電子ビームを用いた中重Λハイパー核分光実験JLab E05-115のための散乱電子スペクトロメータの開発 東北大学理学研究科 物理学専攻 後神利志 平成21年
目次 はじめに HESの導入 データの解析 まとめ Λハイパー核の研究 JLab Hall-Cにおける(e,e’K+)反応を用いたΛハイパー核分光実験 HESの導入 Tilt法 シミュレーションによるHESの性能評価 HES側粒子検出器 データの解析 CH2標的 52Cr標的 実データのQFの数から導いた、 52ΛVの予想スペクトラム まとめ
Λハイパー核の研究 u d s Λ JLab ハイパー核とは ハイペロン(sクォークを含むバリオン)が束縛された原子核 Λハイペロン u ハイパー核とは ハイペロン(sクォークを含むバリオン)が束縛された原子核 Λハイパー核研究の意義 ハイペロンは核子からのパウリの排他律を受けない。 核子で占められている深い軌道に束縛可能である。 原子核深部を探るプローブとして有用である。 ハイパー核を生成する反応 (K-,π-) (π+,K+) (e,e’K+) d s Λ KEKやBNL JLab ハイパー核
(e,e’K+)反応 素過程 e+p --> e’+Λ+K+ e’もK+も共に前方にピーク前方検出の必要性 物理的な利点 運動量移行大深い軌道に束縛可能 Spin-flip と Spin-non flip 陽子をハイペロンに変える反応 実験的な利点 高品質な1次電子ビームが利用可能 強度の強いビームを利用可能 薄い標的 エネルギー分解能 良 素過程 e+p --> e’+Λ+K+ エミッタンス エネルギーストラグリング 多重散乱 エンリッチターゲット e’もK+も共に前方にピーク前方検出の必要性
加速器に対する要求 JLab 連続電子線加速器CEBAF (e,e’K+)実験の加速器に対する要求 (e,e’K+)実験E05-115 duty factor 高 ビーム強度 大 エミッタンス 小 エネルギーの分布幅⊿E/E 小 散乱電子とK+中間子の同時測定 反応断面積 小 ( ~100 [nb/sr] ) 高いエネルギー分解能 (~400 [keV] ) これらを提供する唯一の加速器 JLab 連続電子線加速器CEBAF (Int)B dl = 880 2070 [kG・cm] Maximum beam energy 6.0[GeV] Maximum beam intensity 200[μA/Hall] Beam emittance ~2 [mm・μrad] Beam energy spread <1×10-4 Beam bunch interval ~2[ns] (499[MHz]) Hall C CEBAFの概略図
JLab・Hall-Cにおける(e,e’K+)反応を用いた Λハイパー核分光実験 Λハイパー核分光実験 第一世代実験 E89-009 (2000年) 第二世代実験 E01-011 (2005年) 第三世代実験 E05-115 (2009年) 構成 SPL + Enge + SOS 既存のスペクトロメータ SPL + Enge + HKS +Tilt法 new SPL + HES + HKS + Tilt法 ビームエネルギー 1.8 [GeV] 2.344 [GeV] 測定したハイパー核 12ΛB 7ΛHe,12ΛB,28ΛAl 7ΛHe,9ΛLi,10ΛBe, 12ΛB,52ΛV エネルギー分解能 (FWHM) 750 [keV] 470 [keV] 400 [keV] 標的, 厚さ ビーム強度 12C, 22 [mg/cm2] 0.66 [μA] 12C, 100 [mg/cm2] 20 [μA] 12C, 112.5 [mg/cm2] 27 [μA] ハイパー核の収量 (12ΛB g.s.) 0.36 [/hour] 6.4 [/hour] 30 [/hour] (実データのQFの数からの見積もり) S/N (12ΛB g.s.) 0.6 1.6 解析中 e’ 計数率 200 [MHz] 1.0 [MHz] 1.7 [MHz] 8月-11月 ルミノシティ137倍 第一第二 ルミノシティ137倍くらい 1/200
