Visual Basicによる 大気環境計測機器の制御プログラムの開発

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Visual Basicによる 大気環境計測機器の制御プログラムの開発 交通電子機械工学課程 2001807 加藤翔大

発表内容 研究の目的 各計測機器の概要について 計測機器の統合制御について 開発したプログラムの概説 まとめ

研究の背景と目的 今まで独立に計測していたPSAP, ネフェロ メーター, OPCの3種の大気中微粒子(エアロ ゾル)環境計測機器を1つのノートPC(OS: Windows XP)によって統合して計測するシス テムを製作する(インターフェイス:RS-232C + USB ポート)。 計測機器の制御プログラムをVisual Basic  (VB)6.0で製作。

PSAP(Particle Soot/Absorption Photometer)について Radiance Research社製 粒子・煤光吸収計。大気中の微粒子による光の吸収係数を実時間計測する装置。 データは1秒毎に出力され、RS-232C経由でターミナルモードによりパソコンに記録・保存していた(従来の方法)。

PSAPの原理(Integrating Plate法)の模式図 LED(567nm) 空気の流れ オパールグラス O-リング 粒子が蓄積 フィルターホルダー フィルター 参照信号 光検出器 図はフィルターセットアップ部分を示す。サンプル大気はポンプによって左の穴に引かれ、微粒子はフィルターの上に蓄積される。右側は参照測定を示し、大気は引かれない。567nmのLEDを使い、フィルターの透過率の変化から、光吸収係数を求る。

ネフェロメーターについて 積分型ネフェロメーター、Radiance Research社M903。大気中の微粒子による光散乱係数を、気圧、温度、相対湿度と共に実時間計測する装置。 データは5分平均値が内臓RAMに記憶され、同時にRS-232Cに1秒毎に出力される(従来、後でRAMのデータをターミナルモードで読み出していた。)

積分型ネフェロメーターの原理模式図 白色光源 干渉フィルター(530nm) 光検出器 散乱領域 (キセノンフラッシュランプ) 干渉フィルター(530nm) 光検出器 散乱領域 上図は積分型ネフェロメーターの原理の模式図を示している。光源により照射され、検出器の視野範囲と重なる領域を、散乱領域として示している。ネフェロメーターは、この領域から信号を得ることで、散乱された光を角度積分することにより、空気中のエアロゾルによる光散乱係数を計測することができる。

OPC(Optical Particle Counter) について リオン(株)製、光散乱式自動粒子計数器・型式KC-01Dを使用。大気中の粒子を5段階に分級し、各粒子数を指定流量単位毎に実時間計測できる。 制御及びデータの読み出しは、RS-232C経由でパソコンで可能。従来、10分に1度、2分間だけ。また、2分計測、10秒の間を空けて繰り返される方法の2種類のモードで連続観測を行っている(PC-9801, N88-BASICを使用)。

OPCの仕様 光源 半導体レーザー 波長: 780nm 光軸交角(θ): 70° 集光半角(β): 27° 光軸交角(θ): 70° 集光半角(β): 27° 試料空気量: 0.5 L/min (通常設定) 粒径区分: 5段階(0.3,0.5,1,2,5μm)の粒径以上の粒子数を測定 OPCは、光源(白色ランプまたはレーザー)からの光をエアロゾルを含む試料空気に照射し、その領域を通過する粒子による散乱光を光検出器で検出する。その信号の大小により粒径を弁別することにより粒径別の個数密度を計測する。

従来の配置図

計測機器の統合制御 USB-RS-232Cの変換ケーブルを用いて、PSAPとネフェロメーターの2つをUSB-HUBを介してUSBポートに接続(それぞれCOM4, 5指定)。OPC(KC-01D)に関しては、RS-232Cポート(COM1指定)を使って接続した。

接続図

VBによるPSAPのデータ記録 今まで、PSAPの計測はRS-232CによってWINDOWSのハイパーターミナルを用いて行われていた。計測の形式は、タイマーで1時間に1度15分ポンプを動かし、1秒毎にtextでデータをとっており、膨大なデータ量になっていた。 本研究でVBによって製作したプログラムは、1秒毎のデータを1分平均に換算して自動的にHDに記録・保存するものである。

PSAP用プログラムのオブジェクト画面 吸収係数 フィルターの透過率 フィルターの透過率

PSAP用プログラムのフローチャート

VBによるネフェロメーターのデータ記録 ネフェロメーターでは、自動的に5分平均で内臓RAMにデータが保存され(ロガーモードで21日分まで)、後でRS-232CでPCに出力していた。 本研究でVisual Basicによって製作したプログラムは、1秒毎のデータを1分毎に平均して自動的にHDに記録・保存するものである。

ネフェロメーター用プログラムのオブジェクト画面 温度 散乱係数 相対湿度 気圧

ネフェロメータによる計測 温度 散乱係数 相対湿度 気圧

ネフェロメーター用のプログラムのフローチャート

VBによるOPCの制御・データ記録 本研究でVBによって製作したプログラムは、従来の計測方法に対応して2種類作成した。 10分のインターバルで、計測時に30秒のレーザー及びポンプの暖気運転を挟み、2分間計測する。 2分間の計測を10秒の休止時間を間に挟んで計測し続ける。

OPC用のオブジェクトの画面 粒径

OPCによる計測

OPC用の10分間隔の計測プログラムのフローチャート

OPC用の連続計測のプログラムのフローチャート

まとめ 3種の大気微粒子環境計測機器を1台のノートPCによって 統合して計測するシステムを製作。 Visual Basicで開発したプログラムが干渉することなく同時 に動き、1台のPCで機器のデータ記録が可能になった。 1つのPCで動かす際、USBポートをHUB及びUSB-RS- 232C変換ケーブルでComポートを増設することで動作する ことを確認。これにより、計測機器の増設が可能になった。 今後、実際の計測に運用する予定である。