm X 6cm X 0.5 cm 最大single rate ~400 kHz 10セグメント、有効面積 20 x 6 cm2

ビームラインスペクトロメータ : 下流 KEK-PS E549で製作、使用した Proton Drift Chamber (PLC) BLC2 有効面積 25cm X 25 cm ワイヤー構成 X-X’ -Y-Y’ 4セット(計16 planes) アノードワイヤー数 32 wires / plane (計512 wires) セルサイズ 8 mm cell ( 4.0mm drift lengh) BLC2 KEK-PS E549で製作、使用した Proton Drift Chamber (PLC) 飛跡検出器を設置する FF-80 cm 点での ビームプロファイル BH2 (ビームホドスコープ) 新規製作、BLC2の下流に設置 シンチレーターサイズ 1.5cm X 6cm X 0.5 cm 最大single rate 450 kHz 5セグメント、有効面積 7.5 x 6 cm2

ヘリウム標的開発現状 平成18年中 4Heガスを用いたテスト 到達温度、熱流入、ガス内部循環の調査 液体窒素タンク 4 Kポット(4 K) 1Kタンク(1.25 K) ヘリウム3熱交換器 ヘリウム3標的容器 平成18年中 4Heガスを用いたテスト    到達温度、熱流入、ガス内部循環の調査 平成19年度夏 3He を使わないテストの終了 平成19年度末 標的実機の完成 試作3He標的容器 

前方スペクトロメータ 中性子カウンター : 0度方向(ビーム軸)に放出される 中性子の運動量を測定(飛行時間差測定) 中性子カウンター :  0度方向(ビーム軸)に放出される 中性子の運動量を測定(飛行時間差測定) 検出器としてはKEK-PS E549 中性子カウンターを移設 E549 中性子カウンター 3.2 m 20X5X150cm3 (幅X厚X長さ)の プラスチックシンチレーター 112本 構成 16枚 X 7層構造 有効面積 3.2m X 1.5m  光電子増倍管、ケーブル、読み出し回路まで 一式込みで移設し使用する。 1.5 m

中性子カウンター設置位置 現在のビームラインデザインで 実現可能最大飛行距離 FF点から12m 中性子カウンターで測定する 質量欠損分解能の飛行距離依存性

ビームスイーパー(二重極電磁石) ビーム粒子を0度方向に設置する 中性子カウンターアクセプタンスから 蹴り出すための電磁石 崩壊粒子検出器すぐ下流に設置 電磁石への印加磁場と 中性子カウンター表面での ビームプロファイルを確認 ビーム粒子の直接ヒットを 抑えるためには 0.7 Tm 以上の磁場強度が必要 KURAMA(0.8 Tm) , @KEK-PS K2 beam line 牛若 (1.05Tm) , @KEK-PS p2 beam line  静 (0.86Tm) , @KEK-PS T3 beam line のいずれかを使用したい (間口の大きさからKURAMAが第一候補)

Cylindrical Detector System (CDS) 崩壊粒子検出器群 Cylindrical Detector System (CDS) ソレノイド電磁石 CDH CDC Solenoid Magnet K- Cylindrical Drift Chamber (CDC) Cylindrical Detector Hodoscope (CDH)

ソレノイド電磁石 口径 1.2m, 最高磁場 0.7T 平成19年3月納品 内部磁場マップ ソレノイド電磁石基本パラメータ 口径 Φ1200mm 磁極長 1200mm 磁場強度 0.7T (Max) 電流 1000A 電圧 350V 直流抵抗 0.3Ω 電力 350kW 水路 34水路 重量 20トン

CDC CDC構造 CDC内径 150mm CDC外径 480mm セルの形状 六角形、ドリフト長 1cm CDC内部 ワイヤー構成 六角形、ドリフト長 1cm CDC CDC構造 CDC内径 150mm CDC外径 480mm 50ns等ドリフト時間等高線 CDC内部 ワイヤー構成 Axial Super layer ( axial wire 3層) Stereo Super layer(stereo wire 2層 U) Stereo Super layer(stereo wire 2層 V) A U V A U V A の計17層構成 読み出し回路   Amp-Discri 新規製作    DAQ     TKO Dr.TII (既存)