目次 はじめに HESの導入 データの解析 まとめ Λハイパー核の研究 JLab Hall-Cにおける(e,e’K+)反応を用いたΛハイパー核分光実験 HESの導入 Tilt法 シミュレーションによるHESの性能評価 HES側粒子検出器 データの解析 CH2標的 52Cr標的 実データのQFの数から導いた、 52ΛVの予想スペクトラム まとめ
第三世代実験E05-115 セットアップ 3°~ 14.5° 1°~ 14° ビームエネルギー 標的 角度 新設
HESの導入の利点 QQDという磁石構成 角度アクセプタンス 大 HKSとのマッチング 良 粒子収束の自由度 大 角度アクセプタンス 大 HKSとのマッチング 良 ビームエネルギー( 中心運動量~1.0 [GeV/c] ) 増 バックグラウンドがより前方に集中 より前方を検出 ハイパー核の収量 増 52Cr標的
HESのバックグラウンド e’ rate ハイパー核生成に関係した電子 赤 HES側のバックグラウンド 制動放射起因の電子 緑 ハイパー核生成に関係した電子 赤 HES側のバックグラウンド 制動放射起因の電子 緑 Møller散乱起因の電子 青 モンテカルロシミュレーションでそれぞれ150000イベント生成させた 薄緑は見えない。 バックグラウンドである、0o方向に集中するMøller散乱・制動放射起因電子を避けるTilt法を導入 e’ rate 第一世代 第二世代 200 [MHz] 1 [MHz] Tilt法の概略図
Tilt角の最適化 6.5o Figure of Merit (FoM) シミュレーションによる計数率の見積もり Target ハイパー核生成に関与した電子の計数率 S Mφller散乱起因電子の計数率 NMφller 制動放射起因電子の計数率 NBrems シミュレーションによる計数率の見積もり Rateの予想値EHODOの設計 29segments Rateに耐えられるように Target e’ rate [kHz] 10B 480 12C 558 52Cr 1780 ビーム強度 30 [μA] , 100 [mg/cm2] を仮定
シミュレーションによるHESの性能評価 角度アクセプタンス 運動量アクセプタンス 立体角 ハイパー核の収量
角度アクセプタンス HESの角度アクセプタンスが広い ハイパー核の収量が増加 入射電子ビームのエネルギー 1.851 2.344 [GeV] バックグラウンドがより前方に集中 アクセプタンスをより前方へ 第二世代実験E01-011 HESの角度アクセプタンスが広い 1.入射電子のビームエネルギーが増加したことによって、Moller 、Bremsがより前方に集中する。 (Virtual photon起因電子はビームエネルギーの増加に対して、ほとんど角度分布が変わらない。) アクセプタンスをより前方に設定できる。 2.HESの立体角(6.5~7.0[msr])がEngeに比べ大きい。 ハイパー核の収量が増加 第三世代実験E05-115
立体角 運動量アクセプタンス 立体角 ~6.5[msr] w/ splitter Ei=2.344,ω=1.5[GeV] 52ΛV g.s. 測定するハイパー核の生成領域を広くカバーするように設計した。 HKSとHESの運度量の相関 立体角 一様に生成した全粒子の数をNGen 一様に生成した全粒子の立体角をΔΩGen HESの最下流まで通過した粒子の数をNpass ハイパー核の反跳エネルギー(角度に幅がある)の分だけ幅ができる。 特に軽い核は分布が広がる。 それぞれの運動量の絵と一緒に。 Uniformでよろしい。 立体角 ~6.5[msr] w/ splitter
≈ 3~4倍 Λハイパー核収量 の見積もり Target(100mg/cm2) 第二世代実験 E01-011 第三世代実験 E05-115 断面積 100[nb/sr] Target(100mg/cm2) 第二世代実験 E01-011 第三世代実験 E05-115 HKS+Enge+splitter Tilt 法 Ee=1.851 [GeV] HKS+HES+new splitter Ee=2.344 [GeV] 7Li 21.5 /hour 64 /hour 10B 12 /hour 44 /hour 12C 37 /hour 52Cr - 9 /hour ≈ 今回Cr前回Cくらい! 3~4倍 実データ
