理研RIBFにおける深く束縛されたπ中間子原子生成

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理研RIBFにおける深く束縛されたπ中間子原子生成       奈良女子大学 木村梨恵(M1 )              山縣淳子              比連崎悟   IFIC Valencia Univ. Li Sheng Geng

Introduction π中間子原子の観測(1950年代~) X線分光 ex) (d,3He)反応 重い核の深く束縛された状態を観測 1996年 Pb標的(2p state)        2001年 Sn標的(1s state)     @ドイツGSI C. Batty, E. Friedman, and A. Gal, Phys. Rep. 287(1997)385 H. Toki, T. Yamazaki, Phys. Lett. B213(1988)129 H. Toki, S. Hirenzaki, T. Yamazaki, R. S. Hayano, Nucl. Phys. A501(1989)653 S. Hirenzaki, H. Toki, T. Yamazaki, Phys. Rev. C44(1991)2472 K. Itahashi, et al. , Phys. Rev. C62(2000)025201 Y. Umemoto, S. Hirenzaki, K. Kume and H. Toki, Phys. Rev C62(2000) 024606 K. Suzuki, et al. , Phys. Lett. 92(2004)072302

π中間子原子の高分解能実験@理研RIBF RIBF-027 K. Itahashi, et al. , (d,3He)反応 Td=500[MeV] Recoilless 標的核 119Sn,120Sn,124Sn,121Sb,123Sb,122Te,124Te,126Te 分解能 ~150[keV](以前の3倍近く改善された分解能) →1つの標的核に対して多くの状態を観測可能? [目的]・中性子分布ρnの不定性を減らす   (→π-A相互作用の不定性を減らし、より精密に決定する)   ・浅い状態をX線分光と(d,3He)反応で観測・比較 アイソトープ アイソトーン

π中間子原子の高分解能実験@理研RIBF RIBF-027 K. Itahashi, et al. , (d,3He)反応 Td=500[MeV] Recoilless 標的核 119Sn,120Sn,124Sn,121Sb,123Sb,122Te,124Te,126Te 分解能 ~150[keV](以前の3倍近くの分解能) →1つの標的核に対して多くの状態を観測可能? [目的]・中性子分布ρnの不定性を減らす   (→π-A相互作用の不定性を減らし、より精密に決定する)   ・浅い状態をX線分光と(d,3He)反応で観測・比較 理論側からの興味、計算のinputに対する結果の依存性 中性子の波動関数 標的核中の各レベルの中性子占有確率 アイソトープ アイソトーン これらの不定性が計算結果に どのような影響を与えるか? Y. Umemoto, S. Hirenzaki, K. Kume and H. Toki, Phys. Rev C62, 024606(2000) 生成断面積の理論的な評価を行う (有効な実験のガイドの為にも必要!)

Formulation(Structure) H. Toki, S. Hirenzaki, T. Yamazaki, R. S. Hayano, Nucl. Phys. A501(1989)653 Klein-Gordon方程式を用いた構造計算 M. Ericson and T. E. O Ericson, Ann. Of. Phys, 36(1966)496 R. Seki, K. Masutani, Phys. Rev. C27(1983)2799

Numerical Results π中間子の波動関数とエネルギー 120Sn 1s 状態 BE=3878 (keV) Γ=335.9 (keV) 2p 状態 BE=2281 (keV) Γ=122.0 (keV) 3d 状態 BE=1044 (keV) Γ= 2.54 (keV)

Formulation(Reaction) Bound state Only Y. Umemoto, S. Hirenzaki, K. Kume and H. Toki, Phys. Rev C62, 024606(2000) Effective Number法による生成断面積の計算 Neff ‐歪曲波インパルス近似 ‐アイコーナル近似(歪曲波) :素過程断面積(実験データ) Neff= 標的核の軌道jnに存在する中性子の占有確率 軌道jnからpick upされて できたホールの相対励起強度 :Q値

中性子の波動関数 中性子占有確率 120Sn jn=3s1/2 H. Koura, M. Yamada, Nucl. Phys. A671(2000)96 120Sn jn=3s1/2 中性子占有確率  

π中間子原子の生成断面積 120Sn(d,3He) Y. Umemoto This Work Exp. @GSI FWHM300keV Y. Umemoto, S. Hirenzaki, K. Kume and H. Toki, Phys. Rev C62(2000) 024606 Exp. @GSI FWHM394kev K. Suzuki, et al. , Phys. Lett.92(2004)072302

中性子の波動関数 標的核中の 中性子占有確率   M. A. G Fernandes and M. N. Rao, J. Phys., 3, 10(1977)1397 E.J. Schneid, A. Prakash, and B.L. Cohen, Phys. Rev.156,1316(1967) (実験) (理論) L. Geng, T. Toki, S. Sugimoto, and J. Meng, Prog. Theor. Phys. 110(2003)921 3s1/2 120Sn 124Sn 122Te 126Te 実験値 0.7 0.8 0.335 0.50 理論値 (deformed) 0.525 0.777 0.022 0.054 (spherical) 0.54 0.78 0.41 0.69