CDH CDCを囲むように設置するシンチレータカウンタ シンチレータ: BICRON BC408 光電子増倍管 : Hamamatsu H8409 (ファインメッシュ型) セグメント数: 50 役割: 1) 崩壊粒子トリガー 2) ToF と エネルギー損失を   用いた粒子識別 CDH CDC 信号の読み出し TKO システム (既存) Charge ADC と TDC

p- p- 典型的なイベント L GEANT4 を用いた検出器シミュレーション K-pp 束縛エネルギー 100MeVを仮定 Proton neutron L p- p- Proton Proton

GEANT4を用いた検出器シミュレーションの結果 Λ K-pp state σ(MeV) σ(MeV) Λ momentum (MeV/c) momentum (MeV/c) 終状態の荷電粒子が同一なK-pp状態 の崩壊モード K-pp ➾ Λp ➾ pπ-p K-pp ➾ S0p ➾ gΛp ➾ g pπ-p 崩壊幅 GK-pp= 60 MeV を仮定  Invariant mass of Λp (MeV) ∑ channel Λ channel

トリガー条件 1) K中間子ビームがターゲットに到達したことを保障するために “ビームホドスコープのヒット” 1) K中間子ビームがターゲットに到達したことを保障するために “ビームホドスコープのヒット” “Aerogel Veto 信号” “Kaon decay Veto にヒットがない”        “Beam Veto(標的後方のカウンター)”    の4条件を用い保障 2) 標的において反応が起こったことを保障するために “CDH”のヒット多重度をトリガーに加える。 (最低2枚のカウンターにヒットが存在) 以上を要求し、データを収集する。 予想されるバックグラウンドからのトリガーレート 100-130Hz

信号読み出し回路 飛跡検出器用フロントエンド回路 CDC 用、ビームラインカウンター用どちらも新規製作 KEK 谷口氏 デザインの “Amplifier Shaper Discriminator”  をベースに製作 DAQ 中性子カウンター、CDC、CDH、ビームラインホドスコープ KEK-PS E549で使用したTKOシステムを使った読み出し回路一式を移設 ビームライン飛跡検出器用 KEK オンライングループ開発の新システムCOPPERを使用(新規製作) ビームラインスペクトロメータ 飛跡検出器 COPPER 1024 ch ホドスコープ TKO 30 ch PIDカウンター TKO 2 ch CDC TKO 1842 ch CDH TKO 200 ch (ADC, TDC) 中性子カウンター TKO 224 ch (ADC, TDC)

本日の発表の概要 1)E15実験で使用するビームの妥当性 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 ビームライン スペクトロメータ 標的 崩壊粒子検出器群 前方スペクトロメータ ビーム  スイーパー 中性子カウンター K- 飛跡検出器等 Q D Q 1-1) ビームラインスペクトロメータ 1-2) 3He 標的 1-3) 前方スペクトロメータ 1-4) 崩壊粒子検出器群 1-5) 信号読み出し回路 3)実験建設予算に関する事項 4)実験実施体制

実験建設予算 実験予算総額 195,000千円(特定領域研究、計画研究) 執行済み CDH用 光電子増倍管 11,000千円 CDH用 光電子増倍管 11,000千円 ソレノイド電磁石 42,000千円 平成19年度  CDCの建設  CDC-ビームライン飛跡検出器   フロントエンドボード製作  CDH用 光電子増倍管追加  COPPER システム(一部) 平成20年度  3Heガス  CDH製作  COPPER システム(残数) 検出器移設