HES側粒子検出器 e’計数率<4 [MHz] 最下流から撮ったHES側 粒子検出器の写真 Reference plane Rate デザインを決めた 最下流から撮ったHES側 粒子検出器の写真
ドリフトチェンバー ハニカムセル型ドリフトチェンバーEDC1 (10面) ドリフトチェンバーEDC2 (6面) 第二世代実験でも使用 レイヤー構成 xx’uu’(+30deg) xx’vv’(-30deg)xx’ セルサイズ 5 [mm] (ハニカムセル) ガス Ar-C2H6 50/50 位置分解能(x,y) (rms) 86 [μm] , 210 [μm] LNS(現東北大学電子光理学研究センター)におけるテストの結果 ドリフトチェンバーEDC2 (6面) EDC2 レイヤー構成 uu’(+30deg)xx’vv’(-30deg) セルサイズ 5 [mm] ガス Ar-C2H6 50/50 位置分解能 (σ) 310 [μm] N227-L レイヤーの構成 uu’xx’vv’ 有効体積 30H×120W×2T [cm] アノードワイヤー 金メッキタングステン(φ30[μm]) カソードワイヤー Cu-Be (φ60[μm]) セルサイズ 5[mm] 位置分解能 σ=310[μm] 第二世代実験における分解能
シンチレーション検出器 シンチレーション検出器 EHODO1,2 HES側のトリガーカウンター シンチレーション検出器EHODO3 29 low high 1 各カウンター500[kHz]以下に抑えられるように設計した。 実験において、52Cr標的(ビーム強度~8[μA])を用いた際、高い計数率のカウンターで~400[kHz] シンチレーション検出器EHODO3 Time-zero を合わせるカウンター Groupingを考えていた。 30cm = 1ns 粒子の向き 数100[kHz] 8 [μA] で400[kHz]。 予定の30[μA]では大丈夫?? だめならどうする?こりめーたしめる? 実データのEHODO1の粒子のヒットパターン
目次 はじめに HESの導入 データの解析 まとめ Λハイパー核の研究 JLab Hall-Cにおける(e,e’K+)反応を用いたΛハイパー核分光実験 HESの導入 Tilt法 シミュレーションによるHESの性能評価 HES側粒子検出器 データの解析 CH2標的 52Cr標的 実データのQFの数から導いた、 52ΛVの予想スペクトラム まとめ
Missing mass ハイパー核の質量MHY M2HY = (Ee + MT - EK+ - Ee’)2 - ( pe - pK+ - pe’)2 Λ粒子の束縛エネルギー -BΛ = MHY – Mcore - MΛ 標的における粒子運動量ベクトルの導出 reference plane における位置・角度 xf=(xf, xf’, yf, yf’) p = F (xf) モンテカルロシミュレーションにより導出する
コインシデンスタイムTcoin アクシデンタル Λ生成 + アクシデンタル K+同定後 コインシデンスタイム ビームの2 [ns]のバンチ構造が見られる
CH2標的、52Cr標的のMissing Mass Λ 半値幅~4 [MeV] Λ(Σ0)生成 + accidental CH2標的 Σ0 スペクトロメータが機能している! コインシデンスタイム 52Cr標的 Quasi-freeイベントの数 36 [/hour] 見積もり161 [/hour] 検出器のefficiency 解析efficiency
52Cr(e,e’K+)52ΛVの今後の解析で予想される質量スペクトラム 理論計算 P.Bydzovsdy ,photo- and electro production of medium mass Λ-hypernuclei, 2008 実データにおけるアクシデンタルとQF 分布と数、理論計算によるハイパー核の 断面積をもとに作成した予想スペクトラム 今後 検出器のパラメータの最適化 p = F(xf)の最適化 分解能の向上