中性子の波動関数 中性子占有確率   M. A. G Fernandes and M. N. Rao, J. Phys., 3, 10(1977)1397 E.J. Schneid, A. Prakash, and B.L. Cohen, Phys. Rev.156,1316(1967) (実験) (理論) L. Geng, T. Toki, S. Sugimoto, and J. Meng, Prog. Theor. Phys. 110(2003)921 3s1/2 120Sn 124Sn 122Te 126Te 実験値 0.7 0.8 0.335 0.50 理論値 (deformed) 0.525 0.777 0.022 0.054 (spherical) 0.54 0.78 0.41 0.69

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核120Sn,124Sn 120Sn(d,3He) 124Sn(d,3He) (1S)π⊗(s1/2)n-1 (1S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核122Te,126Te 122Te(d,3He) 126Te(d,3He)

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核122Te,126Te 122Te(d,3He) 126Te(d,3He) (1S)π⊗(s1/2)n-1 (1S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1   (S1/2)=0.335   (S1/2)=0.50

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核122Te,126Te total total 122Te(d,3He) 122Te(d,3He) 126Te(d,3He) (1S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1 (S1/2)=0.022 (S1/2)=0.054

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核122Te,126Te total total 122Te(d,3He) 122Te(d,3He) 126Te(d,3He) (1S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1 (S1/2)=0.022 (S1/2)=0.054

ここまでの計算で… (d,3He), Td=500MeV π中間子原子の生成断面積の 理論的評価 Effective Number 法  ここまでの計算で… (d,3He), Td=500MeV π中間子原子の生成断面積の 理論的評価 Effective Number 法 標的核 120Sn, 124Sn, 122Te, 126Te 120Sn, 124Sn は1s,2s,3s などの状態がピークとして見える。 Teは  と   を用いた場合で断面積が大きく異なる。 中性子波動関数による生成断面積の変化    (2倍程度、断面積の絶対値が変化する。) 122Teは1s, 2s, 3s 、126Teは 1s, 2s, 3s状態の構造が見える。 122Te, 126Teは s-holeの寄与が小さくなり、 詳細な構造を見るのは難しそう。 理論計算にある程度の不定性が存在する場合がある。

計算結果を基にした議論 (早野氏、板橋氏、伊藤氏)@Chiral 07 122Sn ターゲットに注目 理論計算の信頼性が高い(Foの不定性を避けられる。) Isotone 122Sn, 123Sb, 124Teへの拡張の可能性 以前の他のSnアイソトープのデータが参考にできる 観測量としてBE(1s)-BE(2s)に注目 ρnの不定性による Systematic error の減少 実験誤差が少ない(統計は必要)         高分解能実験の恩恵!         (1sと同時に2s状態も観測できる)

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核122Sn 122Sn(d,3He) (1S)π⊗(s1/2)n-1 (2S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1

Numerical Results π中間子原子の生成断面積 標的核122Sn 122Sn(d,3He) 122Sn(d,3He) (1S)π⊗(s1/2)n-1 FWHM 150 keV FWHM 394 keV (2S)π⊗(s1/2)n-1 (3S)π⊗(s1/2)n-1

EXPERIENCE at GSI FWHM394keV  THEORY FWHM394kev THEORY FWHM150kev

EXPERIENCE at GSI FWHM394keV  THEORY FWHM394keV  THEORY FWHM150kev

2sのピークも EXPERIENCE at GSI FWHM394keV THEORY FWHM394keV THEORY 見えるでしょう。

Summary Future Work 120Sn, 124Sn, 122Te, 126Te標的の場合の 断面積の評価. エネルギーの高分解能の重要性を示した。 Future Work 122Snのスペクトラムに加えて、  Isotope, Isotoneのスペクトラムよりπ-A相互 作用を精密に導く最適の方法・観測量を更に 理論的に検討.

中性子占有確率Fo 中性子占有確率… それぞれの軌道にどれくらい中性子が詰まっているかを表す Shell model 陽子 中性子 Fo Ε:一粒子エネルギー Shell model 陽子 中性子 2d3/2 1h11/2 3S1/2 1g7/2 Fo 2d5/2 50 50  閉殻 50個 (100%詰まる) 1p3/2 1p3/2 1p1/2 1p1/2 1S1/2 1S1/2

this work – umemoto 3倍近くー1割程度の誤差にし たい (核子密度分布・考えている分解能の違いを除く) 中性子占有確率 わざわざ理論計算? 実験データ…論文が少ない上に、値がまちまち(   ) →理論計算と比較した →実験値は変形効果を取り入れた計算ではなく、取り入れずに 計算した方が値が近かったのでよく分からない 中性子の波動関数 this work – umemoto 3倍近くー1割程度の誤差にし たい    (核子密度分布・考えている分解能の違いを除く) 相対比は1割程度しか変わらないーーよい近似? (BE、Widthはピークの高さは問題ない)

122Sn spherical deformed    EXP   > 1g7/2 0.975 0.967 0.667 > 1h11/2 0.325 0.350 0.667