本日の発表の概要 1)E15実験で使用するビームの妥当性 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 2)E15実験 検出器についての概要説明および現在の進展状況 ビームライン スペクトロメータ 標的 崩壊粒子検出器群 前方スペクトロメータ ビーム  スイーパー 中性子カウンター K- 飛跡検出器等 Q D Q 1-1) ビームラインスペクトロメータ 1-2) 3He 標的 1-3) 前方スペクトロメータ 1-4) 崩壊粒子検出器群 1-5) 信号読み出し回路 3)実験建設予算に関する事項 4)実験実施体制

実験実施体制 測定器建設に関する参加機関別の責任分担 CDS 建設 CDC設計-建設 理研-KEK-阪大 -大阪電通大 実験責任者: 岩崎 雅彦(理研)、永江 知文(KEK)   測定器建設: 味村 周平(大阪大)、飯尾 雅実(理研)、石元 茂(KEK)、板橋 健太(理研)、 應田 治彦(理研)、大西 宏明(理研)、岡田 信二(理研)、阪口 篤志(大阪大)、 佐久間 史典(理研)、佐藤 将春(理研)、鈴木 隆敏(理研)、関本 美知子(KEK)、 友野 大 (理研)、福田 共和(大阪電通大)、藤岡 宏之(東大)、 溝井 浩(大阪電通大)、 H.C.Bhang(Seoul Univ.), S. Choi(Seoul Univ), C. Curceau(LNF-INFN), C. Guaraldo(LNF-INFN), M. Iliescu(LNF-INFN), P. Kienle (SMI, Austria), D. Sirghi(LNF-IFNF), F.Sirghi(LNF-INFN), D. Pietreanu(LNF-INFN) 測定器建設に関する参加機関別の責任分担 CDS 建設 CDC設計-建設 理研-KEK-阪大         -大阪電通大 CDH設計-建設 理研-KEK ソレノイド電磁石 理研 ビームラインスペクトロメータ用検出器および   中性子カウンター 理研 3He 標的 理研-KEK DAQ 理研

Garfield を用いたフィールド計算 Garfield を用い計算した 等ポテンシャル面 Y [cm] Y [cm] X [cm]     等ポテンシャル面                   Y [cm] X [cm] X [cm]

CDH CDCの周りを囲むシンチレーターカウンター セグメント 60 を両読み PMT ファインメッシュ型 50本すでに購入 セグメント 60 を両読み PMT ファインメッシュ型  50本すでに購入 読み出し回路 TKO(?) 

What we want to do ? Back to the original question Structure inside L(1405) multiquarks state? Double pole resonance ? bound state of K-p ? If we assume L(1405) to be a K-p bound state Second simplest bound state, K-pp, will also exist ( natural extension) Existence of K-pp bund state Will open new door to the physics of K-cluster

中性子カウンターにヒットを作るイベント における p および L からの p p- の運動量分布 3He(K-,n)K-pp →L p → p p- p 中性子カウンターにヒットを作るイベント における p および L からの p p- の運動量分布 Momentum of Proton from L Momentum of pion from L Momentum of Proton

Assumptions 入射K 運動量分解能 Dp/p = 0.02% 中性子カウンター時間分解能 200ps CDC 位置分解能 x-y方向 250mm z方向 2mm K-pp の崩壊比、w/Lambda 対 w/Sigma を1:1で生成 Initial state での不変質量  M12 final state での不変質量  M34 3He K-pp K- n Mass difference |DM| < 52 MeV

DM で選んだK-pp にかんする残っているであろう S の寄与のチェック

ビームラインスペクトロメータ 1. SQDQで構成されているビーム光学系 2. VI点と最下流の最終フォーカス(FF)点 でpoint to pointになるようにデザイン ビームラインに設置する検出器群 1.ビームライン飛跡検出器 2.ビームホドスコープ(TOFカウンター) 3.粒子識別 Aerogel カウンター 実験で使用するK中間子ビーム運動量  1.0 GeV/c、実際に飛跡検出器を置く位置 VI点および FF点の60cm上流 での ビームの拡がり