まとめ 2009年8-11月にJLab・Hall-CにおいてHESを導入し、7Li、9Be、10B、12C、52Cr標的を用いた第三世代ハイパー核分光実験E05-115を行った。 HESの設計・導入 Tilt法 入射電子ビームのエネルギー 増 バックグラウンドがより前方方向に集中 より前方を検出 シミュレーションにおいて、第二世代実験と比較するとハイパー核の収量が3-4倍 データの解析 Λ、Σ0のピークを実験中に確認 HESがスペクトロメータとして機能 検出器のパラメータの最適化 xt = F(xf)の最適化 解析effieciencyの向上 Real event を選ぶカット条件の最適化
Backup
実際の実験における典型的な計数率
Λの反跳運動量とビームの運動量の相関
VP と Brems.のFluxと散乱電子の角度の関係 Ei=2.344[GeV],ω=1.5[GeV]
HESの中心運動量 P(γ,K+)Λで生成断面積が最も大きくなるのは仮想光子のエネルギーω=1.5[GeV]のときである。ω=1.5[GeV]とする為には、 Ee’=Ee-ω =2.344-1.5 =0.844[GeV] この散乱電子のエネルギー領域では、 E2e’ = m2e’+p2e’ ~= p2e’ とみなすことができる。 この為、HESの中心運動量は0.844[GeV/c]をとることにした。
HKS側粒子検出器 2層のドリフトチェンバー(KDC1,KDC2)、3層のTOFカウンター(KTOF1X,KTOF1Y,KTOF2X)、2層の水チェレンコフカウンター(WC1,WC2)、3層のエアロジェルチェレンコフカウンター(AC1,AC2,AC3)、1層のルサイトチェレンコフカウンター、Time-zeroを合わせる為のカウンターKTOF2Yで構成される。
トリガー HKS側 HES側 コインシデンストリガー TOFカウンターのみのトリガー i:グループ番号 ×:AND +:OR HKS側 TOFカウンターのみのトリガー (CP)i=(KTOF1X)i×(KTOF1Y)×(KTOF2X)i WCとACのvetoで作るトリガー (K)i=(WC)i×(AC)i (CP)iと(K)iのコインシデンストリガー (HKS)i=(CP)i×(K)i HKSトリガー HKStrigger=Σ(HKS)i (WC)i=(WC1)i×(WC2)i (AC)i=2/3{(AC1)i×(AC2)i×(AC3)i} (AC1)i=(AC1)iTOP+(AC1)iBOT (AC2)i=(AC2)iTOP+(AC2)iBOT (AC3)i=(AC3)iTOP+(AC3)iBOT 上下のORの2/3 HES側 HEStrigger=(EHODO1)×(EHODO2) コインシデンストリガー COINtrigger=(HKStrigger)×(HEStrigger)
ハイパー核の収量計算1 N[/sec]=C[electron/cm2/sec] ・∬ΓdΩe’dEe’[/electron]・dσγ/dΩK[cm2/sr] ・ΔΩHKS・DecayK+ ここで、 C=( Beam intensity[A]/Elementary Charge[C/electron] ) ・( Target Thickness[g/cm2]・Avogadro number[/mol] /Target Mass[g/mol] ) ----------------------------------------------------------------------------- 12Cの場合(112.5[mg/cm2]、26.8[μA]、5.9[C]、220000[sec]、qf=34000、qfの断面積(仮定)1.5[μb]=1.5*10-30[cm2]) C=(26.8*10-6/1.6*10-19)・(0.1125*6.02*10*1023/12) C=9.45*1035[electron/cm2/sec] 34000/220000=9.45*1035∬ΓdΩe’dEe’*1.5*10-30*0.01*0.326 ∬ΓdΩe’dEe’=3.34*10-5 (12C標的のとき)
ハイパー核の収量計算2 HESのコリメータの位置が52Cr標的のときと12Cのときで異なる。シミュレーションでこの効果を見積もると、 ∬ΓdΩe’dEe’(52Cr)=3.34*10-5 *0.75 52Cr 12C
ハイパー核の収量計算3 N[/sec]=C[electron/cm2/sec] ・∬ΓdΩe’dEe’[/electron]・dσγ/dΩK[cm2/sr] ・ΔΩHKS・DecayK+ ここで、 C=( Beam intensity[A]/Elementary Charge[C/electron] ) ・( Target Thickness[g/cm2]・Avogadro number[/mol] /Target Mass[g/mol] ) ----------------------------------------------------------------------------- 52CrのQFの数の計算値 (154.0[mg/cm2]、7.6[μA]、qfの断面積(仮定)6.5[μb]=6.5*10-30[cm2]) C=(7.6*10-6/1.6*10-19)・(0.154*6.02*10*1023/52) C=8.47*1034[electron/cm2/sec] Nqf=8.47*1034*3.34*10-5*0.75*6.5*10-30*0.01*0.326 Nqf=4.50*10-2 [/sec] Nqf=162[/hour] (52Cr標的の場合) なんで6.5[μb/sr]
Time-zero adjustment ケーブルの長さの違いやモジュールの伝搬時間の違いなどにより、各セグメントで時間情報がばらばらであり、EHODOを面として扱えない。 ソフトウェアで時間情報をそろえる(T-zero adjustment)
EHODO3を用いたT-zero adjustment T1=T2=T3=・・・ となるようにソフトウェアで時間情報を調整する TOF[ns] σ~450[ps] e’ TOF[ns]
EHODO3を用いないT-zero adjustment TOFn,n~=TOFn,n-1であると仮定する。 TOFn,n=TOF0(基準) TOF0=TOFn,n-1が成り立つようにパラメータを合わせる TOF0=TOFn-1,n-1が成り立つようにパラメータを合わせる 1から2を繰り返す Counter ID TOF σ~420[ps] 端の方のカウンターはEHODO3と同時になったイベント数が少なく、EHODO3を用いたT-zero adjustmentが困難であった。 TOFn,n~=TOFn,n-1が成り立つと仮定したが、実際には補正が必要である。 TOFn,nとTOFn,n-1の差異はシンチレータの選び方で2通りあり、それぞれ0.093[ns]、0.164[ns]である。EHODO1とEHODO2の距離は30[cm]であるので、これを粒子の飛行時間になおすと1[ns]である。すなわち、TOFn,nとTOFn,n-1の差異は9.3[%]、16.4[%]に及ぶため、その分の補正が必要である。 TOF
Virtual photon 起因電子分布 入射電子のビームエネルギーが変化しても、ほとんど角度分布の違いは見られない。 第二世代実験E01-011 入射電子エネルギー1.851[GeV] 散乱電子0.35±0.15[GeV/c] 第三世代実験E05-115 入射電子エネルギー2.344[GeV] 散乱電子0.844±0.30[GeV/c] 入射電子のビームエネルギーが変化しても、ほとんど角度分布の違いは見られない。
バックグラウンド1・Mφller散乱電子 Mφller散乱とは電子-電子散乱のことである。 入射電子エネルギー1.851[GeV] 散乱電子0.35±0.15[GeV/c] 第三世代実験E05-115 入射電子エネルギー2.344[GeV] 散乱電子0.844±0.30[GeV/c] Mφller散乱とは電子-電子散乱のことである。 入射電子のエネルギーが大きくなることにより、角度分布が前方により集中する。
バックグラウンド2・制動放射起因電子 入射電子のエネルギーが大きくなることにより、角度分布がより前方に集中する。 第二世代実験E01-011 入射電子エネルギー1.851[GeV] 散乱電子0.35±0.15[GeV/c] 第三世代実験E05-115 入射電子エネルギー2.344[GeV] 散乱電子0.844±0.30[GeV/c] 入射電子のエネルギーが大きくなることにより、角度分布がより前方に集中する。
第一世代実験E89-009(2000年) (e,e‘K+)反応を用いたハイパー核分光実験が可能であることを証明した スペクトロメータの構成 splitter+SOS+Enge 測定した主なハイパー核 12ΛB エネルギー分解能 ~750[keV](FWHM) (当時最高) (e,e‘K+)反応を用いたハイパー核分光実験が可能であることを証明した
第二世代実験E01-011(2005年) 技術の確立 HKS建設エネルギー分解能向上 Tilt法の導入S/Nを劇的に改善 スペクトロメータの構成 splitter+Enge+HKS 測定した主なハイパー核 7ΛHe,12ΛB,28ΛAl エネルギー分解能 ~400[keV](FWHM) HKS建設エネルギー分解能向上 Tilt法の導入S/Nを劇的に改善 技術の確立
EDC1,2 spec
Prediction Singles rate Rate of HES arm Rate of HKS arm Target Beam intensity(μA) e’ rate (kHz) 7Li 15 280 10B 30 480 12C 50 930 40Ca 1620 52Cr 1780 Rate of HES arm Target Beam intensity(μA) π+ rate (kHz) K+ rate (kHz) p rate (kHz) 7Li 15 5.4 0.07 7.6 10B 30 44 0.16 33 12C 50 13 21 40Ca 3.2 0.03 4.9 52Cr 9.7 0.08 Rate of HKS arm
scintillator & PMT E05-115で使用したscintillator E05-115で使用したPMT
HESの構成 EQ1、EQ2 ED それぞれ縦収束、横収束の為の磁石であり、EDに入射する粒子が水平になるようにする。 運動量の異なる粒子を振り分ける。 ED1 Max. Field Gradient 7.8[T/m] Max. Current 800[A] Total magnet weight 2.8[ton] EQ2 5.0[T/m] 3.1[ton] ED Max. Field 1.65[T] 1065[A] 36.4[ton] カレント 磁場の強さ How to optimize?
JLab・Hall-Cにおける(e,e’K+)反応を用いた ハイパー核分光実験 ハイパー核分光実験 第一世代実験E89-009(2000) : 12ΛB スペクトロメータの構成 ・・・ Splitter + Enge+ SOS エネルギー分解能は半値幅で750[keV] 既存のスペクトロメータで測定 (e,e’K+)反応を用いたハイパー核分光実験が可能であることを証明 第二世代実験E01-011(2005) : 7ΛHe,12ΛB,28ΛAl スペクトロメータの構成 ・・・ Splitter + Enge(tilt) + HKS エネルギー分解能は半値幅で470[keV] HKS+散乱電子スペクトロメータの配置の工夫(tilt法) 測定技術を確立 第三世代実験E05-115(2009) : 7ΛHe,9ΛLi,10ΛBe,12ΛB,52ΛV スペクトロメータの構成 ・・・ new Splitter + HES(tilt) + HKS Splitterも含めすべてこの実験専用のスペクトロメータ 軽~中重核の広い領域におけるハイパー核分光 ルミノシティ 200倍 e’側スペクトロメータのsingles rate 1/100 表にする 具体的な数値 S/N ハイパー核の収量 分解能 計数率
中重Λハイパー核の研究の動機 中重Λハイパー核の精密測定 52Cr(e,e’K+)52ΛV s-、p-、d-軌道の束縛エネルギーや断面積 (2009年) 第二世代実験E01-011 (2005年) 第一世代実験E89-009 (2000年) 中重核についてのみでよろしいのでは? 中重Λハイパー核の精密測定 52Cr(e,e’K+)52ΛV s-、p-、d-軌道の束縛エネルギーや断面積 Λの一粒子エネルギーの質量依存性 l・s splitting ∝ 2l+1
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